では後半どうぞ!
あとがき皆さんへの質問を投げさせて頂いております
見ていだけた幸いです。
【それぞれの楽しみ方】
夜の帳が下りた路地裏は、昼間の賑やかさが嘘のように静まり返っていた。
まだ早い時間帯の『BAR BLUEBELL』の店内には常連たちの姿もなく、ゆったりとしたジャズだけが静かに流れている。
「……今日は早閉めかな」
凪(なぎ)はカウンターの奥で手際よくグラスの片付けを済ませると、表へ回り、店の看板を彩る青いイルミネーションの電源を落とした。
仕事中に着ていた黒いシャツのまま、お気に入りのチャコールグレーのオーバーサイズパーカーをラフに羽織る。
一本の紙タバコを箱から抜き取り、裏口の鉄扉を開けて冷たい夜風の吹く路地裏へ出た。
お気に入りのメンソールタバコを唇にくわえ、ポケットから愛用の銀色のZIPPOライターを取り出す。
キィ、とホイールを回す。シュパッと小気味いい金属音とともに、小さな炎が灯った。
タバコの先端に火を移し、ふぅーっと深く吸い込む。
吐き出された紫煙が、冷たい夜空へゆっくりと白く揺らめきながら昇っていく。その様子を見つめながら、凪はぽつりと呟いた。
「いつからだ? ほんとに……」
煙の向こう、夜空に浮かぶ月を見上げる。
押し寄せる懐かしさに目を細め、凪は遠い昔のことを思い出し始めていた。
――すべての始まりは、まだ凪がランドセルを背負っていた、小学生の頃だ。
新潟から千葉の街へ引っ越してきたばかりの凪は、右も左も分からず、新しい環境にも馴染めずにいた。
いつも一人で、暗い顔をして俯いていた。
そんな凪の前に、嵐のように突っ込んできたのが、同じくランドセルを背負った、ショートカットの生意気なガキ――スバルだった。
『おいお前! 見ない顔だな! 何してんだ! スバルと遊ぶっす!』
遠慮も、境界線もない、底抜けに真っ直ぐな大声。
あまりの勢いに圧倒され、最初は「なんだこいつ……」と引き気味だった凪だが、それからのスバルは容赦がなかった。
『おーい! 凪! 遊ぶっすよー!』
毎日のように大声で声をかけてくる。しかも、学校もクラスも一緒。
朝の登校から昼休み、放課後の帰り道までずっと一緒で、極めつけには実家まで隣同士という、絵に描いたような腐れ縁だった。
そこから月日は流れ、中学生になった頃。
スバルは陸上部のマネージャーになり、当の本人である凪は、これといった部活にも入らない帰宅部だった。
学校でのスバルは、男女問わず誰からも好かれる人気者。マネージャーとしての仕事も完璧で、誰とでも分け隔てなく、いつも明るく会話しているのが印象的な奴だった。
だが、夜になれば話は別だ。
実家が隣なのをいいことに、スバルは当然のように凪の部屋へやってくる。
『おい。凪、お前、陸上部入らないか? 足はえーだろ』
『いや、やらねえよ。……てか、サラッと俺の部屋で寛いでんじゃねえよ』
『鍵かけない奴が悪いだろ!』
『はぁ……茶でも飲むか?』
『おう。苦しゅうない!』
そんなくだらない押し問答を繰り返しながら、二人は少しずつ、飾らない関係になっていった。
さらに高校へ進学したときのことだ。
『おい、スバル……』
『どうした、凪』
『お前、なんでこの高校なんだよ』
『決まってるだろ。家から近ぇからだよ!』
『はぁ……これで通算、小学校から含めて、これから3年いることを考えると11年か……はぁ』
『おい、なんだその溜め息は!?』
『いや、なんもねぇよ……』
――つくづくお前は……。
心の中で呆れながらも、凪の胸の奥にある感情は一つだけだった。
『また3年間よろしくな、スバル』
『……っ! こちらこそよろしくな、凪!』
パチン、とハイタッチを交わす。
少し照れくさそうに笑ったスバルの胸の奥で、ドクン、と小さな、けれど決して無視できない甘い痛みが跳ね上がった。
いつも通りの「相棒」として手を合わせた、あの春の日。
