転生陰キャの冒険譚~保護者の生体アンドロイドと旅をするが、女性不信はなかなか治らない~   作:クーニー

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26話

───セーラ視点───

 

わたしの名前はセーラ・フォン・ウィリアム。

ウィリアム公爵家の次女。

次女とは名ばかりで…お父様の妾の娘。

 

わたしのお母さんは…わたしが5歳になる前に

病気で亡くなってしまっていて

そのあと…お父様に引き取られるかたちで

ウィリアム公爵家に…

 

それもあってか…正妻であるお義母様と

その娘であるラビニアお義姉様には

ひどく嫌われてしまっていて

目の仇にされています。

 

しかも、私の髪の色は黒髪。

この国の人々は金髪、銀髪が大半を占めていて

黒髪というのは忌子とされてきているみたいです。

 

忌子…確かに…わたしの場合は

あてはまるかもしれません。

なぜなら…わたしは前世の記憶を持っているからです。

そう…ラノベでよくある異世界転生です。

 

前世のわたしは地味で目だたない高校生でした。

友達もいなかったですし

ネット小説を読んだり深夜アニメを見たり

ちょっと古いアニメも色々見てました。

典型的な地味なオタク女子でしたね。

恋は…したことありません。

ううん…二次元のキャラクターには色々と

ときめいていました。

はい…だって…わたしみたいな地味な子なんて

誰からも相手にされませんでしたし

クラスでも空気のような扱いでした。

本当に…いないものとして扱われていましたから…

 

そんな高校生が…なぜ…異世界転生?と

思われるかもしれません。

たまたま塾帰りを歩いていたら目の前に

暴走していたトラックが飛び込んできたのです。

運転席を死ぬ間際にみると居眠り運転でした。

なんなんでしょうね?

わたしの人生って…そこで前世は終了でして

次に意識が戻ったのが…この世界でした。

お母さんは病弱でも優しかったですし

お父様も…こんな…わたしにも

愛情を注いでくれています。

お父様のことは大好きですし

本当にありがとうと思っています。

ただ、お義母様とお義姉様には…

ことごとくいじめられています。

今日もそうです。

お義姉様がわたしを連れて

外に出掛けると言うことで仕方なくついてきました。

わたしを気遣ってくれる付き人…侍女の

アイラ、ミア、マリーの3人

1番上のアイラが20歳で

金髪ポニーテール…性格もサバサバしている感じ。

ミアは金髪ショートポフ大人しめの18歳。

そしてマリーは金髪三つ編みでオロオロしている感じで

少し頼りない13歳。

3人だけが…わたしの味方です。

お義姉様と一緒に出掛けていき護衛の騎士隊10人も

引き連れて森の近くまでやってきて

お義姉様がわたしに馬車から降りろと命じられ

わたしとアイラ達3人は馬車を降りました。

わたしたち4人が降りるのを確認すると

馬車と騎士隊10人が

王都へ向かって移動しはじめてしまいます。

騎士の方の一人が申し訳なさそうに

わたしをみてます。

あぁ…そう言うことね。

わたしを捨てに来たんだ。

お義姉様のやりそうなことだなと感じました。

 

「セ、セーラ様…どうするのです?」

 

マリーが真っ先にオロオロして

話しかけてきます。

 

「どうするもなにも…捨てられたんですよ

 いつかこんなことが起きるとは思ってました

 クソラビニアめ!」

 

アイラがぶち切れながら悪態を働いてます。

 

「まぁ…そうですね

 わたくしは邪魔な子ですから」

 

わたしはぽつりと呟いてしまうと

3人ともわたしをみて「セーラ様は邪魔ではありません」と

悲しそうな顔をして訴えてきました。

 

「ありがとう」

 

わたしたちがのんきに会話をしていると

狼型の魔獣が群れを成して現れてきました。

 

「「「「「グルル…」」」」」

 

「「「ひっ…」」」

 

3人がそれをみて怯えてしまってます。

わたしはと言うと

今世もこのまま終わるのかな?と

諦めが先に出ちゃってました。

 

「「「お、お嬢様には近づけさせませんっ」」」

 

3人とも必死な声で大声で叫んでくれます。

それを受けて

少しひるんだと思いきや

しばらく…わたしたちの様子をみたあと

狼達が一斉に。わたしたち

4人に襲いかかってきました。

 

「「「「あっ」」」」

 

3人はわたしを守ろうと身体を張って

わたしも手を顔の近くに持って行ってしまいました。

やられると思って目をつぶった…その矢先です。

ギィィィィィィィィィィィンと金属音に近い音が

耳に聞こえてきて目を開いて見ると

狼の群れがバリアのようなものに弾かれています。

そして上空から赤いメイド服を着た

少女が降りてきたと思うと

あっという間…同時に何匹も

頭部を確実に狙って狼型の魔獣の群れを

始末して行きました。

狼型の魔獣すべて倒されたのをみて

安心してしまい…その少女の姿を

じっくりと見てみて…気づいてしまいました。

そう…前世のアニメの記憶を思い出して

つい…口を開いて言葉にしちゃいました。

 

「あー…クラフトメイド・メイのメイちゃんだぁ」

 

「セーラ様?」

 

「メイちゃんって?」

 

「お知り合いなのですか?」

 

アイラ達3人がわたしをみて首をかしげて

聞いてきました。

 

「えっと…知り合い…では…ないです」

 

恥ずかしくなり俯きながら答えてしまいました。

わたしの声にメイちゃんだと思うけれど近づいてきて

わたしたちに話しかけてきました。

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