UC0100年12月22日、地球連邦軍714部隊は翌日から二泊三日の休暇に入ろうとしていた。そんな中訓練を終えた格納庫ではパイロットの女性2人が話していた。
「何かな?」
「あたし、アリス先輩に着いていきたいんですが…ダメですか?」
ディアナ・マルセイユ少尉は僚機のパイロットである霧島アリス中尉に憧れており、この休暇を使って親睦を深めようと試みていたのだ。
「…えっと、ダメ…かなぁ」
「やった…えぇー!?」
一緒に居れて当然と考えていたディアナは喜びかけるも、その返答に驚き固まった。そこに2人の男女がやってくる。
「マルセイユ少尉はどうしたの?固まっちゃって」
「…マルセイユは大丈夫?」
それは夏野エミ大尉とリデル・アンデルソン少尉であった。
「そんな…あたしの…」
「…ダメそうだね。とりあえずシャワー行こっか」
アリスとエミに引っ張られたディアナは女性将兵用のシャワールームへと向かった。更衣室にて…
「…やっぱいい匂いだねぇ…アリスは」
「ち、ちょっと…エミ大尉…!」
下着姿のアリスに同じく下着姿のエミが近づき、その髪の匂いを嗅いでいる。それを放心状態のディアナが見つめていた。そして…
「…そっか、アリス中尉はエミ大尉と…付き合ってるんだ…」
ディアナは一つの結論を導きだした。
「だからエミ大尉やめ…って違うよ!」
「ふふ。いい匂いのあなたが悪いんだよ…って、え?違うかな」
下着姿でじゃれ合う2人の女性はその結論を揃って否定した。
「嘘だ!恥ずかしいだけでホントは…そうに違いない!」
「だから違うって言ってるでしょ?」
「クリスマスも2人で過ごして…うわぁーん!」
ディアナは尚も食い下がらない。エミはそれをただ根拠を言わずに否定し続けるが、ディアナは聞く耳を持たない。しかしアリスは業を煮やしてついに…
「…好きな子が居るの!だからその子と2人で居たいの!!」
「アリス先輩の…好きな子…!?」
再度ディアナが放心状態となる。しかしアリスは続ける。
「ヨミ…エミ大尉の妹が好きなの!」
アリスはまくし立てるように言う。そう、アリスはエミの妹の夏野ヨミが好きなのであった。それはさらにディアナの心を宙に浮かせた。そしてしばらくディアナは固まっていたが、エミが頬をペチペチと叩き復活させる。
「…アリス…先輩…が…エミの妹…と…?」
「はは、敬称忘れてるね、この子」
エミは呼び捨てされたのでつい笑ってしまう。
「まぁ、とりあえずそういうわけだから…ダメだよ。ディアナちゃん」
そうして全裸となったアリスとエミはシャワールームへと入っていった…
シャワーを浴び終えたアリスとエミは2人でエミの部屋に行った。ベットに座るアリスに対し、エミは机に腰掛けていた。
「まさかディアナちゃんが着いていきたいだなんて…想定外だったなぁ…」
「うん。サイド3の実家に帰るものだと私も思ってたね」
アリスとエミは疲れたようにそう言う。
「…でも、断ることはなかった…かな?」
「かもね…でも、少し危ういかも」
エミの目つきが鋭くなる。
「なんで…です?」
「マルセイユ少尉…自らがわかってないだけで、アリスのことが本能的に好きなのかもしれない」
「そんな…いや確かにあり得るなぁ…」
アリスへの憧れ…それが恋に変わることもあり得るかもしれないと彼女自身も感じた。
「だから…ヨミを守ってあげてほしいと?」
「そうだねぇ…もしも、嫉妬してヨミになんかしたらね。私も勿論守るよ?でもアリスも守ってあげたほうがさ、かっこいいとこ見せられるんじゃない?」
そう言いエミはニヤッと笑った。
「はい!」
その後、再度せがむディアナを加えた3人は翌日地球へと降りていった。
地球、佐野…ディアナは初めての地球のようで、そのことにも舞い上がっていたようだ。
「いや~、地球もいいところですねぇ…風が新鮮に…いやなんか強いし寒くないです??」
ディアナは地球の…特に日本の四季には不慣れなようだった。
