「カルロ、昨日の夜は聞こえていたのか?」
「はい、男の修行をしながら聞いてしまいました。盗賊に落ちてしまって奴隷になる方の境遇は大変なんですね」
「そうだな。あの者たちも成りたくて盗賊に落ち、そして奴隷になったわけではない。お前も女は大切に扱ってやれ。それが男の優しさだ。いずれはアンナから村長を引き継いだ時に、お前のものになる奴隷の娘たちだからな」
「はい、わかりました。今日は奇数日ですよね。それでその……今夜見せてもらってもいいですか……女の人を大切にするのがどういうことか、その、気になっちゃって……」
「ああ、いいだろう。どういう事が、女を大切にすることかお前も知っておくべきだな。傲慢な貴族みたいになるなよ。女を守れるような一人前の男になれ」
俺はカルロを連れて朝の食事に向かうと奴隷の娘たちが寄ってくる。
「お屋形さま、カルロ坊ちゃま、おはようございます。こちらをお受け取り下さい」
「アンナより境遇は聞かせてもらった。そうだな、その指輪は一応預かっておこう。アンナから何か代わりになるものを与えさせる。すまないがアンナをよく助けてやってくれ」
「もったいないお言葉です。お屋形さまとカルロ坊ちゃまは、こちらへどうぞ。お食事の用意はできております」
ほう、盗賊に落ちて奴隷になったわりには、よく教育されている。よっぽど男爵の乱暴な伽が嫌だったのだろう。まあ元は貴族の召使いだったのだから作法はできて当然か。おそらく盗賊どもの子種を授かっているだろうが、病気も一緒にもらっている可能性も否定できない。
「カルロ、朝は水虫の漁師の足の手当てをしてから、あの奴隷の娘たち2人にも同じく手当てを毎日掛けてやれ」
「アキラ様、奴隷の女の人たちも、どこか悪いのですか?」
「まだ、わからんがな。後々お前の為にもなるだろう。優しくしてやれ」
仮に盗賊どもから犯された時に病気もうつされていたとしても、俺にはどうする事もできない。万能薬のエリクシールの入手も今の俺には不可能だ。ペニシリンなどの抗生物質とかを作り出せるとんでも能力もない。僧侶の手当てが自然治癒能力を高めるかどうかも知らないが、何もしないよりはマシだろう。アンナには言ってあるが、しばらくは注意を払って様子を見るしかない。
朝食を済ませ、ノラの朝の鍛冶で、身代わりの皮カチューシャを2つ作らせる。ノラには強壮丸を使わなければ、まだ連続のスキル結晶の融合は無理だが、すでに手慣れたものだ。
「アンナ、お前にも与えた身代わりの皮カチューシャだ。これを奴隷の娘たちにも付けさせておけ。万が一があった場合、母子共に救われるだろう」
「ありがとうございます。私の旦那さま……」
今日も狼人族の娘たちのレベルを上げる。エマたちが芋虫はもう飽きたというので、午後は川遊びに連れていく約束をして、エマとノラ、海女のジョゼとイリスは、探索者の大人をつけて三階層に向かわせた。今日の俺のパーティーは、俺と狼人族のリーゼとエルザに漁師の子供2人だ。会話が成立しないが、リーゼとエルザはやることは分かっていると、エマが言うので信じて行ってみるしかない。子供は呑み込みが早い。俺のジェスチャーで理解してくれるので、ホワイトキャタピラーを午前中は無心で周回しまくった。俺の探索者がレベル8、色摩がレベル7、錬金術師がレベル4、狼人族の獣戦士がレベル4、猫人族の漁師がレベル3になる。もう1、2回レベリングが必要だろう。絹の糸86個、真綿2個、芋虫のスキル結晶1つを持って帰宅する。午後もレベリングをしたいのだが、川遊びの約束をしてしまった……。
午後はノラの鍛冶を済ませてから、エマと子供4人を連れてバルナバの町で商人ジョブを取得させる。エマに任せて衣服、雑貨を子供に買わせている間に、麻袋を担いだ俺はロッコの店でドロップ品を売却する。
「やあ、ロッコ殿、約束通りに兎の毛皮と絹の糸を持ってきたぞ」
「これはこれは、アキラ様、こちらで確認しましょう」
兎の毛皮は売値10ナール、絹の糸は売値80ナール。ロッコに100単位で売れば2倍で買い取ってくれる約束だ。
「はい、確かに確認しました。兎の毛皮200枚で4000ナール、絹の糸100束で1万6000ナールで引き取ります。アキラ様、私も販路を拡大したいので、またお願い致します」
「ああ、いい取引だった。またお願いする」
やっ、やったぞ。金貨2枚のボロ儲けだ。ウヒヒヒッ。俺の色摩がゲスな笑みをこぼす。ロッコだけに卸すのも、いずれ問題になるだろう。他の町にも取り引き先を探さねば……。
春の25日昼。所持金:金25銀280銅?
