神々の剣士、初めての夜を迎える
少女の寝息が、静かな部屋に響いていた。
古びた寝台の上で、ミナが眠っている。
先ほどまで青白かった頬には、うっすらと赤みが戻っていた。苦しげだった呼吸も落ち着き、今は穏やかな表情を浮かべている。
俺はその様子を確認してから、ようやく肩の力を抜いた。
「……ひとまず、大丈夫そうだな」
昼と太陽の神から授かった『陽光の奇跡』。
俺を中心とした半径十メートルほどの範囲にいる、仲間や俺が認めた人間を癒やし続ける奇跡だ。
対象を一人に絞れば、失われた身体の一部さえ再生させることができる。
ただし、治癒には時間が必要であり、奇跡を維持する間は精神力を消耗し続ける。
今回も、ミナの身体を癒やすためにそれなりの力を使った。
だが、消耗は許容範囲内だ。
邪神との戦いで酷使した身体にはまだ疲労が残っているものの、今すぐ倒れるほどではない。
それよりも気になるのは、ミナの病気だった。
俺は医者ではない。
前世で多少の医学知識を得ていたとはいえ、専門家には遠く及ばない。
まして、ここは科学技術が発展した異世界だ。
未知の病原体や、この世界特有の病気が存在していても不思議ではない。
奇跡によって症状は改善した。
しかし、原因まで完全に取り除けたかどうかは分からない。
しばらくは様子を見る必要があるだろう。
「……本当に、ありがとう」
隣から声がした。
振り返ると、リクが立っていた。
十三歳の少年。
痩せた身体に、擦り切れた服。
まだ幼さの残る顔には、疲労の色が濃い。
だが、その表情は先ほどまでとは違っていた。
妹が助かったことへの安堵。
それが、はっきりと見て取れる。
「礼なら、もう聞いたよ」
「でも……」
「それより、お前も少し休め」
俺はリクの肩を軽く叩いた。
「妹のことが心配なのは分かるが、お前まで倒れたら意味がないぞ」
「……分かってる」
リクは小さく頷いた。
それから、少しだけ笑う。
「……カイって、変な奴だな」
「さっきも言われた気がする」
「だって、そうだろ。知らない奴のために銃を持った連中と戦って、そのうえ妹まで治してくれたんだぞ」
「……まあ、成り行きだ」
「普通は、そんな成り行きにならねえよ」
それもそうか。
俺は苦笑した。
もっとも、俺にとっては特別なことではない。
元の世界でも、似たようなことは何度もあった。
困っている人間がいて、自分に助ける力がある。
ならば、できる範囲で手を貸す。
それだけのことだ。
もちろん、誰でも彼でも助けられるわけではない。
俺にも限界はある。
だが、目の前で苦しんでいる人間を見捨てる理由にはならなかった。
「……それで、カイ」
リクが口を開いた。
「さっき、街のことを知りたいって言ってたよな」
「ああ」
「何から聞きたい?」
俺は少し考えた。
知りたいことは山ほどある。
この街の名前。
国の名前。
社会の仕組み。
通貨。
法律。
そして、仕事を探す方法。
だが、最初に確認すべきことは決まっていた。
「……まず、この街の名前を教えてくれ」
リクが目を丸くした。
「……は?」
「街の名前だ」
「……冗談だろ?」
「残念ながら、本気だ」
リクはしばらく俺を見つめていた。
そして、額に手を当てる。
「……マジで何も知らねえんだな」
「だから、そう言ってるだろ」
「いや、ここまでとは思わねえよ……」
リクは大きくため息をついた。
それから、窓の外を指差した。
「ここはナイトシティだよ」
「……ナイトシティ?」
「ああ。知らねえ奴なんて、初めて見たぜ」
その名前を聞いた瞬間。
俺の頭の奥で、何かが引っかかった。
ナイトシティ。
どこかで聞いたことがある。
いや。
聞いたことがあるどころではない。
「……待て」
俺は思わず呟いた。
「ナイトシティって、あのナイトシティか?」
「……どのナイトシティだよ」
リクが怪訝そうな顔をする。
俺は返事をしなかった。
前世の記憶を探る。
現代日本で暮らしていた頃。
俺は漫画やアニメ、ゲームが好きだった。
休日にはゲームを遊び、気になる作品があれば何時間でも調べていた。
その中に、確かにあった。
巨大企業が支配する未来都市。
身体を機械に置き換えるサイバーウェア。
裏社会で仕事を仲介するフィクサー。
そして、ナイトシティという名の街。
「……サイバーパンク」
口から、言葉がこぼれた。
リクが首を傾げる。
「何だって?」
「……いや、何でもない」
俺は慌てて首を振った。
だが、内心では驚愕していた。
まさか。
本当に?
