Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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SV本編
編入準備


パルデアポケモンリーグ委員長・オモダカ、そして【Teamライトファング】と【Teamナイトクロウ】の両リーダーによる異次元間協議が終了した。

ショウは「パルデア地方へ迷い込むデジモンの調査・保護・デジタマ回収」という新たなミッションを帯び、この世界へ残ることが正式に決定した。

事態の円滑な解決のため、会議に参加していたグレープアカデミーの校長・クラベルの全面協力のもと、ショウは新学期の転入生としてアカデミーの生徒へ編入することとなったのである。

そこから1ヶ月間、怒涛の準備期間が始まった。

まずは基礎学力や言語の確認。

「読むのはまったく問題ありませんね。文字を書くのに少々手惑う程度で、これなら授業にも十分ついていけますよ」

「向こうの『デジ文字』に比べたら全然簡単でしたから」

「ほう! あちらの世界には固有の言語体系があるのですね。ショウさん、後でぜひ私に教えていただけませんか?」

「ええ、いいですよ。校長先生」

教壇に立つハッサクとクラベル校長の問いかけに、ショウは苦笑交じりに頷いた。

さらに問題となったのは「手持ちポケモンをどうするか」である。

クラベルから「アカデミーの生徒としてポケモンの所持を」と提案されたショウだったが、少し考えた末、後ろ髪を引かれる思いで辞退した。

(元の世界に連れて行けるか分からないからな……)

その代わり、プロテイマーとしての知恵を絞った。

手持ちのデジモン半数を一時的に【成熟期】まで退化させ、大きさをポケモンの平均サイズまで縮小。その上からデジタルデータの「テクスチャ(見た目の偽装データ)」を重ねることで、周囲からは「唯のポケモン」に見えるよう擬態させたのだ。データ生命体であるデジモンだからこそできる、極めて高度な裏ワザであった。

そして1ヶ月後。あらゆる準備を終え、いよいよアカデミー編入の前日を迎えた。

支給されたグレープアカデミーの制服に身を包んだショウは、滞在先のホテルを出て階段を踏みしめていた。

「うわぁ……キツいな、この階段! ゲーム画面で見てた時と大違いだぞ……っ!」

ゼーゼーと息を吐きながら小声で愚痴をこぼしつつ、パルデアの誇る広大な大階段を登っていく。

(……見た感じ、この世界は『バイオレット』の時空みたいだな。本編が始まるまであと少しってところか。原作の主人公の性別はわからないけど、あんまり介入してストーリーを壊したくはないな〜。何より、あの『バトルジャンキー』ことネモに目をつけられたら面倒だし、極力目立たないようにしよう。もしバトルになったら、加減が得意なイェーガードルルモンをメインに出すとするか)

そんなメタ的な思考を巡らせているうちに、アカデミーの壮大な校門前に到着した。

ショウは考えを切り替えると、エントランスの受付で転入手続きを行い、クラベル校長から受け取った資料や注意事項を最終確認。軽く構内を散策したのち、ホテルへと戻ったのだった。

そして翌日――晴れ渡る青空の下。

ショウは「原作の主人公とネモが、コサジの灯台でミライドンと出会えたかどうか」を陰から確認するため、コサジの小道方面へ向かうことにした。

(……よし、周囲に人の気配はないな。この世界で『あれ』がどれくらい長時間維持できるかテストしてみるか)

ショウはデジヴァイスを起動しストレージ内にあるアイテムをタップし。

「スピリットエボリューション――っ!!」

声を張り上げ、デジヴァイスの液晶画面を指先で一閃する。

直後、ショウの全身を灼熱の焔と光のデータが包み込んだ。

肉体が再構成され、少年の姿が猛々しい真紅の竜戦士へと変貌していく。

『――ヴリトラモン!!』

炎のスピリットを纏い、神々しい赤の甲冑と巨躯を得たショウ――炎のビースト形態・ヴリトラモン。

背中に展開した鋭利な大翼を広げると、バサッと一羽ばたきで大気を切り裂き、コサジの小道を目指してパルデアの澄み切った空へと滑空していった。

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