Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
「今度はメガバンギラスって……! 自分、どんだけメガシンカできるポケモン持っとんねん!?」
チリが思わず呆れ顔で大声のツッコミを入れると、ショウは苦笑いしながら答えた。
「それなりには持っていますよ。ただ、ポケモンを持ってなくてメガストーンのみが多いんですよね」
「すごーい! おにーさん、カッチカチでかっこいいですのー!」
呆れ返るチリの横で、ポピーは純粋に目を輝かせて拍手を送っていた。
「さて……行きますよ、アオキさん! バンギラス、【ストーンエッジ】!」
「ギラァァッ!」
「カラミンゴ、【アクアブレイク】!」
「カアーッ!」
ショウとアオキが同時に指示を飛ばすと、テラスタルによって強化されたカラミンゴは全身に激しい水流を纏って突進し、対するメガバンギラスは地面を揺らしながら無数の鋭利な岩を散弾のように撃ち出した。しかし、カラミンゴは空中盤で器用に体を滑らせて岩の隙間をすり抜け、勢いを少しも落とさずにメガバンギラスの巨体へと激突した。
「メガバンギラス! 間髪入れずに【叩き落とす】!」
「バァァンッ!」
直撃に耐えきったメガバンギラスは即座に太い腕を振り下ろし、至近距離にいたカラミンゴを力任せに地面へと叩きつけた!
「カラミンゴ、一旦距離を取ってください!」
「カァラァッ!」
「逃がすな! 【岩雪崩】!」
カラミンゴが身軽に跳ね起きて間合いを取ろうとするが、ショウはその動きを制するように上空から急降下する岩石の群れを降らせる。しかし、カラミンゴは巧みなステップで岩の隙間を掻き分け、間一髪で間合いを確保した。
「カラミンゴ、【インファイト】!」
「カァーッ!」
「バンギラス、【ストーンエッジ(防)】!」
「バァンッ!」
猛スピードで突撃してくるカラミンゴに対し、メガバンギラスは足元の地面から防壁のように鋭利な岩の柱を連続で生やした! カラミンゴは圧倒的な脚力で岩柱を破砕しながら突き進むものの、あまりの岩の硬度に途中で突進の勢いを削がれて立ち止まってしまう。
「そのまま【竜の舞】だ!」
「ギラッ!」
その隙を逃さず、メガバンギラスは荒々しい気迫を込めた演舞で自身の攻撃力と素早さを限界まで引き上げ始める。それを見たアオキは、静かに眼鏡を持ち上げた。
「……ならば、カラミンゴ! 【ブレイブバード】を纏いながらの【インファイト】!」
「カアーッ!」
アオキの怒濤の指示に応じ、カラミンゴは青い闘気を全身から噴出させ、先ほどを遥かに上回る超絶的な勢いで突撃を再開した!
「バンギラス! 【一点集中型ストーンエッジ】で迎え撃て!」
「バァンッ!」
迎撃のため、散らばるはずの【ストーンエッジ】の結晶が一点へと収束し、巨大な一本の岩の槍となってカラミンゴへと一直線に射出された!
カラミンゴはその巨大な岩槍すら強引に砕きながら突き進むが、流石に【ブレイブバード】の推進力が大幅に減衰してしまう。それでもカラミンゴは死力を尽くし、メガバンギラスへと肉薄して翼と足による怒濤の連続打撃を叩き込んだ!
「バンギラス! 自分ごと【岩雪崩】だ!」
ショウの意表を突いた覚悟の指示に、メガバンギラスは乱打を放ってくるカラミンゴの身体をガッチリと両腕で抱え込み、上空から大量の巨岩を自身もろとも落とさせた!
ドガガガガァンッ!!
激しい落石がフィールドに降り注ぎ、二人を完全に覆い隠す岩の山が築かれる。二体の姿が見えなくなり、一瞬の静寂が訪れた次の瞬間――
パンッ!! と音を立てて岩山が内側から弾け飛んだ。
そこには、限界を迎えてメガシンカが解除されたバンギラスと、テラスタル結晶が砕け散り、目を回して完全に倒れ伏しているカラミンゴの姿があった。
「そこまで! 勝者、挑戦者ショウ!」
審判の機械が高らかに判定を下すと、静まり返っていた四天王たちから大きな歓声と拍手が上がった。
「はぁ……まさに飛ぶ鳥ポケモンを落とす勢い、ですね」
アオキは深く溜め息を吐きながらカラミンゴをボールへと戻し、ショウの元へと歩み寄ってきた。
「ジム戦の時よりも一段と実力が上がりましたね、ショウ君。……さて、えーとっ。次が最後の四天王になります。ハッサクさーん!」
アオキはショウの実力を素直に称賛したあと、最後の部屋へと通じる扉に向かって声を張り上げた。……しかし、扉の向こうからは何の反応も返ってこない。
無言の時間が流れる中、ショウは先ほどからずっと引っかかっていた疑問を思わず口にした。
「いや……あの呼び出しのブザーって、前にヒョウガさんが直してくれてましたよね?」
ショウの言葉を聞いた瞬間、アオキ、チリ、ポピーの3人は一斉に「あっ……」という顔になり、キョトンとしたあとすぐにハッと思い出したような表情を浮かべた。
「いや、全員揃って忘れてたんかい!」
四天王たちのあまりの天然ぶりに、ショウは耐えきれず盛大なツッコミを叩きつけるのだった。