騎士学校首席の騎士が辺境領主に「妻を孕ませてくれ」と頼まれるまであとXXX日 作:ネイウ
チュンチュン、チチチという鳥の声で目を覚ます、が頭が重いし何より頭痛が酷い。
「ぁ〜たま痛い···」
鈍痛響く頭に手を当てつつ身を起こす、見覚えのない部屋だ
「ここは···そうだ、仮眠室」
昨日の夜の事を思い出す、歓迎会でワインを勧められるまま呑んで酩酊して、グアン様の計らいで領事館の仮眠室を借りたんだった。
と、ここまで思考していたらコンコンと扉がノックされる音
「いっつつ···はぁい、今開けます···」
フラフラする身体をしっかりと立たせ仮眠室の扉を開くと
「あ、おはようございます〜ファルケン様〜」
と、ヴィクトル卿のお付のメイドさんが水と紙に包まれた粉末を持ってきていた
「こちら、二日酔いのお薬です〜、苦いんで水で流し込んでくださいね〜」
「ああ、ありがとうございます···」
促されるまま粉薬を口に入れ水で流し込む
「うぇっ、苦っ···」
「療薬は口に苦しって奴ですね〜、動けそうですか〜?」
「ええ、まあ、多少ふらつきますが」
「なら良かったです〜、グアン様がお待ちなので執務室まで案内しますね〜、支えは必要ですか〜?」
「いや、大丈夫だと思います···」
「ではでは、こちらへ〜」
メイドさんの案内で軽くふらつく足取りをしつつも執務室へ向かう
そしてしばらく館内を歩いているとメイドさんが部屋の前で止まる
「コチラが執務室です〜、少々お待ちくださいね〜」
と、言いメイドさんが執務室の扉をノックする
「メイドのユウナです〜、ファルケン様をお連れしました〜」
「入れ」
「失礼しま〜す」
中からの返答を聞いてメイドさんが執務室の扉を開ける、そこには執務机に座り帳簿の整理をしているグアン様
「騎士ファルケン、入ります」
と、精一杯の虚勢を張って姿勢を正し入室するむねを伝えて入室する
「来たな、ファルケン···思った通りフラフラだな、ユウナ、椅子を」
「は〜い」
と返事をしたメイドさんが椅子を出してくれた
「座りたまえ、立っているのは中々辛いだろう?」
「はい、お言葉に甘えます」
と、言ってメイドさんが出してくれた椅子に座る
「さて、本来は今日が君の仕事始めだったのだが、その様子だと無理そうだな」
「はい、申し訳ありません」
「良い良い、幸いな事に家は割と人手余りだからな、君が休むのに後ろ暗い思いをしなくてもいい」
「さて、本題に入ろうか、君を王都から迎え入れた理由だったりを話そうか」
聞けば高名貴族に怯まず
「そんな君に頼みたい事がある」
改まってコチラに向き直るグアン様に対し背筋を伸ばす
「はい」
「君にはヴィクトルとの交流を図ってもらいたい」
「ヴィクトル卿との交流、ですか?」
「ヴィクトルから何か打ち明けられたか?」
「いえ、何も···」
「···そうか、まあ、ヴィクトル卿はある特殊な事情を抱えていてな、男性との交流に及び腰なのだ、公務としてなら付き合えるらしいが私的な交流まではいかなくてな」
「それで自分にヴィクトル卿との交流を、と」
「ある種の密命にもなるな」
こうして奇妙な密命を帯びた俺の生活が緩やかに始まっていくのだった
書き溜めが終わったんで次回以降は不定期更新となります事をご了承ください。