幼馴染という境界線が、ほんの少しだけ揺らいだ瞬間だった。
スバルが凪に、明確な恋心を抱いた瞬間。
――もちろん、凪はそんなことに気づいていなかった。
進学した高校は、少し特殊な学校だった。
人間だけでなく、悪魔やドラゴン、天使など、さまざまな種族が暮らしている。
とはいえ、凪にとってはそれだけのことだった。
種族が違おうと、基本的には同じ人間。特別視する理由もなかった。
数ヶ月も経てば、学校生活にもいろいろな話題が生まれる。
やれあの人が可愛いだの、あの先輩が格好いいだの。誰もが通る、青い春の一ページ。
ただ、多くの種族が混ざり合う多様な環境の中でも、いつしか明確なスクールカーストが出来上がっていた。
そんな中で、頂点や異質な特等席に置かれることもあった凪だが、本人は周囲の視線などどこ吹く風。
よく授業をサボっていた。
その日も、いつものようにサボりを決め込もうと、凪は足早に保健室へ向かい、ガラリと扉を開けた。
『癒月先生いるー?』
『はーい……って、凪様、またサボり?』
『そうだよ。ベッド借りるよ』
『もう……ベッドは病気の人が使うものであって、仮病の人が使うものじゃありません!』
「はいはい」と適当に受け流しながら、凪は当然のようにベッドへ潜り込んだ。
『もぅ……凪様は……。そんなにサボってるのに、毎回テストの点数はいいのよね……』
大きなため息をつきながら、褒めていいのか悪いのか困惑している。
グラマラスで優しい保健室のお姉さん――それが、当時の癒月ちょことの出会いだった。
男子生徒の間では絶大な人気を誇るマドンナのような存在だったが、当時の凪にとっては、ただの「居心地のいい寝床を借りる場所」でしかなかった。
そして、昼休みになれば――。
バンッ!
保健室のドアが勢いよく開く。
『なぎぃぃ!』
『ぬぁ……おう。スバルか……もう昼休みか』
『てめぇええ、またサボったな!』
『怒んなよ、スバル』
『おめぇがサボるからスバルの方に苦情が来るんだよ! それと癒月先生も、凪に強く言ってやってください!』
『凪様のお迎え、スバル様? 別に私はOK出してないわよ〜?』
それが、いつもの流れだった。
凪はわざと深刻そうな声でスバルに話しかける。
『スバル……』
『な、なんだよ急に』
凪の真剣なトーンに、スバルも少し動揺した。
しかし、次の瞬間。凪の口元が意地悪く釣り上がる。
『スバル……お前、俺よりテストの点数、低いだろ(笑)』
ちなみに、凪は学年3位である。
『なぎいいい!! てめぇ!!! 今回は絶対ゆるさねぇぇぇ!!』
ちなみに、スバルは毎回赤点回避組である。
『はぁ……凪様? スバル様? ここで夫婦漫才しないでくれるかしら?』
ベッドの横で、ちょこが呆れたようにクスリと笑う。
『はぁ!? なんで凪と夫婦漫才しないとなんですか!!』
鋭いツッコミを返すスバルの顔は、ほんのりと赤く染まっていた。
――そんな、いつもと変わらない日が続いていた。
だが、その日は少し違った。
スバルが真面目なトーンで凪に声をかけてきたのだ。
『そんなことより、凪。今日の夜、暇か?』
『暇だな。なんだ、いつものテストか?』
『いや違う。家行くからよろしく。……あと、お前、先生に呼ばれてるからそれで来たんだよ! そういうことで! じゃぁ!』
まくし立てるようにそう言い残すと、スバルは嵐のように保健室を後にした。
『あらあら? もしかして……凪様も隅に置けない人?』
ちょこが茶化すように、ニヤニヤとした笑みを浮かべて凪を見た。
『それは無いでしょ』
そう言いながら、凪はベッドを降り、自分を呼んでいるという先生のところへ向かおうとする。
『ガチぃー? あの感じ……ちょっといい感じに見えたんだけど?』
『やれやれ……。また後で来まーす』
ちょこの追及をひらりとかわし、凪は保健室を後にした。
――その日の夜。
帰宅した凪は、窮屈な学生服を脱ぎ捨てた。
