持たざる者の異世界迷宮でハーレムを   作:@ペロ

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004 赤い彗星

ロマーノ村の迷宮の二階層はニードルウッドだ。二階層から雑魚は最大二匹編成され、一階層の雑魚のコボルトも混じる。

 

今日は午後から村人を集めて人物鑑定をする予定だ。アンナさんの村長就任の件の説明もある。

 

アンナさんとは気まずいので、エマを伴い迷宮に逃げてきている。

エマは俺と同じ村人Lv3だ。火炎剣の詠唱を覚えさせて、一階層のコボルトで試させている。パーティーは俺とエマだけだ。全員ボス部屋に入らないと扉が閉まらないからな。見てるだけだから獲得経験値は十倍(31)にしておく。

 

エマ :村人Lv3

武具 :ほむらのレイピア 木の盾

装備 :革のカチューシャ 皮のジャケット 皮の手袋 皮の靴 ミサンガ

 

コボルトLv1(非表示 HP100)

 

「呼びかけたるは我が心、感じ現る剣の意思、奔流、火炎剣!」

 

……ズガッ、ザシュ。

(非表示 ……32、32ダメージ)

 

エマの火炎剣でコボルトは煙となって消えた。(非表示 経験値2)

 

「アキラ様、私でもコボルトが倒せたよ」

「火炎剣を使って気分が悪くなったら、すぐに言うんだぞ」

「まだまだ大丈夫」

「コボルトが倒せるからって、勝手に迷宮に入るなよ」

 

エマにコボルトソルトを拾わせる。子供のMPがわからないので油断は禁物だ。MP回復速度も異なるしな。そして仲間に薬を使えるパーティライゼイションの魔法は課金魔法だから俺には使えない。次はボスのコボルトケンプファーに行っても平気だろうか。ワープで一階層のボス待機部屋へ移動する。

 

「ここがボス部屋だ。コボルトの上位魔物のコボルトケンプファーが出るからな」

「私でも倒せるの?」

「ああ、俺が引き付けておくから、後ろからレイピアを刺せ。絶対に魔物の前に立つなよ」

 

俺は十分に説明してから、エマとボス部屋に入る。滋養丸、強壮丸、黒魔結晶はお互いのポーチに入れてある。ボス部屋の扉が閉まると魔物が実体化する。

 

コボルトケンプファーLv1(非表示 HP200)

 

「呼びかけたるは我が心、感じ現る剣の意思、奔流、火炎剣!」

 

……ガキン、ズガッ、ザシュ。

(非表示 ……33、16ダメージ)

 

エマの火炎剣が切れた後の次の一撃でコボルトケンプファーは煙となって消えた。

(非表示 経験値3)

俺は銅の剣でコボルトケンプファーの鉈を受けていただけだ。エマにコボルトフラワーを拾わせる。

 

「どうだ、ここまでは、お前らでも戦えそうか?」

「はい、火炎剣が切れちゃったけど倒せました」

「気分はどうだ。行けそうか?」

「大丈夫」

 

二階層の小部屋に進む。エマには後ろで見ていてもらおう。ニードルウッドの両手の鞭の攻撃範囲が危険だ。俺も避けられないだろう。そして水魔法を使われた場合、どうなるかもわからん。

 

「キャラクター再設定!」

BP:0

キャラクター再設定(1)

鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1)

ワープ(1)

武器一 (1):ほむらの銅剣

盾一  (1):防水の木の盾(水色のお盆)

頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)

胴装備一(1):頑丈の皮鎧

腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)

足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)

装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)

フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊

MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)

獲得経験値二倍(3)  腕力上昇(28)

 

俺も戦うので獲得経験値十倍(31)は獲得経験値二倍(3)に落とす。

BPを1ポイント使って盾一(1)の初期装備の防水の木の盾を出す。これをエマに装備させる。残りのポイントは腕力上昇(28)につぎ込む。

 

「エマ、次はニードルウッドだが、二階層から雑魚は最大で二匹出るからな。攻撃はしないで後ろで盾を構えていろ。盾はこれを装備しろ」

「あっ、この盾はアキラ様と同じ水色だ。素敵!」

 

