Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
あの後、念のために用意していたムクロジの最高級ケーキをサヨに差し出すことでなんとかその場を和ませ、無事に許してもらったショウ。安堵の息を漏らしながら自分のテイマールームへと戻る道すがら、すれ違う他のテイマーたちと挨拶や軽口を交わしていると、ふと後ろから賑やかな声が飛んできた。
「おーい! ショーウ!」
遠くから呼ばれた方に振り返ると、3人の男女がこちらに向かって勢いよく走ってくるのが見えた。
「久しぶり!! 元気だったか?」
そう満面の笑みで声をかけてきたのは、【ライトファング】に所属する同期で友人のテイマー・ヒデトだった。
「おっ、久しぶり。ヒデトの方も元気だったか? ……っと、委員長とお嬢も揃って、みんな久しぶりだな」
「「そのあだ名、いい加減にしてくれない(くれませんか)?」」
ショウの軽口に、同じく【ライトファング】のテイマーであるサクヤと、【ナイトクロウ】のテイマーであるアリサが揃って抗議の視線を向ける。
「そういえば、アイツは?」
「アイツって……あぁ、エイジ君のことですか? 彼ならヒョウガさんたちと一緒に別のミッションで出払っていますよ」
アリサが呆れたように答える。エイジといえば【ナイトクロウ】に所属するテイマーであり、ショウの良きライバル兼友人だった。
「そうか……まぁ、いいや。ところで、お前たち三人揃ってなんか用か?」
ショウが首をかしげると、ヒデトがニヤニヤしながら本題を切り出した。
「 ……実はな、お前が特別に申請して新しくこしらえたちょっと特殊な『ポケモン用のファーム島』、あそこに俺たちを連れていってくれないか?」
「ファーム島って……俺がこっちに持ち帰ったポケモンたちのために新しくプライベート申請したやつのことか?」
「そうよ。ほら、セキュリティの都合上、他の人のファーム島には勝手に出入りできないルールでしょ? だからショウが帰ってくるのを待って、こうして許可を取りにきたのよ」
サクヤがもっともらしい理由を説明する。
「いいけどさ……俺の好みに合わせて集めた顔ぶれだから、お前らの好みに合うかどうかは保証しないぞ」
「構いません。ゲームやアニメではない、本物の生きたポケモンをこの目で直接見られるのですから」
アリサが真面目な顔できっぱりと言い切ると、ヒデトやサクヤも大きく頷いた。
「なら許可する。ただ、その前にまず俺のマイルームに寄らせてくれ。しばらく留守にしてたんだ、顔を見せないとあいつも心配してるだろうし」
「サンキュー!! いやぁ、どんなポケモンが待ってるのか楽しみだなぁ!」
「ショウのことだから、ユキハミとかは絶対いそうね」
「たしかイーブイの進化形も何匹か保護しているという話でしたね……」
ショウが許可を出すと、3人はワクワクした様子で楽しげに言葉を交わしながら、その後ろをついて歩いていった。
やがてショウたちの専用居住区画にあるマイルームに到着すると、ショウはドアを開けながら少し大きめの声を張り上げた。
「ただいまー。ショートモン、いるかー?」
少し待つと、奥からパタパタと足音が聞こえてきて、扉の向こうから元気な声が返ってきた。
「おかえりーっ、ショウ!! ずっと心配してたんだよ、無事で本当に良かったぁ……!」
そう言って嬉しそうに駆け寄ってきたのは、ハウスキーパーデジモンのショートモンだった。
「ごめんなぁ、ショートモン。心配かけて悪かったな」
「無事に帰ってきてくれたなら、もうそれだけで何よりだよ!」
ショートモンがホッとしたように笑ったその時、ショウの後ろに控えていた3人の来客に気がついた。
「あ、ヒデトたちもいらっしゃい! よかったら、今からお茶とお菓子を用意するね」
ショートモンの温かい気配りに3人がお礼を言うと、ショウは「それじゃあ、ちょっとファーム島の方に行ってくるわ」と告げた。
「分かったよ!! 美味しいお茶菓子、あっちの島まで持っていくね!」
ショートモンは嬉しそうにパタパタと手を振り、快く送り出してくれたのだった。