ロマーノ村から北のXXX山への山道を歩く。バーナ語で言われた山の名前なんかは聞き取れない。川沿いを1時間程度進むと沢があって、岩場に水が滴っているらしい。足が痒い。おそらく蚊だろう。Tシャツ短パンに装備を付けているが、山に分け入る恰好ではない……。
猫人族の案内役の猫ちゃんは、なんと31歳の漁師が亡くなった未亡人だ。猫人族は老化が遅く見えるので年齢も若く見えるとエマが教えてくれた。俺には毛づやの良し悪しと色味しか見分けられないのかもしれない。
「XXXXXXXXXXXXXXXXXX」
「アキラ様、水が滴っている場所はあれでいいですか?」
猫人族の案内役とエマが指さす。
……ぴちょーん、ぴちょーん。
人一人立てるくらいの岩の割れ目から、確かに丁度頭くらいの高さから水が滴っている。もう雪解けした後らしいから、こんなもんか……。神官になれるか確認しようにも、まだ俺は村人Lv3だ。
「エマ、すまないが、あの水が滴っている岩の割れ目に立つように猫人族の案内役に言ってくれないか。巫女のジョブになれるかもしれない」
「私が巫女になりたい!」
「いや、お前は村人の修行が終わっていない。衣服は全部脱がなくていいぞ」
「XXXXXXXXXXXXXXXXXX」
エマのバーナ語で猫人族の案内役は、貫頭衣を脱ぎだした。というか素っ裸になって岩の割れ目に立つ。猫ちゃん31歳の体は凄い。最初に目につくのは、にゃろーんとした黒い尻尾だろう。乳房は栄養不足でやや小振りだろうか、少し、やせすぎだがしなやかな腰つき。さすが猫人族、一切の無駄がない。両手両足の肘膝から先には、うっすらと毛が生えている。そして元から生えないのか秘部は綺麗に剃毛されている。毛じらみが怖いから当然か。俺は食い入るように見とれている。エマが肘でトントンしてくる。まあ、もう今更だ。
「パーティージョブ設定!」
うん巫女は取れてないね。原作のように魚取りをイメージさせるか。
「魚にとる時に逃げられないように存在を消してみろ」
「XXXXXXXXXXXXXXXXXX」
……ぴちょーん、ポタッ、ぴちょーん、ポタッ。
「パーティージョブ設定!」
巫女を取れるのを確認できたぞ。この岩の割れ目は使える。
「よし、巫女になる修行は終わったぞと伝えてくれ」
「XXXXXXXXXXXXXXXXXX」
猫人族の案内役はとても嬉しそうだ。俺も眼福だったからな。猫人族の案内役に麻の布を渡して拭いたあとに衣服を来てもらう。
「私も巫女の修行をする!」
「いや、お前はまだ村人の修行がだな……」
エマが脱ぎだすのを制止する。俺は衣服を着た猫人族の案内役をねぎらって、背中の下を
軽くトントンと叩いたら、エマに怒られてしまった。どうやら尻尾の付け根をトントンするのは猫人族への求愛行動らしい……まんま猫かよ。31歳の猫ちゃんは頬を赤らめる。
「さっ、さてと、温泉が沸いているところは近くにないのか?」
「XXXXXXXXXXXXXXXXXX」
どうやらないらしい。俺は、どうしても風呂に入りたい。ここに来るまでの渓流に、大きな岩があった。あの岩にワープゲートを開くことが可能かどうか。俺はワープゲートを繋げて全員をゲートに押し込む。
さて、環境破壊をしてしまうが、この丁度よい川の水溜まりを沸かせるかどうか。
火炎剣を川の水溜まりへとぶち込む。
「アキラ様、何やってるの」
「いや、この川の水が温められないか試している」
「私もやるね、……火炎剣!」
二人で何回やっただろうか。湯気が立つようになった。少し熱いが、水が流れているから、直ぐに冷めるだろう。ヒルとかいないよな。俺は素っ裸になって、温めた川の水溜まりに浸かるとブルリと震えた。ふう、これよこれ。シャンプーも石鹸も無いが頭をガシガシと洗う。エマも案内役もドン引きだ。
「お前たちもどうだ。水浴びは気持ちいいぞ!」