エマのレイピアと盾は回収してアイテムボックスにしまう。防水の木の盾でニードルウッドのウォーターボールは防げるだろう。盾一は下側に持ち手のついた水色のお盆だ。

俺を先頭にエマと小部屋から通路に出る。

 

「ズズズ……ズザザ……」

 

「鑑定!」

ニードルウッドLv2(非表示 HP200)

ニードルウッドLv2(非表示 HP200)

 

「あれがニードルウッドか。2メートルはあるぞ」

 

ニードルウッドは二本足の木の魔物のトレントだ。細めの幹に両手のような枝を地面まで、鞭のようにぶら下げている。コミック内でファイアーボールで燃やしていたから、火が弱点のはずだ。

 

「エマ、後ろで盾を構えておけ。火炎剣!」

 

俺のほむらの銅剣の刀身が炎に包まれる。二匹の間に位置取っては不味い。必ず一対一の位置取りだ。

 

バキッ、ひゅんバシッ、バキッ、ぴゅんバシッ、バキッ、ザシュ。

(非表示 63、非ダメ1、63、非ダメ1、62、63ダメージ)

 

ニードルウッドは煙となって消えた。(非表示 経験値1)

くそっ、鞭のような両手の枝の薙ぎ払いで2発喰らったぞ……頑丈の皮鎧で防げたか。回復は後まわしで後ろの2匹目にいく。

 

バキッ、ぴゅんバシッ、バキッ、ひゅんバシッ、バキッ、ザシュ。

(非表示 63、非ダメ1、63、非ダメ1、63、63ダメージ)

 

ニードルウッドは煙となって消えた。(非表示 経験値1)

ふう、2匹で4発喰らったぞ。原作のように無敵回避ステップなんぞ俺には使えないからな。これが現地人の戦いだ。頑丈の皮鎧のおかげか、それほどダメージは感じられない。念のため滋養丸を一つ飲んでおく。

 

「アキラ様、大丈夫?」

「ああ、装備のおかげだな」

「アキラ様の装備は素敵な色ですからね。私も桃色の装備が欲しい!」

「ああ、おそらく火耐性を付ければ、赤色っぽい装備は作れるだろう」

「赤色も素敵ですね」

 

エマにドロップ品のブランチを拾わせる。滋養丸は60ナール、ブランチ2個では元が取れないだろう。僧侶ジョブの手当スキルが必要だ。

その後、ニードルウッド単体と2回遭遇して、小部屋に辿り着く。ここまでに滋養丸を3つ消費しブランチを4本入手した。

 

「エマ、皮の水筒の水を飲んでおけ。まだ行けそうか」

「見てるだけでなんで大丈夫ですよ」

「よし、ボス部屋まで辿り着くぞ」

 

小部屋を出たあとは、コボルド混じりのニードルウッドと2回遭遇し、俺たちはボス待機部屋に辿り着く。魔物部屋はおそらくなかったのだろう。滋養丸を更に2つ消費し、ブランチを2本とコボルトソルト2個を入手した。ボス待機部屋で強壮丸を1つ飲んでボスのウドウッドに挑むことにする。

 

「エマ、お昼になっただろうか?」

「まだ大丈夫だよ」

「ボスのウドウッドを倒したら戻るぞ。エマは後ろで盾を構えておけよ。行くぞ」

 

エマに説明してからボス部屋に侵入する。ボス部屋の扉が閉まると魔物が実体化する。

 

「ザザザ……」

 

「鑑定!」

ウドウッドLv2(非表示 HP400)

 

ウドウッドは、ニードルウッドより幹が太いぞ。独活の大木のウドか。固いのか。

 

「火炎剣!」

 

俺のほむらの銅剣の刀身が炎に包まれる。

 

バキッ、ぴゅんバシッ、バキッ、ひゅんバシッ、バキッ、ぴゅんバシッ。

(非表示 62、非ダメ1、61、非ダメ1、62、非ダメ1)

 

くっ、まだか……ダメージは耐えられるか。距離をおいて滋養丸を1つ飲み込む。

 

