転生陰キャの冒険譚~保護者の生体アンドロイド達と旅をして…いつかは女性不信を克服する?~ 作:クーニー
なのはと二人で急いで悲鳴が聞こえた
北東側の方に飛行魔法で飛んで行く。
するとみえてきたのは…狼型の魔獣の群れが
大きな馬車をぐるりと取り囲んでいて
馬車の傍ではフルプレート型の鎧を纏っている
騎士が10人近く狼型の魔獣と対峙していた。
騎士達は魔獣に追いつめられていて
ところどころ怪我もしている様子だった。
幸いなことに悲鳴が聞こえてから
それほど時間が経っていなかったので
まだ死人は出ていない様子だった。
「一郎くん はじめましょう」
「うん」
なのはの言葉を受けて俺は武器を
ライフル型へ変形させていき
狼型の魔獣の頭部を確実に撃ち抜く作業を
はじめることにした。
みたところ…さっきの鳥型魔獣に比べて
速度が遅かったので楽に頭部を確実に狙って
次々と始末していく。
騎士達は…狼型の魔獣が次々と撃ち抜かれて
倒れていくのを目の当たりにして
辺りをキョリョロと見回して
その中の一人が俺たちの方向へ
指を差しながら声を上げた。
「あそこだ あそこに人が浮いてる」
それを聞いた騎士達が全員
俺たちの方を見上げてきていた。
俺もなのはも気にせず…
狼型の魔獣の群れの一掃を優先して
一掃完了した後で騎士達の近くに降りていく。
騎士の一人が俺たちに向けて
声をかけてくる。
「危ないところを助けてくださって
感謝するが…其方らは何者だ?」
警戒気味に俺たちに問いかけてた。
俺は…なのはに任せることにしたので
黙って…なのはをみる。
「通りすがりの旅人です
悲鳴が聞こえたので助けに入りました」
「旅人…信じられん
高度な魔法を使いこなしているのが
見受けられる」
「そうは言いますが…旅をしていますので
ちょうど…王都へ向かうところでした」
「王都に? 観光目的かなにかであるか?」
騎士があれこれ問いかけてくるが
俺はとりあえず黙っていることに徹する。
「はい 観光も兼ねていますが
この子に文字の読み書きを
学ばせたいと思いまして」
「なるほど…それでしたら
助けていただいた…お礼を兼ねて………」
「なんですの? 時間かかりすぎですわよ?
魔獣の退治が終わったなら
さっさと王都へ移動してくださるかしら?」
いきなり馬車のドアが開くと
大声で怒鳴りつけながら降りてくる少女が現れた。
みた限り15歳前後にみえて
金髪でドリルヘアのツインテール…いかにもって感じの
ドレスを身に纏い…きつめの…つり目の子だった。
「ラビニア様 お待ちくださいっ」
ラビニアと呼ばれる子の後ろから
慌てるようにメイドさん風の格好の女性も降りてくる。
「それで…終わったんですの?」
「はい この者達が危ないところを
助けてくださいまして」
騎士達が全員…膝をつきながらラビニアの方を向く。
「ふーん…っ…く、黒…っ」
ラビニアが俺たちの方をみると
みるみるうちに顔を歪めながら俺たちに
話しかけてきた。
「黒髪…忌々しい…セーラと同じ黒髪
こんな奴に助けられたんですの?
忌々しい…さっさと移動してくださいまし
ふんっ…忌子が!」
と言いながら馬車に戻っていった。
騎士の代表者が困惑気味に
俺たちをみてペコペコ頭を下げてくる。
「おねえちゃん…ここにいても意味ないから
先をいそごう」
俺はなのはを姉にして話しかけた。
「そうね わたしたちは…これで」
「すまない…」
騎士達は俺たちに申し訳なさそうに口にしているが
ラビニアというお嬢様の命令だろうし
いそいそと王都へ向かって隊列を整えて
馬車とともに移動していった。
俺となのはは…それを見送りながら
狼型の魔獣の死骸を収納魔法で亜空間へ
収納していきメイの方へ向かうことにした。
「はぁ………」
つい…大きなため息を漏らす。
「一郎くん 大丈夫ですか?」
「うん…性格悪そうな女だったから
余計に…いやになってる」
「そうですね
黒髪に嫌悪感も持っている感じでしたね」
「うん…セーラって子…気になるが
とりあえず、メイのところへ」
「はい」
今後、絡んでこないであろう
ラビニアのことは忘れて急いで
メイのところに向かうことにした。