貞操観念逆転異世界で勇者パーティの性処理係やってるんだけど、仕事してたらみんな勝手に拗らせる 作:ベリーナイスメル/靴下香
貞操逆転世界における女は強い。
強くてちょろいとか最高かよっ! って話だが、今の俺はちょろいって恩恵を手放してしまっている状態だから反省している所存です。
「我が主よ、お加減は如何ですか?」
「問題ないですよ、リリア。というか気にし過ぎです、何もしてないのですし悪くなりようがないですよ」
みんなが作ってくれたパーティの前線拠点でぼーっとしているだけってのは精神衛生上よろしくないのは間違いないけどね。主に足引っ張ってる感強くてさ。
「いえ。その……ご自分を、責めていらっしゃるのではないか、と」
「……あぁ」
うーん、そういうとこだぞリリアってば! 可愛いね!
流石にと言うか、こうしてお留守番をする機会が多い俺とリリアだからよく見抜いてくる。
「慣れない、と言うのはそうですね」
「……はい」
俺の返事に沈痛な表情を浮かべるリリアだ。
実のところパーティの中で護衛という仕事に一番適性を持っているのはリリアだったりするんだよな。
「とはいえこの場面、この形がベストであると言うのはおかげさまで俺も理解できていますから。気にさせてしまっておいて言う事でもないですけど、お気になさらずですよ」
エリアナに言わせればそも治癒術と魔法は、魔力を消費するという点以外はまるで別物だそうだ。
中でもリリアの治癒術は特に違うらしい。エリアナは自分で治癒術を使えないが理解はできると言って、リリアの治癒術は理解すら出来ないとも言っていた。
「我が主の寛大な心に救われる思いです。必ず、お守り致します。どうぞ、よろしくわたしをお使い潰し下さいね」
「は、はい……その時は、よろしくお願いします」
「はいっ! 我が主の御心のままに!」
やっぱりリリアは怖いです、怖い。
とはいえ、リリアが俺の護衛をして、他の皆が外に出ると言う形を取る時は、俺に本来の仕事が回ってきやすいという時でもある。
アリーシャとエリアナは同じ意味ではないがやはり戦闘することで消耗する。
その消耗を癒すのはリリアではなく俺なのだ、主に性的な意味で。
流石にそれをスケベだやっほいなんて言う気持ちで臨むつもりはないけれど、コトを終えた後の治癒術はかなり助かるんだよな。
「ん……失礼します、シアさんからのテレパスです」
「うん、気にしないでください」
「ありがとうございます――はい、どうしましたか? ……かしこまりました、迎えに行きます」
テレパスを受け取ったリリアはそのまま立ち上がり。
「エリアナさんを回収して来ます、魔力の回復が必要との事。主よ、ご準備の程お願い申し上げます」
「わかりました」
言っていれば、か。
この拠点で過ごし始めてからまだ三日。
それだけしか経過していないのに、これでエリアナの魔力補給は二回目だ。
「……どうにも、戦いが激しい、よな。流石最前線、ってか?」
リリアの背中を見送って、寝具の準備をした。
――ありがとうございますわ、カイト様……これでは、恩が返しきれませんわね。
そんなことを苦みのある顔して言ったエリアナを慌ただしく見送って。
「ふ、ぅ」
「直ぐに。失礼いたします」
言葉通り、リリアが素早く俺に治癒術を使おうとしてくれる。
「いえ、リリ――」
「こればかりはご容赦下さい我が主よ。エリアナさんほどの魔力を一度の救済で満たすなど、本来命と引き換えであってもおかしくないのですよっ……!」
控えめながらも有無を言わさないリリアの雰囲気に黙って治癒術を受け入れた。
「……すみません。治癒を貰った後、直ぐにリリアにも」
「っ……! 今は、どうか、どうかまずご自分のことをっ――いえ、御心に感謝致します」
ヤリ部屋は、こうじゃないよね、怖いです。
いやさ、これだよ、これがあるからウキウキお仕事タイムって思えないんだよね。
確かにエリアナの魔力回復を目的とした、それも急速回復をってのであれば、俺のスケベチートをもってしても結構きつかったりする。
何がきついって、まずごっそり持っていかれる感覚があるんだよな。
その上肝心のお仕事内容も雑になりがちになってしまうし、これじゃあ飽きられても仕方ないって言うか。
何にせよ、煌めきの魔女が有する魔力はとんでもない量だってことで。
恐らく彼女の魔力を直ぐに回復させることができるのも、俺以外に居ないし、そんな俺を治癒できるのもリリアしかいない。
「改めて、俺たちは俺たちだからこそ、パーティでいられるんだなって思います」
「と、言いますと?」
「お互いがお互いにとって必要なピースだって、こういう時強く思うんですよ」
「……」
シアにしてもそうだ。
彼女は当たり前に俺より強いが、戦うものとしてはそこまでじゃない。
だからリリアの特殊な治癒術による、いわゆるバフを受けての戦闘でこそ真価を発揮する。
エリアナは言うに及ばず、アリーシャとて言葉を借りるなら俺がいるから肉壁で居られるらしい。
「ある意味、運命なんて言うのかもしれませんね。俺がここにいること、皆がここにいることは」
乙女チックになるが、そんな風にも思う。
俺である必要性を強く実感するのは、他じゃあきっとなかったこと。
「我が主の、御心の、ままに」
「あはは。大袈裟ですよ。さぁ、随分と身体も楽になりました、次はリリアの番です」
そう言って、優しくリリアの身体を布団へ押し倒せば。
「我が主よ、あなたは……あなた様は、やはり。わたしの主です」
「お、おう?」
何故か感極まったような、潤んだ瞳のまま俺の唇を受け入れた。