ここは、前世で知っていた作品の世界なのか?
いや、まだ断定はできない。
同じ名前の都市が存在するだけかもしれない。
だが、これまで見てきた光景を思い出す。
高層建築。
巨大企業の広告。
身体を機械に置き換えた人々。
銃を持ったチンピラ。
そして、エディーという通貨。
……一致する要素が多すぎる。
「……なるほどな」
俺は小さく息を吐いた。
どうやら、思っていた以上に厄介な世界へ来てしまったらしい。
◇
「……で、カイ」
リクが不思議そうにこちらを見る。
「何でそんなに驚いてんだ?」
「……いや、ちょっとな」
「ちょっとって?」
「昔、似たような街の話を聞いたことがあるんだ」
嘘ではない。
ただし、それがゲームの中の話だったというだけだ。
「ふーん」
リクはそれ以上追及してこなかった。
俺は内心で安堵する。
今はまだ、前世の知識をどこまで信用できるか分からない。
仮にここが本当にあの作品の世界だとしても、時代や状況が同じとは限らない。
俺が知っている出来事が、すでに起こっている可能性もある。
逆に、まだ起こっていない可能性もある。
そもそも、細かな設定をすべて覚えているわけではない。
下手に知識を頼りすぎるのは危険だ。
「……なあ、リク」
「ん?」
「今って、何年だ?」
リクが再び固まった。
「…………」
「……そんな顔するなよ」
「いや、するだろ!」
リクが叫ぶ。
「街の名前も知らねえ、年も分からねえって、あんたどこから来たんだよ!」
「……遠いところだ」
「便利な言葉だな、それ!」
俺は苦笑した。
リクは大きくため息をついた。
そして、壁に取りつけられた古い端末を操作する。
ひび割れた画面に、数字が表示された。
「ほら。これ」
俺は画面を覗き込んだ。
そこには、日付と時刻が表示されていた。
そして、年号。
「……なるほど」
俺はその数字を記憶した。
少なくとも、現在の年代は把握できた。
前世の知識と照らし合わせれば、ある程度は状況を整理できるだろう。
もっとも、今すぐ役立つかどうかは別問題だが。
「……他には?」
リクが尋ねる。
「そうだな。まず、この街で仕事を探すにはどうすればいい?」
「仕事?」
「ああ。金が必要だからな」
俺は肩をすくめた。
「今は少し持ってるが、いつまでもそれで生活するわけにはいかない」
リクは少し考えた。
「……普通の仕事なら、身分証がいるぜ」
「身分証?」
「ああ。登録情報とか、口座とか、そういうの」
「……なるほど」
予想していた問題だった。
現代日本でも、身分証明書がなければできないことは多い。
この世界では、さらに厳しいのかもしれない。
「……身分証がない場合は?」
俺が尋ねると、リクは少しだけ声を落とした。
「……裏の仕事なら、できるかもしれねえ」
「裏の仕事?」
「ああ。フィクサーって連中が、そういう仕事を紹介してる」
その言葉に、俺は目を細めた。
フィクサー。
前世の記憶にある言葉だった。
依頼人と実行者を仲介する人間。
情報や人脈を持ち、裏社会で仕事を斡旋する存在。
確か、そんな役割だったはずだ。
「……具体的には、どんな仕事だ?」
「色々だよ。荷物の運搬とか、護衛とか、物の回収とか……」
リクは少し言い淀んだ。
「……危ない仕事も多いけどな」
「危ない仕事、か」
俺は呟いた。
危険には慣れている。
むしろ、危険な仕事の方が俺の能力を活かせるかもしれない。
だが、問題は別にあった。
