人生2週目、されど人生   作:KMST

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転生ものを書いてみたくなったので、完全オリジナルでやってみたいと思います。ただ、時間無いので、AIの力も借りつつ、やってみようと思います。

読んでくださると嬉しいです。


プロローグ ――人生、二周目に突入しました。

もう一度、外に出たい。

 

 そんなことを考えながら、俺はベッドの上で天井を見つめていた。

 

 カーテンは閉じたまま。部屋の中は薄暗い。

 

 今日が何月何日なのか、正確には思い出せない。

 

 朝なのか、昼なのか。それすら、どうでもよくなりかけていた。

 

 身体が重い。

 

 起き上がろうとしても、思うように力が入らない。

 

 食事をするのも、風呂に入るのも、以前なら当たり前だったことが、今ではひどく遠いものに感じられた。

 

 ……また、か。

 

 心の中で、ぽつりとつぶやく。

 

 俺は以前、適応障害になったことがある。

 

 いろいろあった。

 

 苦しいこともあったし、どうして自分ばかり、と思ったこともあった。

 

 それでも、休んで、治療を受けて、少しずつ前に進んだ。

 

 大学院を修了して、就職もした。

 

 ようやく、ここまで来られた。

 

 これから新しい人生が始まるのだと、そう思っていた。

 

 けれど、現実は思い描いていたようにはいかなかった。

 

 少しずつ、歯車が狂っていった。

 

 不安が増えた。

 

 眠っても疲れが取れなくなった。

 

 身体に不調が出るようになった。

 

 頑張らなければ。

 

 ちゃんとしなければ。

 

 そう思うのに、思うように動けない。

 

 やがて、再び適応障害と診断された。

 

 そして、症状はさらに悪化していった。

 

 うつ病。

 

 その言葉を聞いたとき、俺は何を思ったのだろう。

 

 悲しかったのか。

 

 悔しかったのか。

 

 それとも、もう何も考えられなかったのか。

 

 今となっては、よく分からない。

 

 ただ、ひとつだけ覚えている。

 

 俺は、こんなところで終わりたくなかった。

 

 やりたいことは、まだあった。

 

 行きたい場所もあった。

 

 好きなゲームも、漫画も、物語も、まだまだ楽しみたかった。

 

 いつか、胸を張って自分の人生を歩けるようになりたかった。

 

 誰かに認めてもらうためだけではなく、自分自身が納得できる生き方をしたかった。

 

 それなのに。

 

 身体は動かない。

 

 食事も十分に取れない。

 

 日に日に、力が失われていく。

 

 生きたいと思っているのに、身体がついてこない。

 

 こんなことがあるのか。

 

 こんなにも、どうにもならないことがあるのか。

 

 ……いや。

 

 あるのだろう。

 

 世の中には、自分の努力だけではどうにもならないことが、確かにある。

 

 それでも。

 

 それでも、俺は。

 

「……まだ、生きていたいな」

 

 声が出たのかどうかも分からなかった。

 

 誰かに聞いてほしかったわけでもない。

 

 ただ、自分の中に残っていた気持ちを、確かめるようにつぶやいた。

 

 生きていたい。

 

 もう一度、歩きたい。

 

 自分の好きなものを、好きだと言いたい。

 

 いつか、笑って過ごせる日が来てほしい。

 

 そんな願いを抱いたまま、俺の意識は少しずつ遠のいていった。

 

 眠るように。

 

 何もかもが、遠くなっていく。

 

 最後まで、生きたかった。

 

 その気持ちだけは、消えなかった。

 

     ◇

 

 …………。

 

 ………………ん?

 

 なんだ?

 

 意識が戻ってきた。

 

 俺、寝ていたのか?

 

 いや、待て。

 

 何かがおかしい。

 

 身体の感覚が、さっきまでとまるで違う。

 

 というか、身体が動かない。

 

 手足を動かそうとしても、まともに動かせない。

 

 声を出そうとしても、うまくいかない。

 

 そして、なんだか周囲が騒がしい。

 

 知らない人間の声が、いくつも聞こえる。

 

「お生まれになりました!」

 

「王妃様、よく頑張られました!」

 

「陛下! お世継ぎでございます!」

 

 …………は?