エマは少し恥ずかしそうだが、俺がバチャバチャ水遊びしているのを見てやりたいのだろう。エマと31歳の猫ちゃんは衣服を脱いで入ってきた。エマは14歳の体だから、なんとも思わん。それにもう今更だ。火炎剣で追い炊きしつつ、エマの頭をよく洗ってやる。後で梳き櫛も買ってやろう。シラミがいるかもしれないからな。お湯浴びを終えて俺たちはワープで馬小屋に帰宅し案内役は帰した。
春の5日昼。所持金:金18銀8
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「アキラ様、また連れてってね」
「ああ、またな」
エマはすっかりご満悦でカルロに自慢している。温かいお湯に浸かったのは、エマにとって初めてだったのだろう。この村は貧しいからな。お湯浴びでエマの背中を麻の布で少し擦ってやったが、まあドン引きなのよ。何とか風呂を準備したいが、魔法使いの取れない俺には難易度が高い……。
「さて、すっきりしたからな。エマ、迷宮に兎の肉を取りに行くぞ!」
「行きます!」
準備をして三階層のボス待機部屋にゲートを繋ぐ。今日で村人LV4に上げたい。
「キャラクター再設定!」
BP:0
キャラクター再設定(1)
鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)
ワープ(1)
武器一 (1):ほむらの銅剣
頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)
胴装備一(1):頑丈の皮鎧
腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)
足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)
装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)
フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊
MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)
獲得経験値五倍(15) 腕力上昇(15)
腕力上昇を下げて獲得経験値を上げたいが、獲得経験値五倍(15)で様子をみる。腕力上昇を下げ過ぎると、ラピッドラビットのジャンプ体当たりにパワー負けしてしまうだろう。腕力上昇(15)あれば、ドワーフのパワーに匹敵すると思ってみる。
「ボス周回を始めるぞ。俺の後ろにいるんだぞ」
「左後ろの隅に行きますね」
■周回1回目。
「シュタッ」
ラピッドラビットLv3(非表示 HP600)
「火炎剣!」
シュタッ、バゴンッ!(非表示 54ダメージ)
ラピッドラビットは胸の前に構えた剣に突進。突進を剣で受け止める。
……
シュタッ、バゴンッ!(非表示 54ダメージ)
ラピッドラビットは胸の前に構えた剣に突進。突進を剣で受け止める。
ラピッドラビットの12回目の飛び掛かりで、魔物は煙となって消えた。
(非表示 経験値6)
この辺のパワーが限界か。これ以上、腕力上昇を下げるとパワー負けする。
エマが兎の肉を拾ってくる。1回目の周回は兎の肉か。詠唱中断の強権用に兎のスキル結晶が欲しい。
「エマ飽きるかもしれないが、我慢してくれ」
「大丈夫。お肉だからね」
四階層に抜けて、ボス待機部屋にゲートを繋ぐ。一周10分はかかっていないと思うが、行ける所までいってみよう……。
■周回10回目。
……
ラピッドラビットの12回目の飛び掛かりで、魔物は煙となって消えた。
(非表示 経験値6)
エマが何かを拾ってくる。まさか兎のスキル結晶か。俺はゴクリと喉を鳴らす。
「残念、お肉じゃない。ピンクのしっぽの用な物でした!」
鑑定!