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俺の完全に庇護下に入ったアンナを含め未亡人の10家族全員を川遊びに連れていく。俺を含めて総勢35名を渓流の岩まで強壮丸を使いながらワープで6回。まだ神官、巫女を取得していない者たちも、この機会に取得させておく。アンナを含め未亡人のうち5人は、最初の盗賊戦で、俺の壁役として夫たちを死なせてしまっている。残りの5人の夫は、ロマーノ村の迷宮が現れた時に、ロマーノ村長の命令で迷宮に入り命を失った者たちの妻だ。村長家の責任でもある。俺は素っ裸になると、火炎剣で渓流の淀んでいる場所の水を熱しながらカルロに指示する。
「カルロ、石鹸の使い方を男の子供たちに教えてやれ。女の裸を見て息子を無様に大きくするなよ。自制しろ。それも大人の男の修行だ」
「アキラ様の先っぽは凄いです。僕も一皮剥くのを頑張ります!」
カルロは、村の猫人族の男の子供たちに石鹸の使い方を指示しているので、俺は自分を石鹸でガシガシ洗うと温めた川の水に浸かる。うひー。俺の色摩の欲望が全て洗い流されていく……。
「アキラ様、私の体も洗って!」
「アキラさん……わたしも……」
「しょうがねえな。お前らも毎日体を綺麗にしておけよ。股の中も水でよく洗っておけよ。病気になるからな」
俺は毎回川遊びに来るたびに娘たちの体を洗ってやってるから、もう手慣れたものだが、今回は股の中も洗わされた。
「アキラ様にお股の中を洗われると凄く気持ちいいの!」
「アキラさん……私も気持ちよくて、なんか変です……」
「ああ、そこも綺麗にしとけよ。臭くなるからな」
「それにしてもアキラ様のおちんちんは、カルロたちのと比べるとピカピカでカッコイイの!」
「……男の子は皆、皮がついてます……」
カルロは今、男の修行中だ。直にお前らも度肝を抜くぞ。俺は庇護下に入った奴隷も含めて全ての女たちの体を隅々まで洗ってやる嵌めになったが、未亡人たちは、既に肌を合わせてしまった間柄だ。俺は息子を娘たちに弄られながら、川遊びを堪能した……。
色摩/色女。人族の固有ジョブだ。こいつはハンパじゃねえ。どうやらジョブ事態を嫌煙されている節もあるが立派なジョブ、すなわち職業だ。レベルが上がるとスキルの精力増強の効果も増大されるようだが、性欲を金欲、或いはアイテム欲に振り向けることで、性欲自体の制御も可能になってくる。そう女たちを洗ってやっても無様に息子をおっ立てるようなことは無いのである。今では俺は完全な紳士だから女たちの俺への信用も厚い。床でも毎回満足させてやれている。そして攻撃スキルの禁欲攻撃。1日1回程度しか最大倍率が出ないようだが威力は凄まじい。そして戦士のラッシュなどとは重ねられないが、火炎剣などの属性剣の効果は乗せられる。ただ、獣戦士のビーストアタックと比べると、欲望を溜めての1日1回が足枷となるが、欲望を向ける方向をドロップ欲に振ることでレアドロップ率の大幅アップが見込める。色摩/色女、これは人族の欲望そのものであると言えるだろう。
俺は今日、ファーストジョブを色摩にすることを決意した。恥ずかしがる事はない、色摩は立派な職業だ。今日こそはアンナの色女レベル3に勝ってみせる……。
……
「旦那さま、今日は大変素晴らしい思いをさせて頂いて、蕩けてしまいそうです。猫人族の女たちも奴隷の娘たちも大変優しくされて頂いて喜んでおります。夜は私が頑張らせて頂きます」
「ああ、俺の身内には、身を綺麗にしておいてもらいたいからな。今すぐは無理だが、いずれ家で湯あみをできるようにもしてやるつもりだ。金策が出来たらな」
