Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
あの後、騒ぎを聞きつけた数学のタイム先生が慌てて駆けつけ、レホール先生をこっぴどく叱りながらそのまま連行してくれたおかげで、ショウはようやく解放された。
精神的な疲労に苛まれつつも、放牧・修行用に開放しているファーム島へ向かうため、自室へと戻ろうとした。その途中、廊下でばったり出くわしたネモと少し話をしていると、「えっ、ショウのファーム!? おもしろそう~! 連れてって~!」となぜか意気揚々とついてくることになった。
二人が転移ゲートを通ってファーム島に到着すると、そこにはショウの手持ちポケモンたちとパートナーデジモンたちが、それぞれのスタイルで思い思いの時間を過ごしていた。
「ここは比較的過ごしやすい気候にしているから、エリアの一部をポケモン用に解放してるんだ。他のエリアは特定のデジモン種族の環境に合わせているんだけどな」
「わぁ~、すごーい! 強そうなデジモンやポケモンがたくさんいる~! ねぇショウ、あたしバトルしてもいい!?」
ネモの相変わらずのバトルマニアっぷりに苦笑しつつも許可を出すと、彼女は目を輝かせて「いざ勝負だ~!」とデジモンたちの群れに向かって一目散に駆け出していった。
「まあ、みんなには手加減するように言い含めてあるから大丈夫だろう」
ショウは呆れ半分にそう考えると、のんびりと過ごしているポケモンたちのエリアへ向かった。
最初に仲間になったイーブイから進化したエーフィと、チャンプルジムで活躍したデンリュウは木陰で仲良く昼寝をしており、オドシシとルガルガンは角や爪を研ぎながら技の精度を高める練習に励んでいた。オヤブンのリングマとサナギラスは、どっしりと腰を下ろしてネモとデジモンたちの熱いバトルを高みの見物と決め込んでいる。
そして、フリッジジムで大活躍したファイアロー、アーマーガア、そしてムクバードから凛々しく進化を果たしたムクホークは、グリフォモンや他の飛行系デジモンたちと大空を優雅に駆け抜けるレースを楽しんでいた。
ショウの気配に気づいて嬉しそうに近寄ってきたのは、現在すくすくと育成中のメラルバと、カラフジムで活躍したエクスレッグだった。
「よしよし、元気にやってたか?」と甘えるように頭を寄せてくるメラルバを優しく撫でていると、目を覚ましたエーフィまでもが「自分も撫でて!」と言わんばかりにショウの膝元へ頭を擦り付けてきた。
一通り手持ちポケモンたちの相手をし終え、ちょうどネモのバトルが一区切りついたタイミングでショウは彼女の元へ近寄っていった。
「お疲れさん。どうだった、うちの仲間とのバトルは?」
「ああ、すごいなこの子。もしテイマーになるなら、あっという間にプラチナランクまで登り詰める才能があるぞ」
ネモの手加減相手を務めていた完全体──シャウジンモンが、その筋筋の良さと鋭い戦術眼を感心したように褒めたたえた。
「えへへ、ありがとう!」
「ホントホント! 指示が的確だった!」
「我々相手にでここまで立ち回れるとはな」
「すごかったよー! 見ててハラハラしちゃった!」
周囲で観戦していたガルダモン、ギガドラモン、シャッコウモンたちも、口々に相槌を打ってネモの戦いぶりを絶賛した。
「おっ、いたいた! ショウ〜!」
賑やかな歓声の中、声をかけられて振り返ると、シャウジンモンとどこか似た姿のデジモン──サゴモンがこちらへ向かって歩いてきた。
「お師匠様に頼まれてたヤツが出来上がったから、持ってきてやったぞ!」
「サンキュー、サゴモン! 助かったよ」
「『人数分より多めに作っておいた』って言ってたぞ〜」
「わざわざ届けてくれてありがとうな。あっ、これみんなで食べてくれ!」
ショウは感謝の印として、ムクロジのお菓子をサゴモンに手渡した。
「おう、サンキュー! じゃあオイラもお師匠様の所に戻るね〜!」
サゴモンは嬉しそうにお菓子を受け取ると、ひらひらと手を振りながらファーム島から出ていった。
「ねぇ、ショウ。それってなぁに?」
「ん? ああ……これはな。まずハルトがキタカミからに帰ってきてから教えるよ」
「え~気になる! でもいいよ! じゃあハルトが戻ってくるまで、今度はショウのポケモンたちとバトルさせてー!」
「やっぱりそうなるか……!」
結局、日がすっかり沈んで星空が広がるまで、ネモの留まることを知らない熱いバトルリクエストは続くのだった。