持たざる者の異世界迷宮でハーレムを   作:@ペロ

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002 アンナとエマ

俺はアキラだ!君の仲間だ!

英雄になれなかった単なる迷宮探索者だ。

 

アキラ・ヒビキ(男:27歳)

探索者Lv2 村人Lv2 農夫Lv2 盗賊Lv2

 

激しい盗賊イベントのあと俺は寝込んだらしい。今は村長の家でやっかいになっている。

盗賊戦の後始末などがあるらしいが、どうやら俺は邪魔らしい。手伝う事があればやると言ったのだが……しかたがないので俺は今、迷宮に来ている。

 

「ブォン」

 

ロマーノ村の迷宮の入口のゲートが閉じる。入口の小部屋は約5メートル四方だ。迷宮内は蚊やノミやダニが出ないので、寝泊りするには、ここの方が快適かもしれない。魔物の出ないセーフポイントの方が、人さえ来なければ安全と言えるだろう。ロマーノ村の迷宮の一階層はコボルトだと聞いている。

 

「キャラクター再設定!」

BP:1

キャラクター再設定(1)

鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1)

ワープ(1)

武器一 (1):ほむらの銅剣

頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)

胴装備一(1):頑丈の皮鎧

腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)

足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)

装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)

フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊

MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)

腕力上昇(30)

 

レベル2になって増えた分のBP1ポイントを必要経験値減少(1)に割り当てる。必要経験値減少が何倍なのかはわからないが、必要経験値二分の一よりは効果が低いのだろう。早く経験値と資金を集めて、この水色の掃除用装備を更新したい……。

 

俺は今一人だがパーティー編成でソロパーティーを組んでおく。パーティー効果は重要だ。漁師をパーティーに入れてないので、おそらく生命力とパワーは落ちているだろう……。

 

入口の小部屋から通路に出る。特にドアなどは無く壁に穴が開いているだけだ。迷宮の魔法的な結界か何かで、魔物は壁の穴を通れないのだろう。通路の幅と高さも5メートル程度だろうか?

 

俺は探索の右手法で通路を進んでいく。このとき壁には手を触れてはいけない。うかつに壁に近づくと魔物部屋に吸い込まれる恐れがあるからだ。俺にはデュランダルが無いから、

魔物部屋に吸い込まれることは、ゲームオーバーを意味する。

 

「チキチキチキチキ!」

誰かが右手のナイフを振り回して歩いてくるのは見える。だが早さはない。

 

「鑑定!」

コボルトLv1

(非表示 HP100)

 

なるほど、あれがコボルトか。防具なしで背も小さくリーチのないコボルトなら、現地人でも余裕で対処できるわけだ。俺は火炎剣を唱える。

 

「火炎剣!」

俺の銅剣の刀身が炎で包まれる。

 

ドガッ、ザシュッ。

(非表示 56、55ダメージ)

 

コボルトは煙になって消えた。(非表示 経験値1)

英雄のようにオーバーホエルミングは使えない。デュランダルのように一撃では始末できない。これが現地人の戦いか……俺はゴクリと喉を鳴らす。早急に戦士スキルのラッシュが必要だ。

 

「鑑定!」

コボルトソルト

 

これがコボルトのドロップ品のコボルトソルトか。俺はコボルトソルトを手にした時に気がついた。ドロップ品を入れる為のリュックを持っていない。マナを貯める魔結晶も持っていないぞ……。

 

俺は探索者のアイテムボックス操作を詠唱短縮で唱えてみる。脳内で表示される詠唱文は読み方が分からない。探索者である以上、いずれ詠唱文の練習が必要になるだろう。

 

「アイテムボックス オープン」

 

なるほど、これがアイテムボックスか。目の前に2列の空箱が空中に現れた。探索者レベル2なので迷宮アイテムを2種×2個が現状の限界だ。俺はコボルトソルトをしまった。アイテムボックスは閉じるイメージだけで閉じたので、クローズ用の詠唱はないのだろう。

 

俺は通路を進んでいく。迷宮の壁の厚みは約5メートル。一階層の1ブロックは5メートル四方と思っていいだろう。これが何ブロック分あるのかは分からない。マッピングが必要だったか。だがメモ用の紙とペンは持っていない……。

 

「チキチキチキチキ!」

 

