幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく   作:一般通過きなこ餅

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~前回のあらすじ~

ダイスの女神という名のクソビッチの悪意としか思えない、悪辣なボスを引いた事でピンチに陥った透と静。
だが運命は彼らを見捨てておらず、透は緊急回避じみた変身を行い窮地を脱する事に成功する。

なおその結果、透は女体化を強制される状態になった模様。


母親からのお叱り部分を大幅に改定しました。
確かに冷静になってみると、大分アレだなと思った故に!!

お詫びに次回はめっちゃ頑張ります、頑張ります(震え声)


10.信じて送り出した息子が娘になって帰ってきたでござる の巻

 

 

空が薄暗くなり始めた夕刻。

俺と静は今とある一軒家の前に立っていた。

その一軒家には『賽目』という表札がかけられている。

 

 

「……はてさて、どのように説明すべきか」

 

「だ、大丈夫だよ透! ボクからも一生懸命説明するから!」

 

 

そして俺と静は到着してから5分間ぐらい、家の前で立ち往生している。

理由は今現在の俺の姿が理由なのは言うまでもない。

 

側頭部から後方に向かって伸びる一対の金色に輝く角に、耳の後ろに生えた羽角。

その美貌は見る者を魅了するほどであり、家路に向かう途中で何人もの男女に振り返られ二度見されるほど。

腰まで届くほどに長い金糸のような髪は光を受けて輝きを見せている。

 

 

「うぉっ、でっけ……」

 

「でっか……」

 

 

ついでに俺達の後ろを通り過ぎたと思われる少年達の目線が背後から聞こえてくる。

恐らくは女性としては高身長に分類する今の俺の姿、ディーヴァの身長の事を言っているに違いない。

 

男のチラ見は女のガン見と言われる話の根拠を、まさか俺自身が体感するなんて思いもしなかった。

でもそりゃ見るよな、だって歩いてる時も弾んで揺れるぐらいで自分自身でもでっけぇって思うもん。

 

 

だがここでまごまごしていても話は始まらない。

俺は大きく深呼吸をすると、静と共に玄関の扉の前まで進み自宅のカギを鞄から取り出して差し込む。

更衣室に財布とスマホと鍵を預けてて本当に助かった、もし本体が持ったままだとガチで詰んでたかもしれん。

 

 

「……ただいま帰ったのじゃ」

 

「お、お邪魔します」

 

 

いつものようにただいまと言ったつもりだが、口をついて出てきたのは尊大な物言いの言葉。

そして俺に続くように静が玄関の扉を潜る。

 

 

「はいはーい、どちらさ、ま?」

 

 

玄関からの女性の声に俺の母さんがリビングに繋がる扉を開けながら顔を出す。

あの顔は鍵をかけ忘れたのかと若干不振がっていたようだが、見慣れないにもほどがある俺の姿に母さんは目を丸くした。

 

 

「あら静ちゃんじゃない、久しぶりね。こちらの方はお知り合い?」

 

 

視線を彷徨わせた母さんは見慣れた狐耳を持つ少女こと、静へ視線を向け笑みを浮かべ。

俺のことを視線で示しながら、お前誰やねん的な問いかけを行う。

 

 

「あの、透のお母さん。落ち着いて聞いてください……こちら、透です」

 

「……ハァ?」

 

 

静の言葉に母さんが今まで俺でも見た事が無い顔をした。

だが即座に思考を立て直したのか深呼吸をすると口を開く。

 

 

「ちょっと冗談はやめて頂戴、うちの息子はこんな美人さんとは似ても似つかないすっとこどっこいよ。第一性別どころか種族も違うじゃない」

 

「そ、そうなりますよね……」

 

 

母さんの猛攻に静がたじたじになる、この流れはマズイ。

下手すると俺が不審人物扱いとなって、家から追い出されるの待ったなしだ。

 

 

「時に母上」

 

「あのね、あなたに母上なんて呼ばれる筋合いは……」

 

「今年の夏に爺上の三回忌があるが、伯父上が相続した土地から見つかったダンジョンをどうするかは決まったのかの?」

 

 

俺の言葉に不信感を隠すことない母さんが俺を睨みつけてくるが、続けて放たれた俺の言葉にぽかんとした表情を浮かべる。

 

祖父が亡くなった際に遺産分割で大分揉めたのだが、母は早々に遺産争奪戦から離脱。

母の兄である伯父が土地を丸ごと相続して一旦終結したのだが、相続した土地でダンジョンが発生。

遺産相続ならぬ押し付け合い大乱闘スマッシュブラザーズ開催ッ!となったのが去年の話である。

 

