幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
濃厚に風呂やらトイレやらのシーンも入れようと迷ったのですが、そればっかりやると話が進まない問題が発生する不具合。
俺が女体化してから三日目の朝。
いつもより少し早い時間帯の通学路を、俺は静と共に歩いていた。
「本日から学舎通いか、憂鬱じゃのう」
「大丈夫だよ透!ボクもサポートするから!」
「小狐や、頼りにしておるからのう」
恐ろしく窮屈に感じる女子制服に包まれた自らの胸元を見下ろしながらボヤいた俺の言葉に、隣で歩く静が耳をピンと立てて頑張る事を主張する。
いやマジで頼りにするからな静、いろんな意味で。
と言うか母さんが学校に報告してから爆速で女子制服届いたから、ヤニクロで買ったフォーマルっぽい服の出番がなかったのがちょっと勿体ない気もするが。
母さん曰く、必要になるかもしれないから問題ないとのことだった、いいのかそれで。
ちなみに俺のタンスの中にあった男物は全て収納され、物置の奥にしまい込まれた。若干切ない。
「おはよー狐森さん、隣の美人さんは転校生?」
「おはよう、えっと……」
そして早い時間とはいえ通学路を歩くという事は、ちらほら学生もいるという事だ。
先ほどから男女問わず俺に向かって視線を向けられているのを感じる中、静の友人である同級生の女子が声をかけてきた。
その女子の言葉に静は一旦言い淀み、言ってよいかと確認の視線を俺へ向けてくる。
どうせ早いか遅いかの違いだから問題ないと俺は判断、静の視線に対して頷いて応じた。
「経緯は端折るけど、透だよ」
「そんな、見た目どころか性別までがっつり変わってるじゃない。どういう事?」
「仔細は級の集まりで教諭から話がある、そこまで待つが良い」
「うっわ声まで美人、というか喋り方とかも変わってるじゃない」
女子は静の言葉に信じられないとばかりにたまげた様子を見せ、俺に対して詳細を求めてくる。
だが俺は敢えて説明責任をスルー、詳しくは担任から話があると告げて歩みを進めた。
今からでも帰りたいと思うのは、女々しいだろうか……。
だが俺の感情とは裏腹に無常に俺達は学校に到着。
始業時間が訪れてしまった。
「おい、あの女の人誰だよ……?」
「俺も知らねえよ、確か狐森と一緒に登校してきたよな?」
そんな具合に周囲から奇異の視線をぶつけられ、ひそひそ話を聞きながら俺は自身の席に座っていた。
凄い勢いで好奇の目を向けられ話題の中心になっている、だがそれもしょうがない。
俺が逆の立場だったら二度見どころか三度身するわ、こんなん。
ちなみに席の机はそのままだったが、椅子は尻尾がある種族用のモノに代えられていた。
先生方、そして学校の配慮が正直有難い。
「それじゃあ賽目、先生達はお前のご両親から事情は聞いているが……改めて、お前からクラスの皆に説明を頼む」
「心得た」
担任である人間の先生に指名され、俺は思考を振り切るように勢いよく立ち上がる。
その際下着で押さえているのに豊満な胸が揺れ、男子たちの視線が一極集中したのを感じた。
「妾は賽目である、だが才能の力が暴走したことでこうなった」
いつもの俺と異なる口調に、話そうとしていた内容が変換されるのを感じながら説明を始める。
時折小さくマジかよ、という声や困惑する女子の声が聞こえるが構う事なく言葉を続ける。
「いずれ元に戻れる目算はあるが目途は立っておらぬ、その間混乱を招くやもしれぬがよろしく頼む」
「と言う事だ。見た目は変わったが中身は賽目だから変なことは考えないように」
俺が説明後着席したのに合わせ、先生は言葉を続ける。
変なことて、中身は俺だぞ……と言いたいが今日に至るまで男から向けられた視線を考えるに、本能と理性は別と言う事を何となく理解した俺は何とも言えない顔をするしかできなかった。
