幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
なお時間経過により、少しずつ透くんは浸食されている模様。
時が流れるのは早いもので季節は夏となり。
高温多湿に定評のある我が地元では……。
「暑いよぅ……」
「相変わらず暑さに弱いのう、小狐は」
「透だってそうだったのにぃ」
「今の妾には暖かいぐらいじゃわい」
教室の机で静がぐったりとする時期が訪れていた。
ふわふわした耳や尻尾の影響か静は暑さに弱い、その代わりと言っては何だが寒さには強いのだが……今の時期はコイツの活動能力は著しく低下する。
唯一活動能力が変わらないのは、常に気温等が一定なダンジョンの中か冷房の効いた室内ぐらいだ。
そして俺達が通う中学校にもエアコンこそあるが、悲しい事にそんなに稼働していない。
「昼前の体育の授業は水泳じゃろう、そこまでの辛抱じゃ」
「水泳は水泳で嫌だなぁ、お湯ならいいのに」
「難儀じゃのう」
「透こそ……水着着るの嫌がってたけど、今日は水泳の授業出るの?」
いつもの活発な様子は何処へやら、ぐったりとした静の様子に俺は肩を竦める。
まぁ水泳の授業に関して俺も思うところがないわけではない、それは事実だ。
しかし……。
「アレから時折ヤニクロの被写体になっておるからのう、なんかもう今更のように感じておるのじゃ」
「最初に着替え買いに行った時から、すごい変わりようだね」
「これには深い理由があるのじゃ……」
具体的には被写体になる事がクエスト扱いなのかは知らないのだが、キャラ開放ポイントがそこそこ入る。
魔物をぶち転がしたり依頼を完遂する以外にもポイントを稼ぐ手段となるなら、断らない理由もなくなったというわけだ。
決して可愛い服を着たり、写真を撮られるのが楽しくなってきたわけじゃない。
ちなみに心象空間の中の爆乳巫女狐がニマニマ笑っていたが、とりあえず腹が立ったので乳にビンタしておいた。
「おい聞いたか……」
「ああ、賽目の水着がとうとう解禁だと……?!」
ついでに俺らの話を盗み聞きしていた男子生徒達が色めき立っている、正気に戻れ御前ら中身は俺だぞ。
ちなみに水泳の着替えもプールサイドにある職員用のロッカーを使う事になっている、その辺りの扱いはデリケートなままだ。
「賽目くん、体育の授業の時凄いよね」
「うん、バレーの時なんて自前のボール二つあるんじゃないかってぐらい」
「狐森さんと並ぶと絵になるよね」
ついでに女子からの囁きも耳に入る。
急遽女体化した元男子生徒など女子から見たら排斥の対象になると最初は思っていたが、思った以上に受け入れられている。
中には眼福眼福と拝む女子がいるほどだ、それでいいのかこのクラス。
「あ、賽目さんが表紙のヤニクロの最新号私も買ったよー。凄い奇麗に着こなしてたじゃん」
「仕立ての腕が良かっただけじゃ、妾は指示通りに動いただけに過ぎぬ」
「それであの写真でしょー? もうほんと、羨ましい通り越してご利益に縋りたくなるわ」
更に言うと最近は女子の間で、俺の尻尾をなでると美肌の加護があるとか言って撫でまわされるのが流行っている。
なんかこう不思議な感覚が走るからやめてほしいと言いたいが、手つきにいやらしさも感じないしなすが儘になる今日この頃だ。
「鱗とか剥がれたら貰っていい?」
「別に構わぬが、だからと言って無理に剥がすでないぞ」
「勿論、そんなコンプラ違反なことしないって!」
女子達にきゃーきゃー言われながら尻尾を撫でまわされる俺は、もはやあきらめの感情を浮かべてそう告げるのであった。
あ、冬になるたびに女子に尻尾をもふられ倒してる静がこっちに同情的な視線向けて来てる。
なお、その後の水泳の授業では。
立っているので立ち上がれない男子が続発、クラスの男子達は女子からゴミを見る目で見られる事態が発生するのであった。
ついでに俺のローブ姿を大分見慣れている五条と四辻は、そんなクラスメイト達の様子を見て鼻で笑い平常心を保っている益荒男の根性を見せたことを追記する。
アレから素行を改めてクラス内評価も向上しているチンピラ二人であるが、ある意味最もクラスからの尊敬を集めた瞬間だったかもしれない。
「……男ってのはどうしようもないものじゃのう」
「透、自分が一応男だったこと覚えてるよね? 大丈夫?」
「は!?」
後本格的に急がないとやばいかもしれん。
主に俺の元男的なアイデンティティなあれやそれが。
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そんなわけでいつものように終業後ダンジョンに潜ったりなんやりをして一日を終えた俺は。