「ありがとうございます。私の旦那さま……」
今日はアンナも石鹸でよく洗ってやったからな。いい匂いのするように石鹸の改良も必要だが、いかんせん俺には金と時間がない。奴隷の娘たちに説明して石鹸を改良させてみるか。俺は夕食までパピルスの帳面との格闘に勤しむ……。
春の25日夜。所持金:金25銀280銅?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夕食後にノラに身代わりのミサンガを作らせる。子供を上の階層に連れて行くには、身代わりがあと2つ必要だ。ノラに鍛冶をさせた後は、カルロを伴い俺の家へと戻る。
ズズズッ、ガラガラッ。入口の引き戸が開けられ、月明かりに照らされた1人の女と2匹の猫女と会敵した。未亡人が一巡して、今日はカミーユとクロエの番か。猫女たちがグルグルと喉を鳴らしている。こっ、怖い。喰われる……。
「旦那さま、今日は私たちにお任せ下さい」
俺は3人の女たちに寝所へと連れられていく。そしてアンナのジョブを色女Lv3へと変えるとアンナの乳房は、ばるんと勢いを増す。ほう、あいかわらず凄まじいな、色女レベル3の破壊力は。だが今日の俺は色摩レベル7。昨日までの俺とは違うのだよ、昨日とは。俺の色摩レベル7が、ぶるんと力を増す。今宵、色摩Lv7と色女Lv3の戦いが再び始まろうとしている。
「今日はカルロに男の修行の一環として見学をさせるが良いか?見られていても、俺のお前たちへと与える愛は変わらない。お前たちも変わらず俺を愛してくれるか?」
「はい、息子に見られるのは恥ずかしいですが、旦那さまに可愛がって頂けるのなら……」
「「旦那サマ、ぷるにゃーん」」
「聞いたかカルロ。ここの傍にきて男の修行をしていろ」
「すっ、凄い。アキラ様のは、僕のと全然違う!」
俺はアンナたちにブランチの透明な膜を装着され、カルロに避妊の意味と避妊の仕方も教えてやった。
……
俺の色摩レベル7は3人に勝利し満足させたあとにカルロが聞いてくる。
「すっ、凄かったです、アキラ様。女の人を大切に扱う意味がわかりました」
「そうだ。お前も男の修行をする意味がわかっただろう。女を満足させてこそ一人前だ」
「アキラ様、凄く気持ちよさそうです……僕も早くやってみたいです……」
「たわけ、お前はまだ一皮も剥けてもいない、そして妻も娶っていない子供だ。俺もそうだったのだからな。男の修行が終わった時に俺が許可を与えよう。それまで女の子に手を出すなよ。いいか、成人するまで耐えて修行だ!」
カルロはトボトボと自室に戻っていく。衝撃だったのだろう。悶々とするのだろう。
「今日は昨日以上に大変素晴らしい思いをさせて頂けました。私の旦那様……」
「「私ノ旦那サマ、ぷるにゃーん」」
アンナが色女Lv4へとレベルアップした。猫女たちは喉をグルグルと鳴らしている……。
春の25日夜半。所持金:金25銀280銅?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
春の26日。
これから俺は八階層のパーン戦へと向けて粛々と準備をする。
芋虫に飽きているエマたちは三階層へと向かわせ、俺はホワイトキャタピラー。俺の僧侶がレベル7、錬金術師がレベル5、狼人族の獣戦士がレベル5、子供の漁師がレベル4となる。猫人族からコボルトのスキル結晶と兎のスキル結晶が届く。ロッコに絹の糸200束を卸して3万2000ナールを得る。ミサンガ用の糸50束2000ナールで購入。未亡人たちの巫女と探索者がレベル4になり、五階層のミノへの探索を許可する。
春の26日夜。所持金:金28銀256銅?
