転生陰キャの冒険譚~3歳で村を追い出されるも保護者になった生体アンドロイドと生き…いつかは女性不信を克服する~   作:クーニー

8 / 10
8話

彼女…生体アンドロイドのなのはが

戻ってくるまで椅子に座って待つこと30分ぐらい。

彼女が戻ってくると空中に歪みを作り出して

中から大きなさかなやエビやイカなどをとりだす。

 

「えっと…アイテムボックスみたいなもの?」

 

思わず、ラノベなどでおなじみの

アイテムボックスなのか?と思い

彼女に問いかけてみてしまう。

 

「アイテムボックスというものは

 物理的な箱のことですか?」

 

「あ いや 物理的なものじゃなくて

 時間経過など無効の亜空間?のことだけど

 そんなことも出来るの?」

 

「はい 次元を操作して亜空間を作り出して

 そこにものなどを仕舞い込んでおくという

 収納魔法の一種ですね」

 

「な、なるほど…魔法って…ぼくも使えるようになるの?」

 

「可能だとは思います

 一郎くんも魔力持ちですので覚えていけば

 使いこなせるようにはなると思います」

 

「そうなんだ じゃあ、色々と教えてほしい」

 

「はい とりあえず、ご飯を作りますが

 今日のところは簡単な焼き魚などになります

 よろしいでしょうか?」

 

「それは…うん まかせる

 ぼく 昨日から何も食べてないし

 死ぬことを覚悟していたから」

 

「えっ? この施設に転移したのは

 偶然と仰ってましたけれど

 複雑な事情ですか?」

 

「うん…」

 

彼女の問いかけに俯きながら頷いてしまう。

 

「一郎くん もし問題ございませんでしたら

 記憶を覗かせて貰っても?」

 

彼女が真剣な表情で俺を見つめる。

 

「うん 口で説明するより

 記憶を全部覗いて貰う方が手っ取り早いと思う」

 

俺がそう答えると彼女は俺の前にやってきて

額を重ねてきた。

間近で彼女の顔を見るのもドキドキするけれど

とりあえず、今までの経緯などを思い浮かべることにした。

彼女が額を重ねてきて数分ほど経っただろうか?

ようやく彼女が俺の額から額を話して

俺をじっと見つめながら話しかけてきた。

 

「読み取り完了しました

 転生者だったんですね

 そして前世の世界は比較的

 文明が進んでいたと……」

 

「うん…」

 

「女性不信 人間不信…

 先ほど…この施設への転移魔法陣を

 すべて遮断してほしいという要望を

 出されましたことも納得しました

 あまりにも理不尽ですね

 実の母親は一郎くんを捨てて蒸発

 預けられた家庭でも愛情を与えて貰えず

 終いには…その家庭の子どもに

 口減らしのために村から追い出されてしまったと」

 

「うん 村の近くに洞窟があって

 底なしの大穴が開いていて

 途中…スライムに追いかけられて…

 あっ、この世界って魔物っているの?」

 

村も比較的安全だったし

スライムだけしか洞窟でもみたことない。

実際どうなのか?

気になったから聞いてみた。

 

「メインコンピューターに残っている

 データベースによれば…

 この施設が作られた時代に

 生物実験で作られた生物兵器なども大量に

 世界に放出されたようですね

 それだけではなくて元から存在する魔物もいるようですし

 人間同様…獣も魔力持ちですから

 魔力が強い種が魔獣化して繁殖されている可能性も

 あると思います

 スライムの場合は…生物実験で生み出されたものですね

 魔法陣がある洞窟にたまたま村が出来ただけですし

 この場所以外にも太古の昔に作られた施設は

 各地に存在していますし

 転移魔法陣で世界各地に移動するために

 設置されていたんでしょう

 スライムもそのときに捨てられた

 ということになるかもしれません」

 

彼女が長々と説明をしてくれる。

俺は黙って聞きながら…とんでもない世界に

転生してしまったと…あらためて思ってしまう。

 

「とんでもない世界に来ちゃった…」

 

「一郎くんが前世で生きていた世界は

 魔法もない科学だけの世界で

 比較的安全な場所みたいでしたね」

 

「うん 日本は治安も悪くなかったし

 生活する分には本当に平和だった

 でも…他人に無関心な人も多かったし

 ぼくみたいな格好もよくない

 学校では目だたない奴にとっては

 女の子からは見向きもされなくて

 それどころか…友達と賭けで

 嘘のラブレターを使って呼び出して

 笑いものにしてくる子もいたり」

 

俺は彼女と会話していて

前世の話になると悔しくて悲しくて

無意識に涙がポロポロと

流れはじめてしまっていた。

そんな俺を彼女は優しく抱きしめてくると

俺の顔を見つめて優しく微笑みながら

語りかけてくれる。

 

「一郎くんの心が癒えるまで

 わたしがずっと傍にいますから

 安心してください」

 

「うん ありがと」

 

「でも…いつかは………」

 

「いつかは?」

 

「いえ この続きは…ご飯を食べてからにします」

 

そう言うと彼女は俺を抱きしめるのをやめて

獲ってきた魚などを使って

簡単な料理を作り始めたようだった。

 

いつかは?

そのあと…なんて言葉を

続けるつもりだったんだろう?

気になって仕方ないけれど

また後でということで

料理が出来るまで待つことにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。