転生陰キャの冒険譚~保護者の生体アンドロイド達と旅をして…いつかは女性不信を克服する?~ 作:クーニー
───なのは視点───
一郎くんが一人で戦ってみたいと
言ってきたのでメイはオロオロとしてましたが
わたしは許可を出すことにしました。
万が一に備えて戦闘に加入する準備はしていますが
それを悟られないようにして
一郎くんと鳥型の魔獣の戦闘を見守ることにします。
身体強化魔法を使った上でも
魔獣の速度の方が上回っていて
空中を飛び回る相手に一郎くんも
かなり苦戦を強いられているようです。
「なのは先輩 早く助けに入りましょうよ」
メイはすぐにでも助けたい気持ちで
わたしに話しかけてきてます。
「もう少し様子見ましょう」
「で、でもっ」
メイの顔が悲壮感に浸ってます。
この子は一郎くんに甘すぎるというか
わたしがスパルタ過ぎるのかな?
わたしだって…心配ですよ?
今だって…ハラハラしていますし
でも、紙一重で魔獣の攻撃をかわしている
一郎くんをみれば今回の実戦経験で
成長もしてくれると思うのです。
魔獣の速度に翻弄されていて
かわすだけで…精一杯の様子をみていて
今すぐでも加勢したいという気持ちを堪えながら
一郎くんを見守ってます。
息もあがって来ているようで
限界が近づいているみたいなので
「メイ そろそろスタンバイ」
メイに呼びかけました。
「はいっ」
メイト二人で加勢に入ろうとしたとき
一郎くんの周りに複数の魔法陣が展開されていきました。
みた限りチェーンバインドでしょう。
魔獣を鎖で縛るという作戦ですね。
わたしは…これに乗じて同じくチェーンバインドを
展開していき一郎くんに気づかれない程度に
補佐を行うことにしました。
魔獣が一郎くんに接近してきて攻撃しようとした際
一郎くんはチェーンバインドを発動させたみたいです。
そのタイミングにあわせて
同じようにチェーンバインドを発動させ
魔獣を縛り付けていきます。
一郎くんがそのあと魔獣の心臓に
ソード型にした武器を突き刺そうと
加速して行き接近して…心臓がある部分の
外皮に武器を突き当てました。
しかし外皮が思いのほか硬かったせいか
突き刺そうにも食い止められてしまってます。
魔力を込めた魔法剣威力が弱かったようですね。
どうにか突き刺そうと力を込めているようですが
そこまでのようで…焦りもみえてきてます。
そして魔獣の身体がピカッと光って
口から炎の球を作り出し一郎くんめがけて
放とうとしてます。
わたしは慌ててメイに呼びかけました。
「メイっ」
「は、はい」
わたしの意図をくみとるとメイが
一郎くんの周りにシールドを張っていきます。
もちろん、一郎くんは気づいてないようですが…
わたしも瞬時に動いて魔獣の頭上に移動していき
光の槍を杖に込めて作り出し
一気に魔獣の頭に加速して突き刺して息の根を止めました。
「「一郎くん 大丈夫ですか?」」
メイト二人で一郎くんに話しかけると
彼はホッとした顔になり…わたしたちを見てきました。
「なのは メイ ありがとう
た、たすかったよぉ…やばいと思った」
「「はい」」
「ぼく…まだまだ弱いなぁ 突き刺せなかった」
一郎くんが落ち込むように俯きながら
ぽつりと呟いたのを聞いて
わたしは彼の頭を撫でながら全体に回復魔法を
施しつつ話しかけます。
「いいえ 大丈夫です
この辺の魔獣が思いのほか…強いだけですから」
「そ、そう?」
「そうですよぉ そんなに落ち込まないでね」
メイが近づいて一郎くんの顔を見て
励ましてくれてます。
「次からは…わたしとメイで
動きを止めますので…一郎くんには
ソード型でもライフル型でも
どちらでもいいので魔力を強く込めて
頭を撃ち抜いてください
込める魔力を段階的に引き上げていって
どれくらいなら撃ち抜けるのか確認しましょう」
先ほどのは威力が弱すぎたと思うのです。
慌てていたのだろうし
対して魔力を込めていない状態だったのでは?
わたしにはそうみえました。
「う、うん…やってみる」
「さて、移動しましょう」
「あ…なのは先輩 この魔獣は
収納魔法に入れておきますね」
「そうでした…始末した魔獣
このまま放置したらもったいないでしたね」
メイの指摘に苦笑いを浮かべながら答えます。
魔獣はメイに預けることにしました。
そして3人で近くの王都へ移動を再開しました。