貞操観念逆転異世界で勇者パーティの性処理係やってるんだけど、仕事してたらみんな勝手に拗らせる 作:ベリーナイスメル/靴下香
貞操観念逆転世界における女の子はちょろい。
ちょろいからこそ逆転世界だってのはもう常識レベルの話だろうが、厳密に言うのなら積極的な男の前で女はちょろくなると言える。
特に、オスになれる男が少ないこの世界においては顕著だが、アプローチされることに女が慣れていないのだ。
それはある意味、男に言い寄られる、持て成される事があり得ないという認識が根深いと言う証左だろう。
「えー、やだぁ、カイトさんってそんなビッチなんだぁ」
「ビッチって。お仕事に真面目なだけですよ」
「あんっ」
にょほほほほっ! ええのう、ええのう! 久しぶりの女体じゃあっ!
くぅー、この遠慮なくあちこち触れる感じよ、タマランチン提督だね!!
「あ、あの、あのっ」
「わかってますよ、すみません。では、あーん」
「あ、あー、ん……んんぅっ! おいひぃ、れすぅ」
「なら良かった。たっぷり食べて温まってくださいね」
両手に花! 膝上には美女――美、女? や、まぁかまへんかまへんっ! 膝に伝わってくるやらけー感触の気持ちいいことよっ!
やっぱこう、慰安のお仕事は、最高やなって。
一線越えはあそこで集まって来ていた男の人を担当しているエリアナの目が怖いので無理だが。
「カイトさんは、その……女の人、苦手じゃないんですか?」
「どうしてです?」
「それは……えっと」
膝上で縮こまってる女の子が恐る恐る上目遣いで聞いて来た。やめろ、ドキっとするだろ。これでも反応しないように気を付けてるんだ。気をつけろよ、俺の息子よ。
「あまりこういう場所で言う事でもないのでしょうが、正直に言えば得意でも苦手でも、好きでも嫌いでもないですよ」
「どっちでも、ない? 普通、ってことです?」
「少し違いますか。俺の説明が悪かったですね。上手く言えないんですけど、俺は好きな人が好きなんですよ」
そう言ってみれば首を傾げられた、説明って難しいね。ってか好きな人が好きってそれはそうって話じゃん。俺ってばおバカさん、本当にバカ。
とはいえそうとしか言えない。
俺は女体も好きだし気持ちいいことも好きだが、バカなりに節操を持っているつもりだ。
女と見れば気持ち良くなれる、女は気持ち良く使うものだなんて宣う、この世界にある一部の思想は唾棄すべきものだと思っている。
だからこそ、と言いたい。
だからこそ俺はこのパーティの皆と積極的にチョメチョメしたいのだ。
皆、色々クセはあるけれどいいやつだ、いい女だ。
あるいはここが貞操観念逆転世界ではなかったのなら、彼女たちの振る舞いは男がすべきムーブであるとすら思う。
「ま、難しいことは置いといて」
「んむっ?!」
掬ったリゾットを膝上の子に食べさせて。
「だから是非、俺の好きな人になって下さい。そうしてくれたら、そうなったのなら、俺は遠慮なく皆さんを口説きにかかるので」
「はう、ぁ……」
ふふ、惚れたろ? ビッチムーブは楽しいなぁってなもんですよ!
「お疲れ様でしたわ。お加減の程は、如何でしょう?」
慰安が終わり、場の撤収が終わった後。
いまいち表情が晴れない、俺を気遣っているようなエリアナが微妙な笑顔で俺に声をかけてきた。
「お疲れ様です、エリアナ。いつも通りと言うのは微妙かもしれませんが、大丈夫ですよ、ありがとうございます」
改めてになるが、勇者シアパーティは新しい街や集落に入った際、そこに住んでいる人たちへ慰安を行っている。
当たり前だが俺は女の人担当で、男の人へはエリアナが担当してくれている。これは慰安をやり始めてからずっと変わらない。
って言うのもエリアナが誰から見ても美人だからだ。
同性が見てもそう思うだろうし、男は10人いたら9人は絶対に見惚れてしまうだろうそんなレベルの。
「であれば、何よりですわ」
疲れたような笑みでエリアナが胸を撫でおろす。
実際疲れるだろう、男性嫌いだってのは知ってる。だって言うのに苦手な男を慰撫しなきゃならない。
その上、やってきた女の子が俺に乱暴しないかの監視もしてくれている。要するに俺の護衛も兼ねているわけだ、忙しすぎるだろ。
「慣れない、ですよね」
「え?」
「申し訳なく、思ってはいるんです。ですが、シアの言う通りエリアナほどの適任はいないと、俺も思っていて……」
「あ、頭を上げてくださいませっ!? か、カイト様が心を痛められる必要など御座いませんわっ!?」
毎度無理させてしまってるなって思ってるのは本音の部分だ。
と言うか、デスパレード処理もそうだが、エリアナには多くを求めてしまっている。
魔力の大量消費なんて誰だってしたくないだろう、それでもやってくれて。
その後の魔力回復にしたって、俺だけは別であるとか、無理して自分を騙して身体を許してくれた。
流石にね? そんな相手にガツガツ行くとかヤバいよねって話なんですよ、今すぐにでも押し倒したいくらいの美人に変わりないから辛いけどさ、ぐぬぬ。
そういう意味では、パーティで積極的に行けるのってアリーシャだけだったりするんだよな。リリアはちょっと怖い。崇められるの怖いです。
っと、そうだ。
「リリアの方も準備できてるでしょうし、皆と合流しましょうか」
「は、はい。ここでこうしているのも不毛、ですわね……ですがカイト様?」
「はい?」
一歩足を進めた、その時エリアナの声色が変わって。
「わたくし、必ずカイト様が安寧の下で過ごせるように、致しますから」
「……う、うん。ありがとう、ございます?」
エリアナは美人だ、絶世の美女とか傾国の美女とか言われるくらいの。
俺にとって、魔法なんていうおファンタジー代名詞と言って良いようなものすら扱える。
扱える、だけに。ファンタジーを象徴する女の人、だけに。
まぁじで、思考回路が、わかんないよね。いいヤツで、いい女、以外はさ。