再びコボルトLv1が現れた。今度は火炎剣なしで戦ってみるか。火炎剣のMP消費量もわからない。盗賊戦で4回使用して最後にぶっ倒れたから、そこら辺が限界の可能性もある。迷宮内でMPが切れて倒れた場合、それは死を意味する……。

 

ドガッ、ドガッ、ドガッ、ザシュッ。

(非表示 28、29、27、28ダメージ)

 

「くっ、火炎剣なしじゃ、2発で倒せないぞ……」

 

コボルトはボコボコになっていく。コボルトナイフと両手剣ではリーチが違う。コボルトは煙となって消えた。俺は大きく息を吐く。コボルトは火が弱点か。これは舐めて火炎剣なしでやっていると、疲れてきたら、そのうち喰らうぞ……コボルトソルトをアイテムボックスへしまって通路を進む。

 

どれくらいたっただろうか、1時間程度だろうか、時計は持っていない……しばらく進むと通路の壁に穴が開いている。俺は恐る恐る覗いてみる。

 

「ここが小部屋か、魔物部屋じゃないよな……」

 

小部屋は約5メートル四方だ。ここでは探索者の迷宮移動用ゲートを開けたはずだ。俺は迷宮の入口をイメージして呪文を詠唱する。読み方を間違えていても、詠唱短縮の効果で、最後の呪文名だけでゲートが開くはずだ。

 

「入り組み惑う迷宮の、勇士導く糸玉の、ダンジョンウォーク」

 

「ブォン」

目の前の壁に黒い壁が現れた。次からは、ここにジャンプしてから再開が可能ってわけか。ゲートを閉めて小部屋を後にする。

 

「チキチキチキチキ!」

 

再びコボルトLv1が現れた。一階層の雑魚は迷宮法則で必ず一匹しか出現しない。火炎剣は使わずにMPを温存する。

 

ドガッ、バコッ、バキッ、ザシュッ。

(非表示 28、28、28、28ダメージ)

 

コボルトは煙になって消えたあとに、コボルトナイフがレアドロップしたので手に取ってみる。コボルトナイフは持ち手が木製で折り畳み式のジャックナイフだ。俺は一旦通路を引き返して小部屋に戻る。武器一のほむらの銅剣を解除して、試しにコボルトナイフを装備する。通路上で武器一を解除するとか怖いからだ。コボルトナイフは迷宮装備の最低ランクの武器らしいが、迷宮以外で普段使いもできるだろう。コボルトナイフをアイテムボックスへしまって通路を進む。アイテムボックスは、もう満杯だ……。

 

コボルトLv1を更に2匹倒して先に進む、ドロップ品は全てコボルトソルトだ。ピューマのハーフパンツのポケットにねじ込んで、ようやく次の小部屋辿り着いた。穴を抜けた先にある小部屋の壁の中央には観音開きの大きな扉がついている。扉は開いたままだ。

 

「ここが階層ボス戦前の待機部屋か……」

 

ボス部屋に入らないように覗いてみるが、約5メートル四方だろうか。ボスは見当たらない。コボルトのボスはコボルトケンプファーだが、当然見た事はない。デュランダルなしでいけるのか。レベルは探索者レベル2のままだ……俺はゴクリを喉を鳴らす。まだ疲れはない。最悪ワープで逃げる事も可能だろう。無い物はない……俺は覚悟を決める。そしてボス部屋に踊り込んだ。背後で扉の閉まる音が聞こえる。そして5メートル四方の中央に煙が立ちこめて、みるみるうちに実体化する。

 

「鑑定!」

コボルトケンプファーLv1

(非表示 HP200)

 

コボルトケンプファーはコボルトの上位種だ。武器がコボルトナイフから片手剣というか鉈にアップグレードされている。コボルトと同様に防具は装備していない。装備品の鉈は

レアとしてドロップするのだろうか?俺はしばらく様子を見るが、コボルト同様に動きは早くない。容易に背後をとることが可能だ。なるほど、初心者用のボスと言うことだろう。俺は火炎剣なしで背中を切り付ける。

 

ドガッ、ドガッ、ドガッ、バコッ。

(非表示 29、27、28、28ダメージ)

 

「くっ。流石にボスは硬いか……」

 

ズガッ、バコッ、バコッ、ザシュッ。

(非表示 28、28、29、28ダメージ)

 

コボルトケンプファーが煙になって消えた。(非表示 経験値1)

上位種と言えどもコボルトなら、こんなものか。俺はドロップ品のコボルトフラワーを拾う。コボルトフラワーは小麦粉の塊だ。迷宮ドロップ食材は、透明な膜のようなもので覆われているが、この膜は手では剥けそうにない。迷宮食材を覆っている膜を取り除くのに迷宮装備であるコボルトナイフが必要になるのだろう。俺はコボルトフラワーを拾ってポケットに突っ込む。小麦粉は覆っている膜がなかったら、ポケットの中が大変なことになってしまうところだ。

 

鑑定!