「……そのフィクサーって連中には、どうやって会うんだ?」
リクは首を横に振った。
「知らねえ。俺みたいなガキが簡単に会える相手じゃねえし」
「……そうか」
俺は頷いた。
まあ、当然だろう。
裏社会の仲介人が、誰でも簡単に会える場所にいるとは思えない。
それに、仮に会えたとしても、いきなり仕事を紹介してもらえるとは限らない。
信用。
実績。
人脈。
どれも、今の俺にはないものだった。
「……地道にやるしかないか」
俺は小さく呟いた。
◇
それからしばらく、俺はリクに街のことを教えてもらった。
ナイトシティ。
巨大企業が強い影響力を持つ都市。
治安は決してよくなく、地区によっては銃撃戦も珍しくない。
警察は存在するが、すべての事件に対応してくれるわけではない。
金があれば大抵のものは手に入る。
逆に、金がなければ生きていくことすら難しい。
そんな街らしい。
「……随分と物騒だな」
俺が呟くと、リクは肩をすくめた。
「今さら何言ってんだよ。ナイトシティだぜ?」
「……そうだったな」
俺は苦笑した。
前世で知っていた作品の世界だとすれば、確かにそういう街だった。
だが、実際に暮らすとなると話は別だ。
画面越しに見るのと、現実にその場所で生きるのとでは、危険の重みが違う。
「……それにしても」
俺は部屋を見渡した。
狭い。
古い。
設備も十分とは言えない。
だが、リクとミナはここで暮らしている。
この街には、同じような境遇の人間が大勢いるのだろう。
科学技術が発展していても、貧困がなくなるわけではない。
むしろ、格差は元の世界以上に大きいのかもしれない。
「……カイ?」
リクが声をかけてきた。
「ん?」
「何考えてんだ?」
「……いや、色々とな」
俺は首を振った。
今は、目の前の問題を片づけよう。
「……そうだ。宿についても聞きたい」
「宿?」
「ああ。今夜泊まる場所がないんだ」
リクが目を丸くした。
「……マジで?」
「マジだ」
「……あんた、本当に何も持ってねえんだな」
「剣と鎧ならあるぞ」
「それ、今の話と関係ねえだろ!」
リクが呆れた声を上げた。
俺は笑った。
すると、リクは少し考え込んだ。
そして、口を開く。
「……だったら、ここに泊まれば?」
「……ここ?」
「ああ」
リクは部屋を見渡した。
「狭いけど、床なら空いてるし」
「……いや、それは悪いだろ」
「何で?」
「お前たちの家だぞ。俺は今日会ったばかりの人間だ」
リクは肩をすくめた。
「でも、妹を助けてくれたじゃん」
「それはそれだ」
「……頑固だな」
リクが呟いた。
俺は苦笑した。
確かに、少し頑固なのかもしれない。
だが、助けたことを理由に、相手の生活へ負担をかけるのは違うと思った。
特に、この兄妹は決して裕福ではない。
俺が泊まれば、それだけ負担が増える。
「……気持ちだけ受け取っておくよ」
俺はそう言った。
リクは不満そうな顔をしたが、それ以上は何も言わなかった。
◇
しばらくして、ミナが目を覚ました。
「……お兄ちゃん」
か細い声がした。
リクがすぐに駆け寄る。
「ミナ! 大丈夫か?」
「……うん」
少女はゆっくりと身体を起こした。
先ほどまでとは違い、顔色はかなりよくなっている。
俺は少し離れた場所から様子を見守った。
「……お腹、すいた」
ミナが呟く。
リクが笑った。
「分かった。今、何か買ってくる」
そう言って立ち上がる。
俺はその肩を軽く叩いた。
「俺も行こう」
