キャラ崩壊と事件トリックは非常にお粗末なものとなっているので、見る際はそこら辺を考慮した上で見ていただけるとありがたいです。
別班秘密司令室
ここは別班が有する一室、この空間は360度が全てスクリーンになっている特殊な部屋である。今回は別班の司令である櫻井のみがおり、部屋の中央に鎮座している。
そして、そこにとあるスーツに身を包んだ人物が入室し会釈する。
「お呼びでしょうか、司令」
「来ましたね。別班の中でも日本を活動とするあなたを呼んだのは我が国日本に未曾有の危機が迫っているからです」
「未曾有の危機ですか」
別班とは影の諜報部隊、法治国家である日本において違法な捜査をすることは許されない。だが、各国のスパイ、テロ組織に対処するには法に従っている捜査だけでは防ぐことのできないものがある。そこで活躍するのが自衛隊の組織の一つであり、政府非公認組織、別班である。
そして別班はこれまで数々のスパイを排除し、テロ活動を阻止してきた。そんな中、司令櫻井から告げられた未曾有危機、それだけでことの重大さが伝わり身構える。
「早速本題に入ります。ハヤト例の画像を」
『わかりました。早速画像を出します』
ハヤトとは別班が有するスーパーコンピュータのAIのことである。そして司令の命を受けて複数の画像を表示する。
『まず、これは東京にある。東都水族館の映像だ』
ハヤトが写した画像には観覧車の車軸だけが残り、客が本来乗るはずの部分がない。その肝心の部分は東都水族館に突っ込んでおり見るも悲惨な状況である。
『見ての通り、観覧車が破壊され水族館に衝突している。もちろんこの原因は工事の欠陥なんかじゃない』
「となると、まさか」
「はい、間違いなくテロでしょう。目撃者の証言と現場検証の結果ヘリによる銃撃によるものだと分かりました」
テロ、その言葉を聞いた瞬間、直ちに深々と頭を下げる。
「申し訳ありません!日本でテロ活動を許してしまったのは私に責任があります。この処分は如何様にも受けます」
声には申し訳なさ、そしてテロ行為を許してしまった自分への怒りすらも感じられる。
「起きてしまったことは仕方ありません。それに我々の見解ではこれは計画されたものではなく、突発的に起きたものだと結論づけました」
「その理由についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか」
『それについては僕がお答えしましょう』
ハヤトは人間の姿になり説明を始める。
『まず、今回の事件で負傷者は何人かいるものの死者は1人だけだ。この規模のテロ活動にして死者が1人だけというのは奇跡に近い。そこでこのテロ活動は日本人を標的としたものではなく、テロ組織に何か不都合がありそれを抹消するために行なったものと考えられる。それに次の画像を見て欲しい』
次に出された画像は海に浮かぶ大きな建物。だが東都水族館の観覧車同様その建物は既に爆破されてしまっていることが窺える。観覧車だけだとその被害額は膨大であることが分かるがこの建物は見るからにその被害額を上回っていると言える。
『これは東京都八丈島近海の海洋施設パシフィック・ブイという建物だ。この建物も同様に爆破されている。我々の見立てではこの犯行は同一の組織であると考えている。そしてこれら以外にもこの組織によるものだと思われる犯罪活動はいくつかある』
「幸いにも多くの人命を多く巻き込んだテロ行為は行われていないものの、日本でのテロ行為は断じて許されないものであり、我々別班の威信だけでなく日本の国際的な威信にも関わります」
司令は至って冷静に感じるが言葉には怒りがこもっている。
「この組織についての情報は」
「残念ながら詳しいことは分かっていません。現時点で分かっているのはかなりの軍事力を持っていること、構成員は決まって黒い服装であること、幹部のコードネームがお酒であることだけです」
「では活動拠点などは」
司令は首を横に振り答える。
「具体的な活動拠点までは未だ把握できていませんが、彼らは東京の米花町という町に頻繁に現れるとの情報を得ました。そこで次の指令です。この組織の壊滅を命じます。構成員は情報を吐かせたのち即刻処分を。日本でテロ活動を行ったものに与える慈悲はありません」
「分かりました。今回はかなり大掛かりな作戦になると思われます。他の別班員についてはどのように」
「あなたがある程度の情報を掴み次第合流させます。そして今回の任務ではもう1つ別の指令があります。それは長期にわたるものだと思われるので、初めはあなたのみという結論になりました」
