魔王城の中で魔王さまとその家族が住んでいるところは魔宮殿と呼ばれている。
魔宮殿は新しく建てられた10階建ての壮大な美しい宮殿で、最上階は魔王さまだけの階なんですって。 魔王さまのお部屋って、どんなお部屋なのかしら?
魔宮殿の9階が、アマンダさま、プリシルさま、リリスさま、それにハウェンさまたちの部屋で、 8階以下が、アンジェリーヌさまたちなどほかの王妃さまの部屋。 私たちは新参者なので2階で、ルナレイラお
魔宮殿の中での階の上下移動には階段もあるけど、みんなは垂直移動部屋を使うの。 やはり魔法陣を使ったモノらしいけど、こんなすごいモノ見たことがないわ? 垂直移動部屋って15人ほどが入れる部屋で、行きたい階まですぐに行けるの。
そうじゃなかったら、10階は魔王さまの専用区域だから行けないとしても、地上階から9階とか8階とかに毎日階段を昇り降りするって無理よね?
魔宮殿には、この垂直移動部屋が5つあって、自由自在に昇り降りできるの。 垂直移動部屋に入って、ドアを閉めるボタンを押して、閉まってから行き先の階の数字が書いてあるボタンを押すと、天井に描いてある魔法陣が、青、白、橙、黄色と点滅するの。これが、またきれいなのよね!
そして移動が始まるんだけど、上の階に行く時は、身体が急に重くなる気がして、下の階に行く時は身体がふわっと浮く感じがするんだけど、慣れたらどうってことないわ。
ビアとかジオンとか、50回ほど昇り降りして遊んでいたわ。
私は... 30回ほどしか昇り降りしてないけど。 それもお母さまやモナさまやルナレイラお
あたえられた部屋で旅装を解いて、一休みというか、夕食まで数時間の自由時間がもらえた。 アマンダさまからは、午後6時からの魔王さまとの夕食に参加するようにと言われた。 女性のおめかしは時間がかかるから、一休みなんかしていられない。早めに準備を始めることにした。
ビアといっしょにお風呂に入ってから、マルカに手伝ってもらってバッチリお化粧をして、プリシルさまたちから頂いた新しい下着を着て、これも頂いた超短いドレスの中から夕食にふさわしいと思うのを選んだ。
ピンクのドレスだけど、かがんだらオシリが丸見え、しゃがんだりでもしようものならおパンティがバッチリ見えてしまうような超短いドレス。おまけに胸のところにたくさんの刺繍があって、胸元が大きく開いていて、私の豊かな―― あんまり豊かでもないか―― ふっくらしたオッパ◯の谷間がバッチリと見えるドレスだった。
ドレスが短いので下がスースーして、どこかが風邪を引いてしまいそう(汗)。
ビアはまだ12歳だけど、オッパ◯なんかはけっこう大きくなっちゃっているし、オシリももうかなりふっくらしている。でも、まだ子どもだから飛び跳ねると下着がもろに見える短いドレスを着てはしゃぎまわっている。
姿見で見たら、私、けっこう
着替えの済んだお母さまたちといっしょに、垂直移動部屋に乗って一階にあるダイニングルームに向かった。
「みなさまがお揃いになられるまで、控えの間でお待ちください」
ドアの前にいた年取った
お母さまもモナさまもやはりドレスの短さが気になるようで、長椅子に座って待っている間、何度も何度も裾を引っ張っていたわ。
「あら、早くいらしたのね?」
グレーの素敵なドレスに身を包んだアマンダさまが現れた。
男性の騎士みたいな恰好も似合うけど、こういう女らしいドレスを着ている姿もとてもお似合いだわ。
アマンダさまってすごい美人だし、胸もこう、けっこう張っていて、さすが魔王さまが最初に魔王妃とされただけあって、頭も切れそうだし、腕も立ちそうだし、顔は美人だし、胸はあるし… こんな百点満点の女性って、いるんですか――っ?って思っちゃったわ。
それにしても、アマンダさまの素敵なドレスもやはり短いわ。膝までしかないし。そう言えば、魔都に着いてから気がついたんだけど、女性たちはみんな短いスカートとかドレスしか着てないのよね? これが都会流の女性の服装ってやつなの?