 

 王妃?

 

 陛下?

 

 お世継ぎ?

 

 なんだ、その単語の組み合わせは。

 

 いや、それよりも。

 

 俺、さっきから妙に身体が小さくないか?

 

 視界もぼんやりしているし、手足の感覚もおかしい。

 

 試しに声を出そうとしてみた。

 

「おぎゃああああああああっ!」

 

 …………。

 

 ………………。

 

 …………はああああああああ!?

 

 今の、俺の声か!?

 

 いやいやいやいや!

 

 待て待て待て!

 

 俺、今、赤ん坊の泣き声を出したぞ!?

 

 どういうことだ!?

 

 俺は確かに、ベッドの上で……。

 

 …………。

 

 ……ああ。

 

 そうか。

 

 俺、死んだのか。

 

 衰弱して、最後には意識もなくなって。

 

 そして今、こうして目を覚ました。

 

 普通に考えれば、死んだ人間が再び目を覚ますなんてあり得ない。

 

 ましてや、赤ん坊になっているなんて。

 

 だが、現実は目の前にある。

 

 周囲の人々は、見慣れない服を着ている。

 

 部屋の内装も、俺の知っているものとはまるで違う。

 

 そして、さっきから聞こえてくる言葉。

 

 意味は分からないはずなのに、なぜか理解できる。

 

 ……いや、理解できるのか?

 

 頭の中で、情報が整理されていくような、不思議な感覚があった。

 

 まるで、誰かが俺の知らない知識を教えてくれているかのように。

 

 だが、誰かの声が聞こえるわけではない。

 

 そこにいるのは、俺自身だけだった。

 

 俺は、もう一度周囲を見回そうとした。

 

 もちろん、赤ん坊の身体では大したことはできなかったが。

 

 ……まあ、いい。

 

 まずは状況を整理しよう。

 

 俺は死んだ。

 

 そして、赤ん坊として生まれ変わった。

 

 ここは、少なくとも前世の日本ではない。

 

 さらに、どうやら俺は王族らしい。

 

 …………。

 

 ………………。

 

 いや、待て。

 

 王族?

 

 俺が?

 

 前世では、自分の生活を維持するだけでも精いっぱいだった人間が?

 

 人生、何が起こるか分からないにもほどがあるだろ!

 

 ……いや、そもそも。

 

 死んだ人間が異世界に転生するなんて、何がどうなっているんだ。

 

 神様に会った覚えもない。

 

 説明を受けた覚えもない。

 

 特別な使命を与えられた覚えもない。

 

 なのに、こうして生きている。

 

 …………。

 

 まあ。

 

 考えても仕方がないか。

 

 今の俺にできることは、ほとんどない。

 

 ならば、まずは生きることだ。

 

 せっかく、もう一度人生をやり直せる機会を得たのだから。

 

 今度こそ、自分の足で歩いてみたい。

 

 自分の意思で選んでみたい。

 

 そして、できることなら。

 

 今度は、ただ生き延びるだけではなく。

 

 自分の周りにいる人たちと、一緒に笑って生きていきたい。

 

 ……なんて。

 

 赤ん坊のくせに、ずいぶんと大きなことを考えてしまった。

 

 ともあれ、俺の第二の人生は、こうして始まった。

 

 そして、このときの俺はまだ知らなかった。

 

 自分が生まれた国が、さまざまな問題を抱えていることも。

 

 自分の中に、二つの特別な力が眠っていることも。

 

 そして、その力を使って国を変えようとする未来が待っていることも。

 

 ……いや、ほんと。

 

 今度こそ、平穏に生きたいんですけど!?

 

 人生二周目。

 

 しかも、異世界の王子。

 

 前途多難な第二の人生が、今、幕を開けた。




転生しました。

精神疾患ってほんとに辛くて、それでも生きるには金が必要で、どうして俺がこんな辛い目に合わなければならないのかと、ずっと考えてました。

物語の中なら転生できると思って書き始めました。

けど…やっぱり人生って面白く苦しいなと、だから今度は負けたくないと思う。

次回 第1話 大賢者と王子様
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