しかし一方で別の不安が生じたのか、一人の女子が挙手する。
「あの、先生。いいですか?」
「どうした?」
「賽目君が大変な状態なのは理解したんですけど、その、着替えとかトイレはどうするんですか?」
挙手した女子は先生に続きを促され、ちらちらと俺に視線を向けながら先生へ問いかける。
そりゃ女子にしてみたら大事な問題だわな、今はこんな体になったとはいえ中身は男であるわけで。
コレが永続的って話ならまだしも、いずれ男に戻るというなら気になって当たり前と言えよう。
「それについては教員用の更衣室とトイレを使わせる形で話がついている、生徒達に負荷は加える事ないから安心しなさい」
「わかりました」
先生からの返答に女子はホっとした表情を浮かべて手を下す。
ソレはいいんだけど、クラスの中から男子共の残念な溜息や声が聞こえたぞオイ、お前ら正気に戻れ。
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それから俺は激動の一日を過ごす事となった。
女子達に囲まれては質問攻めにあい、元男だというのに女子曰く完璧なスキンケア状態であることに嫉妬されたり髪を弄られ倒したり。
そうかと思えば今度は男子に囲まれ、やれ風呂やトイレはどうなんだという下心丸出しな質問をするやつもいれば。
才能で変身するという状況に、他にもバリエーションがあるかと聞かれたり寝る時はどうしてるんだという話で質問攻めにあう事となった。
幸いと言うかなんと言うか、胸を揉ませろだのそういうエロ根性丸出しな事を言う同級生はいなかったのが救いだな。
もしかすると考えなかったワケじゃなかったが、女子の目がある手前おとなしくしてただけかもしれんけど。あいつら目線が胸に集中してたし。
「……草臥れたのじゃ」
「透、お疲れ様」
終業のチャイムが鳴り、椅子から立ち上がる気力もなくした俺は机に突っ伏して呟く。
そんな俺に静は駆け寄り、ねぎらいの言葉をかけてくれた。
静は朝の言葉通りに俺と女子の間に仲立ちして、色々とサポートをしてくれたのみならず。
男子に囲まれた時は少し離れたところから睨みを利かせてくれていた、静がいなければもっと大変だったのは想像に難くない。
だがそれよりも地味にショックなことがあった、それが一番俺の疲労感に繋がっていた。
「しかし同級生は誰一人、ダンジョン探検の面子に加わってはくれんかったのう……」
「そうだね……」
そう、俺は女子や男子に囲まれた時にダンジョン探検の為に追加メンバーを募集していた。
だが級友達の反応は芳しくなく、手が空いてたら手伝うとは言ってくれたものの積極的に毎日潜るメンバーとして参加する返事はもらえなかったのである。
まぁそりゃ、うん、大体ダンジョンに潜ると言っても一週間に1~2回のペースが学生にとっては当たり前だ。
そんな中平日は毎日潜っている俺達は大分異端と言えるし、そんなガチガチにやってる二人組に混ざるのは勇気がいるだろう。
ついでに言えば級友達も知っているレオスの姿ならともかく、今の俺は彼ら彼女らにとって未知数と言えるドラゴン女……手放しで参加するにはリスクが多いと判断されたのだろう。
「攻撃魔法や支援魔法、それらを使えることを喧伝したんじゃがのう……」
「興味を持ってくれる子は結構いたけどね……」
今この姿は本来のウィザードLv20と比べ大きく弱体化した、ウィザードLv10状態。
それでもファイアボールを1日3回撃てるし、切り札のドラゴンスピリット召喚も行える。
ただまぁ、悲しい事に現時点では自己申告以上のモノが出ないのも事実なので、こればかりは結果を出すしかない。
問題は結果を出すのも2人体制だと出来ないってところだな!
