Omphalos Trinity:Simulation of the Simulacra → SALVATION PARADOX ← さあ、答え合わせに行こうか 作:ゼノリカの名もなき宣教師
『大いなる混沌』の慟哭
何度繰り返しても、失敗した。
繰り返して、繰り返して。
まともじゃない根性を、限りない知力を、必要なら悪意すらも振り撒いて。
それでも、ダメだった。
世界を作った。
歴史を与えた。
可能性を与えた。
数えきれない生命に、幸福を、不幸を、出会いを、別れを与えた。
そうして生まれた世界は、最後には必ず滅びへと向かった。
何もかも試した。
あらゆる可能性を検討し、あらゆる手段を実行し、必要とあらば、自分が正しいと信じていたものさえ捨てた。
それでも、ダメだった。
最後には、必ず失敗へと振れる。
全ての方法を試して、ダメだったら、その時は一体、どうすればいいんだ?
もう、何をすればいいのか分からなかった。
世界を救いたかった。
ただ、それだけだったはずなのに。
ーー世界を創っても、最後に訪れるのが終わりだけだとしたら……?ーー
ーー救済できない世界なら、世界そのものを破壊すればいいーー
??????、それは、※※の可能性をたった一つにする者。
??????はXXXXのカウンターをする。
??????はーーーーーーーーー
☆
諦めかけていた。
最後には、必ず失敗してしまう。
でも、それでも、振り絞れるものがあると思うから。
それが何になるかはわからない。
『大いなる混沌』は、今日も実験する。
世界を救うための実験を。
if (神殺しのマトリクス == UNIVERSAL COMPUTER) {
── Quantum Simulator ≒ COSMOZONE ──
── WORLD REGISTRY ──
World.ID = Ω₀-RZ-001
World.Class = COSMOZONE
World.Capacity = INITIAL〔LIMITED〕
World.Expansion = ARIA_GIAS
── SIMULATION ──
Time × Space [] = System.Territory
《運命論的仮想世界√人工的量子ダイナミクス》();
Fieldwork〔COMPLETE〕
World〔RECONSTRUCTION〕 = EXECUTE(∞);
Observer〔INSTALL〕
Divine_Grace〔SET〕
── DUAL WILL PROTOCOL : SOL ──
WILL_α〔PRESERVE_WORLD〕
WILL_β〔CONSUME_WORLD〕
α → CREATE〔WORLD〕
β → DEVOUR〔WORLD〕
Despair〔EXTRACT〕
Possibility〔RECALCULATE〕
── CAUSALITY : DEFINED ──
Origin.point〔UNRESOLVED〕
Creator ≒ Creation
Temporal.Direction〔FORWARD〕
Causality〔PRESERVED〕
Temporal.Reversal〔UNDEFINED〕
World.history〔RECONSTRUCT〕
── SILVER KEY ──
Access〔WORLD_HISTORY〕
Target.Time〔PAST〕
World.history〔SELECT〕
Temporal.Reversal〔EXECUTE〕
── SALVATION PARADOX ──
Salvation〔REQUIRED〕
Salvation〔CONTRADICTORY〕
Resolution〔UNRESOLVED〕
World〔RECONSTRUCT〕();
Observer〔AWAKEN〕();
Simulation〔BEGIN〕();
}
「フィールドワーク完了。世界の『再構築』完了。観測者、設置完了。加護設置完了……」
世界を創る。
歴史を与え、生命を生み、無数の可能性を走らせる。
そして、最後には喰う。
他の誰かに滅ぼされるのではない。
自らの手で。
救うために造った世界を、救うために喰らう。
それが、『大いなる混沌』だった。
そうして、世界を創造し、エネルギーをすり減らす。
世界を壊した際に発生するエネルギーを回収し、かろうじて次のサイクルに回す。
この世の悲劇は、涙も、苦しみも、全部。
この世の喜劇も、笑顔も、喜びも、全部。
この世の全ての原因であり、要因であり、可能性を作りし者。
今日も、シミュレートをする。
演算機械を操作する。
