Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
放課後
放課後になり、アカデミーの案内をアリサから頼まれたショウは、校内を案内して回っていた。その途中で、ハルトとペパーにバッタリ出くわした。
「おっショウ、久しぶりだな! 元気そうだなぁ。……で、そっちの女子は?」
「久しぶり、ペパー。彼女は今日からこのクラスに編入してきたアリサだ」
「アリサです。よろしくお願いします」
「おう! こちらこそよろしくな」
「詳しい話は俺の部屋で話そう。みんなを呼んでくれ」
そう告げてふたりと一旦別れ、ショウは残りの案内を再開した。
案内を終えてショウの自室へ向かうと、そこにはすでにハルト、ペパー、ボタンのホームウェイ組が集まって待っていた。
「あっ、おかえり! ちょうどみんな集まったからショウに連絡しようとしてたところなんだ」
「そうだったのか。とりあえず入ってくれ」
部屋に入ると、ショウは会話が外に漏れないよう手慣れた手つきで遮音用のデジタルフィールドを展開した。それを見届けると、アリサが丁寧にお辞儀をした。
「改めまして、私はTeam【ナイトクロウ】に所属するテイマーのアリサです。よろしくお願いします」
「あれ? ショウって確か【ライトファング】ってチームに所属してなかったっけ?」
ボタンが首をかしげて尋ねる。
「あぁ、デジタルワールドには大きく分けて2つのチームがあってな。パートナーデジモンの種族によって所属が決まるんだ。まぁ、組織としての大きな違いはそれくらいだな」
「へぇ~、そうなんだ。じゃあなんで今回アリサが来たの?」
「【ライトファング】の男性テイマーのショウさんだけでは対応しきれない事案が発生した際、同性同士だと不都合があるかもしれないという意見がありまして。【ナイトクロウ】から異性のテイマーを派遣することになったんです。ショウさんと同期でプラチナランク、かつ異性である私が選ばれました」
理由を聞いてハルトたちも納得したように頷いた。
その後、フィールドを解除して和気あいあいと雑談を交わしていると、ハルトがふと思い出したように口を開いた。
「そうだ、明後日からここにいるみんなで林間学校で行った『キタカミの里』に旅行で行くんだけど、ショウたちも一緒に行かない?」
「悪いが、今回は行けないな。アリサをパルデアのジムリーダーたちに紹介して回らないといけないし、彼女の手持ちポケモンを集めるのを手伝う約束をしてるんだ」
ショウが断ると、ハルトは少し残念そうな表情を浮かべつつも、笑顔で頷いた。
「そっか、分かった! お土産買ってくるから楽しみにしててね」
「おう。あっちで何かトラブルでも起きたら遠慮なく呼んでくれ」
外も暗くなり始めていたため、ハルトたちは「じゃあまたね!」と自分たちの部屋へ戻っていった。
「大丈夫ですかね……あっち、『キビキビパニック』始まっちゃいますよね?」
みんなが見えなくなった後、アリサが少し心配そうに呟いた。
「まぁ、あっちでデジモンが暴れてるとかじゃない限りは、俺たちが余計に介入しない方がいいからな」
「そうですね……。それでは私も自室へ戻ります。明後日からの手持ちポケモン探し、よろしくお願いしますね」
「おう、了解。明日に備えてしっかり休めよ」
「はい、おやすみなさい」
アリサは礼儀正しく一礼すると、自分の部屋へと戻っていった。
【アリササイド】
自室へ戻り、扉を閉めた瞬間――アリサは思わず両手で顔を覆った。
(ショウさんと……ふたりきりでパルデアを回る任務……!)
じわじわと頬が熱くなり、胸の奥から溢れ出す嬉しさを抑えきれなくなる。
ショウの隣に立つために血の滲むような努力をして【プラチナランク】に昇格し、本部の幹部たちを上手く説得してこの派遣を勝ち取ったのは、すべてこの時のためだったのだから。
(早く明後日にならないかな……っ)
密かな期待と胸の高鳴りに包まれながら、アリサは幸せな心地で眠りにつくのだった。