コードギアス ~黄昏のルルーシュ~   作:カメル~ン

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DOOR 01 彼の名は *2

 

 

 

 超合集国体制により、多数の国家と地域は最高評議会の元でついに統一された世界。

 戦争に向いていたエネルギーは今、飢餓や貧困の解決に振り向けられている。

 またここ十年以上、世界を覆っていた戦いによる憎しみ、恨みの連鎖はあの悪魔の能力『ギアス』を使い、恐怖する独裁を布いた皇帝ルルーシュの暗殺『ゼロレクイエム』にその多くが断ち切られていた。

 青く美しいこの星の地上には、穏やかで優しい人々の笑顔が戻り、それが広がりつつあった。

 しかし、すべての問題が消え去った訳では無い。

 

 

 

 E.U.(ユーロピア共和国連合)の片田舎。

 あの日から早二ヶ月以上が過ぎていた。

 どこまでも上へ突き抜けるような青い快晴の空が続いている。その下の山野が広がる田舎道を、目一杯藁を積んだ一台の荷馬車が進む。

 その荷台の山積みの藁の上へ、大のお気に入りな黄色の『チーズくんぬいぐるみ』を少し大きめな枕代わりにして、仰向けに寝転がる一人の目鼻立ちが整った美しい少女。

 

 

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 色褪せることのない艶のある黄緑色の長い髪を一束の三つ編みにして先を白リボンで結び、純白のブラウス、そして赤のチェック模様と緑の布をサイドに流した白い裾部分にレースの有る腰の部分が黒いコルセットスカートと赤い靴。左脇には、たった一つの荷物だろうか、大きな狐色の『がま口』カバンと可愛く白い花飾りの付いたワインレッド色な帽子。

 以前の囚人服や軍人服姿からは想像もできない、着の身着のままの旅人風な乙女スタイルだ。

 彼女の名はC.C.(シーツー)。永遠の時を生きてきた不老不死の魔女。

 空を眺める彼女の表情は何故だが少し嬉しそうに微笑むと、その言葉を誰かに聞かせるかのように呟く。

 

「ギアスという名の王の力は人を孤独にする。ふふ、少しだけ違っていたか……なぁ、ルルーシュ」

 

 彼女の言葉は、気持ちよく降り注ぐ日差しの青い空に吸い込まれていくようだった。

 

 ギアス―――『王の力』と呼ばれる、他者の思考へ強制的に干渉し影響を与える悪魔の特殊能力。その発現者が授かる能力の詳細は、各自の素質や願望によって異なる。

 

 C.C.は、そんなギアスを分け与える事の出来る『コード』を持つ者。

 

 

 

 

 

 

 

「……呑気な事を言ってる場合か」

 

 

 

 若い男の声が傍から返って来る。

 荷馬車の御者台に座る大き目の麦わら帽子を深く被った酪農家風な男が、周りに人が見当たらない事を確認しつつ用心深く呟いていた。返した言葉の内容の割には怒気はなく、少し照れているような気がしないでもない。

 そう、神聖ブリタニア帝国第99代皇帝、容姿端麗、頭脳明晰なあの少年は死んではいなかった。

 

「それからC.C.、もうその名で俺を呼ぶな。それはもう―――この世にはいない者の名だ」

 

 いや彼は一度死んだが生き返ったと言った方が分かりやすいか、不死の力で。

 不死になった経緯については難しいことではない。ギアス能力を失う代わりにC.C.から『力を貰った』のだ。

 ただ、彼の声は以前と少し声色が違った。それは不死の力を受け継ぐ前の声帯手術によるものだ。加えて目線を上げて、麦わら帽子の下から垣間見えた彼の顔立ちも、以前のルルーシュとは幾分違っていた。

 

 

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 つまり、ゼロレクイエム時にはすでに特殊メイクと変換ボイスによって今の姿を覆い隠していたのだ。

