剣と魔法の世界に転生したので銃を使って戦います 作:裸眼のメガネ
—東京某所—
「やっと……1週間終わった……初めてだから尚の事疲れたな……」
俺、桐ヶ谷 魔保野(きりがや まほの)は今年自衛隊に入隊したしがない22歳である。訓練の厳しさも尋常じゃない。もはや足がもつれて転びそうだと思いながら横断歩道に差し掛かる。横断歩道を渡ろうとした瞬間、足がもつれて転んでしまう。
周囲の人が叫んだり急いで渡ろうとしたりしている。群衆の視線の先へ目をやると、信号を無視して猛スピードで走ってくる赤のセダンが見えた。俺は死を覚悟する。車がみるみる近づいてくる。俺は咄嗟に目を瞑る。しかしいつまで経っても衝撃は感じない。恐る恐る目を開くとそこは何もない一面真っ白の空間だった。
「なんだ……ここは……?」
周りを見回しても何もない。
「……死んだってことか。こりゃまぁ殺風景なもんだ。死後の世界なら少しは豪勢でもいいのにねぇ」
『桐ヶ谷魔保野。権限をオペレート。初期能力決定。対象への付与を開始。』
頭に響く声に驚く。周りを見渡しても自分以外に誰もいない。俺にはどうしようもないため、声の言うことは何も考えずただ流れに任せることにして横たわることにした。
『付与完了。桐ヶ谷魔保野。ご武運を』
肌に触れる感触が急に変わり不思議に思い目を開くと今度は緑の生い茂る森の中に居た。
「文句聞こえてたんかな」
『桐ヶ谷魔保野。スキルの扱いの説明を行います。スキル:創造。思い浮かべた物を生成する能力です。ただし、食物や生物、本人に原理の理解ができない物の生成は出来ません。スキル発動はスキル創造と言う掛け声のもと手のひらを上に向けることで発動されます。以上です。それから付近に敵もいるのでお気をつけください。』
またさっきの淡々とした声が頭に響いてくる。スキル「創造」……?なんじゃそら。物は試しということで実践することにした。
「スキル、創造!」
そう言って手のひらを上に向けると、ビジョンがどこからともなく現れた。近くに敵居る的なこと言ってたよな……?とりあえず小銃でも生成するか。小銃の形を思い浮かべるとビジョンに小銃のモデルが映されゆっくりと回転している。
「おぉなんかそれっぽい。よっしゃ生成!」
『魔力が足りません』
無機質な音声が静かに響く。魔力が足りない……?なんや魔力とかいう概念あるんか。よく見るとビジョンの右上に生成に必要な魔力量と現在の魔力量が書いてあった。
「なになに?生成時必要魔力は1000と。んで今の俺の魔力は〜?」
思わず俺はその数値を二度見する。
「200……?」
ウッソだろおい。こういうのってなんかこう……すごい初期から強かったりスライムだったり死んでも生き返れる能力あったりするんじゃないの……?ん?
「てかなんだこの世界!?俺すんごい都会にいたよな!?」
「グルルォォ!!」
「今度はなんだよ!?」
声の方を見ると尖った歯を見せながら唾液を流す見たこともない獣が居た。敵。こいつじゃね?
「グルァ!」
こっちめがけて走ってきたため全力で逃げた。今の魔力で作れるものを探す。
「拳銃は……!?」
なんとか足りた。消費魔力は170。かなりギリギリだが足りたことに感謝した。
「今度こそ……生成!」
ビジョンが消えると目の前に拳銃が出てきた。それを掴み振り返ると即座に構える。引き金を引くとカチッという金属音が響くだけで何も起こらない。獣もその金属音に一瞬驚くがすぐにまた追いかけてきた。
まさかと思い薬室を確認すると、空だった。なんならマガジンにも1発も入っていなかった。
「不親切だなおい!」
逃げ回りながら今度は弾薬を生成する。消費魔力を確認する余裕すらなく、とにかくありったけを生成した。前に現れた弾薬は2発。2発?
「すっくな!」
獣との距離は狭まるばかりで体力も尽きかけていたためマガジンに2発装填すると振り返り相手の頭めがけて発砲する。耳を突き刺すような音が2回轟くと、獣はその場に倒れ動かなくなった。
「よっしゃやってやったぞこの野郎!なっはっは俺つよぉ!!」
「「グルルル……」」
いやぁな声が背後からしたため振り返ると、さっきの獣が今度は複数現れた。おそらく銃声に呼び寄せられたのだろう。弾はもうない。魔力も残り0。焦って逃げようとするとバランスを崩して尻餅をついてしまった。相手が飛びかかってくると今度は背後から年配男性らしき人の声が聞こえてきた。
「
突然どこからともなく炎が現れ獣を焼き尽くした。俺が後ろを見るとそこには白い髭を生やした老人男性だけが立っていた……
本作、「剣と魔法の世界に転生したので銃を使って戦います」第1話をお読みくださりありがとうございます。本作は風景描写や人物の外見描写を省いている部分が多いです。後々人物描写については番外編登場人物名鑑で出すと思うので安心してください(?)。そして1話短くねぇか?と思ったそこの皆さん、はいそうです。短いです。短時間でサッと読める文章量を目指すという建前の元、モチベ維持に使われています。
次回、剣と魔法の世界に転生したので銃を使って戦います第2話「魔法って何ぞや」
さぁて次回も、サービスサービス♪