「……え?」
「食料を買うんだろ。荷物持ちくらいはできる」
「いや、でも……」
「それに、この街の店も見ておきたい」
俺がそう言うと、リクは少し考えた後で頷いた。
「……分かった」
俺たちは部屋を出た。
階段を下り、夜の街へ向かう。
外はすっかり暗くなっていた。
だが、街は眠っていない。
巨大な広告が空を照らし、無数の車が道路を走っている。
人々の話し声。
音楽。
機械の駆動音。
そして、遠くから聞こえる銃声。
昼間と変わらない騒がしさだった。
「……夜でも賑やかだな」
俺が呟くと、リクは不思議そうな顔をした。
「当たり前だろ。ナイトシティだぜ?」
「……そうだったな」
俺は苦笑した。
そして、ふと空を見上げる。
巨大な建物の隙間。
そこに、わずかな夜空が見えた。
月は見えない。
建物に隠れているのか。
それとも、今夜は月が出ていないのか。
俺は静かに目を閉じた。
夜と月の女神から授かった加護。
夜間、敵意を持つ人間の位置を察知する力。
その感覚を、意識の奥から呼び起こす。
すると。
「……!」
周囲に、いくつもの気配が浮かび上がった。
近くの路地。
建物の陰。
少し離れた道路の向こう。
明確な敵意を持つ人間たちの位置が、ぼんやりと分かる。
俺は目を開けた。
「……使えるな」
小さく呟く。
この世界でも、女神の加護は働いている。
それは、非常に大きな収穫だった。
ただし、感じ取れるのは敵意を持つ人間の位置だけだ。
相手の名前や目的まで分かるわけではない。
それに、この街には機械によって身体を強化した人間が多い。
加護がどこまで正確に働くのか、まだ検証が必要だ。
「……カイ?」
リクが振り返った。
「どうした?」
「いや、何でもない」
俺は首を振った。
今は、余計なことを考える必要はない。
まずは食料だ。
◇
俺たちは、近くの小さな食料品店へ入った。
店内には、見慣れない商品が並んでいた。
色鮮やかな包装。
奇妙な形の容器。
そして、聞いたことのない名前の食べ物。
「……何だ、これ」
俺は棚に並んだ商品を手に取った。
細長い包装の中に、何かの食品が入っている。
表面には、栄養成分らしき数字が表示されていた。
「それ、栄養バー」
リクが答える。
「栄養バー?」
「ああ。安いし、腹も膨れる」
「……なるほど」
俺は包装を眺めた。
前世にも似たようなものはあった。
ただ、こちらの方がずいぶん派手な見た目だ。
試しに一つ購入してみることにした。
他にも、保存の利きそうな食品や飲み物をいくつか選ぶ。
リクは妹のために、消化のよさそうな食べ物を探していた。
「……これなら、ミナも食べられるかな」
少年が小さく呟く。
俺はその横顔を見た。
十三歳。
本来なら、まだ大人に守られていてもおかしくない年齢だ。
それなのに、妹の生活を支えるために必死になっている。
その姿に、少し胸が痛んだ。
「……リク」
「ん?」
「食料は、俺が払うよ」
「……え?」
「妹のために必要なんだろ」
「いや、でも……」
「いいから」
俺は笑った。
「その代わり、もう少し街のことを教えてくれ」
リクはしばらく俺を見つめていた。
そして、少しだけ笑った。
「……ほんと、変な奴だな」
「それ、今日何回目だ?」
「知らねえよ」
二人で笑った。
ほんの短い時間だったが、少しだけ気が楽になった。
◇
買い物を終え、リクの家へ戻る途中。
俺はふと足を止めた。
「……リク」
「ん?」
「少し、こっちへ」
