Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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オリジナルストーリーテーブルシティ襲撃編
VSアリサ


 ソウマたちの滞在するアパートから退室し、アカデミーへ戻る道すがら、アリサはふと気になっていたことを口にした。

「そういえば、以前に捕まえていたカルボウは、今どうしているのですか?」

「あぁ、あいつは『いっぱり』な性格だったからな。しっかりと鍛えてソウブレイズに進化させて育成しているところさ。お嬢のカルボウはどうしたんだ?」

「私のは、グレンアルマに進化させようと考えています」

 ショウがそう聞き返すと、アリサは目を輝かせながら答えた。

「それなら、進化に必要な【イワイノヨロイ】をやるよ。ちょうどストックが3つほど余っていたからな」

「なんでそんなに進化アイテムをそんなに持っているのか気になりますが……ありがたく貰っておきます!」

 突如として差し出された貴重なアイテムにアリサは少しツッコミを入れつつも快く受け取り、早速手持ちのカルボウに使用した。

 まばゆい光に包まれたカルボウは、燃え盛る鎧を纏った美しいグレンアルマへと見事に姿を変えた。

「アルマァッ!」

「おめでとうございます、グレンアルマ!」

 アリサが進化を喜でいると、ショウはふと思い立ったように最近進化させたばかりのソウブレイズを出すと

「ついでにさ、俺のソウブレイズも進化したばかりだから、実戦でどれくらいやれるか能力を試してみたいんだよな。どうだ、今から俺とバトルしないか?」

「いいですね! ちょうど進化したグレンアルマの相性や実力も確かめたかったところです。それでは、グラウンドへ行きましょうか!」

 二人がアカデミーのグラウンドへ向かうと、そこにはたまたま散歩中だったキハダ先生とミモザ先生の姿があった。せっかくなので事情を話して、二人に審判をお願いすることに快諾してもらった。

「ルールはどうする?」

「3対3のシングルバトルで、メガ進化やそれに準ずる特殊な進化はありでお願いします!」

「了解。じゃあ、お嬢が勝ったら何かご馳走してやるよ」

「その言葉、絶対に忘れないでくださいね!」

 キハダ先生とミモザ先生や他の生徒が見守る中、気合十分でバトルフィールドの両端に立つ二人。

「行ってこい、ソウブレイズ!」

「ブレイズッ!」

「お願いします、グレンアルマ!」

「アルマッ!」

「それでは──バトルスタート!」

 キハダ先生の豪快な合図とともに、熱い戦いの火蓋が切って落とされた。

「まずはグレンアルマ、【鉄壁】!」

「アルマ……ッ!」

「なら、ソウブレイズは【ビルドアップ】だ!」

「ブレイズッ!」

 お互いにまずは自身の防御や攻撃面をしっかりと底上げする積み技を選択する。しかし、直後に行動権を握ったショウが即座に追撃をかけた。

「ソウブレイズ、【辻斬り】!」

「グレンアルマ、【シャドーボール】で牽制!」

 ソウブレイズが両腕の鋭い炎の剣を振りかぶり、一気に間合いを詰めようと突撃するが、グレンアルマは冷静に放った【シャドーボール】の弾幕で進路を塞ぎ、決して接近させない。

「なら、足元から狙うぞ! ソウブレイズ、背後から【影打ち】!」

 ショウの鋭い指示を受け、ソウブレイズの足元から伸びた漆黒の影が、一瞬にしてグレンアルマの背後へと回り込み、死角から強襲した! 

「グレッ……!?」

「大丈夫ですか、グレンアルマ!?」

 突然の奇襲にグレンアルマはわずかに体勢を崩し、攻撃の手が止まる。アリサが慌てて声をかけると、グレンアルマは「問題ありません」と力強く頷いてすぐに構え直した。

(ふむ……背後からの一撃受けて特性が発動しないということは、特性は【貰い火】あたりで炎技が無効化されるタイプだな……! なら、物理の【辻斬り】で押し切る!)

 相手の特性を瞬時に見切り、ショウは再び物理での接近戦を指示した。

「グレンアルマ、以前からずっと練習していたあれをいきますよ!」

「アルマッ!!」

 アリサの合図に合わせ、グレンアルマは両肩の禍々しいアーマーを展開! しかし今回は合体させて一つの大砲にするのではなく、その展開した状態のまま、無数の【シャドーボール】をまるで機関銃のように凄まじい連射速度で撃ち出した! 

「なっ……!? なんて弾数だ……! ソウブレイズ、全部切り伏せろ!!」

「ブレイズ──ッ!!」

 ショウが焦りを隠せないまま声を張り上げる。ソウブレイズは両腕の剣を風車の如く回転させ、飛来する暗黒の弾丸を次々と両断していくが、あまりの物量と連射速度に追いつかない! 

「間に合わない……っ!」

 残りの【シャドーボール】がソウブレイズの防御をすり抜け、全弾直撃した! 

 抜群の相性と特効の高さが重なり、強烈なダメージを受けたソウブレイズは、ガクッと両膝を地面についてしまう。

「グレンアルマ、追撃です! 【瞑想】からの【悪の波動】!」

 大技を耐え抜いたソウブレイズの姿を見て、ショウが声を掛けようとした瞬間、ソウブレイズはしっかりと主を見据えて力強く頷いた。

 次の瞬間、グレンアルマが【瞑想】でさらなる精神力を高め、邪悪なエネルギーを凝縮した【悪の波動】を解き放つ! 