「もう一つの司令について伺ってもよろしいでしょうか」
「当然説明します。先ほど組織の構成員が多く見られる場所が米花町と説明しましたが、この町で不可解なことが多く起きています。これを見てください」
スクリーンに映し出されたのは年間の殺人事件の数のグラフである。驚くべきことに東京都と東京都を除く全国の殺人事件の数を比べたとき東京都の方が圧倒的に多い。
『グラフは見ての通りだ。東京都で起きた殺人事件の数がその他都道府県と比べたとき圧倒的に東京都の方が多い。そして驚くべきは東京で起きている事件の配分だ』
そう言って映し出されたのは東京都内での殺人事件のグラフだ。このグラフは町ごとに分配されており、他の街と比べ圧倒的に抜きん出ている場所がある。
「米花町の殺人事件の数は異常ですね。まさか例の組織が」
この事件の多さは異常としか言いようがない。おそらくこれには何かしらの原因がある。そこで考えられるのが先ほどの組織が絡んでいるのが可能性として挙げられる。
「当然その線も考えました。しかし殺人事件の動機は個人的なものが多くテロ組織が絡んでいるとは思えません。だからこそ異常なのです。この街で起きる事件の数、何かあるとしか思えません。そのためこの町の実態調査も命じます。不可解なことがあれば逐一報告するように」
「了解」
「必要なものがあれば随時手配します。本件は最重要任務であるため私とは常に連絡が取れるようにしておきます。質問は」
「お心遣い感謝します。質問事項は特に」
「分かりました。検討を祈ります」
♢♢♢♢
米花町、とあるデパート内の喫茶店。
「あぁ〜疲れた〜全く蘭のやついつ買い物終わるんだ」
「仕方ないよ、おじさん。女性の買い物は長いんだから」
今日は日曜日。小五郎とコナンは蘭その友達の園子の買い物の付き添い(荷物持ち)としてデパートを訪れていた。最初の方は小五郎も娘のためにとおとなしく付き合っていたが増えていく荷物と次第に痺れを切らしデパートに入っている喫茶店で買い物が終わるまで時間を潰すことにした。
それに伴い小五郎を1人にするのも可哀想なのとコナン自身にも疲れが見られたので小五郎と一緒に喫茶店で時間を潰すことにしたのである。
「すいませんー」
「はーい。ご注文は!」
小五郎が注文のために店員を呼ぶと他の席でちょうど注文を取り終わった若い男性スタッフがやってくる。見るに大学生でアルバイトなのだろう。若々しく、元気が伝わってくる。
「俺はアイスコーヒーで。おい、コナンお前はどうする」
「じゃあ僕もアイスコーヒーで」
それを聞いた店員は少し困った顔をしたのち目線の高さをコナンに合わせて質問する。
「アイスコーヒーは苦いけど本当に大丈夫かい?」
「うん!大丈夫!」
元気に答えるコナンを見て、飲んだことがないゆえの自信なのか、見栄を張りたいだけなのか、それとも本当に好きなのか。店員的にはやはり美味しく飲んで欲しいので本当に大丈夫なのかという意を込めて保護者と思われる小五郎の方を見る。
「あーこいつは変わったやつなんでそれで大丈夫だ」
「かしこまりました。アイスコーヒー2つですね。少々お待ちください」
保護者である小五郎に言われ以上大丈夫と思い店員は注文を打ち込んで小五郎たちのテーブルを離れる。
「お前な、ガキのくせにアイスコーヒーなんて飲みやがって」
「あははっ」(好きなんだから仕方ねぇだろ)
小五郎の嫌味にコナンは苦笑で返すが内心ではこう考えていた。
しばらくするとアイスコーヒーが運ばれて来た。ここのアイスコーヒーは特に可もなく不可もなくと言った感じで、喫茶店のコーヒーと言ったらこれ!みたいなのを表したものであった。
特に会話もなく半分ほどアイスコーヒーを飲んだときだった。
「キャァァァァ!!」
突如女性の悲鳴が聞こえた。
悲鳴の方に向かうと40代〜50代の男性がもがき苦しんでいるのが分かる。もがき苦しんだのちしばらくすると完全に動かなくなった。
悲鳴を上げた人はここの喫茶店の女性スタッフであまりの光景に動揺して運び途中であるホットコーヒーを床に落としていた。カップは割れ、コーヒーは遺体にかかった。
「動かないで!誰も彼に近づかないで。そこの店員すぐに警察を」
「分かりました!」
小五郎が声をかけたのは先ほど小五郎たちの注文を取りに来た店員であり手が震えてることからも女性店員ほどではないが動揺しているのが窺える。その店員が動揺しながらも警察に電話した。
その間コナンは倒れた人に近づき脈を確認するが残念ながらすでに止まっていた。
(口からアーモンド臭がする。青酸カリ系の毒物か。だとしたら被害者は何で毒物を摂取した?)