 

「村人の漁師たちも、ここでは死なんか……」

 

流石に装備品は落ちていない。魔結晶も見当たらない。猫人族の村人に回収されているのだろう。俺は自分のレベルを確認する。ここまでに倒した魔物は、コボルト5体とコボルトケンプファー1体だけだ。

 

アキラ・ヒビキ(男:27歳)

探索者Lv2 村人Lv2 農夫Lv2 盗賊Lv2

 

「まあ、かわらんよな……」

 

何とかレベル5まで上げたいが、どの程度時間が必要になるのか見当もつかない。俺は設定を見直してみるが、普通に考えて必要経験値減少のスキルは弄れない。ここまでの分の経験値がクリアされる可能性があるからだ。変えるとしたらレベルが上がった直後だろう。このままボス戦を周回するしかない……俺はボス部屋の奥に現れた黒い壁を抜けて出る。

 

「ここが二階層なのだろうか、ダンジョンウォーク!」

 

脳内にロマーノ村の迷宮の一階層と二階層が表示される。というい事は、ここは二階層の小部屋なのだろう。小部屋の壁に黒い壁も見える。あれを潜ると外に出てしまうはずだ。

二階層の探索をするか、ボス周回をするか迷うところだが、二階層からは雑魚が2体出現する。まあ喰らうよなあ……ヘタれた俺はボス戦周回をすることにする。

 

「ワープ!」

 

一階層のボス待機部屋へゲートを繋げる。村人に見つかったら、その時はその時だ……待機部屋に戻ると既にボス部屋への扉は開いている。ワープの消費MPがわからないが、仮に途中でぶっ倒れても、二階層の小部屋、ボス待機部屋には魔物は入れないので、死ぬ事はないだろう。

 

ボス部屋に入ると扉が閉まる、魔物が実体化する、右回りに背後に回り込む、八発叩き込む、小麦粉を拾う、二階層の小部屋に移動する、ワープでボス待機部屋へ戻る、ここまでが1セットだ。俺は覚悟を決めてボス部屋へと踊り込む。

 

……ドガッ、ザシュッ。

(非表示 ……28、28ダメージ)

 

周回1回目はコボルトフラワー。剣を強く叩き込む必要はない。命中すれさえすれば八発で沈む。一回の作業時間は8分くらいだろうか。疲れてくると被弾するから十分注意が必要だろう。そして直ぐに問題が発生する。ドロップアイテムが持てない……俺は防水のマントを袋状にして、ドロップアイテムの塩と小麦粉をその中に入れる。これを持ち運びながらは周回するのは、すごく大変だ。なぜなら、ドロップアイテムを床に直置きすると、迷宮に吸収されてしまうおそれがあるからだ。

 

……

 

周回15回目にコボルトケンプファーの鉈のコボルトマチェット(妄想武器)がドロップした。当然のこと、どの魔物にもレアドロップが設定されているのだろう。アイテムボックスに鉈をしまう。アイテムボックスはナイフと鉈だけで一杯だ……おおよそ2時間程度やっただろうか。喉が渇いてきたが周回を続ける。

 

……

 

周回31回目、コボルトのスキル結晶を入手。1パーセントドロップか?これは嬉しい誤算だが、コボルトフラワーも溜まっていく。8ビットゲームなら、256戦してドロップパターンが256分の2とかなら、調べてみればわかるかもしれないが、それはないか。そもそも256戦とかできそうもないしな。さらに2時間程度やっただろうか、レベルはピクリとも動かない。

 

……

 

周回47回目に、ついに村人のレベルが3に上昇。腹も減ってきた。飲まず食わずで8時間程度。もう限界だが何とか探索者のレベルを上げておきたい。

 

……

 