兎の尻尾:装飾品
うさぎの尻尾だと。レアドロップか効果もわからん。そして欲しいのはスキル結晶だ。
「兎の尻尾だ。これはエマにやろう。食い物じゃないぞ。お守りだ」
「いいの、可愛くて素敵!」
■周回21回目。
……
ラピッドラビットの12回目の飛び掛かりで、魔物は煙となって消えた。
(非表示 経験値6)
エマが兎の肉を拾ってくる。兎の肉はもう入らないから、エマのリュックに突っ込んでる。透明な膜のようなラップで包まれているから、リュックの中はギトギトにはならないぞ。そして、ようやく俺の村人とエマの村人がレベル4に上がる。
「どうだ、まだ行けそうか?」
「お夕飯まで、まだですね」
■周回29回目。
……
ラピッドラビットの12回目の飛び掛かりで、魔物は煙となって消えた。
(非表示 経験値6)
エマが何かを拾ってくる。ついに俺の元にも来たかもしれない。
「ピカピカ光る何かですよ、アキラ様」
「これか、これはスキル結晶だ。高貴な者たちが独占しているレアアイテムだ」
「アキラ様、高く売れそう?」
「まあな。でも売らないぞ」
ついにやりきったぞ。俺はレベルを確認して震える。あとレベルを1上げられれば、戦士スキルのラッシュで攻撃倍率が更に上げられる。いつになるやら……俺は大きく息を吐き、四階層に抜けて俺とエマはワープで帰宅した。
もう夕暮れだ。5時間くらい周回をやってたか……。
アキラ・ヒビキ(男:27歳)
探索者Lv4 村人Lv4 農夫Lv4 盗賊Lv4
「アンナ、兎の肉が27個ある。村人に分けてやれ」
「アキラ様は凄いんだよ。ずーとやってるんだから。私も拾うのに疲れちゃった」
「いいのですか。ありがとうございます。一世帯当たり一個ずつ配れますね。村人たちも喜びます。カルロ配ってきなさい」
エマよ、やめてくれ……俺は余りの兎の肉3枚をアイテムボックスしまうと、夕飯まで自室に引き籠った。
春の5日夜。所持金:金18銀8
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
周回2日目。
一夜明けて村人レベル5を目指す。四階層に上がりたいが、兎のスキル結晶をもう1つ出しておきたい。朝からラピッドラビットの周回をする。
「エマ、今日も肉を取るぞ!」
「お肉は毎日食べたい!」
「キャラクター再設定!」
BP:0
キャラクター再設定(1)
鑑定(1) ジョブ設定(1) 詠唱短縮(1) 詠唱省略(2)
ワープ(1)
武器一 (1):ほむらの銅剣
頭装備一(1):防水の皮帽子(水色のスイムキャップ)
胴装備一(1):頑丈の皮鎧
腕装備一(1):防水の皮手袋(水色のゴム手袋)
足装備一(1):防水の皮靴 (水色の風呂用のゴム靴)
装飾品一(1):防水のマント(水色の雨ガッパ)
フォースジョブ(7):探索者 村人 農夫 盗賊
MP回復速度上昇(1) クリティカル率上昇(1)
獲得経験値五倍(15) 結晶化促進(1)
腕力上昇(15)
村人Lv4になって増えたBP1を結晶化促進(1)に割り振る。周回するから気持ちね。
朝から昼までみっちりラピッドラビットを30周回。
取得した兎の肉は30個だ。家に戻ってアンナに兎の肉を渡して昼寝する。
「エマ、また行くぞ」
「ええー、もう飽きたよ」
嫌がるエマを連れて、夕方までみっちりラピッドラビットを30周回。
取得した兎の肉は更に30個だ。売るか?
