Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
しばらく質問への返答を続けていたら、エイジがどこか言いづらそうに口を開いた。
「なぁ……実は言わないつもりだったんだが、我慢できないから言わせてくれ」
「何?」
「尋常じゃない視線をふたつ程感じるんだが、触れない方がいいのか……?」
「気にするな。食いしん坊万歳たちがお菓子の残りか、ショートモンの頭か尻尾を狙っているだけだ」
「えっ!?」
ショウの言葉にショートモンは驚愕した。
『フィイー……』『ハミミ……』
視線の正体は、おやつをもらえなかったエーフィと、最近捕まえたユキハミであった。
「器用にユキハミを頭に乗せていますね……」
「ねぇ! ショウ、さっきのって本当なの!?」
「まあショートモンの頭はそのまんまショートケーキだし、尻尾はホイップクリームだからね」
「たしかに美味しそうに見えるもんな」
「ヒェ!??」
ヒデトにまでそう言われたショートモンは、恐怖のあまりショウの後ろへと素早く隠れた。
「大丈夫だ。エクスレッグ、2体に軽く【ダメおし】!」
『レッグ……』
ショウがそう指示すると、エクスレッグは威力を極限まで抑えながら、ユキハミには軽いデコピンを落とし、エーフィにはチョップで対応した。
「ありがとうな、エクスレッグ」
『レッグ……』
エクスレッグにお礼を言い、痛みに悶えている2体に向き直ると、
「もうすぐご飯にするから我慢しなさい。特にエーフィ、今日はお前の一番好きなBLTサンドにするからな」
そう言うと、2体は渋々納得した様子でエクスレッグと一緒に離れていった。
「しかし、ここは木の実しかないうえ、ウルガモス達が見張りをしているから、勝手に沢山は食べられないはずなんだけどな……?」
「誰かが不法侵入(?)してきてるってこと?」
「かもしれん。念のため見つからないように監視カメラを設置しているから、確認してみるか」
「そうしてみたら?」
手元の端末でカメラの映像を確認してみると、他の手持ちポケモンたちが静かに寝ているなか、エーフィたちがむっくりと起き出し、どこかへと歩いていく姿が映っていた。
別の監視カメラの映像に切り替えると、画面の向こうには見覚えがありすぎる人物たちが、エーフィたちを笑顔で撫で回していた。
「……サヨリーダーとミレイさんだな……」
「そうですね……あっ、見てください。ジャーキーをあげてますね」
「……よし!! ちょっとあの2人に文句を言ってくる」
そう言うと、ショウは文句を言いに行くべく勢いよくファーム島から出ていった。
「俺たち……どうする?」
「ポケモン達とたっぷり触れ合えたし、そろそろ帰ろうかな」
「そうですね、邪魔になるのも野暮ですし」
残された4人はショートモンと一緒にファーム島から戻り、それぞれの自室へと帰っていった。
……ちなみにその後、「あの冷静沈着なサヨリーダーとミレイさんがショウのファーム島に極秘で忍び込んでポケモンたちと戯れている」という噂が、セキュリティチーム内に瞬く間に広がることとなった。
翌日になり、ショウはとある指定の場所へと向かった。
「これで俺も、プラチナに行ける……頑張らないとな」
ショウはキュッと表情を引き締めながら、ランクアップ試験の控え室へと足を踏み入れるのだった。