永炎を冠する鳥は巨漢を見据え、宙に止まっていた。巨漢は自身の死を予感し震えている。
「フェニックス・アイドロンの効果、貴方のLPと僕のLPの合計30分BPを増加する。燃やせ《
「やっやめ、ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!」
巨漢は永炎鳥によって燃やされた。
激痛が全身を走り、自身の肉が焼ける匂いを感じる。目はとうに見えず、内臓が燃える感覚も覚えた。だが何故か気絶することも死ぬこともできず。永遠とも言える時間を過ごしていた。
「何やってんだあれ……?」
しかし、リュウ達から見た巨漢はただ転げ回っているようにしか見えなかった。
子供が「
「幻術の類か」
「幻術…成程、あの男は恐らく自身が燃やされていると感じているのだろうな。ハナ、拘束の準備をしておいてくれ」
「分かった。いやー、あの子が自爆しなくてよかったよー」
ハナは何処からともなく縄を出し、巨漢を拘束した。その間にヒカリは子供に話しかけていた。
「さっきの大丈夫ですか?血がすごく出てましたけど」
「大丈夫」
「そうですか、良かったです」
ヒカリが子供の頭を撫でようとすると、軽くはらわれる。
「僕は16歳ってさっき言ったでしょ」
頬を膨らませ、上目遣いでヒカリを見つめる。ヒカリはそれを見てより子供っぽく思えてしまった。
その時2人を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい2人ともー!ちょっとやばいかもー!」
「ハナさん?どうしたんでしょう」
「向かう」
2人が向かうと、床に白目で泡を吹いた巨漢がいた。
「どうしたんですか?」
「いやさぁ、こいつダークスフィア持ってないんだよ」
「ほ、本当ですか?」
「うん、にいちゃとシュンが全身くまなく探したけど見つかんなかったんだよ」
ハナが巨漢の方をチラリと見る。今も2人が巨漢のポケットから何から何まで探っていた。
「だから辺りを探すんだけど手伝ってくんない?」
「あるよ」
子供はすっと懐からダークスフィアを取り出した。聞き耳を立てていたらしいリュウとシュンがこちらを見る。
「えー!?何で持ってんの!?」
「どうりでどれだけ探してもないわけだよ」
「どうやって盗ったかを知りたいが、とりあえずここから出るのが先決だ。渡してくれ」
「ん」
シュンはスフィアを受け取り、「『死を開け』」と唱えると暗闇がスフィアに吸い込まれ気がつくとさっきまでいたクレープ屋にいた。ただ、店内に人はおらず外からパトカーの音がした。子供が目に見えてあたふたし始めたがリュウ達は普通に店から出ようとした。
「!?」がしっぐいぐい
「うおっどうした」
「け、警察が」
「ああ、大丈夫大丈夫俺達警察だし」
「!?!?!?」
子供、驚愕!内心(なんでダークスフィアのこと知ってるんだろ?)とか思ってたけどまさか警察とは!
目を見開いてリュウ達を見る。リュウ達はびっくりした顔の自分を見て笑っている。
「フフ、ごめんね秘密にしてて」なでなで
「むー」
「………!ねぇねぇ2人とも手繋いでー」
「「?」」
素直に手を繋ぐ2人。そこに「えいっ⭐︎」と手錠がかけられた。
「へ?」
「え?」
2人は呆然と手錠で繋がれた腕を見る。
「いやーごめんねダークスフィアのこととか
「それでも私と繋ぐ必要ありました!?」
「そりゃあ面白そうだからだよ」
「天罰」スパーン
「あいたっ」
子供は何処からか取り出したハリセンでハナの頭を叩いた。
「ちょっともう何すんの!」
「天罰」スパーン
「いてっ、だから何「天罰」あいてっ」
「……もう1つあったりします?」
「どうぞ」
「へ?ちょっとヒカリちゃん?」
「これまでの罰です!」
「え!?ちょっと待っ」
少し前リュウ達2人は店の外で知り合いを探していた。
そこへ声がかかる。
「リュウ、シュンまた何かに巻き込まれたのか?」
「「
その人こそが2人が探していた人だった。ただ身長2mを超え、正に極道のような顔をした彼を誰も取り締まる側だとは思わないだろう。
「それで何があった?」
「ダークスフィアが使われました」
「……まだあったのか」
極道の顔が苦々しげなものになる。彼はダークスフィアで妻と娘を亡くしたダークスフィアを憎んでいる人の1人だ。
「渡しておきます」
「ああ」
「あ、極道さん使ったやつと関わりがある子供保護しときました!」
「子供…そうかお手柄だな。取り敢えずその子に合わせてくれ」
3人はお店の扉を開ける。
「反省した!反省したからやめてー!」
「ダメです!これまであった貴方のイタズラ137回分叩いていません!」スパーン
「いたっ、全部数えてたの!?」
「今、95回」
「あと42!?へぶう」
ヒカリのハリセンが顔面に直撃し、気絶する。96回も叩かれたのだ当然の結果である。
まだ叩こうとするヒカリを見ていた3人は流石に止めた。
「離してください!後41回なんですから!」
「ダメに決まってんだろ!てかそのハリセンどっから持ってきた!」
どうにかこうにかヒカリを落ち着け、そのまま解散することになった。
「お前達は明日学校なんだ。さっさと帰って寝ろ。こっからは大人の仕事だ」
「「「はい」」」
「ハナは俺が担いで帰るわ」
「そうか」
「また会いましょうね」
「うん、また」
3人は1つの死体と共に帰っていった。
「……それじゃあ僕も」ガシッ
「帰らしてやりたいが、ここから事情聴取だ」
「デスヨネ」
そして2人は警察署へ向かった。
ーーーーー
あれから1週間程経った。ヒカリはふと、あれからあの子とは会ってないがどうしているのだろうか?と思った。あの子はどうやら家がなかったらしく、今は極道さんの家で同居しているらしい。ただ、今も事情聴取が続いているらしい。
続いて、いる、らしいのだが
「今日は転校生が来まーす!」
「え、マジで!?」
「どんな子かなー!」
「ヒカリちゃんに続いて2人目!?」
「美女美女美女美女……」
「「「うわぁ」」」
「それじゃ、入ってきて〜!」
扉が開き、1人の少女が入ってくる。フードを深く被っており、スカートでなければ女の子だと気づかなかっただろう。そしてその声は1週間ほど前に聞いたきりの声。
「
「じゃあ夢想さんは久我さんの隣に座って下さい」
ヒカリの隣にレイが座る。
「ん、久しぶり」
「お久しぶりですね、学校で会うとは思いませんでしたが」
その会話を聞いたクラスメイト達が一斉に声を上げる。
「ヒカリちゃんの知り合いだったの!?」「どんな関係!?どんな関係!?」「久しぶりっていつから!?」「2人並んでると可愛い!!!」「百合って、いいよな」「キモい」「切腹しろ」「今すぐあの2人に謝れ」「酷くない!?」「好きな食べ物何?」「LOINつなごー!」「放課後親睦会しない?」
「「はえ?」」
それから一時間目の初めまでこのクラスからは声が響いたとか…