Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

98 / 125
VSチャンピオンオモダカ2

 ショウは間髪入れずにエレキブルへと指示を飛ばした。

 「エレキブル! 【雷パンチ】!」

「レブッ!」

「戻ってください、ミガルーサ! お願いします、ゴーゴート!」

「ゴトッ!」

 【雷パンチ】がミガルーサを捉える直前、オモダカは素早くミガルーサをボールへ引き戻し、代わりにゴーゴートを戦場へと繰り出した! 電撃の拳は空を切る。

 「ゴーゴート、【ビルドアップ】!」

「ゴーォ!」

 指示を受けたゴーゴートが筋肉を隆起させ、攻撃と防御を同時に高める。対するショウは、エレキブルにニッと笑いかけた。

 「エレキブル! “あれ”をやるぞ!」

「レブッ!」

「力強く、【冷凍パンチ】!」

「エレッブッ!」

 ショウの合図とともに、エレキブルはまるで【気合パンチ】のようにグッと深く腰を落とし、全身の威圧感を凝縮させて溜めを作った。直後、通常とは比較にならない破壊力を秘めた【冷凍パンチ】が一閃! 弱点をつかれたゴーゴートは、巨体を大きく揺らして痛烈なダメージを負った。

 「まさか……! かつてヒスイ地方に存在したという『力業』ですか!?」

 オモダカは目を丸くして驚愕の声を上げた。

 「ピートブロックを探すためにヒスイの時代に行った時、現地の人にやり方を教えてもらったんですよ」

 ショウが笑いながら答えると、オモダカは真摯な表情で言った。

 「もし可能であれば……あとで私にも教えていただけますか?」

「いいですよ。あっでも、これって公式戦で使えるんですかね?」

「そこは……他地方のリーグ委員会と協議するので問題ありません」

 オモダカが笑顔できっぱりと言い切ると、ショウは頼もしそうに頷いた。

 「なら、もう一つの技もだ! エレキブル、素早く【充電】!」

「エレッ!」

 今度は隙のない素早い動作——ヒスイの『迅雷』の如きスピードで体に強力な電撃を溜め込み、特防を引き上げた! 

 「ゴーゴート、【ウッドホーン】!」

「ゴトッ!!」

 ゴーゴートは凄まじい脚力で肉薄し、太い角をエレキブルの身体へ叩きつける! ダメージを与えると同時に体力を吸い上げて回復を図った。

 「エレキブル……完成度は7割だが、あれ(・・)をやるとするか!」

「エレブッ!」

 エレキブルは力強く頷き、牙を剥き出しにして構えた。

 「ハァァァ……! デジソウル! チャージ!!」

 ショウが腹の底から叫ぶと同時に、彼の身体から「0」と「1」で構成された眩いデジタルソウルのオーラが爆発的に溢れ出た! その光は一直線にエレキブルへと注がれ、筋骨隆々とした巨大な電撃の怪獣のようなオーラとなってエレキブルと完全に一体化した。

 その異常なプレッシャーに、オモダカとゴーゴートは野生の直感で致命的な危険を察知した。

 「ゴーゴート、【地震】!」

「ゴウッ!」

 ゴーゴートは大地を全力で叩き割り、効果抜群の【地震】の衝撃波を走らせる! しかし、デジソウルを纏ったエレキブルは強烈な衝撃波をまともに喰らいながらも、微動だにせず怯む素振りすら見せない。

 「【エレクトロフィスト】!!」

「レッブッ!!」

 【雷】や【ワイルドボルト】の領域すら遥かに凌駕する、紫電を帯びた神速の拳がゴーゴートへと振り下ろされる! 

 「ゴーゴート、【守る】!」

 オモダカは咄嗟に絶対防御の指示を飛ぶ! グリーンに輝く【守る】のバリアがゴーゴートを覆うが——エレキブルの放った拳は次元を歪めるほどの圧倒的なエネルギーで【守る】の障壁を力任せに打ち砕き、そのままゴーゴートを直撃した! 

 ドカァァァァンッ!! 