バキッ、ひゅんバシッ、バキッ、ぴゅんバシッ、バキッ、ぴゅんバシッ、ザシュ。

(非表示 63、非ダメ1、62、非ダメ1、62、非ダメ1、61)

 

ウドウッドは煙となって消えた。(非表示 経験値2)

くそっ、オーバーホエルミングか無敵回避ステップがないと、攻撃する度に反撃を必ず喰らうぞ……もはやターン性バトルだ。特に鞭のような両手の薙ぎ払いは避けられる気がしない。俺は愕然とする。エマがドロップ品のリーフを拾ってくる。

 

「アキラ様、葉っぱが落ちてたよ」

 

しっ、しまった。リーフを拾って薬草採取士ジョブを取得か……。

 

「エマありがとう。その葉っぱから毒消しが作れるな。しまっておいてくれ」

 

俺は鑑定でボス部屋内を確認したが他には何もない。そのままエマと三階層に抜けた。

 

「エマ、もう一度だけウドウッドと戦うからボス部屋前に戻るぞ」

「大丈夫です」

 

ワープゲートをボス待機部屋に繋いで移動する。俺もここで薬草採取士のジョブを取っておきたい。

 

「エマ、次の葉っぱは俺が拾うからな」

「わかりました、アキラ様」

 

再度、滋養丸と強壮丸で回復してからウドウッドに挑む。さっきと同じような泥仕合を制してウドウッド戦は終了し、自分でリーフを拾うことができた。三階層に移動して俺は大きく息を吐く。俺は課金ボーナス魔法の自爆攻撃は使えない。魔法使いを取得できない俺には生薬生成以外の使い道がないか……。

 

薬草採取士:知力小上昇

スキル  :生薬生成

 

「エマ、ありがとう。今回はここまでだ」

「木の魔物は、私でも倒せるかな?」

「どうだろうな。俺に内緒で勝手に戦うなよ」

「そんなことしないよ。アキラ様がいないと、ここまで来れないよ」

「よし、帰るぞ」

 

エマから防水の木の盾を取り上げると、俺は馬小屋にワープゲートを繋いで、エマをゲートに押し込んだ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「アキラ様は凄かったんだよ。私もコボルトを倒しちゃった」

 

エマが得意げにアンナとカルロに自慢し、テーブルに取得物のブランチを並べる。俺にはニードルウッドの攻略方が思いつかないから単なる泥仕合だ……正直凹むから自慢はやめて欲しい。

 

「ブランチは高級な薪として使えると聞いていますが、私たちは使ったことがありません。火力が強いと聞いています」

「ブランチは薪として使ってもいいが外で試してからにしろよ。家が火事になるからな」

「アキラ様、村人たちに集まるように伝えておきました。まもなく集まると思います」

「ああ、わかった」

「アンナ、俺は猫人族の言葉はわからんからな。よろしく言ってくれ」

「私とエマとカルロの村長家の者はバーナ語を父から習っております。ご安心ください」

「アキラ様は命令するだけでいいんだよ。私が伝えるから」

 

エマはコボルトを倒して、すっかり自信がついたのか得意げだ。

 

「集まったら呼びに来てくれ。村長引継ぎの話しなどが終わってからでいいぞ」

 

俺は自室に戻って一休みし、ニードルウッドの攻略方を思案する。あの鞭のような両手の攻撃をかい潜るのは俺には無理だぞ。魔法に逃げないと無理なのか……盾役も必要だ。俺は居眠りを始めるとエマが呼びに来た。俺は鑑定用に獲得経験値二倍(3)を外して、パーティー項目解除(1)、パーティージョブ設定(2)に振り直す。一度パーティーに入れて待機ジョブを確認するつもりだ。俺は表に出ると村人はアンナの話を聞いている。

 

「XXXXXXXXXX」

「ワアアアア!」

 

アンナが何か言うと村人たちが歓声をあげる。エマにブラヒム語に訳させると大体内容はわかったが、正直恥ずかしいので尊大に言うのはやめて欲しい……。

 

「アキラ様は、村の英雄なんだから!」

「村長就任の挨拶が終わったら、漁師と爺さん婆さんは帰ってもらっていいぞ」

 