「あら、なあに、アリシアさん?私のドレス姿がそんなにめずらしいの?」
アマンダさまが、私の視線に気づいて微笑んだ。微笑みと、また一段と美しくなる。
「あ、いえ、アマンダさまは男装... あ、失礼しました。その、細身のトラウザー姿とか鎧姿がお好きなのかと思っていたんですけど...」
「ふふふ。私は、こう見えても、この世界で一番の剣の使い手なのよ。魔王さまをお守りするために、幾度となく戦いをして来たけど、ドレス姿では動きにくいし戦えないでしょう?」
「そ、それは当然です!」
「だからふだんは男装とか騎士の恰好をしているんだけど... 戦じゃない時、魔王城で魔王さまとお会いする時は、可愛い女にならないとね?」
「なるほど!」
彼女の言っていることは一理ある。 いくら美しく、身体が魅力的な女性であろうと、四六時中、男装をしていたら、魔王さまも抱く気もなくなるでしょうからね。それに、いざ抱こうとしても、鎧や兜を外してなんてやっていたら、興覚めしてしまうこと確実。
そこへプリシルさまがマイレィちゃんといっしょにやって来た。
「みなさま、お早いですわね!」
プリシルさまは、シックな感じの若草色のドレス。 やはり、短い。そしてマイレィちゃんは、まるで童話の本の中から飛び出して来たかのような、白い可愛いドレスを着ていた。もちろん、ひざ上丈の短いやつ。
「アリシアちゃん、そのドレスすてきね!ビアちゃんも似合っているわ!」
ヒールが10センチはありそうな白い靴を履いていたマイレィちゃんは、まるで十年来の友人に会ったみたいに、私とビアの手を握ってよろこんでくれた。
「あの、遅れましたでしょうか?」
誰か聞き覚えのある、少し恥ずかしそうな声が聞こえたので、入口の方を見ると――
そこには妖精がいた!
いや、それは妖精と見間違えるほど美しいルナレイラお
ルナレイラお
ドレスのスカート部分はフレアだけど...
これがまた短くて。ひざ上20センチはあるんじゃないかしら? フレアなので、よけいにルナレイラお
それに、胸元には上品なVカットのスリットが入っていて、その隙間から豊満なオッパ◯のふくらみが見えるの! これじゃ、魔王さまも瞬殺ね?
だけど、ルナレイラお
ルナレイラお
「やはり、魔王さまの目に狂いはないわね...」
「一度だって狂ったことあったかしら?」
アマンダさまとプリシルさまがおたがい頷き合いながら話していると――
「誰の目に狂いはないんだって?」
魔王さまが降臨された!これも美しく着飾ったリリスさまとハウェンさまを従えて。
魔王さまは、頭に見事な細工の入ったリングを付け、華麗な刺繍が縁にある銀色のコートに同色のベストに白いシルクの長袖シャツ。下は銀色のトラウザーに半ブーツで、背中に腰までのマントを羽織っていた。
長身なので、何を着ても似合いそうだけど、やはり、魔王然とした服装をしていると威厳を感じるわ。
魔王さまの後ろには、エルフや獣人族などの王妃たちがいて、その後ろには高官らしい人たちがゾロゾロいた。
「ほう!...」
控えの間に入って来て、座っていたルナレイラお
ルナレイラお
そりゃ、魔王城の主を「お先に失礼します」て言って追い越して行くわけにはいかないわよね?
「ふむ...」
魔王さま、ルナレイラお
「ふむ」
もう一度、頷いた。
そして......
何とルナレイラお
魔王さまって、背丈が190センチくらいあるので 165センチのルナレイラお
ちゅ――――ぅぅぅぅ......
ゲッ!?
ま、魔王さま、お
「えっ、ふにゅっ!」
抵抗することも出来ずに、目を白黒させるルナレイラお
みんなが見ている中での口づけって...
ルナレイラお
それにしても魔王殿、おぬし大胆じゃのう?...
口づけが長引くにつれて、 あまりの刺激の強さにか、ルナレイラ義姉さまは目を閉じてしまった。
そりゃそうでしょう、なんせお
それもみんなが見ている中での行為だから、恥ずかしくて目も閉じたくなるってものよ。
魔王さま、
............
............
............
永遠のような数分間が過ぎて―
いや、あれは5分だったのかしら、それとも10分?
まさか30分とか?
1時間ってことはないわよね?