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明けて春の27日。
昨日と同様にエマたちは三階層へと向かわせ、ホワイトキャタピラーでレベリングを行う。
俺の錬金術師がレベル6、子供の漁師がレベル5、子供の探索者がレベル4になり、三階層へと向かわせていた猫人族のジョブとイリスが海女レベル6になる。カルロに命じて奴隷のティナとジーナにパーティーだけを組ませて迷宮に行かせないまま、他の者たちにコボルトだけを倒させ、探索者レベル2まで上げさせる。
再びロッコに兎の毛皮200枚と絹の糸200束を卸して3万6000ナールを得る。ロッコへの同じ物の売却は控えた方がいいだろう。調子に乗り過ぎている。もう1日レベリングすれば、いよいよ八階層のパーンに挑戦する。
夜の伽は2巡目の猫人族のミレーヌ♀30歳とソフィー♀29歳の尻尾で愉しませてもらった。
春の27日夜。所持金:金31銀316銅?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
明けて春の28日。
今日で八階層のパーン戦へ向けてのレベリングは終わらせる。
俺の色摩がレベル8、戦士と神官がレベル7、狼人族の獣戦士がレベル6、子供の探索者がレベル5になる。芋虫のスキル結晶は毎日2個出しているので身代わりは、これで足りるだろう。ロッコの所で聞いたら、兎の毛皮や絹の糸は貴族の衣装で使うので大丈夫だと言われたので、行為に甘えて在庫をここで処分する。絹の糸200束を卸して3万2000ナールを得る。消耗品を購入して帰宅した。
春の28日夜。所持金:金34銀220銅?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
明けて春の29日。
いよいよ八階層のパーンに挑戦する日が来た。今日が初級階層の分水嶺となるだろう。
「今日は八階層のパーンに挑戦する。まずは八階層の探索からだ。前衛は俺のパーティー。後ろはエマのパーティーに任せる。雑魚はエスケープゴートが最大4体だからな。後ろの警戒を怠るなよ」
■探索メンバー■
アキラ (男:27歳 人族) 色摩Lv7
エマ (女:14歳 人族) 巫女Lv7
ノラ (♀:14歳 ドワーフ) 鍛冶師Lv6
ジョゼ (♀:14歳 猫人族) 海女Lv6
イリス (♀:14歳 猫人族) 海女Lv6
リーゼ (♀:14歳 狼人族) 獣戦士Lv6
エルザ (♀:14歳 狼人族) 獣戦士Lv6
ロック (♂:12歳 猫人族) 漁師Lv5
ジュール(♂:12歳 猫人族) 漁師Lv5
ローズ (♀:13歳 猫人族) 探索者Lv5
アニエス(♀:13歳 猫人族) 探索者Lv5
猫人族のロックとローズ、ジュールとアニエスは兄弟だ。
■メンバー配置■
前衛 :俺のパーティーは5人。
ジョゼ:海女 リーゼ:獣戦士 ロック:漁師
ノラ :鍛冶師 アキラ:色摩
後衛 :エマのパーティーは6人。
アニエス:探索者 エマ :巫女 ローズ:探索者
ジュール:漁師 エルザ:獣戦士 イリス:海女
漁師、海女、獣戦士を前後に配置し、俺とエマは自由に動く。ぽっちゃりノラは鍛冶師のアイテムボックス10×10に滋養丸と強壮丸を満載する。
「キャラクター再設定!」
BP:0
キャラクター再設定(1)
鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)
ワープ(1)
武器一 (1):ほむらの銅剣
頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)
胴装備一(1):頑丈の皮鎧
腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)
足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)
装飾品 :身代わりのミサンガ
フィフスジョブ(31):色摩8 探索者 農夫 神官 剣士
MP回復速度上昇(1) 腕力上昇(29)
救出のために魔物部屋への突入もあり得るので、水色のマントの代わりに身代わりのミサンガを装備する。獲得経験値は切って腕力上昇に割り振る。
俺たちは入口の小部屋から通路へと進む。
「メエエエ、メエエエ、メエエエ、メエエエ」
エスケープゴートは山羊の魔物で、HPが半減すると逃げ出す。そして動物系の魔物は総じて火に弱い。
鑑定!
