スタグナママレード 作:みみみみみ
ゴア表現が過剰な場面が多少あると思います、ご注意ください。
次話以降で、キャラ設定などを広げようと思います
D.e-1 Mold cosm-Rain
私が小さな頃、世界とはひとつの街だった。
家族や友人、日々が大きな都市で緩やかに流れる日常だった。
学校の勉強は難しいし、毎日同じことばかりの繰り返しで街に窮屈な思いを感じることはあれど、不思議と満足していた。
今日だって何かを得て、明日を待つ、そんな1日だろうと断定していた
雨の日に。
頭痛。 雨の音、大きな声がする。音も、崩れる音だ。
降り注いでいる光と瓦礫、穴の空いた建物。
「ぅ、こ、こは」
釣り上げられた意識、ピントの揃い始めた景色。
一変した街の中に映る伏した人、物。
漠然と駆け出したのは長く過ごした場所。安寧の象徴。
思い出の中の景色、変わるはずがないと思っていた
家の、潰れた残骸。
時がたった今でも、今日の心には雨が降る。
過去に思いを馳せながら、色の無い部屋でロウソクを吹き消した。
14回目の、誕生日。
D.e-2
「私達は失敗した。」
それがリーダーの回答だった。
精鋭5人からなるギルド その先導者がそういったのだ。
最初はいつも通り、簡単な、なんてことはない探索だと思っていた。
街の中心にある大きな建造物、通称 星の塔。
この塔からもたらされる遺物は神器と呼ばれ、今日までの人々の生活を潤している。
私達は神器の商売を生業としている巡遊者と呼ばれる存在だ。
危険を顧みず、荒野に連なる星の塔をいくつも、何年間も攻略して来た。
そんな私たちが、今回の、街の低危険度の星の塔で何を失敗したのか。
私が聞くまでもなく、他のメンバーが口を開いた。
「どういうこった、失敗だ?どこがだよ」
「星骸は打ち倒している、あとは、願うだけさね」
「祈願箱はどこなんだ?」
階段上の白い箱、炎の中心のように、太陽の陽射しのように煌煌と白く清純に光を放っている
メンバーの質疑に先導者たる男は重く口を開いた。
「慰めかもしれないが、みんなはよくやってくれた、努力は充分実っていた。」
先程打ち倒した祈願箱の番人である星骸の骸を指差した男。
「...?そいつぁもう倒しただろ、今更なんだってんだ。」
メンバーの言葉の上から被さって、
「それ自体は、そう、鍵、鍵だったんだ。俺たちへの願いへの、そして防衛機構への、鍵でも....」
言い切ると同時に、地面が揺らいだ。
男は僕達を見て、歪に怯えていた。
否、僕達ではない、それよりももっと、上の-
閃光にも似た景色の推移、視界は白く、感覚は鈍く衝撃の一部を捉えて失う。
あの星骸は鍵だ、より強固な防衛網を動かすための。
「ぷぁ...ごォ.....ォ....」
意識があるかどうか、定かではない、
閉じれない口から、耐えず血は溢れ出す。
呼吸はできず、しかし視界だけは鮮明で、身体を貫いて飛散した自身のそれらを鮮明に写す。
赤、赤、赤、たまに黄。
赤ずんだ視界を揺らすと異質な星骸が、皆を蹂躙していた。
複数のキューブで構成された星骸、一部に、見覚えのある......
ブローチ、母に貰った優しい色合いの-赤?
鈍い痛みが腹部に走る
思考を取り戻したのは幸か不幸か、現状を強制的に認識させていく。
あれは僕の腹だ。
カミソリを飲み込んだような痛みと、寒気。
涙の温度を感じるよりも熱くその血は雄弁に語る
死。死。死。
横腹を半分ほどえぐられた状態で、地面に赤の筋道を書き足しながら、化け物と、恐怖から逃げる。
現実からの逃避、仮初の願い。
死にたくない、死にたくないと。
伸ばした手が触れた物に知覚を持たざるまま
星骸の放った光と爆発と、その全てに飲まれていった。
D.e 1.2 カビた空のアメ 序 終
キャラ設定などイラストで投稿いたします。
直近絵を書き始めましたのでご容赦願います