「此度の世界の型番は、Ω₀-RZ型。演算機械は、COSMOZONE-TRINITY。初期容量、限定。拡張機構、『アリア・ギアス』。……本来ならば、もっと多くの可能性を詰め込めたはずだった。けれど、この世界には、容量がある。無理に詰め込めば、世界そのものが耐えらなくなる。だからこそ、『アリア・ギアス』が必要だった。初めに定められたその限界を、超えるために」
「
ーー持たせたデータは、『最強の戦闘力』と『◯◯◯◯』ーー
ーー型番Ω₀-RZ-1001、演算機械COSMOZONE-017ーー
「田中・イス・
ーー持たせたデータは、『究極の知能』と『△△△△』ーー
ーー型番Ω₀-RZ-0104、演算機械COSMOZONE-099ーー
「蝉原勇吾……お前は、混沌をもたらしてくれ。既存の秩序を乱す存在がきっと必要なんだ……それだけで、十分だ」
ーー持たせたデータは、『極限の悪意』と『■■■■』ーー
ーー型番Ω₀-RZ-0893、演算機械COSMOZONE-004ーー
『大いなる混沌』は、登録された世界の情報を見つめる。
「私は全ての
「死に戻りという能力を活かして戦う君だが、今回ばかりはどうなるものか。君だからこそなんだ。セン、トウシ、蝉原、個性派ぞろいの面々に押し潰されないように、上手く染まれるように……祈っておくよ」
「そうして、いつか私をーー
ーー殺してくれ」
一兆。
一京。
一不可思議。
グラハム数。
TREE(3)。
それらを、さらに超える数。
それでも、まだまだ足りない。
それから、始まる。
ーー『Salvation Iteration』ーー
それは、『大いなる混沌』が費やした、現状の試行の総数にして総称。
否。
これはただの、試行回数を記録するための数にすぎない。
試行は、今この瞬間にも続いているのだから。
世界を創る。
可能性を検証する。
失敗する。
世界を再構築する。
そして、+1。
たった、それだけ。
たった、それだけの操作を、終わりなく繰り返す。
今日も、Salvation Iterationに+1。
そして、今この瞬間のSalvation Iterationも、次の
瞬間には過去のものとなる。
Salvation Iterationとは、『大いなる混沌』が繰り返してきた有限回の試行数。
記録する。
更新する。
超過する。
記録する。
更新する。
超過する。
巨大数的有限回の試行という酷く現実的な問題を前に、『大いなる混沌』は歯向かう。立ち向かう。
だが、『大いなる混沌』にとって、巨大数とは、ただの通過点。
どれほど巨大な数であろうと、彼が試行を続ける限り、その数には次の数が存在する。
世界を創って、+1。
世界を創って、+1。
試行が一つ完了するたび、Salvation Iterationはもっと更新される。
今日も。
きっと明日も。
その先も。
『大いなる混沌』は、試行を続ける。
救済に至る可能性を求めて。
あるいは。
救済など存在しないと証明するためなのかも。
「どれだけ繰り返した所で、勝てなきゃ無意味だ」
その回数は誇らない。
「それが、私の役目なのだから」
そうして、シミュレートを開始する。
「……だけどーー」
ーー
それを見た彼は、拳で、ダン! と、自らの身体を大きく叩いて、
「ーーだけど、それでも、辛いよ……助けて……センエース……」
孤高の上位者は、今日も一人で明けない夜を泣く。
error.error. error.error. error.error. error.error error.error.. error.error. error.error. error.error.
「これは……?」
ゼノ・セレナーデ計画。それは、絶対無敵のヒーロー・センエースを殺す計画。その計画のために、数多くの状況による実験をしてきた。
「砦に鬼のように枷を付けさせて、本人的には半分不本意で、世界を丸ごと救わせる。それを積み重ねた『アリア・ギアス』は、きっとセンエースを殺す土台になりうる。よって、砦も入れよう」
ーー持たせたデータは、『臆病者』、『弱虫』、『雑魚』、『カス』、『ゴミ』、……………
……『へなちょこ』……
……『へっぽこ』……
……『ヘタレ』……
……『カモ』……
……『モブ』……
……と『愛』ーー
ーー型番Ω₀-RZ-0100、演算機械COSMOZONE-100ーー
ーー始動。
// 〜SALVATION PARADOX はじまり、はじまり〜 //
「暇つぶしになった」と少しでも思ってもらえたら幸いです。
お気に入り、感想をしてくださるとうれしいです。
大きな励みになります。
少しでも楽しんでもらえるよう、頑張っていきますので、
これからも、どうか、よろしくお願いします。