機動戦士ガンダム714部隊    作:くぼさん少佐

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第20話

 UC0099年11月、地球連邦軍714部隊はサイド3”ジオン共和国”方面へと向かっていた。旗艦”レナウン”の戦闘指揮所(以下CIC)には多くの将兵が集まっている。そして714部隊司令官の白根ハルナ准将が口を開く。

「我々714部隊はこれより”地球正教会”追撃任務に入る」

“地球正教会”とはヨハンナ・ミュラー元少佐が立ち上げた反ジオン過激派である。そしてサイド3のジオン共和国への侵攻を始めていた。

「まさかヨハンナ先輩が生きていたなんて…はぁ」

そう呟くのはレナウン艦長のエイレン・ユーリ大佐だ。彼女はデラーズ紛争の際にヨハンナと同じ艦に所属していたのだった。そしてヨハンナは15年前に事故死したとされていたのに、生存しさらに武力蜂起を行うのは、エイレンにとっては理解の範疇を超えかけていた。

「敵となった以上…やるしかないわよね」

そう言い、エイレンは覚悟を決めた…

 モビルスーツ格納庫では整備班員達がモビルスーツの整備を進めていた。そんな中、夏野エミ中尉は自らの機体のコックピットに座ってモニターを見ていた。

「またインプの更新作業ですか?エミさん?」

そう言うのは久保ニイナ中尉、エミの僚機を務める女性だ。

「そうだね…私が乗る間はこの子の面倒は欠かさないであげたいから」

エミは機体に愛着があるようで、そう言いながら機体のコンソールを撫でる。

「それに、私だけじゃないよ?ほら?」

エミがコックピットから顔を出し見た先には、エミとは別の機種にて調整を行う女性が居た。

「あー、アリスちゃんも最近やるようになったから…背伸びしちゃって」

霧島アリス少尉、彼女はゼータプラス隊に所属するパイロットだ。新米だった配属当初から扱いの難しい可変機を任されるなど期待されていた人材であり、遂にIMPCの調整というエースパイロットへの道程に挑戦するようになったのだ。IMPCとはIntegrated Maneuver Propultion Control、統合起動推進制御という、MSの発進、巡航、空間戦闘、着陸、歩行の5つの基本機動・推進を自動制御するOSのことだ。これは熟練者の操縦データを元にしているプログラムがある、いわばMSパイロット全体の技量向上を目指したものだ。しかし、そのプログラムのデータに不満を持つパイロットも存在し、その場合は自らデータを修整を行う必要があった。エミやゼータプラス隊の一部メンバーは以前からそれをやっていたが、遂にアリスもそれをし始めたというわけだ。

「ここをこうすれば…軌道がもっとよくなるはず!」

アリスは不慣れながらもIMPCを調整しているのをエミは微笑ましげに見つめていた。

「ふふ、どうなるかな…アリスは」

 714部隊は地球連邦=ジオン共和国連合艦隊と合流した。モニターには編成表が映される。

 

旗艦 レナウン級強襲揚陸艦”レナウン”

   カウペンス級軽空母 ”インプラカブル”

   クラップ級巡洋艦  ”ベルファスト”

   クラップ級巡洋艦  ”シェフィールド”

   

   クラップ級巡洋艦  ”ラー・ペアル”

   クラップ級巡洋艦  ”ラー・ムート”

   サラミス改級軽巡洋艦”パサデナ”

   サラミス改級軽巡洋艦”デイトン”

   

   ソドン級重巡洋艦  ”ソドン”

   ムサイ改級軽巡洋艦 ”クワメルII”

   ムサイ改級軽巡洋艦 ”ケンプテンII”

   ムサイ改級軽巡洋艦 ”ノルメル”

 

オペレーターがハルナへ報告をする。

「ヨーク大佐の第22巡洋戦隊4隻及び、共和国軍ハーコート大佐のソドン艦隊4隻、合流しました」

「了解した…全艦に通達する。奴らはコロニー落としへの落とし前をつけると宣言している…つまり、虐殺を行う可能性が高い。ジオン共和国の若者達の未来をそんな過去の因縁で絶ってはならん…1隻たりとも通すな。以上」

