UC0099年8月中旬、714部隊の旗艦”レナウン”のブリッジでは2人の女性が話していた。
「いや~、沖田大将もわかってるね」
上機嫌に話す714部隊司令官白根ハルナ准将に対して、レナウン艦長のエイレン・ユーリ大佐が相槌を打つ。
「ですね…ニホンのお盆の時期、白根准将やエミにとってはぴったりの時期に休みを貰えるなんて。運がいいことこの上ないですね」
この時期はお盆であり、714部隊には比較的多い日系の隊員達にとっては幸運であったのだ。
「そうそう、うむ、沖田大将閣下万歳!」
レナウンは低軌道連絡ステーション”ペンタ”に入港、隊員達は船を降りていった。その中には夏野エミ中尉と霧島アリス少尉も含まれていた。
「エミさんはお盆には行くんですか?」
「もちろんよ…アリス、あなたはどうなの?」
エミの質問に対してアリスは首を振る。
「私は親族の墓はイギリスにあるんで、お盆とは無縁ですね…あの、今回もエミさんちに行っても…?」
「構わないよ、きっとヨミも喜ぶだろうね」
「えへへ…」
アリスはエミの単なる同僚というだけでなく、その妹の夏野ヨミとは交際関係を築いているのだ。そして、そんな2人は地球行きのシャトルへと向かっていた。
種子島から羽田へ、そして佐野市に着いた2人はヨミの通う道場へと脚を運んだ。
「相変わらず…というか夏だから凄い臭いですね」
「まぁ仕方ないよね」
道場では熱気と汗の匂いが混じり合っていた。そしてそんな中にいるヨミを2人は探す。
「居たね、あそこよ」
「ですね…!」
白い低めの位置のポニーテールを靡かせる少女、夏野ヨミを見つけた。他に負けじと声を出し身体を動かすその姿にエミとアリスは誇らしく見つめる。
「ふふ」
「ヨミも頑張ってますね…!」
少しして稽古を終えたヨミが2人へと会いに行く。
「お待たせ!おねーちゃん!アリスちゃん!」
満開の笑顔でヨミは2人を見つめる。
「お疲れ様、ヨミ」
「頑張ったね!ヨミ!…んっ…」
アリスがヨミに近づきぎゅっと抱きしめる。そして…
「んん…ふぅ…すぅ…」
「…ヘンタイなんだから、アリスちゃんは」
ヨミの髪の頭臭いをアリスは嗅ぐ。
「すぅ…和服も良い匂い…」
アリスがヨミを放したかと思うと、今度はヨミの胸へと鼻を埋める。
「あーもう…こんなこと、アリスちゃんじゃなきゃ許さないんですからね」
アリスはヨミを堪能した…
その後、迎え盆を終えた彼女達は夕方になりある場所へと向かう準備を進めた。
「浴衣、似合ってるよアリスちゃん」
「ヨミだって…素敵だよ」
2人…いやエミも含めて浴衣を着ていた。そして、彼女らが向かった先には…
「美味しそう…」
「これがニホンの屋台…」
通りには屋台が多く並んでいた。そう、夏祭りが開かれているのであった。
「あんまりはしゃぎすぎないでね…特にアリス」
「はーい!」
エミに注意され、そう言いながらもアリスは早速はしゃいでいた。
「ふふ、面白い義妹ができたな」
「アリスちゃん待ってー!」
ヨミがアリスにむけて走っていった。それをエミは見守るが…
「ヨミも走らないの…ふぅ、少しは落ち着きが」
「姉ちゃん、俺達と遊ばない?」
「結構かわいいじゃん、ほら?どうかな」
二人組のナンパにエミは遭っていた。
「私、連れの妹達が居るんで結構」
「いやいやさっきの女の子なら大丈夫っしょ?」
「そーそー、だから俺達と…」
エミの肩に男が手を触れるが…その手をがっしりと掴み返す。
「…弱い男と組むつもりはないから」
その男はつい尻もちをついてしまった。
「ひえっ…」
「ご、ごめんなさい…いつまで座ってんだよ!いくぞ!」
男達はエミから離れていった。
「それじゃ、ヨミ達を追いますか…」
その頃ヨミ達はある屋台で遊んでいた。
「うーん、私は当てられないなぁ」
「頑張って…!」
ヨミは射的をしていた。アリスがその後ろで楽しそうに見つめていた。
「あはは…私もやってみたいかな」
アリスが変わると…
「まずは1発…次も…」
初弾、次弾と外していくが…
「やっぱり難しいよね…っておねーちゃん遅い」
「少し色々あってね…アリスはやるよ。多分」
エミは信じているようだ。
「これで掴めたかな。そこ」
「おお!凄い…!」
