Kになったので殺人ウイルスを作ろう 作:BOY
AIは誤字脱字の添削などに利用。
投稿後にクロスオーバー要素を消し設定を変更しました。
すみませんm(_ _)m
私はキミコである。苗字はまだ無い。
映画版『DEATH NOTE』の『L change the WorLd』に登場する、通称K。
L、ニア、メロと同じワイミーズハウス出身の天才であり、後に研究者となる彼女にはある過激な思想があった。
人類こそが地球を破壊する存在である。
人類を減らすことで地球を救おう。
そのために利用したのが、二階堂公彦が研究していた致死性ウイルスだった。
アジア感染症センターで二階堂教授の助手をしていたKは、そのウイルスを使い、人類抹殺計画を始動しようとする。
反人間中心主義、生態中心主義。
そして優生思想。そんなキマった女。
それが九條希実子――通称Kなのである。
そして気づけば私はその「九條希実子」になっていた。いや、思い出したが正しいか?私は前の記憶を取り戻し、一番初めに目標を作る事にした。
『天才になったなら殺人ウイルスを作ろう』
どうせなら本来のKが敬愛していた二階堂教授を越えよう!
そう定めた途端、まるでパズルの最後のピースをはめた時のような爽快感に胸が躍った。
私という意識、K本来の価値観と思想。
混ざりあってアイデンティティは確立し
そうして、キミコは生まれた。
教授が作ったものよりも強力で、残酷で、美しい殺人ウイルスを作ろう。
幸いにも私の頭の中には、これ以上ないほど最適なウイルスの知識がある。それこそ前の世界では架空のものでも再現出来るかもしれない。
Lもキラもデスノートも関係無い。
私は私の力でこの世界に名を刻んでみたい。
たとえそれが数え切れないほど人を殺したとしても、それが混ざりものの「私」の目標だった。
_____その為にはまず断ち切らねばならない。
「考え事ですかキミコ」
こちらを伺うようにコテン、と首を傾げる少年を見た。
「大した事じゃないよ、L」
少し憎らしくも、可愛いこの名探偵との関係を。
*
Lと出会ったのは1年程前のことだった。
当時8歳の彼をワタリ……キルシュ・ワイミーが見出しハウスへ連れてきた。
暫くしてもLは周りに馴染めず孤立していた。
それもそうだろう、入ってすぐに正当防衛とはいえ暴力沙汰を起こしたそうだ。社交性が極端に低く自我が強い天才。
皆が距離を置くのは当然の事だった。
そんなLと私が関わることになった訳はワイミーさんの計らいによるものだ。
余りにも孤立した彼を見かねたのか同年代とは反りが合わない事もあり、彼の話し相手として6歳上の私が宛てがわれた。
話し相手、と言っても初めの頃はお互いほぼ無言。
挨拶程度に話しかけてみてもLはこちらを観察するのみだった。恐らく私を見極めようとしているのだろうと、満足するまで好きにさせることにした。
日に数十分、Lに会い挨拶をし持参した本を読む。
そんな日々を過ごして暫くした頃、ふとポケットに入ってるキャンディに気がついた。この前配られたものを食べずに取っておいたのだったか。
チラリと横を見ると、退屈なのだろうアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をパラパラと速読するLが居る。
私は何となくキャンディを手に取ると、彼の前に差し出してみた。
「甘いものは好き?良かったらどうぞ」
「……どうも」
逡巡したのちに私からキャンディを受け取り、口に放りカラコロと音を立てていた。手に持った本を置き、こちらを向いた。
「ウォーグレイヴについて、どう思いますか」
「え?」
Lからのアクションは初めての事だった為、正直驚いた。端的な質問だったが、恐らく「そして誰もいなくなった」の判事について聞いているのだろう。
「唐突ね、私がその小説を読んだ事ないかも知れないのに」