「そりゃ生脚は寒いよ、ディアナちゃん」
「アリスが言えたことでもないでしょ」
そう言うアリスもガーターベルトのため太ももが露出していた。
「あはは…とりあえずヨミのところへ行きましょ!」
そうして3人は歩いていった。そして3人は道場へと着いた。
「格納庫みたいな臭いがしますね…こんな所にアリス先輩の…」
ディアナは不思議そうな顔をする。
「…居た。ヨミ」
「見つけるのが早くなったね」
低い位置で纏めた白いポニーテールを靡かせる女性、夏野ヨミをアリスは見つけた。やがて稽古が終わるとアリスの元へとやってくる。
「お疲れ様、ヨミ」
「アリスちゃん!」
アリスがヨミを出迎え、そんなアリスにヨミが抱きつく。
「アリスちゃんも、訓練とかお疲れ様!」
「ありがと、ヨミ…すぅー…」
アリスがヨミの髪を嗅ぎ始める。
「…アリスちゃんったら」
「あ、アリス…先輩…?」
その様子にディアナは少しだが引いていた。
「今度は…ん」
アリスはヨミの胸に顔を埋める。
「ホント、ワンちゃんみたいでかわいいよ」
「…えへへ」
そうしてしばらくアリスはヨミの匂いを堪能した。
「ぷはぁ…」
「もう良いの?アリスちゃん」
若干髪の乱れたアリスは読みに優しく返す。
「エミ大尉とも話したいでしょ?」
「うん、そうだね…おねーちゃんギュー」
ヨミがエミへと抱きつく。
「ふふ…ありがとう、アリスも」
「いえいえ、姉妹の付き合いも大事ですし!」
「そうだよ、おねーちゃんも大好きだから…!」
ヨミは姉に頬ずりする。ディアナはそんな彼女らを見つめていた。
「…」
「おねーちゃん…んっ…っと、この人は…?」
ヨミがディアナの存在に気づく。
「紹介するy」
「ディアナ・マルセイユ少尉」
アリスが紹介しようとしたが、ディアナがそれを遮る。
「アリス先輩と同じ714部隊のパイロット、アリス先輩の僚機を務めてるわ」
そう言いアリスに少し肩を寄せる。エミはそれに少し警戒するも、ヨミはそれに動じなかった。
「アリスちゃんの相棒か…ふふ、よろしくお願いします、マルセイユさん」
(ふふ、正妻の余裕ってやつかな)
エミはそんなヨミの頭をそっと撫でた。
その後、4人は夏野家に集まった。そしてエミはライターを取り出す。
「ライター?夏野…エミ先輩どうしました?」
「2年前にも見たわねこの流れ」
「私は騒ぎ立ててませんよ、エミ大尉」
その後エミが仏壇などについてディアナへ説明していく。
「…ご先祖様…ですか」
「ええ…お母さんやお父さんも、含めてね」
「エミ先輩…一年戦争で…?」
ディアナが恐る恐る聞く。
「いや…戦後にね、拉致されて私とヨミの前でね」
「…怖いこともされたかな」
ディアナがそれらに絶句した。
「……」
「マルセイユ少尉は悪くないよ、ジオンの人間だからって恨むほど私もヨミも幼くないから」
「そうですよ、ディアナさん…それに、そういうのの流れを断つためにアリスちゃんは戦った…っていうし。だから気にしないでね」
気まずそうなディアナを微笑んだヨミは優しく頬を撫でる。
「…はい、エミ先輩…ヨミ…さん」
「さんとか付けなくていいよ…って、私も付けてたから人のこと言えないか…よろしくね、ディアナちゃん」
「…うん、ヨミ」
(良かったぁ…ディアナちゃんとヨミが)
アリスは…いやエミも、ヨミとディアナの馴れ初めを優しく見つめていた。その後、4人で同じ布団で寝ることになった。
「ヨミと一緒に寝るの…何年ぶりだろうね」
「うーん、4年ぶりじゃないかな?」
「よく覚えてるねぇ…ヨミは」
「…アリス先輩と添い寝…」
エミ、ヨミ、アリス、ディアナの順で4人は並び、寝入っていった…
翌日はヨミとアリスはデートへ出かけるとの連絡が来た…そして夜も帰ってこなかったた。
「既にそういう仲なんて…やっぱヨミは敵…!」
「はは…やっぱこいつ危険だね」
エミはそんなディアナを笑って見つめていた。
続く