「621 仕事だ。」
「ベイラムグループだ。...どうやら、ここは大して変わらないらしい。」
「シュナイダー、エルカノ、BAWSはどうやら完全に解放戦線についたようだ。」
『独立傭兵の諸君!ベイラム同盟企業、大豊からの依頼を公示する。』
『ルビコン解放戦線が、汚染市街にBAWS製の移設型砲台を配備した。』
『あの市街自体に価値はないが、コーラル調査領域を拡大するには押さえる必要がある。』
『野心ある諸君!解放戦線の砲台を全て破壊せよ。』
『我々はMT撃破にも追加報酬を用意した。出来得る限り、敵方の戦力を削いでもらおう。』
『これは諸君らにとって、手堅く実績を作る好機だ。 奮闘を期待する!』
「621。」
「調査によれば...どうやらお前は相当な目をつけられているようだな。封鎖機構を一部闊歩しているようだ。用心してかかれ、621。」
「お前は既に一部の人間には名が知れ渡っている。お前が依頼を受けたと言うことは、既にお前が密航してきたと言うことを知らせる事と同意義になる。」
「...忙しくなるぞ。」
さすがに初期機体でレッドガン全員とか、ヴェスパー全員と戦うみたいな事態になっては困る。
だから、この前のグリッド086にお邪魔した時に、カーラにいくつかパーツを融通してもらった。
今はフレームこそ同じものの、ジェネレーターをBAWS製のHOKUSHIに換装、FCSをベイラムのABBOTに換装し、ブースターをRAD製のGRIDWALKER。空いている左肩にタキガワハーモニクス製パルスバックラーを乗せて初期ライフルをRANSETSU-RFにした。
どうもショップの購入権限などがリセットされてしまっているようで、持っているパーツも全てなくなっていた。状況は不安だが、協力者がいるというのは心強い。ひとまず、出撃することにした。
「ミッション開始だ。」
「ルビコン解放戦線の移設型砲台を全て破壊する。」
「大した心配をする必要はなさそうだが、慢心はするな。」
もちろん。
でも、さすがにこの程度で落ちる私でもない。
『レイヴン。...その名義ということは、お前はG13なのだろう。』
聞き慣れた声がする。ブリーフィング担当のレッドの声だ。
『言いたいことは山ほどあるが...どうやらお前も無事にルビコンに降り立ったようだな。』
『お前の手腕はよく知っている。また、依頼をすることになるのだろうな。』
砲台を幾つか破壊して、残り一つとなった時。
「待て、621。...機体反応、封鎖機構のようだ。」
砲台が遠距離から破壊された。
レーザーライフルだ。
「LCか...?どうやらお前を探しているようだ。目に入らないようにするか、即座に撃破しろ。」
私は背後から近寄り、パルスブレードで機体を切り裂いた。
通信をする暇もなく両断されたようで、随伴のMTも何か言おうとしたようだったが、すぐに撃破をした。
「621、後は砲台を破壊しろ。」
無事砲台も破壊し終えた。
その時だった。
「...?これは...暗号通信か?」
「相手は...封鎖機構だと?......一度通信を繋ぐぞ。」
『独立傭兵レイヴン。』
『我々封鎖機構は、貴様を排除するにはリソースがかかりすぎると判断した。システムも同様の判断を下した。』
『「レイヴン」と貴様が別人なのは既に勘付いている。我々は政府組織だ。冤罪というのも泥を塗る行為に等しい。』
『貴様に、ごく個人的な依頼をしたい。あのLCは偵察だ、貴様がいれば連絡を取るのも楽になる。試すような行為をした。謝罪しよう。』
『貴様はまだ、今回では大きな事をしていない。エクドロモイの奴らは貴様の排除を目的として先走った者達だ。残念だが、貴様も命を守るためだったのだろう。』
『貴様は強力だ。強力すぎるくらいにな。平和のために協力していただきたい。』
『数分もしない内に、この汚染死骸に企業勢力のMTが到着する。我々の依頼を受けてもらえるようならば、その企業勢力のMTを排除していただきたい。』
『色好い返事を待つ。』
「封鎖機構からの依頼だと...?」
「奴らもなりふり構っていられないようだ。名を売る機会ではあるが...」
「受けなくても構わん。お前が決めろ、621。」
こんなことは今までなかった。
封鎖機構は基本的に全勢力の敵で、依頼をされたことなんて一度も。
コーラルの危険性を知っている人が封鎖機構にいるんだろう。...なりふり構っていられない、というのも多分それだ。
エンゲブレト坑道の人も、システムに振り回されていたようだった。希望的観測ではあるけど、封鎖機構とも話をできるようになるんじゃないか?と思って...