正直、人物鑑定の邪魔だ。俺は無詠唱で鑑定をすると、あることに気がつく。なるほど、普通に仕事を手伝って生活していれば、成人の15歳くらいで村人Lv5になれるというわけか。エマとカルロは村人たちに比べてレベルが低い……。

 

村人Lv8(♀:30歳)

村人Lv7(♀:25歳)

村人Lv6(♀:20歳)

村人Lv5(♀:16歳)

村人Lv4(♀:14歳)

村人Lv3(♀:10歳)

 

漁師の夫を亡くした未亡人は全部で9人。夫のいる妻は全部で10人。全て村人Lv5はクリアしている。14歳の娘は全部で2人、全て村人Lv4だ。残念ながら英雄ジョブや魔法使いジョブを持っている村人はいなかった。

猫人族の母親たちは探索者ジョブにでもして、パーティー編成で家族を編成させるか。アイテムボックスも使えるようになれば便利だろうし、パーティー効果で身体能力も向上するだろう。他の異世界物のように身体強化のご都合魔法は、この世界にはない。全てはパーティー効果だ。猫人族の子供たちは俺の都合のいいように育成しよう。もぐりのジョブは見つかると不味いので、ギルドで転職させるつもりだが転職代は俺持ちだ。

 

「アンナ、村人の人物を確認して俺の方針は決まったが、ブラヒム語の詠唱が必要になる。母親と子供たちに教えることはできそうか?」

「はい、母親たちには私が教えます。子供たちにはエマから教えさせましょう」

「うむ、そうしてくれると助かる」

「アキラ様、私に任せておいて!」

 

母親たちを残して集会は解散させる。

 

「エマ、母親たちを連れて、一度迷宮の入口まで行くぞ。説明しろ」

 

俺たち一行は、ぞろろぞ歩いて村の林内の黒い壁を目指す。そして母親たちを迷宮の入り口の待機部屋に入れるが5メートル四方にはみっちりだ。後続が入れなくなるので奥に詰めさせて正座させる。むんむんとした猫が全部で19匹、残念だが猫人族は香箱座りはしない。さて、これで母親全員が探索者のジョブを取れたはずだ。エマのジョブを探索者にしてから、俺は詠唱する。

 

「友に応えし信頼の、心のきよむ誠実の、パーティー編成」

 

猫人族の母親たちは19人いるから大変だが、順番にパーティーに入れて探索者ジョブに変更していく。母親たちは驚いているが、すまんな。バーナ語はわからんのだよ。そして、エマを含めてパーティー編成の練習をさせた。詠唱呪文の詠唱共鳴があるから、必ず一人ずつやらせる。

 

「アキラ様、私も探索者だね!」

「いや、お前はまだ村人の修行が足りないぞ。うまくできない者たちは後で練習させてくれ。次はアイテムボックスだ。この銀貨1枚ずつやるから、アイテムボックスの練習をさせろ。一人ずつだぞ」

 

「八百千五百のお宝を、収めし蔵の掛け金の、アイテムボックス オープン」

 

銀貨を1枚ずつ配って、エマを含めてアイテムボックスの練習をさせた。探索者Lv1のアイテムボックスは1つ。レベルが上がればアイテムボックスが増えるから励みになるだろう。

 

「よし、戻るぞ。お前たちは帰ったらパーティー編成で家族を編成しておけよ。あと勝手に迷宮に入るな。迷宮は自己責任だからな」

「アキラ様、探索者の私に任せておいて!」

「いや、エマは村人の修行だぞ。あとこのことは村の外には内緒にしておけ」

 

エマに訳させて、俺たちはぞろぞろと村に戻る。後はアンナとエマに丸投げだ。

 

春の4日昼。所持金:金18銀7

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ロマーノ村の迷宮の三階層はスローラビットだ。二階層から雑魚は最大二匹編成され、一階層の雑魚のコボルトと二階層雑魚のニードルウッドも混じる。

俺は今日どうしても肉が食べたい。エマを伴い三階層の入口の小部屋にきた。

 

