マギアレコード×仮面ライダービルド~NEW WORLD ~ 作:ユウ也
「うう…ごめんなさい…でも何で『何とかなる』なんて言ったんですか?」
「それは…っとそろそろ前ふりの時間がなくなる!さあどうなる第3話」
「…え?ごまかしました?」
「いや、ごまかしてないって」
「さて…なにから手を付けたらいいんだ?」
「一応は手がかりがあるんですけど…」
「そうか!なら…」
「その前に!…いろはちゃんの調整からだろ?」
戦兎といろはが2人で話を進めようとしているとももこが割って入る。ここに来たのは戦兎をあのままにしてはいけないからというのもあるが先ほどみたまが言っていた『調整』という単語…戦兎にはそれがどういうものなのかはわからないが、いろはのプラスになるのなら…と戦兎は思うしかなかった。
「そうでしたね…それでなにをするんですか?」
「ようやくわたしの出番ねぇ~えっとねぇ調整っていうのは、あたしがいろはちゃんの『ソウルジェム』の中にわたしが触れて、貴女の中に眠ってる潜在能力を引き出したり、他の魔力を注いだりするの~」
「潜在…能力?」
「それって…いろはちゃん本人の体に影響はないんだよな?」
「さすがに騙して何かしようなんてことはしないわよぉ~お店は信頼が大事なんだから~」
ふわぁとした声色でみたまは説明しだす。どこかかつて一海と幻徳がしたネビュラガスをさらに入れてハザードレベルを上げる行為を思い出しはして少し顔をしかめてしまう…
「一度経験してみたらいいわよ~びっくりすると思うわよぉ~」
「…本当に魔法少女っていろいろできるんだな…」
親しみやすさもありながらどこかつかみどころを感じさせない雰囲気がやはり戦兎には気になってしまい、警戒をしながらいろはからもらったコンビニの袋から水をだし口に含みだす。その瞬間をみたまは見逃さなかった。
「それじゃあ~服を脱いでそこのベッドに横になってねぇ~」
「わかりまし…えっ!?」
「ぶふぅー!!」
「うわっ!戦兎さん汚いって!!調整屋ぁ…あんまりいじめてやるなよ…」
みたまの突然の一言にたまらず水を吹き出してしまう。いろはも一度頷きかけるもすぐさま自分が今からしなきゃいけないことを思い出し顔を真っ赤にしはじめ、そんな2人のリアクションを見てみたまはただ、笑っていた。ももこはそんなみたまに自分の頭を抱えながら注意をするのだが、これからもおそらくは変わらないだろうとももこ自身は思っている。
「ふふっ♪ウソでした~それに戦兎さんのタイミング的にもベストだったでしよぉ?あっ、いろはちゃんはそこに座ってね~」
「…けほっ…けほっ…どこがだよっ!もう…最悪だっ…」
みたまへの警戒心をどうやらみたまにもばれていたようで、それに対するいたずらもあったようだった。その後ようやくみたまはいろはを椅子に座らせ、まるでお医者さんの問診のような状態になり…
「それじゃ始めちゃうわね?」
「…わかり…ました」
「いろはちゃん、もう警戒しなくていいぞ…多分…」
「いや、ももこちゃんが自信なくしたらダメだろ!」
「も~何個か考えてたんだけどなぁ…それじゃリラックスして~しんこきゅー」
「はい…すー…はー…」
みたまはまだ何かしようとしていたが、みたまはようやくいろはへの調整を行うことにするのだった…
「ゆったり身を任せて、大地に沈むように~深い海に包まれるように~しずかに~…しずかに~」
「はぁー…」
みたまの声色はまさにこういうことをさせるなら天職と言ってもよく、すんなりと心に優しく入り誘導をするような優しい声だった。聞いている戦兎も自然と肩の力が抜けていき『ふわぁ~…』とあくびが出てしまうほどだった。
「それじゃ、ソウルジェムに触れるわよ?」
「はい…」
「いよいよか…」
みたまがそう囁くように言うといろはの手を取りいろはの指についた指輪を優しく包み込むそしていろははまた夢をみる…
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いろはが目を開けるとそこは病室だった。もちろん何かが起きて運び込まれたわけではない。いろは自身が何度も見たことがある景色だ…