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
「エスケープゴートは生命力が半分になったら逃げ出すぞ。逃げた奴は捨ておけ。火炎剣!」
スラッシュ、バゴッ。
(非表示 552ダメージ)
エスケープゴートは逃げだした。
「ちっ、俺のほむらの火炎剣をもってしても、一撃は無理だ……」
「……ビーストアタック!」
グワッシャッ。
(非表示 クリティカルヒット)
(非表示 1175ダメージ)
逃げたエスケープゴートにリーゼのビーストアタックが炸裂する。
エスケープゴートは煙となって消えた。
(非表示 経験値1)
「くっ、悔しいが狼人族のリーゼの一撃の方が重いかもしれない……情けないがリーゼのサポートにまわるか……」
「……ビーストアタック!」
グワッシャッ。
(非表示 クリティカルヒット)
(非表示 1173ダメージ)
エスケープゴートは煙となって消えた。
(非表示 経験値1)
しっ、しまったー、ガス欠だ。リーゼのビーストアタックは2発でMP切れだ……燃費が悪すぎる……。
「エルザ、後ろから前に出て、ビーストアタックを叩き込め。ノラはリーゼに強壮丸を飲ませろ」
「アキラサマ、イキマス!……ビーストアタック!」
グワッシャッ。
(非表示 クリティカルヒット)
(非表示 1177ダメージ)
エスケープゴートは煙となって消えた。
(非表示 経験値1)
ちっ、一匹は逃がしたか……リーゼもエルザも既にガス欠だ。これでは雑魚戦に使えないぞ……過信しすぎた俺の大失態だ。俺はレベリングの時、全て俺が倒していたため、この娘たちのビーストアタック自体をよく見ていなかったのだ。そして俺と巫女のエマでパーティーを分割した為、総MP量も大幅に下がっていたのだ。
子供たちがドロップ品の山羊の毛を拾ってくる。俺はリーゼとエルザの耳をもうもふして労ってあげたが、結局、エマには頬を、ノラにはお腹をさすってやり、猫人族の娘には腰をトントンと、♂の猫人族には、まあ肩を叩いて言葉をかけてやった。
「よくやった。強壮丸で魔力を回復しろ。リーゼとエルザは1回の戦闘でビーストアタックの使用は1回までだ。エマ訳せ!」
……
そこからはドツボだった。逃げたエスケープゴートは生命力を回復すると、前後から挟撃してくるのだ。そう、この迷宮には探索者どもが誰も入っていないため、エスケープゴートは全て新品なのだ。俺はリーゼとエルザに肩を貸してやり、なんとか中間部屋に辿り着いた。2匹のおっぱいが、ふにゅりと当たるが今はそれどころではない。獣戦士のリーゼとエルザは強壮丸で、すでに薬漬けだ。休ませなければ……。
「少し休憩だ。全員、水筒の水を飲んでおけよ」
「アキラ様、リーゼがあっちからさっきの魔物の匂いが沢山するって。エルザも」
「なんだと、まっ、魔物部屋だ……」
あっ、危なかった。強行していたら魔物部屋に飲まれていたかもしれない。ここに来て狼人族の”鼻”が役に立ったのだ。狼人族のリーゼとエルザをやさしく抱きかかえてやり、俺の頬を娘たちの頬にすりつけた。そして俺は、この娘たちを失うことに恐怖を感じている。娘たちのビーストアタックに頼ろうなど甘い考えだったのだ。やはり俺が前面に立つべきだ。
「よし、ボス部屋まで進むぞ。ここからは俺が前面に立つ。お前たちは俺が討ち漏らした魔物を叩いてくれ。エスケープゴートを逃がしてしまってもよい。沢山の魔物の匂いのする方は避けて進むぞ、エマ訳せ!」
幸いエスケープゴートは単なるヤギだ。速さはない。火炎剣スラッシュを2発叩き込めれば屠れるはずだ。
「メエエエ、カサカサッ、メエエエ」
鑑定!
