Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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一方その頃

ヘクセブラウモンが放つ強烈な冷気がミガルーサを一撃で沈めたその頃――。

パルデア地方のオレンジアカデミー敷地内では、静かな日常の裏で異変が起きていた。

授業が終わり、気分転換にとアカデミーの外へ足を踏み出したアリサ。そのすぐ近くで、2人組の生徒が歩いていたが、そのうちの1人が突然盛大なクシャミを爆発させた。

「うわっ! 汚ねぇな、手で塞げよ!」

「ワリィ! ……って、おい、なんか急に寒くなってなくね?」

「確かに……さっきまで暖かかったのに、急に冷え込んできたな。寒いし、食堂で温かいものでも食いに行こうぜ」

「だな!」

2人は身震いをしながら、慌ただしくアカデミーの中へと戻っていった。それと入れ違いになるように、ペパーとハルトの2人が外に出てきて、アリサの姿を見つけると軽い足取りで近づいてきた。

「よっ、アリサ! なんか妙に寒寒ちゃんしてないか? 誰かこの辺で氷タイプのポケモンでもバトルさせてんのか?」

「それが……周りを見回しても、ポケモンを出している人は誰もいないんですよね」

「そうなの? そう言えばさっき、ボタンが言ってたんだけどさ。今日、バトル学の授業をやろうとしたら、生徒たちのポケモンたちが一斉にボールから出てこなくなって、授業が急遽中止になったんだってよ!」

「本当ですか……もしかしたら、あれがその原因に関係しているかもしれませんね」

そう言って、アリサは小首をかしげながらポケモンリーグの方角を指差した。その空の彼方には、パルデアの昼間にはありえないはずの美しいオーロラが揺らめいていた。

「なんだあれ……誰かの【オーロラベール】か?」

「かもしれないね。そう言えば今日、ショウがポケモンリーグのチャンピオンテストに挑んでるはずだから……もしかしたら、ショウのポケモンが何かやってるのかな?」

ペパーの疑問に、ハルトが思い出したようにポンと手を叩く。ペパーもそれに納得したように深く頷いた。

「じゃあ今まさに、チャンピオン戦の真っ最中ってわけか!」

ワイワイとそんな話をしているアリサたちの背後から、影法師がスッと伸びた。

「アリサ殿……」

周囲を歩く他の生徒たちには決して気づかれないよう、忍者のようにモニタモンが姿を現す。アリサは周囲に気づかれないよう手早く自身の周囲に小さなデジタルフィールドを展開し、声をひそめた。

「どうしました、モニタモン?」

「実は……」

モニタモンは背中の画面を操作し、ハッサク先生との激闘や、今まさにオモダカとの頂上決戦でヘクセブラウモンが暴れている様子をリアルタイムの映像として映し出した。

「なるほど……だから周囲のポケモンたちが驚いてボールから出てこなかったのですね」

「一応、状況をお耳に入れておいた方がよいと判断し、参りました」

「わかりました。わざわざ知らせてくれてありがとうございます。あとでショウさん本人にも聞いてみますね」

アリサがお礼を告げると、モニタモンは小さく一礼し、デジタルデータの粒子となってすっと姿を消した。フィールドを解除したアリサが少し考え込んでいると、その様子に気づいたハルトとペパーが首を傾げた。

「アリサ? なんか難しい顔して、何かあったの?」

「実は……今、ショウさんがポケモンリーグでデジモンを呼び出して試合をしているみたいなのです」

「マジで!? あんなすげぇオーロラ出すようなデジモンって……」

「えぇ。それで先ほど、モニタモンのネットワークを通じて報告があったんです」

「じゃあ、この寒さの原因ちゃんはショウの仕業ってわけか!」

「ショウさんのパートナーデジモンであるヘクセブラウモンをフィールドに出しているみたいですね」

「ショウのパートナーなら、そりゃ規格外の強さだもんなぁ。それならこの気候の異変もうなずけるぜ」

納得して笑い合うハルトたちの元へ、どこからともなく突如として猛烈な勢いでネモが駆け寄ってきた。

「ねぇねぇ! バトルの話してるの!? 私も混ぜてよーっ!」

相変わらずの圧倒的なバトルエネルギーを放つネモの登場に、3人は思わず顔を見合わせてクスリと笑い声を上げるのだった。

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