 いろいろ経緯はあるが、最終的にこのルルーシュ生存の事実を知っている者は、C.C.を除けばギアスを無効にする能力を持つ半改造人間な武人、ジェレミアただ一人である。彼はルルーシュの手術や脱出ルートの確保、代わりの遺体に加え、消滅したブリタニア帝国のかつての首都ペンドラゴンの住人だったという偽の名前や経歴とパスポート等まで用意してくれた。

 髪型も大きく変えており、もう今後顔立ちや声からルルーシュと気付く者は殆どいないだろう。ルルーシュはすでに自身の歩き方すら変えていたからだ。

 

「はいはい、じゃあこれからは生まれ変わった新しい名前で呼んであげる」

 

 ルルーシュの言葉に、C.C.は空に向かって微笑みながら優しく返事を返した。

 

 『たそがれ』はかつて『たそかれ』といい、『たそかれどき』の略。暗くなって人の顔がわからず、「誰そ彼」とたずねる頃合いという意味だ。

 ルルーシュ―――表舞台を去り『たそがれ』となった彼だが、その戦いは完全に終わってはいなかった。

 

「それにしても、こんな旅は初めてね。(不死同士で、そして……男女で二人旅すらも)」

「ふん、しかし日本や蓬莱島の部屋では何もせず寝転んでピザばかり食っていたお前のような生活破綻者が、これまで永い刻を旅などよくやって来れたものだ。それだけは認めてやろう」

 

 ルルーシュも、かつてC.C.が記憶喪失時(コードを封印した事でコードを貰ってから今までの膨大な記憶が閉じた為)に昔の臆病な使用人気質へ戻ったのを見て、彼女が掃除や整理整頓を出来る事は知っている。しかしそれ以外は、ルルーシュがC.C.の脱ぎ捨てた服や食い跡で散らかした部屋の片づけを豆にしていた。C.C.もその気になれば掃除ぐらい出来るのだが、一人きりが寂しいのか甘えたいのか、彼が長期不在時には決まってルルーシュへの腹いせの様に、ピザの空き箱を積んで食い散らかしていたりした。

 そんな気を許した怠惰な姿を見せているのは『共犯者』であるルルーシュの前だからということなのだが、ルルーシュが知る由もないことだった。

 C.C.はニヤケ顔で答える。

 

「皮肉か? これでも昔は料理の下拵えと掃除、水汲み、裁縫と器用にしていたのだ。……まあいい、それよりルルー……いや『オレンジ』だったか、これから―――」

 

 その瞬間、ルルーシュはC.C.の言葉を怒気の混じった声で遮る。

 

「おい、オレンジじゃない! 『オーレンジ』だ! 発音は正確にしろ(今のは絶対にわざと間違えただろう?)。それにオーレンジはセカンドネームだろ。俺の名(ファーストネーム)はルーク、ルーク・オーレンジだ!」

 

 ルルーシュ……いや、『ルーク』は御者台で顔を上げ、空を睨むようにC.C.へ名を言い放った。

 

(ジェレミアめ。かつて俺にでっち上げの汚職、『オレンジ』疑惑を仕掛けられた事をここでさりげなく意趣返しされるとは……。いや、そんな事をする奴ではないか。まあ、例えファーストネームが『オレンジ』だったとしても奴の忠誠と貢献からすれば笑って受け入れなければならんが……だがC.C.に言われるのだけは何故か我慢ならん)

 

 二人はここまで、二日ほどのんびり移動の旅をしてきた。

 ルルーシュを十分からかえた事に満足したのか、C.C.は本題に入ってくる。

 

「ふふふっ。分かったわよ、ルーク。で、これからどうするつもり?」

「ここから目的地まではそう遠くない。じきに到着する。C.C.、お前は指示通り出来る範囲から進めてくれ。分からない事があればすぐに連絡しろ。俺もなるべく早く捜査官メンバーへ入る必要があるが、今、急にメンバーへ入ろうとするのは不自然があるしな。……しばらくは外から独自に動く方がいいだろう」

