Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
翌日になり、オモダカがパルデアへ戻ったと連絡が入った。直ちに連絡を取って昨日話し合った内容を伝えると、二つ返事でエリアゼロ調査の許可を出してくれた。
その後、ハルトにも連絡を入れると、快く協力を承諾してくれた。しかし、ハルトたちは既にエリアゼロ内部へ入っているとのことだったため、現地で合流することにした。
ショウはヒョウガと共に大穴を下り、エリアゼロ内でハルトたちを探していると、
「ショーウ! こっちこっち!」
ショウたちの姿に気づいたハルトが大声で手を振って呼んでくれた。
「久しぶり、ショウ! 元気そうだね! ……後ろの人は?」
「あぁ、久しぶりハルト。この人は、俺の師匠の1人のヒョウガさんだ」
「初めまして、ヒョウガという。教え子であるショウがいつも世話になっているね」
「僕こそ初めまして、ハルトです!」
お互いに丁寧な挨拶を交わしたその時、タイミング良くブルーベリー学園の教師であるブライアと、現地の生徒であるゼイユ・スグリの姉弟がショウたちの元へ到着した。
「ハルト君、彼らは……?」
「あっ、ブライア先生。この人たちは……」
ハルトが二人を紹介しようとしたその瞬間──突如として甲高い不快な電子音が大気中に鳴り響いた!
「何!? なんなのよ!?」
「な、何なん!?」
事態が飲み込めずゼイユとスグリが動揺の声を上げると、ハルトたちから少し離れた上空に禍々しい光の渦が発生し、そこから巨大な「何か」が姿を現した。
空間を破って現れたのは2体。
1体は全身を禍々しい黒いレザーで覆われた、不気味でおぞましい姿。
もう1体は、中央に巨大な単眼を宿した、底知れぬ闇の体を持つ異形の存在であった。
その2体が出現した瞬間、ハルトたちは周りの空気が一気に激重になり、まるで水の中に沈められたかのように息が苦しくなる強烈な威圧感を肌で味わった。
「あれはデスモンの黒……と、もう1体は初めて見るな。ヒョウガさん、あれって?」
「あいつはディージャンモンだな。最近発見されたばかりの新種の究極体だ」
「へー、あれが……。ちょっとデータが欲しいですね」
あまりの異常事態にもかかわらず、ショウとヒョウガの二人はどこまでも呑気に観察しながら会話を交わしていた。
「ちょっとぉ! あんたら何呑気に話してんのよ! あれ、どう見てもヤバすぎる奴らでしょ!?」
必死な様子でゼイユが怒鳴りつけると、
「まあ、俺たちはこういうのに慣れてるし、この程度の気圧・威圧なら大した問題じゃないからな」
「──その通りだなっ!!」
ヒョウガがそう応じると同時に、彼らの周囲から先ほど以上の壮絶な【デジソウル】がドッと放たれた! 2体の究極体が発していた圧迫感が強引にかき消され、周囲の空気が一気に軽くなってハルトたちも呼吸を取り戻した。
「ハルト君、君は他の人たちを連れて、まずは『ゼロラボ』って場所へ向かってくれ。俺とショウでコイツらをサクッと片付けてから、後を追うから」
ヒョウガの言葉に、ハルトは一瞬だけ思案すると、即座に決断を下した。
「わかりました。僕たちがここにいると、かえって足手まといになりますもんね。ブライア先生、ゼイユ、スグリ、行こう!」
「しかし、あの異形を前にして置いていくなんて……!」
「出来れば早く移動してほしいですね。本格的な戦闘になれば、ここら一体は巻き込まれて危険ですから」
難色を示すブライアに対し、ショウは淡々と、しかし静かに釘を刺した。
「……わかった。ハルト君、すまないが案内を頼めるかい」
ショウの気迫に押されたブライアは覚悟を決め、ハルトの案内に従って奥へと移動を開始した。
ハルトたち4人の姿が視界から完全に消えたのを確認すると、ショウとヒョウガは手元のデジヴァイスを掲げ、周囲へ戦闘用デジタルフィールドを一瞬で展開させた。
「リアライズ……ドルゴラモン!!」
『グオオオォォーッ!!』
凄まじい咆哮とともに、巨大な破壊竜・ドルゴラモンが重厚な姿を現したのだった。