3発目が目標に命中した。その後も4、5発目も命中させて、計3つの景品を手に入れた。
「やったね!アリスちゃん!」
「ふふん、ありがとう…エミ中尉、そういえばいつの間に来ましたね」
アリスがエミを見つめる。
「はは、アリスが夢中になってた間にね…楽しめてるようでなにより」
「はい…エミ中尉とヨミに景品分けますね!ちょうど3つだし」
アリスが取った景品を2人と分けようとする。
「どれがいいかな…おねーちゃん、これどうかな?」
ヨミが指さしたのは小さな猫のキーホルダーだった。
「そうね、小さいしバッグにでもつけようかな」
「良かった」
「ヨミはどーする?」
ヨミは腰に手をあてて悩む。残りの景品はメンダコのぬいぐるみとジェガンのプラモデルであった。
「うーん…メンダコちゃんかな?アリスちゃんはそのプラモデル欲しかったんでしょ?」
「あはは…バレたか」
そう言ってアリスはメンダコをヨミへと渡す。
「そうだ、アリスはガンダムに憧れて軍に入ったくち?」
「はい!ゼータガンダムに憧れて入りました!」
そう言うとエミは懐かしそうに微笑む。
「ふふ、私も昔はゼータガンダムとカミーユ・ビダンに憧れてたな…」
「そんなことがあったとは…!あ、同担拒否とかないですよね?」
アリスが疑問そうにエミを見つめるがエミはキョトンとしていた。
「ドウタン…何?それは…」
「あ…えっと…ナンデモアリマセン」
アリスは片言でそう言うとエミは笑う。
「はは…まぁいいか…ってお酒もある…」
「おねーちゃん?ダメだって!」
「うるさいなぁ…ちょっとなら…ビールひとつ!」
そう言いエミはビールを買いそれを飲む。
「久しぶりのお酒……おいちい、ふー」
「言わんこっちゃないよ〜」
エミは酔ってしまったようで、ヨミがそんなエミを支える。
「エミ中尉…まさかお酒に弱いんだ…」
「そんなこと…ない…よ…?」
そう言うエミの顔は赤かった。
「はは…」
そうして楽しい夏祭りが過ぎていった…
夏野家に帰った3人は、その後も酒を飲み完全に酔っ払ったエミをリビングに運び込んだ。そしてアリスとヨミはヨミの部屋に居て座っていた。
「おねーちゃんったら、すぐ酔っちゃうんだから」
「ははは…大変だった…けど可愛かったよね」
アリスは呑気そうに答えるとヨミはぷんぷんと怒る。
「むー、これを毎回する家族の身じゃないからそんなこと言えるんだよーだ」
「うぬっ…ごめんなさい」
「ん、分かればヨシ…ふあー、疲れた」
ヨミが伸びると浴衣の身八つ口からその腋がチラリと露出する。アリスはそれに見惚れて顔を赤くした。
「…」
「アリスちゃん?」
ヨミが疑問そうにアリスを覗き込む。
「へあっ!なんでもないよ…?」
「ホントかなー?」
「ホントだよー…?」
アリスはそう言いながらも冷や汗を流していた。
「どうせアリスちゃんはヘンタイなんだし、おっぱい見てたとかそんなんだろうけど」
「ち、ちがうよ!チラ見えした腋を…あっ」
アリスはつい答えてしまい、顔を赤くする。
「あはは、引っかかった…ヘンタイさんなんだね」
ヨミは悪戯気に笑いアリスの頬を指でつつく。そんなヨミの胸元にアリスは見惚れて…また、夏祭りを堪能したヨミの汗と少女故の匂いに意識が呑まれつつあった。
「…あのさ、よ、ヨミ」
「なんですー、アリスちゃん?」
アリスは緊張気味にヨミに話す。
「私…軍人…だから…ね」
「そうだね?」
「…いつ死んじゃうか…わ、わからないの」
ヨミは少し優しげに笑う。
「おねーちゃんもいるし、だいじょーぶだって…」
「じゃなくて!そ、その…いやそうだけど…えっと…だから…」
ヨミはアリスの頭を撫でて落ち着かせようとする。
「アリスちゃんも疲れてるんかな?お風呂入って…」
「だから!…ヨミと…ね、ねた…その、一緒に…つ、繋がって、まぐわって…いい…かな…?」
「…」
アリスは酷く緊張してそう言い、ヨミは沈黙して少しの時が流れる。そして、ヨミはアリスにキスをした
「ん…もっと素直に言えばいいのに…いいよ、アリスちゃん」
「…うっ、うわぁぁ」
アリスは泣いてヨミの胸元へと飛び込んだ。
「あはは、かわいいよ、アリスちゃん…好きだよ」
「う、うぅ…私も…ん…ヨミ…愛してる」
そうして2人は互いの愛を求め合うように夜を過ごした…
続く