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
スパイスパイダーLv8(非表示 HP800)
エスケープゴートLv8(非表示 HP800)
「俺は蜘蛛からやる。エスケープゴートを押さえておけ」
火炎剣、スラッシュ、スラッシュ。
(非表示 550、552ダメージ)
スパイスパイダーは煙となって消えた。
(非表示 経験値1)
……
「なんとかボス待機部屋まで来れたな。ご苦労だったな」
「今日のアキラ様は、なんか素敵でカッコイイ」
「アキラさん……私もお股が変です……」
「「きゃうーん」」「「うにゃにゃ」」
「ああ、ありがとう。休んでからパーンに挑戦するぞ!。身代わりのミサンガが切れていないか全員確認しろ!」
「まずは俺のパーティーで行くが、全員が体験できるように編成をしなおすぞ」
俺はパーティーを、俺、エマ、ノラ、海女のジョゼとイリス、獣戦士のリーゼで1回目のパーンに挑む。
パーンは半人半妖のビーストで、両角が生えている人型で2本足だ。そして数多の探索者たちを魔法で屠ってきた恐ろしい魔物だ。三階層のパーンはマルコ村の迷宮で倒したが、八階層でどこまで強化されているかだ。前面にいるとパンチ、後ろにいれば蹄で後ろ蹴り、バックステップしたら魔法攻撃だ。攻撃パターンは既に知っている。そしてパーンには炎の属性ダメージは通らない。マルコ村の迷宮で確認済みだ。
だが俺には秘策がある。そう、盗賊どもを倒して手に入れた山崩れの鉄剣だ。こいつが俺の次の相棒になるかもしれない。
「キャラクター再設定!」
BP:0
キャラクター再設定(1)
鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)
ワープ(1)
武器 :山崩れの鉄剣(山滑剣:土属性)
頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)
胴装備一(1):頑丈の皮鎧
腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)
足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)
装飾品 :身代わりのミサンガ
フィフスジョブ(31):色摩8 探索者 農夫 神官 剣士
MP回復速度上昇(1) 腕力上昇(30)
ほむらの銅剣を消して、山崩れの鉄剣を装備した俺に、山滑剣の力が漲ってくる。よしパーンが実体化すると同時に屠ってやる。
ノラ以外の全員をボスの顕現場所近辺に配置をする。ノラがボス部屋に入ると扉が閉まってパーンが実体化を始める。俺は山滑剣に山の力を込めると、それを見たエマもまたレイピアに炎をともす。
山滑剣から土砂が滑り落ちる地響きのような轟音が轟く。ゴゴゴゴゴッ。行くぞ、一気に行く。
鑑定!
パーンLv8(非表示 HP1600)
まだ昼前だが、俺の中の欲望が山の力を借りて唸りを上げる。ドゴゴゴゴッ。俺の可愛い狼人族の娘たちはやらせん!