結局、村人に配って本日は終了……。
春の6日夜。所持金:金18銀8
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
周回3日目。
朝からエマと共にラピッドラビットの周回をする。
「エマ、今日も肉を取るぞ!」
「アキラ様、またですかぁ」
嫌がるエマを連れて、ラピッドラビットを周回する。
そして、ついに2戦目で兎のスキル結晶をゲットする。
「やったぞエマ、スキル結晶を2つ目だ。後で何か褒美をやろう」
「また川遊びに行きたい!」
「ああ、村人の修行が終わったらな」
温かいお湯は気持ちいいからな。それはレベル5になってからだ。
ラピッドラビットを周回を続ける。
そして、本日午前の部の8戦目でやっと村人のレベルが5になる。どうやら村人の必要経験値は少ないようだ。探索者も午前中にレベル5にできるだろうか。アイテムボックスも5×5個入るようにしておきたい。
「やったぞエマ。村人の修行が終わったぞ」
「……」
完全に飽きているエマを宥めて周回を続ける。午前中は30周回したが、探索者のレベルは上がらなかった……。
お昼休憩をして午後の10周回目にやっと探索者がレベル5になる。よし、今日の周回を終わろう。
アキラ・ヒビキ(男:27歳)
探索者Lv5 村人Lv5 農夫Lv5 盗賊Lv5
エマ(女:14歳)
村人Lv5
「エマ、修行がついに終わったぞ。コボルトの階層に行った後に遊びに行くぞ」
「町にも行きたい!」
「うむ、コボルトに行ってからだ」
一階層のコボルトケンプファーの待機部屋にワープゲートを開いてエマを押し込む。
後は初級ジョブを取るだけだ。
コボルトケンプファーLv1(非表示 HP200)
まずは、エマに火炎剣でコボルトケンプファーを始末させる。
……ザシュッ。(非表示 経験値1)
これでエマは戦士と剣士ジョブを取得だ。
次に俺も火炎剣でコボルトケンプファーを始末する。
……ザシュッ。(非表示 経験値1)
今の俺の火炎剣だと4発で始末できる。次は火炎剣で3発叩きつけたらパンチだ。
「エマ、俺がいいと言ったら、素手で殴るんだ」
「ええー。無理です」
「いけるぞ。俺を信じるんだ」
俺は火炎剣で3発叩き込んだ後に、エマに殴るように指示する。
……ドガッ、ザシュッ。(非表示 経験値1)
エマの待機ジョブに僧侶が生える。
俺も火炎剣で3発叩き込んだ後に、パンチを繰り出す。
……ドガッ、ザシュッ。(非表示 経験値1)
俺の待機ジョブにも僧侶が出てきた。お疲れエマ。
戦士 :体力小上昇 HP微上昇
スキル:ラッシュ
村人Lv5で魔物を武器で倒すだったはずだ。
剣士 :腕力小上昇 HP微上昇
スキル:スラッシュ
村人Lv5で魔物を剣で倒すだったはずだ。
僧侶 :精神小上昇 MP微上昇
スキル:手当て
村人Lv5で魔物を素手で倒すだったはずだ。
「よし、修行が終わったぞ。遊びにいくぞ」
「やったぁ!」
ワープゲートを馬小屋に繋いで俺たちは帰宅する。
やっと初級ジョブをゲットしてスタートラインに立てたぞ。俺には英雄ジョブが無いけどさ……。
今日のあがりは、兎の肉を39個と兎のスキル結晶だ。兎の肉はアンナに言って、村人に配ってしまおう。
「よし、エマ、町に買い物に行くぞ。付き合え」
「行きまーす」
商人ジョブを取得する目的で町に行く。ついでなのはエマには内緒だ。あとは異世界もの定番の石鹸制作セット。どの異世界も、また石鹸かよってのはナシだ。錬金術師ジョブを取得する為だから仕方がない。
俺はバルナバの町の冒険者ギルドにワープゲートを繋げる。探索者ギルドと併設で移動用の絨毯がかかっていたはずだ。
「エマ、町では余計な事を言うなよ」
「わかってますよ」
エマをゲートに押し込んでワープする。カウンターの猫人族のお姉さんは前回もいたな。
回復薬が乏しいので、ついでに買っておこう。