上は着慣れたオーバーサイズのパーカー、下は楽な短パンに着替え、自分の部屋である2階で「夜に行く」と言い残した張本人を待った。
実家が隣同士の二人だ。わざわざ連絡を合わせなくとも、そろそろ来る頃合いだということは感覚で分かっていた。
しばらくすると、静かな家の中にピーンポーンと聞き馴染みのあるドアチャイムの音が響く。
「空いてるよー!」
凪はわざわざ1階に降りることもせず、2階の部屋から大声で叫んだ。鍵をかけていないのはいつものことだ。
『お邪魔しますー』
下からスバルの小気味いい声が聞こえてきた。
続いて、トントンと階段を上がってくる足音が近づき、ガチャリとドアが開く。
「よっ。好きな所に座れよ」
「よっ。いつもの場所!」
そう言いながら、スバルは遠慮の二文字をどこかに置き忘れたような勢いで、凪のベッドへダイブした。
凪はデスクのチェアに腰掛けたまま、慣れ親しんだ幼馴染の姿を、やれやれと呆れながら眺めていた。
「で? 話ってのは?」
凪が切り出す。
「じ、実はな……」
スバルは言いづらそうに口を開いた。
「早く言えよ」
「いや……あのな。陸上部の杉田先輩って分かる?」
「ああ、杉田先輩ねー。それがどうした?」
「告白された……」
「はぁ? なんて?」
「だから! その杉田先輩から告白されたんだよ!」
スバルがバカでかい声で答えた。
「うるさぁ! 聞こえてるよ、この距離なんだから。で? 返事したのか?」
「う、うう……ごめん」
しおらしく謝るスバルに、凪は首を傾げた。
「いや……まだ……。急だったから1週間待ってほしいって伝えた……どうしよ〜、なぎ〜」
今にも泣きそうな声で、スバルは凪に助けを求めた。
「助けろって言われてもなー」
凪は髪の毛をガシガシとかきながら答える。
「スバルの気持ちはどうなんだよ」
「スバルは……まだ分からない」
凪はため息をつき、はぁーっと息を吐き出した。
「いや。物は試しに付き合ってみればいい」
だが、スバルからはすぐに強い反発が返ってくる。
「はぁ? お前、分かってんのか? 付き合うんだぞ?」
「いや。別にスバルが誰と付き合おうが、お前、俺と絡むぞ? 絶対に」
凪はやれやれと思いながら、話を続けた。
「話せば長くなるから大幅にカットするが、お前、中学の時に何回か同級生の男の子に『2人きりで話がある』って呼び出された時あったろ?」
「うーん? ……あったわ」
「お前、俺を見るやいなや、そいつのこと置いてけぼりにして俺ん所きたろ?」
「あったあった! それがなんだって言うんだよ」
「アレ、お前に告白する気でいた同級生だぞ」
「えっ!? まじぃ!?」
「まじまじ。あの後、俺がそいつのことメンタルケアしたんだぞ……」
やれやれと呆れながら話す凪に対して、スバルは完全にやっちまったという顔をした。
「嘘……。あれ、告白だったの? 単に『ちょっと屋上まで付き合って』って言われたから、散歩の誘いかと……」
「どんな散歩だよ。お前が俺を見つけて『あ、凪ー! 購買行こー!』ってダッシュで去っていった時、あいつの魂が口から抜けていくのが見えたわ」
「う、ううわぁぁ……。悪いことしちゃったなぁ……」
頭を抱えて悶絶する幼馴染を、凪は人差し指を立てて見つめる。
「だから言ったろ。物は試しに付き合ってみればいいって。どうせお前、杉田先輩相手にも同じことやるぞ。じゃあ想像してみろ。お前が杉田先輩と放課後、お洒落なカフェかどこかで初デートしてるとするだろ」
「う、うん。ちょっと緊張するかも……」
「で、先輩が『スバル、実は前からお前のことが……』って、良い雰囲気で真面目な話を切り出してきたとする」
「おお……少女漫画みたいじゃん」
「その瞬間、窓の外にダボダボのパーカー着て、右手にファミチキ、左手に紙パックのイチゴオレ持った俺が歩いていくのが見えたら、お前どうする?」
スバルは一瞬、思考を止めた。
そして、自分の脳内で行われたシミュレーションの結果に、ハッと目を見開く。
