貞操観念逆転異世界で勇者パーティの性処理係やってるんだけど、仕事してたらみんな勝手に拗らせる 作:ベリーナイスメル/靴下香
総合日間ランキング3位
流石に聞いてないよね……応援ありがとうございます!
今日も元気に拗らせて行きましょう!
女の子にモテたい。
そう思った時には既にモテモテだったと言うのが貞操逆転世界である。
そんな印象は変わっていない、むしろ実感としてアレコレあったからこそより強く思う。
だがしかし、だがしかしである。
「どうして、急に戦闘学なんぞ学ぼうとしてんだ?」
「どうしてと言えば、そうですね……」
俺が聞きてぇってのよマジでさぁ!? アリーシャ!? 初手禁句はダメでしょ!?
んなもん飽きられてんじゃねぇか疑惑をなんとかしなきゃって思ったからに決まってるでしょ!!
「敢えて言うのであれば、今のこの状況をちょっとでもよくしようと思って、ですよ」
正直にまるっと言ってしまうのは流石にダメだろう、それくらい俺もわかる。
だからぼんやりとした真実を言ってみるテストで、アリーシャが導き出した答えとは。
「……今の状況を、か」
なんか神妙な顔で噛み締めるように呟くってものだった。なんで??
いやさ、本来であればさ、ぶっちゃけこんな勉強してる暇はなかったはずなんだって。
御者を性におおらかなリリアがやってくれて、持ち回りで直衛って名目で日替わりにアリーシャとエリアナが馬車の中で俺の傍にいるって形を取ってくれてるのはさ、そういうことだろ?
移動中でも構わずあはんうふんしろってことだろ? 本来はそういう意図だろ?
だって言うのに固い顔でさ、ちらちら外を気にしてさ、早く目的地に着かねぇかなぁとか思ってんのまるわかりなんだよ、ほんとごめんね?
「確かに、オレもシアの決定には不服と言うか、まだ早いんじゃねぇかって考えはある」
「え?」
「エレノーラは最前線であり絶対防衛線だ。正直、んなあぶねぇとこにカイトを連れてくなんて……気でも狂ったかと思ったよ」
何の話をしていらっさる? あ、今向かってるとこの話?
あぁ、俺が急に戦闘学なんて勉強しだしたから? 軍の動きを見て戦況をちょっとでも把握して安心できるようにとか勘違いしていらっさる? んなわけ。
「お前に、いらねぇ恐怖を与えてしまってるのは、本当に申し訳なく思ってる。けど、けどよ、このパーティが本物の勇者率いるパーティなんだと世間に認められるためには、今こそ必要なんだってシアの話も、わかんだよ」
小さく、オレ自身の盾としての価値を証明するためにも、なんて言葉で結んで。
……いやいや、いやいやいや。
別にそこら辺全く心配していないが? このパーティまじさいっきょなんだが? はー? どんだけ自分のこと低く見積もってんの? バカなの? 可愛いね!
「大丈夫ですよ」
「大丈夫、って」
「俺はアリーシャを、皆を信じてますから。何も怖くないです。ほんと、この本もただあって、勉強しときゃなんかの役に立つかなーとか思っただけですから」
「カイト……」
そんなことより、この空気よ。こういうところだぞ、俺。
本来イチャイチャタイムだったはずなのに、どうしてこうクソ真面目な雰囲気にしちゃったかね? 許されざるよ。
そんなわけで。
「そう言えば、なんですけど」
「ん? あ、あぁ、どうした?」
急募、この雰囲気をエロくする方法。あ、ごめん既に募集締め切ってる。俺の席ねーから。
「アリーシャってお腹、キレイですよね」
「あん? ……ちょっ!?」
募集はともかく、前々から思っていたんだけど、戦士タイプにありがちな腹筋バキバキではないのだアリーシャは。
その割に触れば固い。いつ触ったのって? 今でしょ! ごめん、結構前にも撫でくり回してる。
「何と言うか、回避タイプって感じですよね、見た目は。にもかかわらず、回避盾じゃなくて肉壁なんですから不思議です」
「や、ちょ、カイ――んな、撫でくり、まわすなっ……」
とか言いつつ抵抗しないアリーシャをあすなろ抱きで羽交い締めにする。
マゾヒストがどうとかは置いておいても、見た目だけを見るならアリーシャは回避に優れた戦士と思われてしかるべきだろう。
鎧、と言っても精々が胸当て位の軽鎧でヘソ出ししているし、何なら下だってホットパンツみたいなズボン履いてて、レッグガードとか装備してないし。
あえて言うならそのデカパイが回避の邪魔になりそうだなグヘヘとかそういう。
「キレイで可愛いなんて反則ですよね。ずるいぞ?」
「い、いみ、わかんねー、ってぇ……」
ククク、これぞ俺の本来のお仕事である。
なんて言うんだ? ショタがおねーちゃんに無知を装ってセクハラしてる感じ?
おう、中身はおっさんとか言うのやめーや。
「わからない? 本当に?」
「や、やめっ……み、耳元で、囁く、なぁっ」
嫌って言いながらさぁ、身体の力抜けてるよ? 俺に体重預けちゃってるよ?
身体ってばホントに素直ねっ!!
んじゃま、ここからはお仕事の時間です、いい子は寝ようね?
「んっ! ごほんっ!」
「っ!?」
「……あー」
上がってたテンションが急降下した。リリアさん? 咳払いが露骨っす。
「申し訳ありません、我が主。そしてアリーシャ様」
「い、いやっ、オレの、ほうこそ……。悪い、そろそろ着くか」
「はい、間もなくエレノーラ領に入ります。先見に出てるシア様からの合図が無いのを見るに周辺にモンスターはいないようです」
あ、タイミング遅かったってやつですねこれ、もっとさっさと動いとけって話でした、本当に申し訳ない。
「エリアナからは?」
「今テレパスが届きました、前線に入る前に一息付けそうな集落があったと。まずはそちらで一旦集まる形でよろしいかと」
「わかった、荷物をまとめておく」
折角の発散チャンスではあったが、やはりそれを理由にみんなの足を引っ張りたくないのは本当だ。
なんだかんだ言って、拾ってくれた恩義はあるし、俺自身このパーティのことが気に入っている。
適当に性処理係としての仕事だけに甘んじていられないなって思う理由の半分は、そういうことだ。
もう半分? 言わせんな恥ずかしい。
「いえ、俺が荷物を纏めます。アリーシャは武器の点検を」
「……わりぃ、頼む」
しっかしエレノーラ、か。
最前線だけに色々乱れてるって話だけど、どんなもんなのかね。