「あら、素敵な装備のお兄さん。何か必要かしら?」
「ああ、綺麗な女性に覚えていてもらって光栄だ。滋養丸と強壮丸を30個ずつ、それとシェルパウダーはいくらだ?」
「あら、お上手ね。まけられないわよ。初級魔物の第2ランクのアイテムは大体160ナールね。シェルパウダーも160ナールよ」
「ほう、では、滋養丸と強壮丸を30個ずつとシェルパウダーも10個だ。そうだなオリーブオイルも10個頼もうか」
「ちょっと待って、計算が出来ないわ」
しっ、しまった、また銀貨が無かった。怒られる……。
60×30+60×30+160×10+40×10だけど、俺はしれっと金貨1枚をトレイに出す。
「げっ、また金貨……わかったわ。ちょっと待っててね」
受付の猫ちゃんに商人のカルクがないのは知っている。奥で数えてきてね。しばらく待つとトレイ2つを持って出てきた。
「こっちの青が滋養丸で、こっちの赤が強壮丸ね」
「ああ、ありがとう。また来るよ」
俺は銀貨を金袋に流し込むと、エマのリュックに他のもの全てを、ざらっと入れる。
よし、俺の商人ジョブの取得条件はこれでクリアだ。
雑貨屋に向かい、エマにも商人ジョブを取らせる。定番の石鹸セットのコイチの実のふすまをどれくらい必要だ。洗濯でも使っているから、小さいの袋のを10個エマに買わせる。あと手鍋だな。丁度あるそれを2つとる。カルロ用の小さいリュックとポーチと水筒、梳き櫛も購入し、全ての支払いはエマに渡した金袋からさせる。
「何か欲しい物はあるか」
「アキラ様の猫ちゃんのマークのズボンです」
「うっ、売ってないぞ。そのうち、大きい町にでも連れてってやる」
だから俺のピューマのハーフパンツは売ってないのよ。よし、これでエマの商人ジョブ取得もクリアだ。
商人 :知力小上昇 精神微上昇
スキル:カルク
村人Lv5で商品の売買だったはずだ。
俺は村人用の装備の足りないものを装備屋に買いに行く。ついでに鍛冶師の伝手も聞いてみるつもりだ。
「やあ、店主。また装備を買いに来たぞ」
「これはこれは、旦那」
村人の装備なので、店頭にスロット付きが無ければ妥協する。皮のカチューシャ、皮の鎧、皮のミトン、皮の靴をそれぞれ3点ずつ購入し、支払いはエマに渡した金袋からさせ、装備をアイテムボックスへと放り込む。
俺は店頭にあるミサンガを手に取り、鍛冶師の話を切り出す。
「ところで店主、このミサンガを卸していた鍛冶師の方はどこへ行けば合えるのかな?」
「むむ、装備のご依頼ですか。スキル融合なら受けて貰えないかもしれませんよ。五日おきに息子さんと装備を売りにいらっしゃいますね。今日は春の7日なので、次は春の10日だと思いますよ。お会いになられますかね」
「どの時間に来れば、居そうかね?」
「いつもは朝方の明るくなってからですね。うちが店を開けたくらいの時間です。装備を卸した後にそのまま探索に行くらしいですよ。素材を自分で取らないと鍛冶師の方もやっていけませんからね」
「ほう、貴族のお抱え鍛冶師以外は大変だな。その鍛冶師の方はブラヒム語が喋れるのか?」
「ええ、ブラヒム語が喋れないと、探索も商売もドワーフ族の領地のドホナ、ドブロー辺り以外では、厳しいですよね」
「ああ、ありがとう。追加でこれを1つ貰おう」
俺は手にしているミサンガ(空き)の支払いをして、店の前にかけてある絨毯からワープで俺たちは帰還する。
どうだ、これで、なんとか鍛冶師の伝手ができるか。伝手ができないと商館で奴隷を探すしかないぞ。そんな金も無いしな……。
「私もアキラ様の水色の装備のような、色付きの装備が欲しいの」
「うむ、皮の装備は肌色だからな。そのうちにな」
さて、初級ジョブは、あと神官か。まだ夕暮れには時間もあるしな。滝というか水の滴っている岩場に行くとするか。
「エマ、まだ夕暮れには時間があるから川遊びに行くぞ。アンナとカルロも呼んでこい。麻の布も忘れるなよ」