周回60回目、ついにその時はきた。初級職の探索者、農夫、盗賊がレベル3になったのだ。おそらく迷宮に入ってから12時間は経っているのではないか。周回時のワープでのMP消費で気持ち悪くなることはなかった。おそらく近距離ワープはMP消費1なのであろう。

 

拾ったドロップ品は、コボルトフラワー59個、コボルトソルト4個、コボルトナイフ1個、コボルトマチェット1個、コボルトのスキル結晶1個。

 

アキラ・ヒビキ(男:27歳)

探索者LV3 村人LV3 農夫LV3 盗賊LV3

 

俺は大きく息を吐く。もう終わりにしよう。二階層の小部屋から迷宮を出る。外はすっかり暗くなり月が出ている。星や月を見て方角がわかるだろうか。俺はワープで馬小屋に帰還した。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ダンダンダン、村長の家の扉を叩く。

 

「アキラだが遅くなって申し訳ない」

 

しばらく待つと女性が灯りを持って出てきた。

 

アンナ(女:31歳)

村人Lv12

装備:サンダル

 

「アキラ様、お帰りなさいませ」

「すまないな、帰りが遅くなってしまった」

「お食事とお湯の準備は出来ておりますので、お部屋にお持ちします」

 

この女性、村長の娘でアロルドの奥さんだが、村長とアロルドは盗賊戦で亡くなってしまった。今日は村長の代わりに、盗賊からの剥ぎ取り、カードの回収、死体の処理の段取りをしていた。親と旦那を埋めたり、亡くなった漁師の妻たちへの対応と大変だったのだろう。原作のティリヒさんと同じように悲劇に見舞われて未亡人のになってしまった人物だ。

 

「村長とアロルドは残念だったな」

「いえ、アキラ様のおかげで村は救われました。さあ、家の中に入って下さい」

「ああ、ありがとう」

 

俺は案内されて食事を頂く。漁村なので、焼いた魚、干物を煮込んだスープ、固いパンだが贅沢は言ってられない。この漁村はとにかく貧しいだ。

 

「アキラ様、お話したいことがありますが、よろしいでしょうか」

「ああ、聞かなければわからんが、俺にできる事であれば手をかそう」

「はい、まずこちらが盗賊たちのインテリジェンスカードです。12枚あります。盗賊たちから剥ぎ取った装備品については、血を落として馬小屋の横の小屋においてあります。そしてこちらが盗賊たちの所持していた硬貨でございます。ご確認して下さい」

「ああ、ありがとう。受け取ろう」

 

俺はインテリジェンスカードと硬貨の入った袋を受け取った。硬貨の枚数を目の前で数えるような野暮なことはしない。

 

「して、話とはこれだけかな?」

「いえ、実は……」

 

俺は食事を食べ終えた後も長い話を聞かされた。

・父親である村長が亡くなってしまったので、次の村長をどうしたらよいのか。

・アンナさんには娘と息子がいるが、父親である旦那が亡くなってしまった。

・村には20世帯あり、女と子供以外の男たちは10人しか残っていない。

・漁師が亡くなって、未亡人が困っているので、どうしたらいいのか。

・村は貧しくて人頭税が払えなくなりそうなので、子供を売りに出すしかない。

……

 

とにかく助力が欲しいと涙ながらに懇願された。重い、重すぎる……俺の英雄取得の肥やしにしてしまった為に助からなかった命もある。しかも英雄ジョブは取れていないのだ。彼らは単なる無駄死にだ。俺は罪悪感に襲われる。おかしい、異世界迷宮の世界は、主人公が好き勝手に、やりったらげる世界じゃないのか……長い沈黙のあと俺の頭脳が回転を始めるが、商人ジョブを取得していないのでカルクが動かない。むむっ、せめてもの罪滅ぼしに、生活できるようにガキどものファームでもしてやるか……。

 

「ああ、わかった。俺は何も持たないが、できることなら手助けしよう」

「あっ、ありがとうございます……」

 

いつも通りに出鱈目で適当に答えてしまった。31歳の女の涙とはいえ、俺は女性に弱いのだ。しかし人族だから子供ができてしまうからドライな関係な。

 

「今日は、もう晩いから続きは明日にしたらどうだ。村長の件は町の騎士団に相談してはどうだ?」

「はい、父の村長の指輪は私が持っています。私の息子は、まだ成人していないので村長にはなれません。私が代理で村長をしている間に助力して頂けますか?」

 

