GGO 荒野フィールド
「うわあああああああああ!!」
銃声の後に1人のプレイヤーの叫びが空間にこだましドサッっと倒れる音が静寂を支配する
先程までこの男は合計10人のスコードロンを率いるボスだったがたった1人のプレイヤーに壊滅させられたのだ
1人は不意打ちに放たれた弾丸に倒れ1人は盾にされ味方の弾丸に倒れ1人は接近を許しナイフによる刺殺で倒された
このように1人づつ確実に倒れていき最後に残ったリーダーも抵抗虚しく銃弾の前に倒れたのだ
「……」
システムウィンドウを開き今倒しドロップしたスコードロンのアイテムを確認する後ろから少し離れた壊れかけの建物からまた1人彼を狙うものがいた
「…めちゃくちゃよ!」
シノンは1人毒付き愛銃のアンチマテリアルライフル ウルティマ・ラティオへカートII越しに睨んでいた
「プレイヤー名ソルジャー…間違いない…ストームソルジャー!」
〝ストームソルジャー〟それが彼のこの世界での2つ名だった
スチームパンク風のゴーグルに黒無地のフェイスマスク、全身を黒く着飾った特殊部隊を彷彿とさせるバトルスーツ
彼の握る得物はグロック26ADVANCE
グロック26ADVANCEは本来なら存在しない銃だけど日本でGGOリリースを記念しリアルの世界のエアガンメーカーとコラボした時に追加された銃の1つ
(決めるなら一撃で……!)
へカートのトリガーに指をかけ背を向けた男に向けて無慈悲な一撃を放つ鼻たれた弾丸は……
「躱された!?」
男は体を少し右にずらす事でへカートの弾丸は地面の砂をえぐるだけに終わった、そして振り返った男が猛スピードでシノンのいる建物に向かって走り出す
「早い! AGIに降ってるのね!」
即座にへカートを向けるが男を捉えようとしても遮蔽物を走りつつ挟むことで斜線を切られてしまう
「長物は使わないって聞いてたけどここまで早いなんて…」
闇風のように長物を持ちスピード特価のステータスを振るプレイヤーは多いけど彼は基本ハンドガンとナイフの戦闘が多い
考えているとガタッっと建物から音がする、ここまで来られた!
ヘカートで出待ちを狙う?…屋上に来るなら入口は1つ狙うことはできる、でも先程の動きならこの入口でなくても窓枠から飛び上がってくることだって彼なら
「くっ!」
ヘカートをしまいH&K MP7を引き抜き辺りを警戒する
「いい感だ」
そんな声に振り返るとストームソルジャーはやはり下の窓枠から飛び上がってきた彼が左手をこちらに向ける…左手!?
「SIGSAUER P226!?」
ストライクフェイスを装着されたSIGSAUER P226をこちらに向けている
「くっ!」
咄嗟にMP7を構え直し着地したストームソルジャーに向けて発砲するが彼は体走り抜け躱す、やっぱり早い
それだけじゃない、咄嗟に見ただけでもグロックにSIG他にも少なくても2丁銃を装備しているのが見えた どれだけ装備してるのよ!
「しかも早いし…この!」
走るストームソルジャーに向けてMP7を放つが走りながら右ホルスターからグロック26ADVANCEを引き抜きこちらに構え2発放つ
1発はMP7に当たり嫌な音を立て飛んでいく、残りの1発は私の右手を貫く
「ああああ!」
痛みに一瞬気を取られた隙に彼がコチラに向かって走ってくる
ヘカートを構える?ダメ間に合わない…MP7を拾う?ダメねさっきので離れた場所に落ちてるし先程の音の感じでは撃てない可能性もある
「ならっ!」
腰に装備していたプラズマグレネードを握るが近づいた彼はしゃがみ私に足をひっかけ体制を崩される
「きゃっ!……ッ!」
尻もちを着いた私の眼前にストライクフェイスの装備されたSIGSAUER P226を突きつけられる
構えたまま私の握るプラズマグレネードを蹴り飛ばされる
「……くっ!」
万事休すね……
「次は負けない覚悟してなさいストームソルジャー……!」
そこで私の意識は途切れた…
「次は負けない…か」
ADVANCEとP226をホルスターに収め軽く首を回しドアに向かって歩く
「いつでも相手になってやる」