俺は少年の肩を掴み、路地の陰へ引き寄せた。
「な、何だよ?」
「……静かに」
俺は声を落とした。
夜と月の女神の加護。
その感覚が、先ほどから妙な反応を示していた。
明確な敵意。
それが、こちらへ向けられている。
しかも、一人ではない。
「……三人、いや、四人か」
俺は小さく呟いた。
建物の陰。
少し離れた道路。
そして、背後の路地。
複数の人間が、こちらを意識している。
偶然ではない。
明らかに、俺たちを追っている。
「……カイ?」
リクの声が震えた。
「……誰かいるのか?」
「ああ」
俺は頷いた。
「どうやら、客が来たらしい」
リクの顔が青ざめる。
「……まさか」
俺は少年を見た。
「心当たりがあるのか?」
リクは唇を噛んだ。
そして、小さく頷く。
「……昼間の奴らかもしれない」
なるほど。
データチップを盗まれた連中。
その仲間が、追ってきたということか。
俺はため息をついた。
「……やっぱり、そう簡単には終わらないか」
腰の剣に手を添える。
だが、すぐに思い直した。
ここは人通りのある街中だ。
下手に剣を抜けば、周囲に被害が出るかもしれない。
それに、相手が何者なのかも分からない。
まずは話を聞くべきだろう。
「……リク」
「な、何だ?」
「お前は、ここで待ってろ」
「……カイ?」
「大丈夫だ。すぐ戻る」
俺はそう言って、路地の奥へ歩き出した。
その先。
暗がりの中から、男たちが姿を現した。
四人。
全員、武装している。
そのうち一人は、明らかに高価そうなサイバーウェアを装着していた。
男たちは俺を見て、足を止めた。
「……お前か」
先頭の男が口を開く。
「昼間、うちの連中を叩きのめしたってガキは」
俺は肩をすくめた。
「……そういうことになるな」
男が笑った。
だが、その目は笑っていない。
「……随分と舐めた真似してくれたじゃねえか」
「そっちが先に銃を向けたんだろ」
「口の減らねえガキだ」
男は腰の銃に手をかけた。
俺は静かに息を吐いた。
どうやら、話し合いで済ませるのは難しそうだ。
「……一つ聞いていいか?」
俺が尋ねると、男は眉をひそめた。
「あ?」
「お前たちは、何が目的なんだ?」
「決まってんだろ」
男が笑う。
「盗まれた物を取り返す。それと、うちの連中をやった落とし前をつけてもらう」
「……なるほど」
俺は頷いた。
盗まれた物を取り返す。
それ自体は、理解できる。
だが、問題はその方法だ。
銃を持って子供を追い回し、街中で発砲する。
それを正当化することはできない。
「……なら、まず話をしよう」
俺はそう言った。
男たちが顔を見合わせる。
そして、笑い出した。
「……ははっ!」
「聞いたか? 話をしよう、だってよ!」
「この状況で、何言ってんだ?」
俺は肩をすくめた。
「……話が通じないなら、仕方ないけどな」
男たちの笑いが止まった。
先頭の男が目を細める。
「……何だと?」
俺は静かに剣の柄へ手を添えた。
「……できれば、誰も怪我をしない方がいいだろ」
その言葉に、男たちの表情が変わった。
怒り。
侮蔑。
そして、殺意。
俺は小さく息を吐いた。
夜と月の女神の加護が、彼らの位置を明確に捉えている。
逃げ道も、周囲の状況も確認した。
あとは。
「……さて」
俺は半歩、前へ出た。
「どうする?」
ネオンの光が、剣の鞘を照らしていた。
鋼鉄の街で迎える、初めての夜。
どうやら、まだ眠ることはできそうになかった。