これは厳しい。息子は、たしか12歳くらいだっただろう。3年養えと言われているに等しい。俺の頭脳がフル回転するが答えは出ない。

 

「とりあえず明日、町の騎士団に行ってはどうだろうか。町まで行く手段はあるのか」

「行商人は15日に一度しか来ません。馬小屋のロバに荷車を引かせて、半日程度で向かうことは出来ます」

「ああ、わかった。晩いし子供たちが起きても困るだろう。もう明日にしよう。このお湯は貰っていってもよいか?」

「はい、わかりました。大丈夫です」

 

俺はお湯も持って、当てがわれている部屋に逃げた。昨日から風呂にも入っていないし、服の洗濯もしていない……。そして着ていく服もない。俺はお湯で体を拭いて、一張羅の無地の白Tシャツとボクサーパンツを残り湯でジャブジャブとした。洗濯板も無いからな。問題は乾くかどうかだが、温暖な気候なので大丈夫だろう。最悪は皮の鎧を肌に直接つければよい。パンツはボクサーパンツとピューマのハーフパンツを交互に履けばいいか……早くこの衣服と装備を更新したい。

 

あれこれ考えてジャブジャブしている時にアンナさんが来たが、丁重にお帰りいただいた。まあ、そういう事なのだろうが、色々ありすぎて俺には一人で考える賢者タイムが必要だ。

 

俺は現代で海外出向していた時に性病の怖さを知っている。その時に川沿いの現地人から、毛じらみや性病をうつされた奴らを見てきた。俺は移されなかったが怖いもの見たさで、そういう所の女を抱いてはいけない。ゴムも無い世界では、なおさら大変な事になるぞ。全ては綺麗な環境を整えてからだ……。

 

俺は素っ裸で防水のマントにくるまって就寝した。水色の防水のマントは皮装備の外套だからな……。

 

春の2日。所持金0+盗賊の持っていた所持金

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

異世界の朝は早い。電気のない世界は太陽と共にある。暗くなったら灯り代が勿体ないから、夜も必然早くなる。そう夜は床で女しかやる事がないのである。早急に環境を整えねば……。

 

俺は素っ裸のまま昨日洗った、まだ生乾きの衣服をどうするか迷う。Tシャツとボクサーパンツは部屋にそのまま干しておこう。生乾きは匂うからな。頑丈の皮鎧を素肌の上に装備する。下はピューマのハーフパンツを素肌の上に直接履く。生乾きだが乾いたパンツはない。早くパンツを手に入れたい。足には水色のゴム靴であるを防水の皮靴を装備する。

今日はアンナさんと町へ向かう事になっているので、早朝に盗賊からの装備品の検分を行う。

 

「アキラ様、おはようございます。今お目覚めですか」

「ああ、よく眠れたよ。ありがとう。盗賊どもの装備品を朝に検分しておきたい」

「アキラ様、おはようございます。エマです。カルロは、まだ寝ているので、あとで挨拶させますね」

 

アンナ(女:31歳) 村人Lv12

エマ (女:14歳) 村人Lv3

 

アンナさんと少女のエマの朝は忙しそうだ。邪魔しては悪いだろう。それに村長と父親が亡くなったばかりだからな。俺は逃げるように馬小屋の横の小屋に向かう。小屋にある盗賊の装備品などは次の物だ。

 

・鉄の剣     1本

・銅の剣(空き) 1本

・銅の剣    10本

・鉄の鎧     1点

・皮の鎧     2点

・皮の靴     5点

・サンダル    7点

・盗賊のバンダナ 1点

・金貨      3枚

・銀貨     17枚

・銅貨  数えていない

 

スロットつきの武器である銅の剣(空き)は除けておく。アンナさんに渡された盗賊の金袋の硬貨のうち、金貨3枚と銀貨3枚をアイテムボックスに収納しておく。あとは部屋にある昨日の迷宮ドロップ品も町で処分するか。村人にあげてもいいが、探索者ギルドで値段も調べておきたいところだ。問題はこいつだ。

 

盗賊のバンダナ

 