コナンが何で被害者が毒殺されたのかを考えているときだった。不意に首根っこが掴まれて持ち上げられる。
「まーたお前勝手に近づきやがって。いつも近づくなって言ってんだろうが!」
コナンは小五郎から叱責を受けそのまま後ろに投げ飛ばされる。
そんなやりとりをしているうちに警察が到着した。
最初に鑑識がやってきて色々捜査をしている中、警察が来るのをデパートに訪れている客が見て何が起きているのかを見ようと野次馬がどんどん訪れている。そんな中、野次馬をかぎ分けながらやってくる人物がいる。
「ちょっと失礼、通りますよ」
「来ましたか、目暮警部殿」
「はぁまた君かね。毛利くん」
目暮と呼ばれた警部は小五郎を見るに頭を抱えそうになる。何を隠そう目暮が事件現場に行くと大半小五郎に遭遇するからである。そして辺りを見回すともう1人の人物に目が止まる。
「毛利くんがいるということは、やっぱり君もいるんだな。コナン君」
小五郎が事件現場にいると必ずと言っていいほどコナンもいるからだ。
「あはは、こんにちは目暮警部」
「全くなんで事件現場に毎回君たちがいるんだね」
「そんなこと言われましても、偶然としか」
こればかりは本当に偶然であるため小五郎も苦笑するしかない。
そして目暮警部の後に続いてもう1人の警察官がやってくる。
「高木君、被害者について分かったのか」
そう聞かれた高木刑事は手帳を開きながら答える。
「はい、被害者の身元は名前、橋本慎司、年齢44歳、職業は都内の会社で働いていることが分かりました。死因は青酸カリによる中毒死、毒物は被害者が持っていた本に付着していました。おそらく被害者は本のページを捲るのに指を舐めた際に毒物を摂取したものかと」
「となるとやはり他殺ですな。それに被害者が本を読むとき指を舐める癖を知っていた人物」
「そう見て間違いないだろうな」
「そしてこちらが毛利さんたちを除いた事件当時この喫茶店にいた人物です」
今回事件現場にいたのは合計6人。そして各々名を名乗るように言われる
「ここでアルバイトをしている。田中彩です。現在は看護の専門学校に通っています。先ほどはすみません。大声を出してしまい」
最初に名乗ったのは事件当初悲鳴を上げた店員である。
「大丈夫ですよ。あんな現場を目撃したら誰だってああなります」
田中彩は女子大生でしかも可愛いそのため小五郎がすぐさまフォローに入る。
「次は俺ですね。同じくここではアルバイトの清水僚大です。都内の大学に通っている学生です」
次に名乗ったのはコナンたちの注文を聞き、警察を呼んだアルバイトである。警察を呼ぶときこそ動揺していたものの今は落ち着きを取り戻しているようだ。
「ここの喫茶店の店長をしています、鷲尾末彦と申します」
50代くらいの人で物腰やわらかく人当たりの良さそうな人物である。
「あー天野凛です。バンドのギターやってますー」
めんどくさそうに答えるのは20代前半で金髪の天野。服装からもバンドをしていることが窺える。
「会社員の高野浩二です」
40代のサラリーマンである高野は日曜日でもあるにも関わらずスーツ姿である。
「えっと、その、五十嵐麻衣です。最近引っ越してきたばかりなので今は、無職です。はい」
30代でいかにも部屋着と思われる五十嵐。荷物が多いことからも今日は新居で必要なものを買いに来たのだろう。
「この人たちが今回の容疑者ですか」
「おいおっさんら!もしかしてあたしたち疑ってんのか?」
容疑者という言葉を小五郎から聞いて天野が反応する。
「いえそういえ訳では。ただ念のために事情聴取だけでもお願いします。終わり何もないと判断されればすぐに解放しますので。
いきなり容疑者扱いされて怒る天野を高木が宥める。天野ほどでないにしろここにいる全員が容疑者という言葉に反応したので終わればすぐ解放されると聞き安心する。
