物語は唐突に始まってしまうのだ、時間的に早朝に私は若い頃から初老になる歳になっても、いつもの習慣でランニングを行い、妻の手料理を食べてから出勤前に、自宅近くの公園に立ち寄り、古い自販機でブラックの缶コーヒーを嗜む事を楽しみにしているが、自販機からコーヒーを取り出して周囲に見回して気づくと、飛んでいた鳥が止まり、周囲だけがまるで一時停止したかのように、止まっている。
そして私の目の前には、神々しい地球の北欧神話の女神風な姿が女性が経っていたのだ。
「あの、貴方様に当然のお願いがあります、これから異世界に行っていただきたい」
第一声でどうやら私は異世界というよくわからない世界に同行して欲しいという決定事項を押しつけられたのだ。
「すまないが、君は、その、なんというか幾つかの確認させていただいてよろしいかな?ミス
というべきか、ミセスというべきか?お名前はよろしいかな?女神様?」
困惑した表情をしつつ、落ち着いた声で目の前の女神と称する存在に私は話かけ始めた。
「世界の危機です、貴方が勇者として選ばれました。勇者として異世界を救っていただたい」
「異世界か、よろしい。君は異世界の女神というべきかな?女神さん、名前は名乗らずに無理やり連れて行くのが女神という存在の専売特許かね?」
あくまでも冷静に目の前のベンチを目配りして、彼女に座って話すようにジェスチャーしても、女神は特にそれに気づかない。
「こちらの扉から異世界に」
「女神よ、人の話を聞いていただけますかな?」
地球調査から今は駐在員として、宇宙や地球で話のわからない奴らとたくさん関わってきた私からみたら、話を聞かない女神の一人や二人いつもの事だ。
そして選択によっては地球や銀河系どころか、無職になって食いっぱぐれる危機に何度も経験済みだ。
丁寧かつ、紳士的、そして威圧感も加えて、女神をベンチに座らせてから、私は女神に断りを入れからコーヒーをゆっくり飲み干す、これが私の出勤前の戦闘準備ルーティングだ。
「貴重なお時間を待っていただきありがたい、やはりコーヒーはブラックに限る、微糖はやはりちょっと嫌いでしてね。では少し貴女の説明をしていただけるとありたいのですが」
彼女の説明はこうだ、彼女の名前は異世界の女神のユグドルシア、そして彼女の管理している世界に魔王が現れたので、貴方を含めて多くの勇者となりうる人材を求めている、この世界で貴方が最初の勇者候補であり、これから次々と勇者候補を異世界に送るそうな。
私は心の中で深いため息をついてから、ゆっくりと女神に語りかけた。
「女神さんよ、この地球という星では一方的な身柄の拉致は犯罪だ、しかも君は理由も話さずに一方的な行為は更に悪い事という事は理解してもらわないと困るのだよ」
先ほどまで神々しい姿がなんか、怒られて凹んだ新人研修の社員の表情に似ている。
「女神くん、とりあえず魔王という相手について資料、それと本人のプロフィール、異世界の歴史資料、魔族と人間双方の資料、それに」
女神を顎で使うように次々と資料を彼女に用意させて、やってくる紙媒体(女神曰く、勇者により出てくる資料の形は違い、読む相手が一番使い安いものに変化するそうな)
何枚、何十枚の資料を速読しつつ、金を差し出して、自販機にジュースを買わしにも行かせた。
女神曰く、この自販機という機械から出てきたこのりんごジュースという、この世界の飲み物は初めだがうまいとの事だ。
頭を回すために二本目は女神と同じくりんごジュースを飲み干して、すべてを読み込んだのちに、女神に魔王というお得意先の贈り物を用意させてから、私はスーツを整えて女神の開いた異世界のゲートを通り抜けた。
女神曰く、地球の時間は停止しているから、異世界で数時間も数日過ごしても地球の時間は変わらないそうな。
女神が時間停止の中で待っている内に、ボロボロになりながら、私が飛び込んで戻ってきたときにはかなり驚いた顔はかなり見物だった。
「話をつけてきたよ、先方の魔王さんと話はつけてきたよ、原因は君の対応ミスだよ、相手はカンカンだったけど、最後は和解できたよ。」
最初に行ったら周りを魔族連中に取り囲まれたよ、まるで武装ゲリラに人質にされて、連中の無数の銃口を突きつけられた人質みたいに私は孤立したような状況だったよ。
相手は怒っていたし、顔面は殴られるし、蹴られる中で、あっちの世界で数年かけて粘り強く交渉に次ぐ交渉で最後はお互いに血を流さずに無事を祈って別れてきた。
「魔王どのに、娘が生まれたので抱っこさせてもらったり、私の名前の一文字をその子につけてあげたりもしたよ」
携帯電話のカメラには可愛い魔王の娘と魔王と家族のように写る集合写真。
帰る前に長年使っている自分の使っていた万年筆と魔王愛用の羽ペンを交換して帰った事をすべて女神に一つ残らず説明した。
「貴方を勇者として選んだわたくしの目は間違いありませんでした。女神ユグドルシアとして感謝いたします」
90度のお辞儀で感謝の気持ちを伝えた姿は数時間の間に彼女の成長がみられた事にとても満足だった。
ボロボロのスーツを着替えて、カバンから予備のスーツをさっと着替えた。
「予備のスーツですか?」
「こういう仕事をしていたら、予備のスーツは幾らでも必要だからな」
そして時間は戻り、出勤前の公園にポツンと一人立っていたが、出勤前のスーツではなく予備のスーツに着替えているのと、お得意先となってくれた魔王からもらった羽ペンが手帳の間に挟まれていた。
この案件でまたあの女神が成長してくれたら、何よりと思って、私は公園を出ていこうとした時、また空から黒い光と共に何かが落ちてきた。
「おじさま、父上が酷いんです、おじさまから父上に話してください」
先ほど別れたばかりの取り引きの魔王のお嬢さんが現れたのだ、私の出勤は遅れそうだ、仕事先に思わず遅刻するために職場への電話の通話ボタンに触れたのだった。
この後に急に来た異世界の要人の娘がショートスティしてきた件を家族を話したらすぐに納得してくれたよ、まあ私は宇宙人だから今さら魔王の娘が現れても問題ないという事だ。
ちなみに連絡ついてすぐに女神ユグドルシアが滑り込むようにスライディング土下座を私や家族やもう一人の娘のように地球の生活に馴染んでくれた魔王の娘さんが唖然としていたのは言うまでもない。
女神は鼻水垂らして「すみません、指でも何でも詰めますんで」って叫んで泣いてボロボロになりながら土下座されたら誰も何も言えないぞ“この女神がって”って心の中で叫んだよ。
後書き・・この初老のサラリーマンは微糖コーヒー好きな光の巨人の新人を育てた先輩宇宙人です、娘との顔合わせの後に次の新人が地球に派遣される空白期間に起こった出来事という感じです。
質問・・魔王の本拠地はどんな雰囲気ですか?→アウトレイジの映画を見て下さい。