Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
アカデミー襲撃事件から2週間が経ち、学園内の片付けや安全確認も無事に終わって授業等が再開し始めたある日、ショウは美術教諭であり四天王の一人でもあるハッサク先生のもとを訪れ、とある相談をしていた。
「それならば、明後日ならば業務が落ち着いてはいるでしょう」
「わかりました。では明後日、早めに伺わせて貰います」
「いよいよリーグに挑戦ですか。ハッハッハ、ショウ君の真の力、楽しみに待っておりますぞ!」
「ありがとうございます。異変の対処や事件の連続で中々タイミングが合わなかったんですが、漸く挑戦できます」
「仕方ありませんよ。ショウ君たちもパルデアのために多忙を極めておりましたからね」
一通りの確認を終え、ショウがリーグ挑戦への準備を整えようと辞去しかけたその時、ある重要なことを思い出したハッサク先生に呼び止められた。
「そういえば……ショウ君は、【テラスタルオーブ】の所持申請はまだしていなかったのではありませんか?」
「あ……そういえば、まだでした。デジモンたちの力や【メガシンカ】を使えるので、そっちを使いこなせるまで後回しでいいかと思ってたら、すっかり忘れてました」
ショウが正直に答えると、ハッサク先生は苦笑しながら言った。
「ふむ、ちょうどいい。アリサさんもまだ申請していないはずですから、一緒に申請してみてはいかがでしょう?」
「わかりました。ただ、アリサに一度都合を聞いてからでもいいでしょうか?」
「構いませんよ」
ハッサク先生との話し合いを終えたショウは、すぐにアリサの元へ向き、テラスタルオーブの申請について相談した。アリサも「ぜひ一緒にお願いします!」と快諾したため、二人は揃ってエントランスの受付へ申請手続きを行いに行った。
受付で申請書類を提出すると、事前にハッサク先生から連絡がいっていたためか、手続きは驚くほどスムーズに進んだ。
二人はすでにパルデア地方のジムバッジを8つ全て集め終えている実績があったため、通常課される座学のテストが免除となり、そのまま実技講習を行うこととなった。講習の場所がグラウンドだと指定され、二人はそのまま外へ向かった。
グラウンドへ移動すると、そこには体育とバトル学を担当するキハダ先生が腕を組んで待っていた。
「押忍! 待っていたぞ、二人とも! では早速、テラスタルを用いた実技講習を開始しよう。二人とも、これを受け取ってくれ!」
キハダ先生からズッシリと重みのある【テラスタルオーブ】を手渡された後、二人は対面するようにバトルフィールドの指定位置に立った。
「そういうことなら、初陣だ!頼むぞ、ヨノワール!」
「ノワァァッ!」
「お願いします、ユキメノコ!」
「メノォッ!」
ショウがモンスターボールから出したのは、手掴みポケモンのヨノワール。アリサが出したのは、雪国ポケモンのユキメノコであった。
「審判は私が務める! それでは、テラスタル実技開始ッ!」
キハダ先生が力強く宣言すると同時に、ショウとアリサは手にした【テラスタルオーブ】を高く掲げ、エネルギーをチャージした。
「光輝け! テラスタル!」
「輝け! テラスタル!」
高密度に凝縮された結晶のエネルギーをボールへと投げつけ、二体のポケモンが眩い宝石のような輝きを纏ってテラスタルを果たし、激しい実技バトルが開始された。
「そこまで!!」
ある程度、テラスタル特有の属性変化や火力の引き上げを伴う攻防を重ねたところで、キハダ先生の制止の声がかかり、バトルは終了した。二体のポケモンも輝きを収め、通常の姿へと戻った。
「二人とも、テラスタルの扱いもバッチリだ! 実技はこれで合格とする! あとは受付に戻って最終報告をしてくれ!」
キハダ先生からテラスタルオーブの使用上の注意点やエネルギーチャージに関するアドバイスを受けた後、二人はお礼を言って再びエントランスの受付へと戻った。
「これでテラスタルも使えるようになって、一気に戦術の幅が広がるな。……ゲームで『電気テラスヌケニン』が実装されなかった理由がよく分かるよ」
「それ、絶対に相手にしたくないですね……! ふしぎなまもりで弱点がなくなるとか、面倒臭いにも程があります」
そんなプレイヤー目線ならではの雑談を交わしながら受付で最終報告を済ませ、二人は無事に【テラスタルオーブ】の正式な所持許可と申請を完了させたのだった。