「……あ」
「『あ』じゃねぇよ。お前、先輩の話を遮って『あ! 凪じゃん! 待って、ファミチキ一口ちょうだい!』って窓バンバン叩いて、そのまま外に飛び出していく姿が簡単に想像できるわ」
「うっ……! そ、それは……」
「で、置き去りにされた杉田先輩が、カフェの席で一人、静かに泣く。県選抜のトップランナーが、お前のせいで心に全治3ヶ月の肉離れを起こすんだよ」
凪のあまりにも解像度の高い予言に、スバルはぐうの音も出ず、再び頭を抱えてベッドに突っ伏した。
「……否定、できない……。スバル、絶対にやる自信あるわ……」
「だろ。だからお前にとって、付き合うとか付き合わないとか、意味ないんだよ」
やれやれと肩をすくめる凪。
しかし、ベッドに突っ伏したままのスバルは、静かに動かなくなっていた。
(……そっか。そういうことなんだ)
どんなに格好いい先輩が目の前にいても、自分の視線の先にはいつも、当たり前のように凪がいる。
くだらない話で笑って、何かあれば頼って、気づけば隣にいる。
それがずっと当たり前だった。
だから、今まで気づかなかったのかもしれない。
(スバル、凪のことが好きなんだな……)
すとん、と腑に落ちた。
けれど、スバルはそれを口にはしなかった。
今のこの距離感が何よりも居心地がよく、大切で、失いたくないものだったから。
断ることを決意したスバルは、ベッドからむくりと起き上がると、いつもの笑顔を見せた。
「……決めた! 杉田先輩の告白、ちゃんと断る!」
「おう、そうしろ。県選抜の未来を守るためにもな」
「だけどさぁ、凪。断るからには、これからもずーっとスバルの面倒見てもらうからね?」
「はぁ? なんで俺がそんな呪いみたいな約束しなきゃいけないんだよ」
「いいじゃんケチ! 明日マック奢ってあげるからさ!」
そんな風に笑い合っていた、眩しいほどに愛おしかったあの頃。
月日は流れ、2年生に上がる頃には、スバルが「あやめっていう、おもしれー奴いるから凪に紹介する!」と言ってあやめを連れてきた。
そうして、犬みたいな妹ができた。
相変わらず癒月先生の保健室でサボっては、通い続けるうちに「ちょこ先」と呼ぶようになった。
そして卒業式を迎え、大学進学のためにスバルとあやめは同じ大学へ。凪は違う大学へ進み、ちょこ先も異動していった――。
◇
「暇だと余計なことばっか思い出すわ……」
現実に引き戻された凪は苦笑いした。
気づけば、タバコの箱は空になっていた。
最後の一本を指に挟み、ゆっくりと吸い込む。フィルターの根元まで灰が迫り、じりじりと熱が指先に伝わってくる。
紫煙を吐き出した、その時だった。
ガサリ、と静まり返った裏路地の奥から音がした。
凪が視線を落とすと、暗がりの向こうから、ちょこちょことこちらに歩み寄ってくる2匹の猫がいた。
一匹は、丸みを帯びた薄紫色の体に、少し離れた位置にある左右の目。小さな黒い点のような鼻と、「へ」の形をした口が特徴的な猫だった。
そして、その足元を楽しそうに行進するようについてくる、黒くて可愛らしい、とんがり帽子をかぶった猫がいた。
「珍客じゃん。元気してたか?」
凪は最後の一本をくわえたまま、ふっと目を細めた。
しゃがみ込み、2匹の頭を優しくガシガシと撫で回してやる。
「なぉ〜ん」「にゃー」
2匹とも嬉しそうに目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「んで? 君らのご主人は……5分?」
「なー」
とんがり帽子の猫が、まるで正解だと言うように短く鳴いた。
「はは、そうかい」
凪は笑いながらタバコを吸い終えると、携帯灰皿の中で火を確実に消した。
そのまま2匹を慣れた手つきで優しく抱き上げ、お店の裏口から中へ入っていく。
カウンターへ2匹をそっと下ろしてやると、凪は冷蔵庫から馴染みのある青い缶を取り出した。