「はーい、楽しみ!」
アンナ、エマ、カルロを伴い、俺は岩場にワープゲートを繋げエマに先導させる。ゲート付近に魔物がいた場合、アンナとカルロだとやられるからな。
岩場付近にいたスローラビットは、エマの火炎剣で始末された。フィールドにいる魔物のレベルは高くないのだろう。俺もスローラビットを1匹始末する。ドロップは兎の毛皮
だ。
「アキラ様、ここはどこでしょうか」
「うむ、ここは北の山の中だ。そこの水の滴っている岩場で修行をするぞ。俺が見本を見せるからな。見ておけ」
俺は素っ裸になると、岩の割れ目の水が滴っているところに突っ立つ。ぴちょーん、ポタッ。アンナは、頬を赤らめて俺の股間を凝視するが今更だ。
「ここに立って、頭に水を受けるのが巫女の修行だ」
俺は精神を集中する。金と女のことは考えない。アンナたちに先にやらせなかったのは、俺が悶々としてしまうからだ。
ぴちょーん、ポタッ、ぴちょーん、ポタッ。1分程度だろうか。俺のジョブに神官が現れた。
「よし、なにか閃きのような感じがすれば、神官、巫女への修行は終了だ」
「アキラ様、次は私がやる!」
エマも素っ裸になって岩の割れ目に立つ。すまんな。巫女の修行用の服とか高くて俺には買えないのだよ。
ぴちょーん、ポタッ、ぴちょーん、ポタッ。エマは14歳の未成人だ。裸体は前回の川遊びで見たし、しばらく肉とかの良いもの食わせないと、貧相で特に何とも思わん。
「何も考えるなよ。岩場と一体になるんだ」
「アキラ様凄い。何か頭の中にきました」
「よし、次はカルロが行け。恥ずかしがらずにズバッと脱げ」
カルロも素っ裸になって岩の割れ目に立つ。それにしても村人の子供は貧相だ。
ぴちょーん、ポタッ、ぴちょーん、ポタッ。子供は素直だ。すぐに神官ジョブを取得する。
「よし、カルロも神官の修行は終了だ」
「アキラ様、僕でも神官になれるのですか!」
「いや、お前の将来は村長だ!」
「さて、アンナも巫女の修行をするか?」
「私のような年増でも巫女になれるでしょうか?」
「とりあえず、やってみたらどうだ。何か閃くかもしれないぞ」
アンナも恥ずかしそうに素っ裸になって、岩の割れ目に胸と秘部に手を当てて立つ。
ぴちょーん、ポタッ、ぴちょーん、ポタッ。
アンナは女盛りの31歳で2児の母親だ。しかも色摩の女性版の色女ジョブ持ちだ。これが巫女取得にどう作用するかだな。俺の裸体を見て悶々としてしまったかもしれない。
「アンナ、両手は俺のように胸の前で手を合わせて、目を閉じてみろ」
俺はアンナに手を合わせて拝むように指示する。アンナはちらりと俺を見て同じ姿勢をとる。まずかったかもしれない。俺はまだ素っ裸だ。アンナの髪を伝い、乳房に水が滴っていく。水は秘部の方へも滴っていく。アンナの秘部もキッチリ剃毛されている。やはり毛じらみが怖いよな……俺の新品の股間はすで太さを増している。じっくりアンナの裸体を眺めていると、これ以上はそそり立ってしまい、子供たちの手前まずいだろう。俺の精神も試されている……神官ジョブの取得に滝は要らんかったかもな……。
俺は頭の中のパーティージョブ設定に集中する。どれくらい経っただろうか。ようやくアンナにも巫女のジョブが現れる。
神官/巫女:MP小上昇 知力小上昇
スキル :全体手当て
村人Lv5で精神的な修行だったはずだが、精神上昇効果がないから違うか?
「よくやった。アンナ。巫女の修行は成功した!」
「アキラ様、何か閃きました。ありがとうございます」
「全員の修行が終わったからな。さあ川遊びに行くぞ」
「やったー、川遊びだ!」
俺は滝の岩場から川の岩へワープゲートを繋げる。裸族のエマを先頭に、震える裸のアンナをゲートに押し込んだ。冷たくなったのだろうから、川の水を温めて綺麗にしてやろう。
俺たち裸族4人は、火炎剣で熱した川の水でお湯浴びをするのだった。
春の7日夕方。所持金:金17銀21銅?