ただのバンダナにすり替わっていないということは、盗んだ村人の奴隷落ちイベントが発生しない事を意味する。そして、この村には商人のビッカー相当の人物がいないので、奴隷商館での奴隷売買までが発生しないまである。ロクサーヌ購入イベントはベイルの町なので、まあ購入は不可能だろう。イベントアイテムの盗賊のバンダナも処分品から除けておこう。アンナさんの息子が呼びにくる。

 

カルロ(男:12歳) 村人Lv2

 

「アキラ様、おはようございます。カルロです。朝食の準備が出来たので来るようにお母さんが言っています」

「ああ、おはよう。今行く」

 

俺はカルロと気まずいまま母屋に戻る。

 

「待たせたな。朝食をありがとう」

「粗末な物しかありませんが……」

 

朝食も焼いた魚、干物を煮込んだスープだ。これでも歓待されているのだから何も言うまい。

 

「盗賊の装備の中で村で欲しいものはあるのか。それと昨日の迷宮探索で塩と小麦粉を取ってきたから必要ならば渡そう」

「本当に頂いても宜しいのでしょうか?」

「ああ、構わんぞ。村に迷宮装備品がないと盗賊共にやられてしまうからな」

「ありがとうございます」

 

正直、必要な物は抜いておいたから、あとのは全部ゴミだからな。それに村の子供たちを育成するのに武具も必要になるだろう。

 

「町には、エマとカルロも連れて行っても宜しいでしょうか?」

「ああ、子供だけ家に残しておくわけにもいくまい」

「アキラ様、ありがとうございます」

「それでは食事も終わったし、出かける準備をしよう」

「はい、すぐ準備しますね」

 

俺は当てがわれている部屋に戻る。さすがにノーパンはマズいだろう。素っ裸になって生乾きの服に着替える。ポケットには金袋を突っ込む。設定も見直しておくべきだろう。

 

「キャラクター再設定!」

BP:0

キャラクター再設定(1)

鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)

パーティー項目解除(1) パーティージョブ設定(2)

ワープ(1)

武器一 (1):ほむらの銅剣

頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)

胴装備一(1):頑丈の皮鎧

腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)

足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)

装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)

フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊

MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)

必要経験値減少(1)  腕力上昇(26)

 

探索者Lv3になったので、パーティー項目にポイントを割り振っておく。

この変態掃除用装備で町をうろついても大丈夫か一抹の不安がある。盗賊の装備と差し替えた方がいいか迷うが、ボーナス初期装備じゃないとスキルがついてないからな。よし覚悟は決めた。俺は村長宅の玄関へ移動する。

 

「お待たせしました。アキラ様」

「アキラ様、素敵なお召し物ですね」

「アキラ様、ズボンの猫ちゃんのマークが可愛いね」

 

この娘、目の付けどころがいいじゃないか、ただし猫じゃなくてピューマだ。単なるバッタもんのハーフパンツだ。

 

「カルロは、装備品を見にをつけておけ。舐められるからな」

「わかりました。装備してきます」

「アキラ様、何点か装備を売却したいのですがお願いできますか?」

「何を売るのだ。金が必要か?」

「こちらの武器の2点です」

 

鑑定!

ほむらのレイピア(片手剣) スキル:火炎剣

シミター    (片手剣) スキル:空き 空き

それを売るなんてとんでもない!

 

「それは村長家の家宝だろう。金は都合をつけてやるから大事にとっておけ」

「ありがとうございます。アキラ様」

「アキラ様、装備を着けてきました」

「カルロは、そのシミターを持っておけ」

「あちらにロバと荷車の準備ができております」

「よし、出発前にパーティーを編成しておくぞ」

 

「友に応えし信頼の、心のきよむ誠実の、パーティー編成」

 

「全員パーティーに入ったな。それでは出発しようか」

「はい、ありがとうございます」

 

御者席はアンナさんに任せて、俺は荷台へと乗り込み、脳内でパーティーを確認する。

 

パーティージョブ設定!

アンナ:村人Lv12

探索者Lv1 農夫Lv1 薬草採取士Lv1

戦士Lv1  剣士Lv1 商人Lv1 色女Lv1

 

うっ、アンナさんは俺より強い。あと色摩の女版らしい色女ジョブを持っているぞ……。

強い、絶対に強いぞ。あっちの方も……。

町の名前を聞いてなかったな。俺は遥か遠くを眺めた。

 

春の3日。所持金:金3銀3+金袋

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