ダンジョンが湧いたら管理義務やら届け出やら管理費用やらがとにかく面倒らしいからね、しょうがないね。

 

 

「その話を知ってるのは私の家族とお父さん、それと透ぐらい……」

 

 

親戚の集まりのたびに面倒くさい話が飛び交う事に疲弊した母さんが、缶ビール片手に愚痴っていたのを俺がある日聞いたわけだが。

この話は固く口止めされており、知っているものは自然と限定的となってくる。

 

隣に立つ静がそうだったの!?と言わんばかりにこちらに視線を向けてくるが、コラテラルダメージと言う事で一旦スルーする。

 

 

「それと最近晩酌が盛んになった結果減量も始めたのう、豆腐祭はそろそろ勘弁してほしいものじゃ」

 

「うぐっ!?」

 

 

こちらの話を聞く姿勢を見せた母さんに畳みかけるように、最近の母さんのダイエット事情を続けて畳みかける。

俺はまぁ食わせてもらってる立場だからいいけど、父さんが気の毒だぞせめて焼き魚は出してあげてほしい。

 

 

「……私のトップシークレットまで知っている、それに静ちゃんの証言……」

 

 

考え込みブツブツと呟く母さん。

これは、いけるか……?

 

 

「……ごめん、それでもその姿を見るとちょっと信じ切れないわ」

 

 

そして続いて放たれた言葉に俺は無意識に肩を落とす。

多分今の俺は前世で話題になった、しわしわ顔の電気ネズミ探偵みたいな顔をしているに違いない。

 

 

「…………その分かり易い落ち込み方、あんた本当に透?」

 

「……その通りじゃ」

 

 

俺のその表情と落胆ぶりに何か察するものがあったのか、母さんは確信を得たような顔をして俺へと問いかける。

まさかの判断基準に俺は母親とはそういうものなのかと考えると共に、理屈で抑え込もうとし過ぎた事を反省する。

 

 

「それはそれとして私と家の秘密を、隣に静ちゃんいるのに口走った件は後で詰めるからね」

 

 

だがそれはそれとして、母さんなりにトップシークレットだった案件を漏洩した罪は重いらしい。

 

 

「そうと決まれば上がりなさい、お父さんにもメールしないと……ああちょっと待ちなさい、水桶とタオル出すから足を拭いてから上がりなさいね」

 

「忝いのう」

 

「なんで一々尊大で古風な物言いなのよアンタは」

 

 

そう告げると母さんはスマホでメールを打ちながら一度奥へ引っ込み、タオルと水桶を持って玄関に戻ってくる。

俺はソレを受け取ると体が慣れているかのようにここまで素足で歩いてきた、竜のような足を洗いタオルで水気を拭きとってからフローリングの床に上がる。

 

上がってから爪で傷つけるんじゃね?と心配になったが、この体は慣れた様子でしかし優雅に爪を立てる事無くフローリングの上を歩き始める。

 

 

「静ちゃんも上がっていきなさい、悪いけど色々聞かせてほしいわ」

 

「は、はい!」

 

 

そして母さんは静にも声をかけると、リビングに俺達二人を誘う。

母さんはリビングに入るとリモコンで点けっぱなしだったテレビの電源を切り、俺達に着席を促しながら自身も椅子に座った。

 

俺と静は互いに顔を見合わせ合い、軽く頷くと二人並んで母さんの対面にある椅子にそれぞれ腰掛ける。

……背もたれがある椅子だと尻尾が邪魔だな、ちょっと工夫せんとちゃんと座れん。

 

・

 

・

 

・

 

・

 

・

 

俺と静は母さんに全てを話した。

二人でダンジョンに潜っていた事、ある日才能の開花によって俺が変身出来るようになったこと。

 

そしてそれからとんとん拍子に二人でダンジョンに潜り続け、そして命の危機に陥るしっぺ返しを受けた事や……ダンジョンで頑張らないと男に戻れないことまで。

 

俺達二人の話を聞いた母さんは途中相槌を打つことはあれども、口を挟むことなく話を聞いていた。

そしてすべてを語り終え、部屋の中に時計の秒針が動く音だけが響く。

 

 

「……話は理解したわ、理解できないところも多々あったけど。透が実際こうなってるのが証拠よね」

 

 

母さんは腕を組み大きくため息を吐くと、眉間を揉み解して俺達二人を真正面から見据え。

安堵したようなしかし複雑そうな笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

「二人とも無事帰ってきてくれてよかったわ」

 