「エマ、アイテムボックスの銀貨を返せ」

「ええー」

「あとで肉を食わせてやるかな。言う通りにしろ」

 

アイテムボックスに何か入っていると、ジョブ変更できないのだよ。銀貨1枚を取り上げるとエマのジョブを村人に戻す。

 

「キャラクター再設定!」

BP:0

キャラクター再設定(1)

鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)

ワープ(1)

武器一 (1):ほむらの銅剣

盾一  (1):防水の木の盾(水色のお盆)

頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)

胴装備一(1):頑丈の皮鎧

腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)

足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)

装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)

フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊

MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)

獲得経験値二倍(3)  腕力上昇(26)

 

エマには、ほむらのレイピアと防水の木の盾を持たせて探索の再開だ。俺とエマの火炎剣の詠唱共鳴があるので詠唱省略(2)に割り振り、入り口の小部屋から通路に進む。

 

「ピョン、シュタッ」

 

「鑑定!」

スローラビットLv3(非表示 HP300)

 

よし、一匹編成だ。スローラビットは体長50センチくらいの白い兎だ。しばらく様子を見る。

ほう、スローなだけに動きは遅いな。攻撃は体当たりと牙だろう。コミック内でファイヤーボール数発で丸焼けにするくらいだから、火が弱点のはずだ。

 

「エマ、スローラビットには後ろから火炎剣で攻撃しろ。絶対に前に立つなよ。体当たりと牙がくるぞ」

 

「火炎剣!」

 

俺は前方からエマは後方から、火炎剣を叩きつける。

 

バコッ、ズガッ、バコッ、ズガッ、バコッ、ズガッ。

(非表示 61、33、61、33、62、32ダメージ)

 

スローラビットの後ろ脚が、跳躍態勢を見せるので俺は後ろに引く。

 

ザシュッ

(非表示 33ダメージ)

 

スローラビットが煙となって消えた。(非表示 経験値2)

ラストアタックはエマに取られてしまったが、経験値の分配法則がどうなるのかは、レベルが上がった時に見えてくるだろう。ゲームの仕様上、魔物ポイント→ポイント全てをパーティーリーダーのスキルがあれば獲得倍率計算→パーティーメンバーに分配が妥当ではないだろうか。ラストアタックとかにすると計算が複雑になってバグる要素になりそうだ。

エマがドロップ品の兎の毛皮を拾ってくる。

 

「どうだ、スローラビットは行けそうか」

「早くお肉が食べたい!」

「よし、肉が出るまでやるぞ。ニードルウッドが出たら俺がやる。コボルトが出たらエマがやれ。スローラビットは最後に叩くぞ」

 

中間の小部屋に辿り着く。会敵したのは二匹編成を4回、肉はまだ出ていない。ニードルウッドが曲者だ……ボス部屋まで行けてしまうだろうか。

 

「エマ、時間的にどうだろう」

「まだ夕飯の時間じゃないよ、お肉を取ろうよ」

「ボス部屋まで行くか」

 

水筒の水を飲んでボス部屋まで行くことにする。中間の小部屋を出て、会敵したのは二匹編成を2回。肉が出ない。ニードルウッドは薙ぎ払いだけが避けられないぞ。

 

「チキチキチキキー、ピョン、シュタッ」

 

コボルドLv3   (非表示 HP300)

スローラビットLv3(非表示 HP300)

 

「エマはコボルトだ。強くなっているから無理するなよ」

「遅いままだから大丈夫」

 

エマにコボルトを任せて、俺はスローラビット叩く。ニードルウッドさえいなければ簡単なものよ。

 

……バコッ、ザシュ。

(非表示 ……61、61ダメージ)

(非表示 経験値2)

俺のスローラビットへの攻撃は火炎剣で5回。

 

……ズバッ、ザシュ。

(非表示 ……33、33ダメージ)

(非表示 経験値2)

エマのコボルトへの攻撃は火炎剣で10回。

 

「アキラ様、お肉とナイフがありましたよー」

「ほう、これが兎の肉か……」

 