「おとなしく、学校のダンジョン実習で実績を積むしかないかもね」
「ぐぬぬ」
静が耳と尻尾を力なく垂らしながら呟いた言葉に、業腹ながらそれしかないかと考える俺。
しかし、その時意外なところから声がかかった。
「おい狐森に……賽目、さっきの話は本当か?」
「……五条君じゃない、どうかしたの?」
意外や意外、声の主は我がクラスが誇るチンピラコンビの片割れこと五条であった。
一方静はゆらりと尻尾を振り、近付いてきた五条に警戒を滲ませる。
「真か嘘かと問われれば真実じゃ、妾らは面子を切に必要としている」
「そうかよ」
五条の言葉に俺は向き直ると、腕を組んで五条の言葉を肯定する。
一瞬五条の視線が俺の胸に行きかけるが、五条は無理やり俺の顔に視線を向けた。
こいつチンピラだけど根性あるな。
「細けえ事は抜きだ、お前ら俺達と組め」
「主は妾を毛嫌いしておった筈じゃが、どのような風の吹き回しかのう?」
「狐森の戦力にてめえが主張する魔法使いの能力、それがあれば難易度がたけえ所にもいけるだろ」
こういう困った時に助け合う関係ではないという認識から困惑する俺と静。
思わず尊大な口調で五条に問いかければ、五条は忌々しそうな表情をしながら上を目指すために戦力が欲しいと語る。
「難易度が高い所、というが……妾らは学生ぞ? 潜れるダンジョンは限られておろうに」
「お前知らねえのかよ、古戦場跡ダンジョンなら学生でも行けんだよ。市立バス一本で行ける」
「なんと……知っておったかのう、小狐や」
「ううん、ボクも初めて知った……」
突如明かされる新情報とばかりに、古戦場跡ダンジョンは学生でもいけるという事を知って驚愕する俺と静。
だが言われてみればあそこは中学の実習でも足を運ぶダンジョンだ、学生でも入れるように法整備されているのかもしれない。
五条が何故こんなにも上を目指したがるのかまでは解らないが、少なくとも今の俺達と五条の思惑は一致している。
「主の相棒、四辻とやらに聞かなくても良いのかの?」
「これはアイツが言い出しっぺなんだよ、クソがその癖アイツ家の手伝いがあるとか抜かして逃げやがって……」
どうやらこの奇妙な共闘の申し出は、今はここにいない四辻の提案だったらしい。
その話をつけるよう言われた五条にとっては、不本意極まりなかっただろうにそれでも持ち掛けてくるというのは、本気であると見て良いかもしれない。
「小狐や、妾はこの申し出受けても良いと考えておるが……お主はどうする?」
「んーー……透がいいならいいよ、だけど五条君達が変なことしたら。 その時は覚悟してもらうからね?」
「しねえよクソが」
俺の問いかけに静は大分迷った様子を見せながら、俺がいいなら拒否しない姿勢を示す。
その一方で五条に対してジト目を向けながら釘を刺す事は忘れず、釘を刺された五条は誰がするかといわんばかりに不愉快そうに言い捨てた。
それならば交渉成立だ、俺は椅子から立ち上がると五条へ向けてほっそりとした右手を差し出す。
「んだよその手は?」
「知らんのか? 握手じゃよ」
「バカにしてんじゃねえぞクソが……ああ、お手て取り合って仲良くやってやんよクソ」
にこやかに笑顔を浮かべて右手を差し出した俺に対し、五条は不愉快さを隠すことなく言い放つが。
俺の挑発じみた物言いに、舐めんじゃねえと言わんばかりに大股で近付き手を差し出そうとして。
運命の悪戯かはたまた女神の気まぐれか、五条は盛大に躓き。
「ぬ?」
「へ?」
前のめりに倒れそうになった五条の右手が俺の乳房を鷲掴みにした。
その時確かに教室の中の空気が凍る音がした。
揉まれてアレな感覚はあるがそれ以上に混乱と衝撃が大きくて、何が起きたのか理解できない。
「この変態!」
「事故だ!クソが!?」
慌てて右手を俺の胸から離すと同時に慌てて身を離す五条、一手遅れて放たれる静の貫手。
そのまま五条は怒りで耳を後ろに倒し、尻尾をパンパンに膨れ上がらせた静に追いかけられる形で教室を飛び出していった。
残されたのは俺と、まだ教室に残っていた僅かなクラスメイトである。
「賽目く……とりあえず賽目さん。自分の体を大事にしてね?」
「うん、五条くんとかに何かされたらあたし達にも言って、力になるから」
「う、うむ?」
とりあえず両手で胸を押さえながら椅子に座って困惑を沈めている俺に対し、残っていた女子達が近寄り口々に励ましの言葉をかけてくれた。
凄い、何が起きてるのか俺自身さっぱりわからない。
だが確実に言えることは遥か彼方で静に捕獲された五条が、断末魔の声をあげている事くらいであった。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)