さらにキープボトル用の棚から『梅酒原酒』の瓶を取り出し、グラスに氷を入れる。そこへ梅酒を注ぎ、ソーダで割ると、氷が涼やかな音を立てた。
ちょうど5分後。
軽快なドアベルの音が店内に響いた。
チリン、チリーン――。
「いらっしゃい。飲み物は?」
凪が二人を出迎える。
入ってきた二人の少女は、一言も喋らないまま、トコトコと並んでカウンターの席へ腰掛けた。
「はいよ……いつものね」
凪が手際よく飲み物を差し出す。
二人がそれを受け取って一息ついた頃、凪はグラスを磨きながら、思い出したように何気ない調子で言葉を付け足した。
「そういや、2時間くらい前にスバル達来てたよ」
その瞬間、二人の動きがピタリと止まった。
「……!?」
一人は目を限界まで丸くしてフリーズし、もう一人はあからさまに「聞いてないんだけど!?」と言いたげな顔で凪を凝視する。
そんなことはお構いなしに、二人の少女はバッグから一冊の雑誌を取り出すと、勢いよくカウンターに広げた。
そして、特集されている『BAR BLUEBELL』のページを小さな手でバンバンバンッ! と激しく叩きながら、全力のジェスチャーで凪に抗議し始める。
二人の無言の圧力をまともに受けながらも、凪は動じることなく手元を動かした。
「お前らも雑誌のことかよ」
凪は苦笑い混じりにそう呟くと、カウンターの奥から小さな器を取り出した。
「はい、これチャーム。食べて落ち着けよ」
手際よく用意したのは、濃厚なチョコブラウニーと、程よい塩気の生ハム。
それを見た瞬間、先ほどまで不満げだった二人の顔が一変した。
「……っ!」
声にならない歓声を上げ、一人はパッと目を輝かせて両手を合わせ、もう一人は嬉しさのあまり、カウンターの上で小さく跳ねるようにして大喜びしている。
二人はさっそくフォークを手に取り、嬉しそうにチャームを口へ運び始めた。
時は有限。
時間というものは、人によって感じ方が違う。
長いと感じるものもあれば、短いと感じるものもある。
二人は今、この場所で過ごす時間をどう思っているのだろう。
そんなことを考えながら、凪は店を出ていく二人を見送った。
ドアベルがチリンと鳴り、夜の冷たい空気が二人を包み込む。
その時、二人は同時に凪の方へ顔を向けた。
「ご馳走様!」
「本当に、最後のご馳走!」
満面の笑みを浮かべ、二人は大きく手を振った。
「おう。いつでも来いよ! しおんにあくあ!」
凪もまた、いつもの調子で、二人の名前を呼びながら手を振り返した。
二人の背中が遠ざかっていく。
その背中に、先ほどまで思い出していた3人の面影が重なって見えた。
スバルがいて、あやめがいて、ちょこ先がいて……。
凪はしばらく、その場から動かなかった。
懐かしい声も、くだらないやり取りも、あの頃は当たり前だった。
けれど、今ではどれも大切な思い出になっている。
「……ほんと、暇だとろくなこと考えねぇな」
小さく苦笑し、凪は店の看板を『CLOSE』に切り替えた。
そして、静かになった店内へと戻っていった。
今回は2期生の皆様でした。
いかがでしたか?
今回も前後半分けさせて頂きました。
今回はチャームに着目点置かせて頂きました。
チャームが分からない人に簡単言いますと
場所によりますが…
例えば居酒屋に行けば
アルコールだろうと
ノンアルコールだろうと頼めば
よくわからん【お通しです】って
居酒屋のスタッフさんが持ってくるアレです。
※アレだと思ってください。(むしろアレです)
皆さんに質問です
この人毎回前後半で分ける気?って思ってる人
いると思います。 今のところは…
その予定…たぶんね?多分だよ?
一発で終わってもいいんですけど
だいぶ文字数的に…読むのがキツくない?って
自分自身ユーザー目線で思ってるんですよ!
皆さんの意見聞いてみたいです。
では…次回のお話でお会いしましょ!
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