 

 ルルーシュも真剣な表情に戻り、荷馬車の進む前を向く。

 世界の為にゼロレクイエムを優先したが、ルルーシュらにはまだやっておかなければならない事がある。

 

 

 

 それは―――ギアスの討滅だ。

 

 

 

 研究機関であるギアス嚮団の本拠地だけは潰したが、ギアス能力者は世界中にまだ残っているのだ。

 日本から極秘で先に脱出したのは、C.C.に一計を与えたルルーシュだけであった。いきなり日本からC.C.と共に二人揃って動く事は、彼女が余りにも要注意人物で目立ちすぎるため無理な話だった。

 それが出来たとしても資金や大した機材もなく逃げ隠れしながら、すでにギアス能力を持たないたった二人だけの行動では余りにも非力でジリ貧だったろう。

 ギアスの存在は、最高評議会でもトップシークレットになっている。なので本来ギアス関連の中心にいるC.C.が自由に動けるはずがないのだ。かつてのクロヴィスらに捕獲されたカプセルに再び閉じ込められても不思議ではない状況だった。

 だが、ゼロレクイエムによって最高評議会の幹部達数名が、ルルーシュの自己犠牲による壮大な目的を知ることになった。そのため『ゼロ』(枢木スザク)を初め、彼ら彼女ら幹部達はルルーシュが残していったC.C.を保護し好意的だったのだ。

 ここでC.C.は彼らへ訴えた。

 『すべてのギアスを地上から排除することに協力してほしい』と。

 すると事前にルルーシュが作成していた計画書を元に、極秘で小規模ではあるが強力な権限を持つ新たな対ギアス国際捜査組織 A-GIIO(Anti-Geass International Investigation Organization)が編成され、C.C.は副長の立場を与えられる。その最高責任者である長官は『ゼロ』が就任していた。ルルーシュにとっては厄介な人物だが想定内である。

 組織のメンバー人選では、研究者関連は除外された。ギアスについて後世に残す事は許されないからである。専ら警察や諜報機関、そして軍人が集められた。合法的に殺人すら許可される構成員達であった。

 ギアス関連において最もやっかいなのはC.C.と同じ、ギアス能力者を増やせるコード所有者の存在だったが、すでにV.V.(ブイツー)とそのコードを奪い取った神聖ブリタニア帝国第98代皇帝のシャルルは地上から去っている。

 つまり当代には他にコード所有者はいない。C.C.は数百年を生きているが、百年単位での各旧年代に二人以上のコード所有者がCの世界への同時接触を感覚的に確認出来た事は三度しかなかったという。そのことからコード所有者は稀にしか現れないのだろう。

 なので、ギアス能力者を減らす事に注力すればいいということだ。

 だが、その目的も中々困難な事だった。

 世界中から探すとなれば砂漠で宝石を探すようなもの。いや、コード所有者はC感応因子により、ある程度接近すればギアス能力者を感知出来る。なので、例えとしては砂漠で探知機を使って財宝を探す程度にはなりそうである。

 まあ財宝が『高性能爆弾』である可能性も十分にある。掘り出せばどれほど強力なギアス能力者が出て来るか分からないのだ。

 幸いなのは、コード所有者にはギアスが直接効かない事である。だが、安心も出来ない。世界を変える力にもなり得る『王の力』――それがギアスでもある。

 

 今のところ実際に直接探査出来るのは、副長のC.C.だけであった。他の者では異常な事件等ぐらいからしか探しようがないからだ。

 ギアス能力は通常の科学的なセンサーでは全く観測されない。コード所有者か最低でもギアスを持った者の目で見なければ確認すらできない。一般人の捜査官の場合、最悪敵側の戦力として利用されることになってしまう。そして現在、ギアス能力者は捜査官メンバーにはいない。そのため、組織のメンバーであっても概ね書類による洗い出しや、C.C.のサポートなどの間接的な支援に限られていた。

