転生したらスキマ妖怪だった件について外伝   作:デスゴッド

2 / 2
傍観者Aの虚構への終身刑

「どうもぉ~♪皆、大好きAI(アイ)だよぉ~♪」

 

ある日の夜9時頃、可愛いぬいぐるみ等が置かれた部屋にて、ピンクのツインテールに可愛いメイクをした十六歳の少女、若い人気チューバー『AI』こと藤宮(ふじみや)愛依(あい)は営業スマイルでそう言いながらライブ配信を始める。

 

「今日も楽しくゲームを実況していくから、皆も楽しんでねぇ~♪」

 

パソコン画面

『

待ってましたぁ~

 

AIちゃ~ん
』

 

「さぁーて今日、実況するゲームはぁ~……ん?」

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。初見なの
』

 

「初見さんのメリーちゃんね。よろしくねぇ~。それじゃあ」

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。今、○○高等学校の校舎裏にいるの
』

 

「……え?」

 

そのコメントに愛依が思わず呆けた声を上げるなか、ライブ動画の右下端に『何処かの学校の校舎裏に立つ不気味な雰囲気の少女』の動画がワイプのように貼りつけられる。

 

(嘘……ここ、あたしが通ってる学校じゃん!?なんで……っ!!?)

 

パソコン画面

『

なんだなんだ?

 

悪戯かぁ?

 

っていうか映ってる子はメリー?

 

雰囲気ヤバwww
』

 

「い、いやだなぁ~。メリーちゃん。学校に不法侵入したのもそうだけど、可笑しな悪戯しちゃダメだよ?とりあえず通報はしないから、早いとこお家に帰ってね?」

 

愛依はそう言いながら、ライブ動画に貼りつけられたワイプ動画を消そうとする。

 

「あ、あれ?」

 

(消えない!?なんで!!?)

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。今、トイレにいるの
』

 

困惑している愛依を他所にそのコメントと共にワイプ動画の場面が校舎裏から校舎内の女子トイレ内に切り替わる。

 

『………』

 

尚、『メリー』と思われる少女はそのままだが、女子トイレの蓋をした便座に腰を下ろした状態で何故か濡れている。

 

「え!?」

 

(まだ数分も経ってないのに……っ!?)

 

パソコン画面

『

マジかwww

 

校舎に入っちゃったメリーwww

 

っていうか移動速度とかなんかおかしくない?

 

最初の動画から1分も経ってないよ?

 

おまけになんか濡れてない?
』

 

(それにこの構図、なんか見覚えが……)

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。今、学校のゴミ捨て場にいるの
』

 

段々青ざめていく愛依を他所にワイプ動画の場面が『生ゴミまみれになりながら、ゴミ捨て場の大量のゴミの上で横たわるメリー』の場面に切り替わる。

 

「ッ!?」

 

(こ、この構図も……っ!?)

 

パソコン画面

『

ヒデェwww

 

メリー、イジメにでも遭ったんか?

 

いやいや!移動速度とかやっぱりおかしいって!?
』

 

「……気持ち悪い……」

 

パソコン画面

『

おっ?

 

AIちゃん?
』

 

「もう受信拒否設定にしよ……」

 

愛依はそう言いながら、メリーからのコメントと添付動画を受信拒否にしようとする。

 

「!?なんで……なんで受信拒否できないの……っ!!?」

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。今、屋上にいるの
』

 

困惑を隠せずにいる愛依を他所にワイプ動画の場面が学校の屋上………手摺りが壊れている箇所の外側で立っているメリーへと切り替わる。

 

「!?ヒィ………ッ!!?」

 

(ま、まさか……っ!?)