ハルナの演説の後、各艦が加速を開始し迎撃へと向かった。そして、早期警戒機のEWACジェガンが”インプラカブル”から発進した。

 少し時が経ち、レナウンCICに報告が上がる。

「ジュリエットL2が艦隊を捕捉!アレキサンドリア級1、サラミス改級3、コロンブス改級3…間違いありません!地球正教会のものです!」

「了解した…各艦、モビルスーツ隊を発進させよ」

ハルナの命令にエイレンが応じる。

「モビルスーツ隊発艦始め!」

レナウンのカタパルトからモビルスーツが発艦していく。そして、アリスと僚機のネヴィル・カニンガム少佐のゼータプラスC1型もカタパルトへとセットされる。

「やれるはず、調整がうまくいってよ…霧島アリス、行きます!」

「ネヴィル・カニンガム、出る!」

2機のゼータプラスが勢いよくカタパルトから射出された。続いてエミとニイナのジム・カスタムMk-IIがカタパルトへとセットされる。

「今回も生き延びましょう!エミさん!」

「ふふ、もちろんだよ…夏野エミ、出るよ」

「久保ニイナ、出ます!」

2機のジムが勢いよくカタパルトから射出された。

「インプラカブルのオリベ戦闘中隊、発艦完了とのことです!」

「ヨシ!各艦、敵艦隊へ向けて牽制射撃!味方MSには当てるなよ!」

「主砲、撃ちー方ーはじめ」

「撃ちー方ーはじめ」

ハルナ、エイレン、砲雷長の順で復唱した後、レナウンと”ベルファスト”、”シェフィールド”、”ラー・ペアル”、”ラー・ムート”のクラップ級4隻が連装メガ粒子砲を発射する。その閃光は宇宙の彼方へと飛んだあと、遥か遠くで爆炎を発生させた。

「ジュリエットL2より報告!アレキサンドリア級小破!サラミス改級1中破!護衛のMS2を撃墜!…敵艦隊散開します!」

「ヨシ、MS隊かかれ!」

号令の元、MS隊が地球正教会艦隊へ向け突撃していく。

「目標捕捉!」

アリスはビーム・スマートガンをサラミス改へ向け発射する。それはサラミス改を貫き爆炎を上げさせる。

「やった!」

「アリスもやるね…来るか」

エミはそう言いながら敵MS隊へビーム・ライフルを撃つ。バーザム改にゴーグルを被せた機体とジムIIIを主力にする部隊は散開しそれを回避するが…

「もらいました!」

ニイナが追撃、バーザム改を1機撃墜する。

ジムIII部隊がミサイルを発射、その標的はエミのジム・カスタムMk-IIだった。

「それ、くらい…」

エミは10数発のミサイルを回避、そしてジムIIIの1機をビーム・ライフルで撃墜した。

「もう一つ」

エミはビーム・ライフルでさらにジムIIIを1機撃墜した。

「エミ中尉、流石…」

「霧島少尉!俺たちもMS隊をやるぞ!」

「はい!」

ネヴィルとアリスはサラミス改を撃沈させると、近くのMS隊へと攻撃を開始する。ジムIII部隊のミサイルがそんな2機へと迫りくる。

「ミサイル…でも!」

アリスは機体をMS形態へ変形させると、ミサイルを軽やかな軌道で回避していく。

「やった!効果があった!」

アリスはIMPCを調整した効果を実感しつつ、ジムIII部隊をビーム・スマートガンで牽制する。そして散開したうちの1機をネヴィルが大腿部ビーム・カノンで撃墜した。

「流石カニンガム少佐…私も…!」

アリスはバーザム改へ向けビーム・スマートガンを発射、これは回避されるものの、大腿部ビーム・カノンで追撃する。そして左腕をシールドごと破壊した。

「ヨシ!」

アリスはさらに追撃のビーム・スマートガンを発射、体勢を崩していたバーザム改に直撃。バーザム改を爆散させた。

「やった!」

「ふふ、アリスもこれでエース…か」

エミはアリスの5機目の撃墜…エースパイロットの仲間入りを果たしたことを嬉しく思っていた。 

 

 

続く

 

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