 ドォォン!! 

 その強烈な波動の直撃を受け、ソウブレイズはついに耐え切れずパタリと倒れ込み、戦闘不能となった。

「そこまで! 勝者、アリサ!」

 キハダ先生が高らかに判定を宣言する。勝負あり──かに思えたその時だった。

 倒れたソウブレイズの体から、ぐにゃりと歪む禍々しい黒いもやが突如として浮き上がり、勝ったはずのグレンアルマの全身へとまとわりついた! 

「なっ……!?」

 その不可解な現象に驚く間もなく、呪いのような黒いもやの負荷に耐え切れなくなったグレンアルマも、ガクッとその場で力尽きて倒れ込んでしまったのだった。

「ソウブレイズ! グレンアルマ! 両者戦闘不能!」

 キハダ先生が改めて高らかに腕を上げて宣言すると、ショウとアリサはそれぞれのパートナーをねぎらいながらボールへと戻した。

「まさか最後に【道連れ】を使ってくるとは思いませんでした」

「ソウブレイズ自身が直前に提案してきたんだよ。『ただでは倒れない』って意地を見せたかったらしい」

 笑いながら理由を明かしたショウは、腰のベルトから次のボールを取り出して放った。

「行ってこい、ギャラドス!」

『ゴォォ──ッ!!』

「お願いします、ピカチュウ!」

『ピッカッ!』

 ショウが出したのは、圧倒的な巨躯を誇る凶悪ポケモンのギャラドス。対するアリサが繰り出したのは、最初に捕まえたピチューが無事に進化を果たしたピカチュウであった。

 場に出た瞬間、ギャラドスは凄まじい雄叫びを上げて特性の威嚇を繰り出す。

「おっ、あのピチューが無事に進化していたんだな。ライチュウにはしないのか?」

「はい、原種にするかアローラ姿にするか、まだどちらの姿に進化させようか悩んでいまして……」

 アリサがそう答えると、ピカチュウは余裕の表情でショウに向かって可愛らしく手を振ってみせた。

「相手が小さくても手加減はしないぞ! ギャラドス、【竜の舞】!」

「させませんよ! ピカチュウ、【挑発】!」

『ピカ~ッ!』

『ゴォォォォ!!』

 ギャラドスが全身をうねらせて能力を高めようとした瞬間、ピカチュウがへんがおをしながらお尻を叩いて挑発! ギャラドスはまんまと怒り狂い、【竜の舞】の集中が途切れてしまった。

「ならば! ギャラドス、【地震】!」

『ギャース!』

「ピカチュウ! 【フワフワフォール】で回避しながら【悪巧み】!」

『ピカチューッ!』

 ギャラドスが巨体で地面を叩き割って激しい振動を起こすが、ピカチュウは可愛らしい風船を取り出してふわふわと空へ避難! 空中で悪巧みを整えて特攻を底上げすると、そのまま急降下してギャラドスへ体当たりを叩きつけた。

「おいおい……まさかそのピカチュウ相棒技を使えるのか?」

「ええ、以前たまたま技を教えてくれる人と出会いまして。ショウさんもエーフィに特別な技を覚えさせていましたよね?」

 アリサに笑顔で聞き返され、ショウはニヤリと笑いながら頷いた。ギャラリーで見守っていた生徒たちも、ピカチュウが空を飛んで攻撃を避けた光景に「ええっ、ピカチュウが空飛んだ!?」と驚きを隠せない様子だ。

「空中に逃げても無駄だ! ギャラドス、【岩雪崩】で動きを阻害しろ!」

『ゴォォ──ッ!』

「ピカチュウ! 回避しながらもう一度【悪巧み】!」

『ピカピカッ!』

 ギャラドスが尾を叩きつけると、ピカチュウの頭上から大量の巨大な岩石が雨あられと降り注いだ! 空中では足場がなく、避けきれなかったピカチュウは岩に押し潰されるように地面へ叩きつけられ、岩の山へと埋もれてしまう。

「ピカチュウ!?」

 アリサの痛切な叫びに反応するように、ピカチュウはなんとか岩の隙間から這い出してきたものの、全身ボロボロの満身創痍状態であった。

「止めだ、ギャラドス! 【滝登り】!」

 ショウの指示を受けたギャラドスは全身に激流を纏うと、なんとそのままドスンと地面へ潜り込んでしまった! 

「何ですかそれ!? ギャラドスが地面に……!?」

「俺のギャラドスは何故か地面に潜ってから勢いをつけて【滝登り】をする癖があるんだ」

「ならピカチュウ! 再び【フワフワフォール】で上空へ逃げてください!!」

「逃がすな、ギャラドス!」

 危機を察知したピカチュウが風船で必死に高度を上げようとするが、その直下──地面が激しく爆ぜ、岩盤を粉砕しながら水柱とともにギャラドスが龍神のように上空へ突き上がってきた! 

「今です! ピカチュウ、【雷】!!」

『ピッカチュ──ーウ!!』

 直近から放たれた極太の【雷】がギャラドスを直撃! 絶叫を上げるギャラドスだったが、その突進の莫大な運動エネルギーは殺しきれず、激流を纏ったままピカチュウへ迫る。

 しかし──あと一歩というところでギャラドスの限界が訪れ、そのまま轟音とともに地面へ落っこちて地響きを立てて倒れた。

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