Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
大量のピチュ-たちに美味しいオムレツをたっぷり振る舞い、お腹を満たして満足したピチュ-達をそれぞれの住みかへ見送った後、二人は手持ち集めの旅を再開させた。
「さてと、一通りの休憩と回復も終わったので、次はラルトスが欲しいですね」
「ここいらの道なら、すぐ近くに生息してるはずだぞ」
周辺の草むらを注意深く探すと、すぐにぴょこぴょこと歩くラルトスの姿を見つけることができた。今度は戦闘要員として、先ほど仲間になったばかりのピチュ-を繰り出す。
「ピチュー、【電気ショック】!!」
『ピチューーッ!!』
『ラァッ!?』
ピチューが放った電撃が見事にラルトスを捉え、ダメージを与えつつ、その小さな身体にパチパチと微弱な電気が纏わりついた。
「麻痺状態になったようだな……よし、これで特性が何だったか判別できるぞ」
「ピチュー自身が麻痺になっていませんから……この麻痺を反射させてないということは、特性は【トレース】ですね」
状態異常の麻痺に苦しみ、ラルトスの小さな身体の動きがピタリと止まる。
「いまです!」
アリサの合図に合わせて投げられたモンスターボールは、見事にラルトスを捉え、数回の揺れののちにカチッとしっかりとロックされた。
「ラルトス、ゲットです!」
幸先の良い調子でラルトスを仲間に加えると、二人はそのままコサジ小道周辺まで足を延ばし、さらなるポケモンの捕獲とレベル上げにいそしんだ。ひと通り汗を流した後、回復のためにプラトタウンのポケモンセンターへと一度引き返した。
「ルリリを無事に捕まえることができましたから、あとは【やすらぎの鈴】を持たせてしっかり可愛がって懐き度を上げないとですね……。それに、ここまでで捕まえた子たちのレベル上げもしっかりやっておきたいところです」
「それなら、少し趣向を変えて崖の上のエリアに行ってみるか? あそこなら進化系も含めて手強いポケモンが多いから、効率よく鍛えられるぞ」
「いいですね、そうしましょう!」
ショウが自分の手持ちポケモンを呼ぶと、二人はその背にまたがり、一気に険しい崖の上へと飛び立った。
崖の上へ到着すると、風光明媚な景色の中に野生のポケモンたちの姿がちらほらと見えてきた。
「お、あそこにドジョッチがいるぞ。草タイプのニャオハなら相性も良くて戦いやすいんじゃないか?」
「そうですね……よし、いってきます、ニャオハ!」
『ニャアーン!』
アリサの気合の入った声に応え、ニャローテへ進化する一歩手前のニャオハが元気よくフィールドに飛び出した。野生のドジョッチとの戦闘が幕を開ける。
「ニャオハ、【マジカルリーフ】!」
『ニャアッ!』
『ドジョッ!?』
放たれた魔法の葉の奔流が鮮やかにドジョッチを捉え、相性抜群のダメージとなって一気に瀕死の状態まで追い込んだ。
負けじとドジョッチが反撃の【水の波動】を放つも、ニャオハは軽やかな身のこなしでひらりと回避。間髪入れずに放たれた追撃の【マジカルリーフ】がクリーンヒットし、ドジョッチは戦闘不能となった。
激しいバトルの勝敗が決した瞬間、ニャオハの身体が眩い進化の光に包まれた。
『ニャロー……ッ!』
「おめでとうございます、ニャローテ」
アリサは嬉しそうに駆け寄ると、新しくニャローテへと姿を変えたパートナーの頭を優しく、愛おしそうに撫でた。
「ふう、順調ですね。……あとは炎タイプも欲しいのですが、このあたりにエンニュートがいたはずなんですけど、見当たりませんね?」
「確かに、ここいらにはいないな。お嬢、それならいっそ東口からボウルタウンのほうへ移動してみないか? あそこならカルボウやシシコが確実にいるはずだ」
「その『お嬢』というあだ名はいい加減やめてください……。でも、提案自体は悪くないかもしれませんね」
ショウの提案に頷いたアリサのため、ショウは手持ちの中からウルガモスとムクホークを同時にボールから出した。
「それじゃ、移動の足として頼むぞ」
『プピィ!』『ムクホ!』
二匹のポケモンが頼もしく頷くのを確認すると、ショウは隣に立つアリサに向き直った。
「お嬢はどっちに乗る?」
「あの……二人乗りではダメなのですか?」
「それだとムクホーク一択になるが、二人分だとちょっと負担が大きくなるからなぁ……」
ショウが少し懸念を示すと、ムクホークは力強く羽ばたいた。
『ムクホーーッ!!』
「問題ない!」とばかりに大きく翼を広げてアピールしてみせる。
「……片道だけなら、まぁ何とかなるか。よし、ムクホーク頼むぞ!」
そう言ってウルガモスをボールに戻し、ムクホークの背中にアリサを先に跨らせ、その後ろにショウが乗り込んで東口方面の空へ飛び立った。
(……ふふっ、ショウさんの体、なんだかすごく温かいです……)
飛行の風圧を避けるため、アリサはなぜか満面の笑みを隠しながら、ギュッとショウの身体にしっかりと自身の身体を密着させ続けるのだった。
ムクホークの力強い羽ばたきで東口へと無事に到着した二人は、さっそくお目当ての炎タイプポケモンを探し始めた。
道中で勝負を仕掛けてくる現地のトレーナーたちを倒してレベル上げを行いながら奥へと進んでいくと、岩陰にぽつんとたたずむカルボウの姿を発見した。
「見つけました。行ってください、ルリリ!」
『リルー!』
先ほど仲間になったばかりのルリリが、やる気満々でフィールドに飛び出す。
「ルリリ、【バブル光線】!」
『リルッ!』
放たれた泡の奔流が見事に直撃し、炎タイプのカルボウへ大ダメージを与える。すかさずアリサが投げつけたモンスターボールが、カルボウを包み込んでカチリと収まった。
「カルボウ、ゲットです! ……あれ?」
「どうした?」
「この子……なんだか目の色が普通の子と違いような……?」
「マジか、ちょっと見せてみろ」
受け取ったボールと図鑑画面を確認してみると、そこにはしっかりと色違いの証が示されており、カルボウの瞳は綺麗な青色に輝いていた。
「めちゃくちゃ運が良いな! 俺も今までポケモンを捕まえたから分かるけど、色違いはかなりレアだぞ。……今からなら、暗くなる前にピケタウンへ行って進化アイテムを手に入れることもできるが、どうする?」
「そうですね……でも、まだこの子との信頼関係が築けていませんから、進化は後日にします」
「そうか。なら、どっちの姿に進化させるか決まってからでいいな」
「はい!」
その後も順調に野生のポケモンとバトルを重ねて手持ちのレベルを上げていき、夕方になったため一度アカデミーへと戻ることにした。
「あっ、すまんが明日はちょっと用事があるから、昼間までしか付き合えないんだ」
「そうなのですか? ……ちなみに、何をなさるのですか?」
「明日はちょうど満月だろ? だから、そろそろ手持ちのリングマを進化させようと思ってな」
そう言いながらショウが腰のボールを見せると、中のリングマも待ちきれないといった様子でカタカタと嬉しそうに揺れた。