「ここは…多分…」
「-!」
辺りを見渡すと後ろから声が聞こえた…いや、声が聞こえたような…そんな気がしたというのが近い。何かがいろはを呼んでいて、そのまま振り替えるとそこには夢で何度も見た女の子がいた。
「やっぱり貴女の病室だ!何回も来たから覚えちゃったよ。」
「-!-!」
いろはに気づいてもらえたのがよっぽど嬉しかったのだろう。女の子はベッドの上で優しく微笑みながらいろいろ話してくれているのだが…
「…やっぱり何も聞こえない…ごめんね…」
やはり今までの夢と同じく全く聞こえない…そこがあまりにも申し訳なさが心に深く刺さる…
「-…」
「ううん!そんな悲しい顔しないで!…ねえ、なんでなの?」
「-?」
目の前の少女も同じように悲しそうな顔をした…その雰囲気が本当に自分とよく似ていて、まるで少し違和感があるだけの鏡を見てるようだった。
「貴女を見てるとね、愛おしくて懐かしくて…教えて?貴女は誰なの?もしかして…私は貴女に会ったことあるの?」
「…」
「ねえ!待って!行かないで!貴女は私の…なんなの…?」
こちらには聞こえるはずはないが、たまらずいろはは自分が持っている疑問をぶつけて見るのだが、女の子が口を開くとどんどん女の子が遠ざかっていく。いや、遠ざかっているのは自分だった…まさに世界がいろはと女の子を引き離すように、2人の間を伸ばしていくそしていろはの意識はそこで途切れる。
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いろはが目を開けるとみたまと目が会った。いろはの目を見たみたまは優しく微笑むどうやら調整が終わったようで…
「どう?体の調子は?」
「…はい、なんだか体がポカポカしてて…」
「おー…成功なんだよな?」
いろはの言葉に戦兎はようやく安心したようで、『ふう…』と一息をつく。戦兎の専門外とはいえ、何か起きたらと思っていたようでみたまへの警戒を解きだす。
「ええ、成功も成功大成功よぉ~でも、最初の内は体のだるさや違和感を感じるかもだけど、少しずつ馴染みだすからねぇ~」
「はい、ありがとうございま…えっとみたまさん…どうしました?」
調整が終わった後のテンプレートのようなことを言い終え、本来なら『お大事に~』と終わりそうなのだが…みたまは本題に入る決意をしたかのように顔をしかめいろはを見つめる。そのあまりの変化ぶりにいろはも釣られるように神妙に…
「どうした調整屋?そんな神妙な顔して…」
「ちょっとね…ねぇ、いろはちゃん…」
ももこからもみたまのその顔に驚く。みたまはようやく決意を固めたようにいろはに尋ねる…
「はい?」
「私ね、ソウルジェムに触れるとその人の過去が見えちゃうの…」
「過去?」
「そう、過去…だからねいろはちゃんのも見ちゃったの…勝手に見たのは謝る…もちろん誰にも言わない…そうでなきゃお店の信頼に繋がるからね…」
「まあ、当たり前だな…でもそれだけじゃないんだよな?」
みたまが申し訳なさそうにいろはに謝る…みたま本人も悪気はないというような感じではあった。しかしその後みたまがいろはに尋ねたのは魔法少女からしたら当たり前すぎることだった。
「…1つだけ聞かせてほしいの」
「…なん…ですか?」
「あなた、何を願ったの?」
「え?」
「ももこちゃん…願いってなんだよ」
「魔法少女ってのはこの力を手に入れて魔女と闘う使命を課せられてるけど、それは願いを叶えてもらったからなんだよ…もちろんあたしもな…」
「まじか!…そりゃ確かに皆頑張るんだな…」
魔法少女の闘いがどれだけ危険なのかは先ほどのいろはの闘いを見ていたからわかっていた。正義感だけでやっていくにはあまりにも大変すぎる…ただ、それを含めてもあんなのと闘うのは割には合わないと戦兎自身は思ってしまう。
「…いろはちゃんが契約をする時に何を願ったのか、覚えてる?」
「もちろんです!…えっと…私は…私…は…あれ?」
(--!!)
