Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
ランクアップ試験に合格できた翌日には、再びポケモンの世界へと向かうための準備を始めた。パルデアで消費した各種回復アイテムを大量に買い足したり、久しぶりにフリーミッションを受けてデジタルワールドの各地を巡りながら報酬をもらったりして過ごすこと2日。いよいよ出発の日を迎えた。
「それじゃあ、行ってくるな。ショートモン、留守を頼むぞ」
「ハーイ! 気をつけて、頑張ってねショウ!」
ショートモンと笑顔で挨拶を交わしてマイルームを後にし、報告と最終調整のためにユニオンルームへと向かった。
ユニオンルームの扉を開けると、そこにいたのはサブリーダーのパルサ一人だけであった。
「失礼します。……あれ? パルサさんだけですか?」
「うん。コウ……じゃない、リーダーは今席を外していてね。コマチは新人の訓練視察に出かけているんだ。だから今は僕だけなんだよ」
「そうだったのですね。今からパルデアへ向けて出発するので、挨拶をしておこうと思い来ました」
「了解したよ。リーダーが戻ったら伝えておくね。……あ、ソウマ先輩からは『あちらの世界では大きな問題は起きていない』と報告を受けているよ。……だけど、実は『こちら側』でひとつ問題が起きてしまってね」
「何かあったんですか……?」
出発の挨拶だけのつもりだったが、パルサの神妙な面持ちに胸騒ぎを覚えたショウは、詳しく話を聞くことにした。
「実は一昨日、悪質なハッカー集団のアジトが特定されてね。急遽、ヒョウガさんとゴールドランクのテイマー数名で捕縛作戦を行ったんだ。だけど、そのハッカー集団は追い詰められた末に無理やりゲートを開け、別の世界へ逃げ出そうとしていてね」
「……」
「ハッカー集団自体は無事に全員捕まえられたんだけど、その拍子にゲートが暴走してしまってね。たまたま近くにいたテイマーが吸い込まれかけてしまい、それとっさに庇ったヒョウガさんのズィードミレニアモンが、代わりにゲートへ吸い込まれてしまったんだ。……ただ、吸い込まれる直前に体の一部を切り離したおかげで本体は難を逃れたそうなんだが」
「そうだったんですか……。って、ヒョウガさんのパートナーなんですから、一部とはいえ暴走したらかなり危険なんじゃ……!?」
パルサの説明を聞いて一瞬安堵しかけたショウだったが、すぐにその影響の恐ろしさに気づいて顔を青くした。
「――それについては安心してくれ」
入口からかけられた力強い声に振り返ると、不在だったリーダーのコウが部屋へ入ってくるところだった。
「先ほど解析が完了し、飛散したミレニアモンの一部が飛ばされた先は、どうやらショウが向かうポケモンの世界だと判明した。故に、今回の調査と回収のためにヒョウガさんも共にパルデアへ行くことが決まった。そして……これは以前から決定していたことだが、【ナイトクロウ】からもテイマーを1人派遣することになった。ショウ、君はふたりと協力してこの非常事態に対応してほしい」
「了解しました!」
コウからの正式な命令を受け、ショウはビシッと敬礼して了承した。しかし、ひとつ気になる疑問を投げかけた。
「あの、【ナイトクロウ】から派遣されるテイマーというのは、一体誰なんですか?」
「君と同期のテイマーだから安心してくれ。ふたりはすでに時空間ゲート前で待機しているはずだ。このまま向かってくれ」
そう言葉を濁してはぐらかされてしまったため、ショウは疑問を抱えつつも、指示に従って時空間ゲートへと足を向けるのだった。