 逆にこの事は、C.C.の単独行動も容易になり、こうしてルルーシュとの接触も可能になるのである。

 一応人物と能力さえ特定できれば一般人でも対策が検討できる。

 ルルーシュらはこのE.U.地域でV.V.が暗躍していた形跡をゼロレクイエム前に掴んでいた。

 そのため、C.C.がE.U.へ単身隠密裏に乗り込んで来たというわけである。

 しかし、ルルーシュとしてはC.C.『だけ』では―――正直、不安で一杯である。冗談ではないのだ。本場のピザばかり食ってるかもしれないからだ。

 C.C.は圧倒的な経験値と頭の回転の速さから、すでに人型自在戦闘装甲騎 KMF(ナイトメアフレーム)すら乗りこなし、かなりの能力を持つに至っているのだが……。

 なのでルルーシュもC.C.から携帯で連絡を受けてすぐ、捜査前にこうしてE.U.へ来ていたのだ。

 

「そういえばC.C.、不老不死になって気が付いた事がある」

「なんだ?」

「お前、不老不死なのだから、ピザをあんなに食う必要はなかったんじゃないのか? 餓死の心配はないだろう?」

「………チッ、バレたか」

 

 C.C.は体を横向きに変え、ルルーシュから見えないながらも『チーズくんぬいぐるみ』を抱きしめつつ甘えるような仕草と声で言葉を続ける。

 

「……いや、ピザを食べないと私は干からびてしまうのだ」

「………(そんなわけあるか! こいつの本当の名前でも叫んでやろうか)」

 

 二人の会話が、目的地の街へ着くまで無くなったのは自然の流れである。

 藁を目一杯に積んだ荷馬車は快晴の空の下、山野の広がる道をのんびり静かに進んで行った。

 

 

 

つづく

 

 

 

最後にINTERLUDE↓




2015年01月29日 投稿
2015年02月01日 文章修正
2015年02月22日 INTERLUDE追加



 解説)恐怖する独裁
 公けにはなっていないが、ルルーシュはギアスを使って多くの要人や兵士らを『皇帝ルルーシュ』に従わせていた。だが、『皇帝ルルーシュ』が死ぬことで思考を強制していたギアスは働かなくなり、多くの人々が縛りから開放された。
 ただ、ギアスが解除された訳では無い。命令形のギアスは能力者が死んでも永続的な場合が多い。



 解説)C.C.から『(不死の)力を貰った』
 コード保有者は不老不死である。(ただし不滅ではないことを忘れてはいけない)
 一方、ギアス能力者はギアスを一定以上に増幅させると、ギアスを失うかわりにコード保有者からコードを奪い取り不老不死になることが出来る。
 奪い取られた前コード保有者は普通の人間に戻る。
 なので、ルルーシュが奪うとC.C.から全部を取り上げてしまうことになる。
 またC.C.からも本来は、かつて目の前で自殺した前C.C.だったシスターのように、相手へ『コードと不老不死を渡す』ことになるはずだったが、その当時と状況は変わっていた。
 コード保有者も一定期間以上生きると、『すべてを渡す』以外にも『複製して与える』ことが出来るようになる。ただし、与えられる数には上限があり、限りなく少ない。
 C.C.はこのことに二百年以上前には気が付いていたが、これまで共に生きたいと思う出会いもなく、そしてすべてを押し付けて自分と同じ宿命の者を作る気にもならなかった。
 だがルルーシュの存在は、その考えをついに変えさせていた。



 解説)ルルーシュの声帯手術と整形手術
 不老不死になってからだと、手術中に復元が起こり元に戻ってしまうため、ゼロレクイエムのひと月以上前に行われていた。
 それは、C.C.の左胸下の傷が、シスターに刺されて気を失ってる隙に、コードを譲られたため残っている事が証明している(R2の15話参考)。先にコードを譲られると傷は完全に復元されて残らないはずである。C.C.にとってまさに『刻まれた傷』というべきか。