「うっっ…!」
「いろはちゃん!!大丈夫か?」
いろはは自分の願いを答えようとしたが浮かばない…自分の一生を左右するような大事なことなのに…そして頭にまた走るのは夢で見たあの女の子の笑顔だった。それがまたいろはの胸に深くささる…
「なあ、本当に調整は成功したんだよな?」
「もちろんよ!…でも…」
「はあはあ…あのこは誰?私の願いと関係があるの?」
戦兎とももこがあわてていろはを支え、戦兎はみたまに改めて尋ねる。みたま自身もあまりのイレギュラーに戸惑いながらいろはを見つめるが、今のいろはにはみたまの顔がボヤけるほどには今のいろはは安定していない…
「いろはちゃん…落ち着いて…深呼吸するんだ!」
「やっぱり…あの小さいきゅうべぇと…何か関係があるんだ!」
戦兎からの声を無視して戦兎とももこを振り払うようにいろはは立ち上がり外に出るドアに向かう。その様子は何かにとりつかれたかのようだった…
「待て!いろはちゃん!今外に出たら…」
「行かせてください!私ら見つけないといけないんです!あよ小さいきゅうべぇを!」
「小さいきゅうべぇって、そんなの見つけてどうすんだよ?」
「私知らない女の子の夢を見て、その子の手がかりがここにあるはずなんです!」
「だからそれと小さいきゅうべぇがどう…」
「同じなんです!あの子を夢で見たときの愛おしさと、今日初めて小さいきゅうべぇを見たときに同じようなのをあの子に感じたんです!だから!この夢がなんなのかをはっきりさせたいんです!」
焦るいろはとそれを落ち着かせようとするももこ…しかしいろははそのままドアを開けて外に出てしまう。戦兎はそんないろはの様子に呆気に取られていた…そしてようやく先ほどの会話に出てきたある単語の謎をももこに尋ねる。
「…なあ、ももこちゃん…その『キュウべぇ』ってのはなんなんだ?」
「…あたし達を魔法少女にしたやつだよ。でもこの街にはもうキュウべぇはいない…いるのはサイズが小さいやつだ…でも戦兎さんには見えないよ…魔法少女かその素質があるやつしかね…」
何もないのに魔法少女になれるわけないってのはわかってはいたが願いという対価があるとはいえ、いろは達を闘わせるようなやつがいると思うと見えないそいつに対して嫌悪感を出していた。
「なるほど…とりあえず追いかけるぞ!」
「ああ、じゃないと絶対あいつに捕まる…」
「…『槍』の魔法少女にか?」
「…やっぱりばれてたか、とりあえず話は後だ!いろはちゃんを…あんた走れるか?」
あの時に隠そうとしていたことに追及をする。本来なら触れちゃいけないことなんだろうとわかっていてもどう危ないのかを聞かないといけないが、今はももこの言う通りいろはの安全が大事…なのだが、ももこがふと戦兎がまさか走っていろはを探すのかと思って心配するのだが…
「俺はバイクでいく。」
「バイク?んなもんどこに…ってスマホ?なんだいろはちゃんの電話聞いたのか?」
何てことない時ならちょっとボケをいれるのだが、今はそんな余裕がないので戦兎はドアの外に出て…
「いや、聞いてねえ。でもな…」
『ビルドチェンジ!』
「うわぉ…」
「嘘だろ…」
『タンクフルボトル』をビルドフォンにいれるとビルドフォンは愛車マシンビルダーに姿を変える。あまりの光景にみたまとももこが驚きを隠せていなかったが、戦兎からしたら魔法少女の方が驚きの固まりではある。
「魔法少女の秘密を教えてくれたからな、俺も俺の秘密1個教えたげただけだ。ふたてに別れて探すぞ!」
「ああ、わかった!!」
バイクに股がり戦兎は街に駆け出していった。
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「どこ!?どこなの?あの魔女は…」
元々いろはは小さいきゅうべぇが入っていた魔女の結界を追っていた。しかし戦兎が使い魔からの幻惑にみせられていたのを追っていて見失ったのだ。もちろん『見捨てた方が良かった』なんていうつもりはなく、どちらかというと自分が負けて倒れていたロスタイムの方が恨めしかった。
「待ちなさい…」
「あの、ごめんなさい…今急いでて…」
「私は待ちなさいと言ったのよ?」