俺は渡された兎の肉とコボルトナイフを手に取る。なるほど、肉は透明な膜のラップで覆われている。肉が直接床にドロップしたら、べちゃってなるからな。この膜は後でコボルトナイフで取り除けるだろう。兎の肉は鮮度が落ちるからアイテムボックスにしまう。

 

「あそこまで行くと、ボス待機部屋だろう」

「お肉を持って早く帰ろうよ」

「まだ、肉は1個しか取れてないぞ」

「一人1個欲しい」

「だろうな。ボスに行ってみるか」

 

エマにせっつかれながらボス待機部屋に到達した。ラピッドラビットに挑戦するしかないか……レベル3なら行けるだろう。気が緩んでいた俺は安易に考えてしまった。

ラピッドラビットは素早いと説明して、ボス部屋にエマと踊り込む。

 

「シュタッ」

 

「鑑定!」

ラピッドラビットLv3(非表示 HP600)

スローラビットは白色の毛だが、ラピッドラビットは赤色の毛だ。赤い彗星……。

 

……

 

不味いことになった。俺とエマはボス部屋の隅に追い込まれている。ラピッドラビットは想定より早すぎるのだ……俺はエマを庇う。

 

「エマ、滋養丸を飲んで回復しろ」

「アキラ様、あの兎さんは、こちらと目が合うと必ず胸に飛び込んで来るよ」

「何だと。エマは俺の後ろに隠れていろ」

 

必ず来る場所がわかっているなら、やりようはある。俺はラピッドラビットに正対して、銅の剣を胸の前に構える。

 

シュタッ、バゴンッ!

(非表示 23ダメージ)

 

ラピッドラビットは胸を狙って、勝手に剣に飛び込んでくる。なるほど、これが攻略法か。

俺はラピッドラビットに正対して剣を持つ両手に力を込める。そして火炎剣を叫ぶ。

 

シュタッ、バゴンッ!

(非表示 61ダメージ)

 

……

 

シュタッ、バゴンッ!

(非表示 60ダメージ)

 

ラピッドラビットの10回目の飛び掛かりで、魔物は煙となって消えた。

(非表示 経験値3)

やっ、やった。下手に動いたり寝転ばされると危険なんだ。初めから隅で剣を構えて待っていれば奴は勝手に自滅する。エマが兎の肉を持って、うれしそうに走ってくる。死にそうになったが肉はうれしいのだろう。

 

「ラピッドラビットの攻略法がわかったからな。あと2つ兎の肉を取ろう。次は初めからボス部屋の隅に行くぞ」

「凄いアキラ様」

 

攻略法がわかったラピッドラビットはカモだ。時間が掛かるがな……兎の肉を追加で2つ取って、俺たちは今日の探索を終えてワープで帰宅する。しかしレベルが上がらんな……。

 

「アキラ様は凄いんだよ。部屋の隅で待ってるだけで倒しちゃうんだから」

 

エマがしたり顔でカルロに自慢する。やめろ。マジで凹むから。俺にはオーバーホエルミングも無敵回避ステップも無いんだわ……。

 

今日の夕食も焼いた魚と海鮮のスープ、そして待望の兎の骨付き肉だ。胡椒がないから塩だけ……ペッパーは毒のある蜘蛛を倒さないといけないので難易度が高い。迷宮素材の透明な膜を取り除けるように、コボルトナイフをアンナに渡しておく。

兎の肉はおいしいのだろう。ナイフもフォークも無いから全員かぶりつく。肉を食べて血色が良くなったのか、アンナもエマも頬を赤らめる。

 

「明日は滝に行っておきたい。案内できるものはいるのか?」

「はい、猫人族の未亡人の方が山菜採りをしていますので、その方に案内させましょう。私も行きましょうか?」

「いや、魔物が出ると対応できないからな。エマを帯同させる。エマは今日使った装備をオリーブオイルで綺麗に拭いておけよ」

「やったー!」

「俺は疲れたから今日は休む。お湯を貰っていくぞ」

 

俺は逃げるように自室に戻る。清拭、洗濯を済ませて眠りにつく。アンナには昨日言い聞かせたから今日は来ないよな。

俺は悶々としながら眠りにつく。

 

春の4日夜。所持金:金18銀8

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