「チッ、なら早くしてくれよ。今夜ライブがあるんだ」
「分かりました。では早速行いたいと思います。店員の方はここ1時間の行動を、それ以外の方はこの喫茶店に入店した後の話を聞かせてください」
「えっと私はちょうどお昼のピークが終わったので休憩もらってました。それで30分前に休憩が終わって戻ってきてからは厨房とホール両方の仕事をしてました」
さっきの順番と同じく田中から話し始める。
「俺はこの1時間はホールの仕事だけしてました」
「私はこの1時間ずっと厨房でコーヒーを入れてました」
「あたしはライブのリハの時間まで暇だからここで今日のイメトレのために今日やる曲をイヤホンで聴いてたぜ。近くにあった喫茶店選んだだけなのにとんだ貧乏くじ引かされたぜ」
「自分は明日の会社でのプレゼン資料を作りに来ました。家だとなかなか捗らなくて。だからこの1時間はずっとパソコンと向かい合ってましたよ。あと、一度だけトイレに立ちました」
「えっと、私は新居に必要なもの買いに来てその、疲れたんでそこの本屋で買った一冊、読んでました」
全員の行動を聞いたがこれと言って怪しいところはなく、コナンも小五郎も異議を唱えないことからも次に進む。
「では次に所持品の検査にご協力ください」
全員が早く解放されたいので大人しく所持品を提示する。店員らはバックヤードに荷物を取りに行ったのち提出している。
荷物を鑑識に回して結果を待つ。その間することもないので各自警察の目の届く範囲でしたいことをしている。
そしてしばらくして鑑識から結果が届いた。
「高木君、それで結果は」
「全員毒物と見られるものは所持していませんでした」
「となるとここにいる人たちは白か」
「そうですな。身近で被害者に恨みを持つものが被害者の本に毒を塗ったそう考えるのが妥当でしょう」
毒物の所持がなったため小五郎と目暮はここには犯人はいないと結論づけここに居ない人物の犯行だとみなした。
(いや本当に犯人はここにはいないのか。まだ何か見落としている気がする・・・・⁉︎)
コナンは突然に辺りを見回す
(なんだ⁉︎今誰かに見られてた気が。一瞬だったが鋭い視線を感じた)
だがいくら見渡してもその視線の正体には気付かず、気のせいだということにし推理に再び集中する。
「店長、すみません。言いそびれてたんですけどコーヒーカップ割ってしまいました」
「あぁ、別に構わないよ。さっき毛利探偵も言っていたがあの場面を見たら誰でも動揺するさ。ひとまず田中さんに怪我がなくてよかった。カップはまた買い直せばいいさ」
コナンは小五郎が目暮警部と話してこちらを見ていないことを利用し現場、特に被害者の周辺を色々調べていた。そしてあることに気づく。
(そうか!もしかしたら)
「ねぇねぇお姉さんちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「どうしたの?ぼく」
「お姉さんはどこにコーヒーを運ぼうと思ってたの?」
「亡くなった人に運ぶ予定だったの。あの人コーヒーこぼしちゃったみたいで追加で頼まれたの」
「あとさこの中で〜」
「そうだよ。ぼく、よくわかったね」
(やっぱりそうか!)
「ありがとう!お姉さん」
コナンは次に鑑識であるトメさんのところに向かった。
「ねぇトメさん小五郎のおじさんに聞いてこいって言われたんだけどね。〜」
「ああ、小五郎さんの言うとおりだ。不思議に思ってたんだよ」
(やっぱりそうだ。そうなるとやっぱり犯人はあの人しかいない!あとは証拠だ。無くならないうちに確保しねぇと)
コナンが黙々と推理を進める中コナンを観察している人物がいるがコナンは未だ気づいていない。