私はこれを受諾した。
「...なるほど。」
「前例の無いことだが、お前にはそれほどの実力があると見込まれているようだ。」
「企業勢力はアーキバスのMT部隊のようだ。ベイラムの依頼の妨げにもならん、排除しろ。」
『依頼受諾に感謝しよう。』
『これは貴様が封鎖機構に下る事を意味するのではない。』
『貴様には引き続き独立傭兵でいてもらいたい。報酬はある。今後、我々封鎖機構から依頼が来る機会ができる。』
『我々もなりふり構っていられないのだ。』
「...のようだ。」
MT部隊は所詮MT部隊。10機程度はいたが、ACの敵じゃ無い。
『独立傭兵か?!クソっ、数をここまで揃えてAC単騎に...!』
なんかこういうことを言われるのも懐かしいな、と感じた。
AC単騎のパワーバランスはどうやら本当だったらこの量なら十分撃墜できるものなんだろう。
すぐに蹂躙し終わった。
『ベイラムめ...当たりを引いたな...』
「ミッション完了だ。」
「...さらに忙しくなるな、621。仕事は終わりだ、帰還しろ。」
[通信がはいっています]
「621。どうやら封鎖機構は本当にお前に依頼をするようだ。」
「企業勢力からも依頼が来ている。既に名指しだ、確認しておけ。」
「改めて挨拶と行こう。我々は惑星封鎖機構だ。」
「私は特務上尉だ。貴様が認知しやすいように言えば、元カタクラフトの搭乗者だ。」
「記憶があるのはどうやら私に加えて少数だ。
貴様が壁で排除したHC乗り。ヒアルマー採掘場で相対したLC乗り、HC乗り。それに旧宇宙港でのHC、LC乗りのみだ。」
「そのうちで貴様に依頼をする、という判断を上進し、受け入れられた。これが顛末だ。」
「貴様が私を排除したニ度目では、貴様が「レイヴン」ではないというところまでしか掴めなかったが、一度目の災禍を私は知っている。」
「貴様が起こした『火』の事だ。」
「あれは周辺星系をほぼ全て巻きこみ...盛大な自爆をしてくれた。」
「コーラルは危険だ。なんとしても焼くか封鎖しなければならない。」
「コーラルを焼こうとしている勢力はほとんどない。だが、貴様は一度やり遂げた。その利用価値を判断しての事だ。」
「貴様が三度目の災禍を起こさないことを祈ろう。」
「それではな。」
「...621。」
「お前は既に選択を迫られているようだな。」
「考えねばならん事は山ほどある。一度休め。」
「ウォルター。封鎖機構がアンタに連絡をとったってのはマジかい?」
「ああ。事実だ。どうやら一部の人間が俺たちと同じ状況のようだ。」
「...ビジター。アンタは人気者だね...」
「奴らの方針は?」
「もともとやむを得ない犠牲には目を瞑る団体だ。コーラルを焼くことも視野に入れているようだ。」
「封鎖機構と仲良しこよしでコーラルを焼くのも夢物語じゃなさそうだね。」
「経験という物は大きい。アイビスの火を目にしてなお奴らは封鎖しか行おうとしなかった。」
「しかし621が起こした火は...周辺星系をほとんど巻き込んだらしい。流石に動かざるを得ないようだ。」
「...なるほど。技研の論文を見せて尚テコでも動かなかったお堅い奴らが動くとはね。私もあの火を最後まで目にできたわけじゃない。ビジターと封鎖機構の証言が本当だとするなら...泉に火でもつけるかい?」
「...難しいところだ。」
「ひとまずはこっちでも情報を探っておこう。いいアイデアが浮かんだらまた連絡を取る。」