 解説)C感応因子
 Cの世界(集合の意識、人の心と記憶の集合体)に触れることが出来る資質となるもの。
 Cの世界や物質を挟んでの距離を隔てた感覚・意志・思考の疎通や共有も可能となる。
 コード所有者は分け与えることが出来る模様。また、コード所有者やギアス能力者以外の一般人でも持つことが可能で、Cの世界を無意識に感じたり、入る事ができるようになる。枢木スザク、アーニャなど。
 ごく稀に元から持つ者もいる。



 解説)コードギアス内での携帯(端末)
 特定の会社等と契約する必要はなく、端末を購入し相手のIDさえ分かれば世界の主な地域で無料で通話が可能。そして逆探や位置情報確認、第三者が特定の通話を遠隔等で傍受及び録音することは不可能なアイテム。
 携帯から足がつくことは絶対にない。
 データの送受信も可能と思われる。
 ルルーシュとC.C.もこれで連絡を取り合っている。



 謎)C.C.の本当の名前
 第一期の11話のルルーシュの口の動きから、アイウエオの口の動きで推測すると……いろいろ分かって来たかも。
 カタカナだとファースト+セカンドネームで八文字と推測。
 少し書くとファーストネームの口の動きはア行で言うと『アイー』か『アイィ』だと予想。なので、『アニー』辺りを無難な候補に挙けたい。
 『初期設定ではセラ』というのをネットで確認したが、ラの部分ではセよりも口が開くはずなので違うと予想。そのシーンの口の動きでは二文字目は一文字目より閉じていたので。
 セカンドネームもいくつか予想したのですが……そこに公表せず無音と幼い頃は酷い生活の理由があるのかもしれません。
 でも、ただの口パクの可能性もあり、本当の名前や無音の意味は全く分からないですけどね。




 INTERLUDE)オレンジの人と従う娘
 ジェレミア・ゴットバルトは紳士である。
 今は彼の運命を変えたとも言える一品、オレンジを栽培する農園を経営し静かに暮らしている。
 それに従う一人の結構寡黙な少女、アーニャ・アールストレイム。

 最終決戦後、ジェレミアにギアスを解除してもらい、記憶を取り戻してからは何かとジェレミアの後を付いて回っていた。
 だが好きという感情とは少し違うようだった。強いて言うなら、生まれて初めて見た者を信用してついて行く『刷り込み』に近いかもしれない。
 彼女も宮中に出入りできる貴族の生まれであったが、軍へ仕官するときに家を出ていた。その為か、軍を退役しても彼女に戻る場所はなかった。
 彼女は単に、ジェレミアが軍を辞めたからそれに従ったみたいである。
 しかし軍を辞め、外に出ようとした彼女の周りには冷たい世間の風が吹いていた。一人の有望な少女に、行く当てがなかったのである。
 ゴットバルト家は、爵位が無くても割と裕福な家柄であった。
 ジェレミアは紳士ゆえ、少女へ声を掛ける。
 彼女が独り立ちできるまで少しの間、面倒を見てやることにしたのだ。

「オレンジ農園を買い取って経営を始めようと思っているが、アーニャよ、手伝うか?」
「うん」

 それから早五十日は過ぎている。
 今日はオレンジの収穫の日だ。アーニャも一緒に笑顔で手伝っていた。
 そんなアーニャは時々不思議に思う事がある。
 彼の近い所に居る為、ジェレミアが携帯で連絡を取っている時を見かけるが、稀に非常に腰が低い雰囲気の時があるのだった。

(あの相手は一体誰なのだろう……)

 ジェレミアがその相手の為に、やむ無く動き出す時があるかもしれない。
 その時は理由はどうあれ手伝ってあげよう。
 アーニャはそう考えている。
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