ようやく魔王さまの“あいさつ代わり”みたいな口づけが終わり、 何事もなかったかのようにフツーの顔でダイニングルームに入る魔王さま。 続いて王妃さまたち、私たち、高官たちが入ったのだけど――
ルナレイラお
ダイニングルームは100人ほどが一度に食事が出来る広さだった。 中央に大きなテーブルがあり、その周囲に10人ほどが食事できるテーブルが八つほどある。
魔王さまは、当然、中央のテーブルの上座に座って、私たちは侍従の指示にしたがって、それぞれ席に着いたんだけど、お母さまやモナさまたち、ほかの人たちに聴こえないように小さくため息をついてらっしゃったわ。 先ほどの魔王さまとルナレイラお
魔王さまの両横には、魔王城におけるヒエラルキーにしたがって、王妃さまたちが座った。右横はアマンダさま、左横はプリシルさま。それから順次に、リリスさま、ハウェンさま、アンジェリーヌさま、ジョスリーヌさま... と王妃さまたちが座って。
王妃さまたち、今日も14人全員はそろっていなかったみたい。せいぜい8人ってとこね。まあ、鬼人族国の大王さまは自国の事もあるだろうし、ほかにも何やら用事で不在の王妃さまもいるみたい。
私たちは魔王さまと対面する形で座り、高官たちやその妻たちは、中央の大きなテーブルの周囲にある中型のテーブルに座ったの。 みんなが着席すると、アマンダさまがルナレイラお
「みなさま。こちらにいらっしゃるのが、今日から魔王城でわたくしたちといっしょに暮らすことになった、ルナレイラ・ジュリエッテ・ゲネンドル王女です」
アマンダさまは、ルナレイラお
「それで、みなさまもすでにご存じとは思いますが、ルナレイラ王女は魔王さまとご結婚されることになっています。そこにいらっしゃるアリシア王女さまとビア王女さまも、将来、魔王さまの妻となる予定となっています」 「まあ、そういう訳だ。みんな仲良くしてやってくれ!」
魔王の声が合図であったかのように、待機していた給仕たちが一斉にテーブルの上に並べられていた料理皿にかぶせてあった銀製の蓋を取ったの。テーブルの上にところ狭しと並べられているご馳走から、ヨダレが出そうなおいしそうな匂いが漂いはじめたわ。
夕食は本当に豪華なものだった。 あんなご馳走、お城に住んでいた頃でも食べたことなかった。 ビアもカリブ君もジオン君もキアラちゃんも、パクパク食べていた。 お母さまとモナさまも、上品においしそうに、
これから、毎日こんなご馳走を食べられるなんてシアワセ。 でも、食べすぎて太らないようにしないと、ヤーダマーの塔へ追い返されるかも? やはり、食べる量は気をつけなきゃね。
ルナレイラお
たらふくおいしい夕食をいただいたあとは、お酒やお茶などを頂く部屋に移って― その部屋には大きな暖炉があって、今は夏だから暖炉に火は入れてないけど、座り心地のよさそうな椅子がいくつも置いてあって、くつろいでおしゃべりしたり出来る部屋なの。
私はもうお腹いっぱいだったので何も欲しくなくて、マイレィちゃんとエイルファちゃんとビアの四人で長椅子に座っておしゃべりしていた。 そこに、イクゼルさまがご主人のゲラルド侯爵さまを連れて来て紹介してくださったわ。
魔王国の農業大臣とかをされているって方よ。ゲラルド侯爵さまは、朴訥とした感じの
そのあと、イクゼルさまは多くの高官を紹介してくださった。 夕食の時、「ガ―――ッハッハッハ!」って、ダイニングルーム中に響くような大笑いをしていた鬼人族の大男のギャストン伯爵とか、実直そうなエルフ族のペンナス伯爵とか、同じくエルフ族のスティルヴィッシュ伯爵とか、獣人族の何ちゃら伯爵とか、かんちゃら男爵とか... あまり多すぎて、みんな名前覚えられなかったわ(汗)。
アイフィ王妃さまも紹介してくださったわ。 あのアガピウス教皇さまでさえ一目置いているという優秀な神教官であり、さらに魔王国でも一、二位を争う魔術師って聞いていたけどけど、アイフィ王妃さまって、そんなすごさ全然感じなかった。
「エイルファとマイレィちゃんに、仲のいいお友だちが出来たみたいで、私もうれしいわ」
アイフィ王妃さまはそう言って、微笑んでいた。
アイフィさまって、とても聡明そうな方で、私もビアもいっぺんで好きになっちゃった。