騎士学校首席の騎士が辺境領主に「妻を孕ませてくれ」と頼まれるまであとXXX日 作:ネイウ
歓迎会が行われる広間へと辿り着く。
「これは···」
きらびやか、と言われたら程遠いがしっかりと飾り付けられた広間に目にも鮮やかな料理の数々、周囲には軽く着飾った女騎士達
「ほら、こっちだよ」
と、ヴィクトル卿に手を取られて壇上に上がらされる
「えー、皆、静粛に」
ザワザワとしていた騎士達に対してしっかり届く声量で広間に声をかけるヴィクトル卿、その言葉を聞いてシン、となる騎士達
「こちらが、今日からこのロンダンに赴任した騎士ファルケン·バルク、当代の領主になってからの初めての男騎士だな」
クスクスと笑う騎士達の背後にちょっと気まずそうな顔をしているグアン様が見える
「さて、騎士ファルケン」
「は、はい」
「1言挨拶を頼む」
「分かりました」
いや、急に言われても···いや、まあ、腹くくるか···
「え、え〜、ゴホン···ご紹介に預かりましたファルケン·バルクです、歳は18、ついこの間騎士学校を卒業したばかりの若輩者ですがよろしくお願いします」
「騎士学校はどれくらいの成績で卒業したんですかー?」
と、騎士の1人から質問がとんでくる
「あ、えーと···首席で卒業しました」
ヒューヒューと指笛がなる
「平民の出、らしいですけど何故ファミリーネームを持ってるんですかー?」
と、これまた質問がとんでくる
「あ〜···えーと···詳しくは分からないんですがどうやら先祖が王に認められる事をしたから、らしいです、口伝なので正確な事は分からないんですが」
ほぉ〜、という感嘆の言葉が聞こえた
「さて、騎士ファルケンに質問がある者は後でまとめて聞いてくれ、ではグアン様」
「うむ」
そう言って執事を伴って歩いてくるグアン様、執事の手にはボトル
「これを、君に」
と、執事からボトルが渡される
「これは···あっ、とありがたき幸せ」
「うむ、詳しい話は後にするが君が飲みやすいであろうワインを選んだつもりだよ、セバス、開けてやりなさい」
「はっ···ファルケン様、ボトルをこちらへ」
「あっ、はい」
と、渡されたワインのボトルをセバスと呼ばれた執事に渡すと慣れた手つきでボトルの栓を開けると、ブドウの芳醇な香りが鼻をくすぐり開栓したボトルの口からは微かにシュワシュワと発泡してる音が聞こえる。
「これは、スパークリングワイン?」
「うむ、飲みやすい白のな」
セバスさんにワイングラスを渡されそのセバスさんにワインを注いで貰う、薄く黄緑色に染まったワインがワイングラスを満たしていく
「さて、ワシの長ったらしい話を聞く気は無いだろうから簡潔に行くぞ、騎士ファルケンの着任を祝って乾杯!」
かんぱーい!!という言葉と共にあちこちでグラスを打ちつける音が聞こえる
「ほれ」
スッと手に持った自身のグラスをこちらへ差し出すグアン様
「乾杯」
チンと軽く自分のワイングラスをグアン様のグラスへぶつける
「さっ、一杯」
と、促されシュワシュワと発泡する白ワインを一口飲む
口の中で弾ける泡とブドウの甘みが舌を喜ばせ、そのまま一息に飲み込むと喉を心地良い刺激が通り抜け胃を熱くさせる。
「美味しいです、グアン様」
「ハッハッハ、そうだろうそうだろう」
との言葉の後にこの飲んでるワインについて話始めるが軽い酩酊感に襲われ殆ど聞き流してしまった、が、どうやらオーダーメイド品である事だけはわかった。
その後、食事を楽しみ女騎士達から質問攻めにあいつつ歓迎会は和やかに進んで行ったのだった。