アイドルオーディションに異常性欲者がきた 作:あるふぁせんとーり
「どうぞ」
「あ……はい、失礼します」
「それでは、名前からお願いします」
「
「……はい、一之宮さんですね。本日は──」
「4月9日生まれの19歳で、身長が169cmの体重68kg、上から103-61-94のKカ──」
「一之宮さん?」
「……あ、はい、何でしょうか」
「いえ、情報が多いなと、いきなり」
「あっ、すいません……でもほら、スリーサイズとか、お仕事に役立つと思って」
「確かにグラビアなどの仕事を受ける機会はあるかもしれませんが……」
「枕とか」
「しません。役立ちません」
「そう、なんですね……」
「話を戻しますね」
「はい」
「では、えーと……志望動機を聞かせていただいても?」
「その、私、大学受験に失敗してしまって。いわゆる浪人生なんですけど、中々成績も上がらなくて、なんかもう、向いてないんじゃないかって思って……」
「ああ、それは……なんというか……」
「なので、別のことやってみようと思って。元々「可愛い」とか「顔整い」とかは言われてたので、ちょっとオシャレに気を使ってみたりして、イメチェンっていうか、ダウナー系に寄せてみたりして……そんな中で、このオーディションを見つけたんです」
「ああ、そうだったんですね」
「はい。ありきたりな表現ですけど……運命だと思いました。未経験可で、職歴不問で、信仰自由で……何より、アイドルっていうのが、すごく刺さって」
「なるほど。アイドルはお好きなんですか?」
「いえ、SNSとかテレビで流れてくるような名前は分かりますけど……自分から聞いたりっていうのはないと思います」
「そうなんですね……では、どうしてアイドルに?」
「他人に、とても性的な目で見てもらえる仕事なので」
「……はい?」
「私、人より目立つスタイルで、色んな人から声を掛けられるんです。学校のクラスメイトだったり、先生だったり、同じ電車に乗ってるサラリーマンだったり、友達の妹だったり。私、そういうの全部お断りしちゃってるんですけど……すごく、すっごく興奮するんです。人に、性的な目で見られるの……!」
「はい?」
「ほら、三大欲求の呼ばれるものの中で、性欲ってすごくタブー視されてるじゃないですか? でも、私、それを惜しみなく他人に向けてもらえるんです。……唆って、唆って、堪らないんです……! 体が火照って、内臓が熱くなって……! 恋愛とか、そういうのは興味持てたことないんですけど、でも、他人にそういう価値を見出されて一方的に欲情されるって、とっても幸せなんです、私……!!」
「あの……すいません、ここオーディション会場なんですが」
「そうですよ。で、えっと……アイドルになりたい理由を、ですよね? じゃあ、合ってると思います」
「新手の変態まできた……」
「枕営業とかやれます、やりたいです、やらせてください!」
「さっきしないって言いましたよ」
「そんな、でも、A◯堕ちとか、そういうのも全然大歓迎なので……! 必要だったら今から裏垢とか作ってうっすい布のコスプレとか晒します! 私、ウエストはちゃんと絞ってるので! ほら!」
「見せなくていいですよ、捕まりたくないので……」
「捕まるラインまで、捲っていいんですか……?」
「駄目です」
「えぇ……」
「というか、それが目的ならもっと別の業界があるでしょう。なんでアイドルに目を付けたんですか」
「これは、私の考えなんですけど……A◯女優より、朝ドラ女優とかの方が性的な目で見る人間は多いと思うんです。絶対的な知名度が違いすぎるので。私はアイドルになって、一人でも多くの少年少女の目覚めになりたい、初めてになりたい、老若男女の、国民的オカズになりたい……お願いします、このグループで日本一……いや、世界一になりたいんです……!!」
「もうエモじゃ取り返せませんよその性癖は」
「……、……この部屋って、防犯カメラはありますか?」
「一之宮さん?」
「ああ……あれと、あれ。あとはあれかな……」
「一之宮さーん?」
「……よし」
「一之宮さん??」
「「はい」と聞こえるまで、1枚ずつ脱ぎます」
「一之宮さん!!」