禁欲攻撃!ドゴゴゴゴッ。プシャー。
(非表示 2364ダメージ 禁欲倍率10倍)
俺の山崩れの鉄剣が、けたたましい爆音とともにパーンを砕き散る。
「アキラさん凄い。パーンが粉々に……」
「アキラ様、素敵、大好き!」
「「にゃうーん」」「きゃんきゃん」
やっ、やったぞ。可愛い娘たちを守ってやったぞ。俺はまだ戦える。山のようにそそり立ったパンツを濡らして立ち尽くす俺だが、娘たちに抱きつかれて思い出す。あっ、詠唱中断の強権のシミターがあったわ……。
子供たちが山羊の肉を拾って持ってくる。まあ山羊のスキル結晶は出ないわな。ひろもぎの知力上昇も俺は使わんけど、杖に融合して一儲けもしたい。俺の色摩がゲスな笑みをこぼす。デュフフフ。
その後、強権のシミターを2人に1本ずつ持たせて、入れ替えながら6回戦わせたが、詠唱中断さえあれば誰でもなんとかできるな。山羊の毛を24束、糸を3束、山羊の肉を7個持って午前の部は終了した。俺の探索者がレベル9になる。
「今日のアキラ様のは、山のようにそそり立って凄かったのよ」
「うそ、僕も見せてもらったけど、ピカピカでテラテラして凄いんだよ」
エマとカルロがお互いに自慢しているがやめろ。俺はアンナに息子を綺麗に拭かれている。
ノラに鍛冶をさせてから、午後もパーンの周回をする。既に俺にも娘たちにもパーンに対する恐れはない。実体化と同時に初撃を喰らわせたあとは、ボス部屋の角に追い詰めるだけだ。八階層のパーンをメンバーを入れ替えながら50周回して、山羊の肉を49個、山羊のスキル結晶を1つ入手して俺たちは帰宅した。これで知力アップのひもろぎ武器を作ってボロ儲けだ。デュフフフ。
帰宅した俺は、今夜はアンナには綺麗にされない。なぜなら真昼間にパーンに禁欲攻撃をぶっ放したからだ。アンナは残念がっていたから、いつものように息子を拭かせて綺麗なパンツに履き替えた。
「明日は春の30日で行商人のロッコがやってくるだろうが、魚の干物の準備は出来ているのか?この村は漁村だからな。村人たちに目立つことをやらせるなよ。いつものようにな」
「はい、滞りなく。旦那さま」
「それから明日は小遣いが必要だろうから、村人たちに褒美をやろう。今日とってきたヤギの肉と、そうだな、俺の銀袋から一世帯当たり銀貨4枚をアンナが配ってやれ。村長家を含めて20世帯あるからな、1人100ナールもあれば行商人から何か買えるだろう」
「ありがとうございます。旦那さま」
「あとはそうだな。コボルトソルトの塩、コボルトフラワーの小麦粉、オリーブオイルは毎日迷宮で手に入るからな。不平の出ないように分配してやれ」
「はい、コボルトソルトは魚の干物の作成時に使用させて頂いております。万事お任せ下さい」
春の29日夜。所持金:金34銀140銅?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夕食は、パーンのヤギの汁物みたいなもので滋養強壮の回復が出来たような気がする。これで明日からも頑張れるぞ。ノラの鍛冶を済ませてからカルロを連れて俺の家へと戻る。
ズズズッ、ガラガラッ。入口のドアが開けられ、月明かりに照らされた1人の女と2巡目の2匹の猫女と会敵した。今夜の伽は2巡目の猫人族のアリス♀28歳とリュシー♀27歳だ。さっ、三人ともパーンの肉を食って、精力が増大してビースト化しているぞ……。
「旦那さま。今夜は寝かせませんよ」
「「グルグルグル……」」
百戦錬磨のアンナの色女はレベル4にレベルアップしている。ヤギ肉を食ったアンナに今日は勝てるのだろうか……しかし、俺の色摩もレベル8にアップしている。ギリギリの戦いになるだろう。
ブランチの透明な膜を装着された俺は、アンナのジョブを色女Lv4へと変える。俺の禁欲攻撃とアンナの禁欲攻撃が激しくせめぎ合う。くっ、またも俺がパワー負けするだとぉ。しっ、しまったぁ。俺は昼間にパーンで禁欲攻撃を使ってしまったのである。対するアンナは2日分の欲望を溜めている。俺はレベルアップしたアンナに敗北した……。
春の29日夜半。所持金:金34銀140銅?