「いえそれは無いでしょう。貴方は読書家です、確かにジャンルは化学よりですがたまにミステリーも読んでいます。前回はパトリシア・ハイスミスを読了していた。ハウスの並びはA〜Zです現在はP列、つまりAのアガサ・クリスティは読破済みと考えましたが」
違いますか?そう早口で捲し立てる推理に少し気圧されながら、よく見ているなと感心した。
観察されている事は分かっていたが、普段の行動から几帳面さや神経質な部分も把握されていたのだろう。
実際、私は好きなものを選ぶよりも並び順に初めから読み進めていくタイプだった。
彼の推理を肯定してから、答える。
「ええと、判事についてだったわね。とても傲慢な正義だと思うわ。けれど全てが間違ってる訳でもないし興味深い人物だと思う」
「そうですか。たしかに彼は優秀ですが、私は正義感の強い人物とは評価しません」
判事よりとも取れる感想だったからだろうか、Lは少し不服そうな雰囲気で間髪入れず言い返した。けれど6歳も下の男の子に腹が立つわけもなく、むしろ幼げな仕草が少し微笑ましかった。
「そうね、私的な理由もあったのかもしれないし私刑は許されない。けれどそれは強い立場の考え方だとも言えるわ」
実際、被害者からしたら判事の行ったことは正義とも言えるだろう。
「そうかも知れません、しかし結果が正しいこととその結果を得るために何をしてもよいことは別の問題です」
「ええ、だから判事は傲慢な正義なのよ。自分こそ正義を執行する資格があると思い込み正当性を盾にしている」
けれど救われた人も確かにいたでしょう?
なので私の中では判事の私刑は悪ではあるが、有りか無しかで言えばアリだ。
「ですが、私ならもっと上手い方法を考えます。それも合法的に」
____ 必要なら司法機関に協力を仰ぐことも考えます。悪にならずとも正義を通せるようにするでしょう。
「フフ、ルールそのものを書き換えるの?強引ね」
真顔でそう言うLが何だか面白くて、思わず笑ってしまった。私なら目的を遂げるためにルールを破るだろう。しかし彼は正義を通す為にルールを変えるのだから、私達は真逆だった。
それでも不思議とお互い不快感は無く、意外と相性は悪くないのかもしれないと思った。
その日からLとは本の感想を言い合ったり、犯人を予測しあったり、時々お茶をしたりする程度の細々とした交流を続け…
____そうして1年が過ぎた頃、私は『前』の記憶を取り戻した。
*
記憶を取り戻し1ヶ月後、私はタイにいた。
あれから迅速にハウスを出る用意を整えた私はLは勿論、ワイミーさんにすら行き先を告げずにハウスを出た。探すなと言っても探偵の好奇心は聞く耳を持たないだろう。部屋には偽の情報を残しておいた。
タイの大学に特別入学を認められた私は、里親の元で大学生活を送っていた。
専攻はもちろん微生物学。
タイはバイオ・感染症・ウイルス研究がかなり盛んな国だ。
大学内にBSL-3(バイオ・セーフティーレベル3/重篤な病気を起こし得る病原体)の研究室が構内にある。
まずはそこから初め、将来はBSL-4の研究室がある機関に入りウイルスの研究を進めていくつもりだ。
研究の名のもとに、様々な場所で病原体やウイルスを採取しよう。それらを組み合わせより凶悪にしていくのだ。
これからの研究生活に思いを馳せていた時、ふと脳裏にFの事がよぎった。そう言えばハウスには見当たらなかったな。私が存在している以上、二階堂教授やマキ、Fやニアも同じ世界線かもしれないと思っていたのだが…どちらなのだろう?
「ま、考えても仕方ないわね」
やる事は変わらないのだと、そこで思考を切り上げた。
9歳差を6歳差に変更してます。
L8歳→キミコ14歳。
出ていった時L9歳→キミコ15歳です。
また、changetheWorldのウイルスについて調べたら、劇中ではKが作った発言がありますが実際は二階堂が生成・研究していたウイルスをKが持ち出して利用したって解釈で認識してるのですが、もし間違ってたらすみません…ここではその解釈で書いていきます…。
読んでくれてありがとうございました。