路地裏を通り抜け魔女の痕跡を追っていたのだが…そんないろはの邪魔をするようにロングヘアーの女性がいろはの道を塞ぐ…いろははその横を通ろうとしてもまた立ちはだかる。
「あの、何かしましたか?本当に急いでて…」
「貴女自身が一番よくわかってるはずよ?魔女の…いえ、使い魔に無様に負けたんだから。」
「なんでそれを!?」
『魔女』と『使い魔』そしていろはが負けたことその全てを知っているということは…いろはが頭に答えを浮かべる前に目の前の女性は答えた。
「だって私は…『魔法少女』だから」
「キャッ!…これは…『槍』?もしかして貴女が?」
魔法少女となった女性はいろはに対して槍を振り回すと右腕でガードをした。距離が近すぎたお陰で槍の持ち手でいろはを殴る形になり斬れはしなかったがそのまま吹き飛ばされてしまう。そして槍の魔法少女はあの時いろは達を助けた魔法少女のはずだった。
「あら、一緒にいた男の人から聞いたのかしら?でも、それならわかるでしょ?貴女との実力の差が…早く自分の街に帰りなさい?」
「…でも…私はいかないとなんです!」
いろはが苦戦をした大量の使い魔を一瞬で屠ったとは聞いている。その時点であの時の自分よりも確実に強い…それでも今のいろはは突き進むしかないのだ…
「…はあ、だったら…私を超えていきなさい?」
「…いきます!!」
(速くそして重くなった!これなら…)
「無駄よ!」
『越えるだけ』それだけなら相手を傷つけることもしなくていい…いろははそう思うと相手の足元に矢を放ち相手の視界を土煙で奪う。その矢は先ほどまで自分が撃っていたものから明確に威力が出ており先ほど受けた『調整』がプラスに働いている証拠だった。
しかしそんないろはの甘さを突くように…その煙をまっすぐ突き抜けてくると、槍を逆手での持ち柄の部分でいろはの胸を突く。
「ぐはぁっ…」
「…やっぱりね…貴女は甘い…普通なら殺すつもりで来ないと…」
「そんなの…できません…」
目の前の女性は淡々と、アドバイスをするように言うのだがそれでもいろはは立ち上がるのだがそのいろはに驚き目を丸めはするが…
「はあ、だったらもう少し痛い目を見てもらおうかしら?」
「っっ!」
「なっ…」
「…え?」
わざわざ近づき槍振り下ろそうとするのだが…しかしその槍はいろはには当たらず、地面を抉るだけだった。
その光景に槍の魔法少女はもちろんいろはも困惑していたのだが…
「よっ、お待たせ…」
「え?なんで?」
「どういうこと?あなたの動き…普通じゃないわよ?」
槍の魔法少女は自分の後ろからいろはともう1人の声がしたことに敵意と警戒のレベルをマックスにして槍を構える。
いろはは今戦兎からお姫様抱っこで抱えられていた。その様子にいろはが混乱しながらも優しく笑みを浮かべ安心させる。
「いったい…何が?」
「なぁに俺も魔法を使っただけだ、『科学』って魔法をな。」
『ラビットフルボトル』を見せてどや顔をしながらボトルを振る。あの時槍を振り下ろす直前にいろはを見つけた戦兎は『ラビットフルボトル』を振り自身の身体を強化させていろはを救ったのだ。
「あなた…誰なの?」
「俺か?俺は桐生戦兎…またの名を…」
『ラビットフルボトル』の相方である『タンクフルボトル』を持ちそれをしゃかしゃしゃかとふりはじめる…そしてそれをベルトにいれると…
『ラビット!タンク!』『ベストマッチ!!』
軽快な音声が流れそのままベルトを回すと何かを作るかのような音がながれ、そのままベルトからどんどん管が伸びていき、その管にどんどん赤と青の2色の液体が流れていきそれが満たされると…
『Are you ready?』
「変身!!」
まるでサンドイッチを作るようにその2色の金型が戦兎を挟むと…戦兎の姿は変わった。
「…まさかあなたが噂の…」
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』
「…戦兎さん…あなたは…いったい?」
「俺はビルド…仮面ライダービルドだ。」
(だからあの時…)
あの時自分の前に立ち、使い魔と闘おうとしたのがわかってなかったが、ようやくわかった…戦兎が魔法少女とは違う闘える存在なのだと。
そういえば来週マイスがないらしいじゃあないですか…まじでショックすぎる…