「で、でもボクが好き放題やったから……!」

 

「否、妾がもっと……」

 

「喧嘩しない、確かに二人とも悪い所は確かにあった。でもそれ以上にダンジョン探検は危ない事なのに、しっかり止めなかった私が一番悪い」

 

 

母さんの言葉に静は慌てて椅子から立ち上がり、深く頭を下げて泣きそうになりながら謝罪する。

俺もまた静かにつられるように立ち上がって口を開くが、母さんはお茶を一口啜ると俺達二人を窘め。

 

俺達二人に悪い所はあった、だがそれ以上に親の責任として自分が止めるべきだったと告げる。

その言葉に俺と静は言葉を返す事が出来ず、そろって俯く。

 

そんな俺達の様子に母さんはわかっているなら、それでいいのよと言わんばかりに頷くと。

 

 

「でも二人は生きて帰ってこれた、それなら次は同じ事しなければいいじゃない。それと遅くなったけど……透、おかえりなさい」

 

「……ただいま、なのじゃ」

 

 

母さんの優しい言葉に俺は胸が詰まる思いを感じながら、遅くなった帰宅の言葉を口にした。

俺の言葉に母さんは満足そうに頷くと両手をパンパンと叩く。

 

 

「はい、これで湿っぽい話はおしまい。ここからは今後の重要なお話をするわね」

 

 

そう告げると母さんは立ったままの俺と静に着席するよう促す。

有無を言わせない様子に俺と静は顔を見合わせると、おとなしく椅子に座りなおした。

 

 

「私はダンジョンはよくわからないけど、テレビに出てくるクロウラーの人達は4人とか6人で潜ってるわよね?」

 

「うむ」

 

「……はい」

 

 

母さんの問いかけに、俺と静は同意の言葉を返す。

身も蓋もないことを言えば、対策しないといけないと考えながら二人のまま活動していたのが根本原因の一つなのだ。

返す言葉がないというのは、まさにこのことと言えよう。

 

 

「ダンジョンに潜るのは止めろって言いたいところだけど、そうするとアンタずっと女の子のままよね?」

 

「……うむ」

 

 

どうしたものかと考える態度を見せながら問いかけてくる母さんの言葉に頷く俺。

ダンジョン潜りをやめさせたい気持ちと、そうも言ってられない気持ちがぶつかりあってるかのような苦悩を母さんはしばらく顔に浮かべ。

何か決めたと言わんばかりにパン、と勢いよく両手を叩いた。

 

 

「よし決めた、これから二人でダンジョンに潜るの禁止。最低でも4人揃えて潜るようにしなさい」

 

「あの、いいんですか?」

 

 

息子に近づくなと言われることも覚悟していた、そんな感情が表情に出ている静の問いかけに母さんは苦笑いを浮かべて口を開く。

 

 

「流石の私も美人ママとはいえ、こんな美女を娘に持つなんて落ち着かないからね」

 

「ありがとうございます!」

 

「美人ママ……」

 

「お黙りバカ息子」

 

 

母さんの言葉に先ほどまで耳と尻尾を力なく伏せていた静の耳と尻尾は勢いよく立ち上がり、静は椅子から立ち上がってテーブルに頭をぶつける勢いで母さんにお礼を述べる。

一方俺は母さんが自称した美人ママ発言が若干ツボに入り、母さんに睨みつけられていた。

 

 

「それとこれはお願いの範囲なんだけど……透の普段着とかそういうのをこれから揃えるの、手伝ってもらってもいいかしら? 狐森さんのお宅には私から伝えておくから」

 

「はい!」

 

「妾に拒否権は?」

 

「あるわけないでしょ、何そのスケベな恰好。そんなもので往来歩かせるわけにいかないわよ」

 

 

既に夕方どころか夜になりそうな時間なのだが、どうやら俺はこれから着せ替え人形にされることが決まったらしい。

誰か助けてくれ、なんなら俺の心象風景の中に居座ってる爆乳狐巫女でも……いややめとこう、あれが出てきたら本格的に収集がつかん。

 




母親目線で顔立ちは悪くないけど、モテる努力してないバカ息子。
それが帰ってきたらドスケベ女体なドラゴン娘で帰ってきた時の母上の衝撃。

なお父親はメールで概略は知らされているが、実の息子が変貌した姿をまだ知らない。

AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?

  • どちらでもよい
  • AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
  • AI絵ならいらない
  • お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)
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