 

パソコン画面

『

おいおいおいおいwww

 

危ないぞぉ~www

 

っていうかAIちゃん、どした?
』

 

『と、とにかく逃げるぞ!おまえら!!急げっ!!』

 

『ね、ねぇ。蹴飛ばして突き落としたのは紗綾だから、私達は捕まらないよね?』

 

『うっせぇっ!!可笑しなこと言ってるとてめえも蹴飛ばすぞっ!!』

 

『ヒィッ!?』

 

『………』

 

『ハッ!?愛依(あい)!てめえ、まさか、そのスマホ……ライブでSNS配信してねぇだろうなぁっ!!?』

 

『し、してない!ライブ配信なんてしてない!!』

 

『今すぐ消せっ!!でねぇと人気チューバーのてめえも終わるぞっ!!』

 

『わ、わかってるわよ!!』

 

続けて、BGMとしてそんな少女達の会話の音声データが流れる。

 

「え!?」

 

それはつい一週間程前に愛依が屋上で仲間と交わしていた時のものだった。

 

(ちゃんと元データは処分した筈なのに……っ!?)

 

パソコン画面

『

今のBGMの会話、一人はAIちゃん?人気チューバーとか言ってたし

 

AIちゃん、誰かをイジメてたことがあるってこと?

 

っていうか今、蹴飛ばして突き落としたとか言わなかった?

 

普通に犯罪じゃん

 

ワタシ、メリー。今、教室にいるの
』

 

ワイプ動画の場面が『一年A組の教室にある、白い百合が置かれた机の近くに立つメリー』へと切り替わる。

 

パソコン画面

『

マジか

 

白百合ってことは
』

 

「!?ふざけんじゃねぇぞ!!(ガタンッ!!)」

 

我慢できなくなったのか、愛依はそう言いながら勢いよく立ち上がる。

 

「てめえ、彼奴(・・)の関係者か?何処まで知っている!?」

 

パソコン画面

『

あ、AIちゃん?
』

 

「なんでだよ!?やるなら実際に手を出してた紗綾や李々子(りりこ)達じゃん!あたしはただその場でスマホで撮影してただけでトイレの最中に水をぶっかけたり、生ゴミまみれにしたり、蹴飛ばしたりもしてないじゃん!!」

 

パソコン画面

『

はぁっ!?

 

マジか……
』

 

「SNSのライブ配信はなんてことないあたしが『輝ける場所』なんだ……だから、邪魔すんなよっ!!!」

 

最早パソコン画面を観ている余裕もないのか、愛依は両手で顔を覆いながらそう叫ぶ。

 

「はぁ……はぁ……」

 

叫んだ後、気持ちが落ち着いてきた愛依はパソコン画面を観る。

 

パソコン画面

『

わたし、メリー。今、貴女の後ろにいるの
』

 

「………え?……っ!?」バッ!!

 

愛依は慌てて背後を振り返る。

 

が、不気味な雰囲気の少女は何処にもいない。

 

「な、なんだ。誰もいないじゃない」

 

「そんなに輝きたいなら、一生(ずっと)虚構(ここ)で輝かせてあげる」

 

「きゃあぁああぁぁぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁぁああぁあぁああぁぁぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁぁぁっ!!?」

 

次の瞬間、愛依はパソコン画面の中から飛び出してきた少女…怪異『メリーさん』に引きずり込まれ、現実(この世)から消えた。

 

程なくして、有名なインフルエンサーや芸能人がネットに上げた写真の片隅に現実には存在しないのにいつの間にか映り込む……泣き叫ぶAIちゃんこと『監禁ちゃん』の噂が流れるようになるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生したらスキマ妖怪だった件について(作者:デスゴッド)(原作:転生したらスライムだった件)

『転生したらルーミアだった!?』とは別の世界線の転スラ×東方Project のクロスオーバーです。▼こっちではクロスオーバーする作品を極力東方のみに搾る予定です。▼また、式神や陰陽道に関してはご都合解釈なのを了承して下さると幸いです(・・;)▼それではどうぞ。


総合評価:851/評価:8.44/連載:68話/更新日時:2026年10月19日(月) 22:09 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>