 バトルフィールドの床が激しく陥没し、凄まじい衝撃波が巻き起こる。煙が晴れると、陥没したクレーターの中心でゴーゴートが目を回して完全に倒れ伏していた。

 しかし、限界を超えたデジソウルの負荷に耐えきれず、エレキブルもまたふらふらと後ずさりし、そのまま仰向けにドシンと倒れて戦闘不能となった。

 ショウとオモダカは、それぞれ戦闘不能になったエレキブルとゴーゴートをボールへと戻した。

 「ショウさん、今の技は一体……?」

「そうですね……名付けるとしたら『デジシンクロ』! デジモンのデータをデジソウルに変換してポケモンに纏わせ、そのデジモンの技を使えるようにする……自分がこの世界に来て考えた秘技ですね。まぁ、アローラ地方の『Z技』のようなものです。ただ、まだ完成には至っていなくて」

「そうなのですか?」

「ポケモンへの負担が大きすぎるんですよ。だから技を放つと反動で体力が一気に失くなり、倒れてしまうんですよね。しかも成熟期以上のデータを纏わせると、その後しばらくバトルが出来なくなるくらいの負担がかかるんです」

「なるほど。確かにそれは非常に危険ですね……。ところで、他にそのデジシンクロを行えるポケモンはいるのでしょうか?」

「自分の手持ちだと、今のバトルまでに出したポケモンは一通り使えます。他の奴らはまだ修行中ですね」

 オモダカの疑問に隠さず答えた後、ショウは右腕のデジヴァイスを高く掲げた。

 「それでは約束通り、ここからは自分のパートナーが相手をします。オモダカさん、ミガルーサを回復させてもいいですよ。ここからはポケモントレーナーではなく、テイマーとして本気で相手をしますので」

 ショウが宣告すると同時に、フィールド全体を包み込むようにデジタル空間の防壁が展開された。

 「リアライズ! ヘクセブラウモン!」

 デジヴァイスが強烈な氷藍色の光を放ち、冷気を纏った究極体デジモン・ヘクセブラウモンがバトルフィールドへとリアライズした! 

 「ショウ? 本気で戦ってもいいんだね?」

 ヘクセブラウモンが弾んだ声で確認すると、ショウは力強く頷いた。

 「いいぞ。ただし、やり過ぎるなよ?」

 ショウの許可を得た瞬間、ヘクセブラウモンの全身から猛烈な極冷気のオーラが吹き荒れ、屋外フィールドの温度が一気に氷点下へと急降下した! 

 「これは……! 以前、ショウさんと行った模擬戦の時よりも遥かに強烈なプレッシャーですね……! お行きなさい、ミガルーサ!」

「ガルーサッ!」

 その威圧感に驚嘆しながらも、オモダカは回復させたミガルーサを再びフィールドへ送り出した。

 「先に伝えておきますけど、ヘクセブラウモンにはポケモンのデータを取り込ませてあるので、今のタイプは氷・格闘になります!」

 テイマーとしての自信の現れか、ショウは隠すことなくヘクセブラウモンのタイプ情報をオモダカへ教えた。

 「なるほど……! ならば、弱点を突かせてもらいます! ミガルーサ、【サイコカッター】!」

「ルーサッ!」

 ミガルーサは特性『切れ味』を乗せ、背鰭に強烈なサイコエネルギーの刃を纏わせて超高速で斬りかかった! 

 「ヘクセブラウモン、【冷凍パンチ】で迎え撃て!」

「了解!」

 ショウの指示を受けたヘクセブラウモンは回避すら赴かず、正面から冷気を凝縮させた拳を一撃叩き込んだ! 

 ドガァンッ! と激しい氷塊の破砕音が響き渡り、弱点技を放ったはずのミガルーサはその圧倒的な物理圧力と冷気の前に一撃で撃沈。そのまま目を回して戦闘不能となった。

 「……なんという凄まじいパワーですか。引き締め直さねばなりませんね。……お願いします、ドドゲザン!」

「ゲザンッ!」

 愛機の敗北にも焦った様子を見せず、オモダカは威風堂々とした立ち姿の土下座ポケモン・ドドゲザンをフィールドへと解き放った! 

 パルデアリーグ最高峰の最終テスト——デジモンとトップチャンピオンの切り札たちが交錯する勝負は、いよいよ最高の佳境を迎えた!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。