寝入る事で立ち入ることが出来る、心象空間のTRPG部屋で必死こいて作戦を考えていた。
「喜ぶが良いぞ、この前のヤニクロ撮影会で500ポイントも入った。今のところ借金は-4000ポイントぐらいまで目減りしておる」
「5月ごろで-7000だった事思えば、7月でこれなら格段に速いペースじゃのう」
俺は爆乳狐巫女が告げたポイントに、ただひたすらダンジョンに潜る事に比べかなり早いペースでポイント借金を返せている事に安堵のため息を漏らす。
ダンジョンにひたすら潜るだけだった時は、古戦場跡ダンジョンを主戦場にしても月1000ポイントだった事を思えばかなり速いペースだ。
ただ、なんだろう、こう、色々と擦り減らしてる気がしてしょうがない。
「いいじゃろ別に減るモンでもないし、お主だって性癖丸出しボディ見られて楽しんでおるじゃろ?」
「戯けた事抜かすでないわ!」
ちなみに俺の姿は心象空間内でもドスケベドラゴンボーン……ディーヴァの姿のままだ。
せめてこの中だけでも元の姿に戻りたかったモノだが、ポイント借金の枷は思った以上に強いらしい。
「それに雑誌に載るようになって、変な輩に声をかけられる事が増えて鬱陶しい……!」
「有名税というやつじゃの、この前はダンジョン配信者にも絡まれたしの」
そう言う輩が居るという事は聞いてはいたが、まさか自分達が絡まれるとはあん時は夢にも思わなんだわ。
無駄に洗練された無駄のない無駄な動きで俺の胸に触れようとしてきたしな、触る前に静の太刀で弾かれて凄まじい悲鳴を上げておったけど。
あの時静は咄嗟に刃を翻して峰打ちしておったけど、一歩間違えたらアヤツの腕飛んでおったよな……。
「元々迷惑系だったのがとうとうやらかしたという事でお縄になっておったが、生放送しておったのが痛かったのう」
「しばらくはまともにダンジョンに入る事も叶わんくなったしのう……あれがなければ、借金をもう1000……いや500は減らせておったのに」
しかもあの野郎、言うに事欠いて静の事をバカにしたからな。
五条と四辻が必死に止めてくれなんだら、アヤツの事灰も残さず焼き尽くしておったかもしれん。
「……これ、妾がもとに戻っても平穏とは無縁じゃよな?」
「少なくとも、ネットに映像がある限りは何処に行ってもついて回るじゃろうて」
「ぐぬぅ」
派手に活動するクロウラーが取り沙汰されるのはまぁ、しょうがないとはいえ。
このような形で取り上げられて話題になるのは非常に都合が悪い、ぶっちゃけ変なのが邪魔過ぎる。
古戦場跡ダンジョンの顔見知りになった、普通に潜ってる人たちなんかはめっちゃ紳士的なんだけどなぁ。 視線は胸に固定されてるけど。
なんかもう胸をガン見される程度なら、一周回って紳士的に感じるようになる辺り大分俺も擦れてきたかもしれん。
「うーむ……今の進み方なら、うまくいけば今年以内には男に戻れる展望もある。とはいえのう……」
「されど男に戻って解禁済みのレオスを使えるようになっても、ディーヴァの時ほど殲滅力はないぞ?」
「殲滅力が全てじゃないとはいえ、今の編成でレオスに戻っても効率が良くないのが難点なんじゃよな」
爆乳狐巫女の言うように、借金ポイントさえ返せればあの時戦闘不能になったレオスも使えるようになる。
レオスでコツコツ稼ぐのもいいだろうし、戦略だって練り直せばいい……とはいえ、今の編成でそれをするのも不義理に感じる。
かといって、ディーヴァを使い続けるというのは別の意味でリスクが高い。
今はポイント借金の影響でウィザードレベル10相当に落ち着いているが、本来はメテオスウォームすら詠唱可能なウィザードレベル20のハイエンドキャラなのだ。
実力を隠すと言っても限度があるだろうし、隠しきれると考えるのは大分楽観的な見方が過ぎる。
「……対策が必要かのう」
「まぁ対策が必要も何も、変なものが集まる原因はお主がポイントに釣られてホイホイ被写体になったのが原因じゃが」
「ここまで変なのが寄ってくるのは、流石に読めぬわ」
「股間の欲棒のベクトルの強さを見誤ったのう」
「やかましいわ」
俺の言葉に情け容赦なく突っ込みを入れてくる爆乳狐巫女。
その言葉に睨みながら抗弁すれば、やかましいとしか言いようのない事を抜かしてくる。しばくぞ。
「しかし対策と言っても……ああ、アヤツがおったのう」
「うむ、電脳なら何でもござれな凄腕ハッカーがな」
「そして性癖丸出し」
「やかましいわ」
やかましいわ(震え声)
ちょっと刹那主義者の愉快犯的ハッカーなだけじゃい、胸は大きいけど。
て、今更だがふと気づいたぞ。
俺は別に各TRPGでキャラ一人しか作らないなんて、そんな縛りプレイはしていない。
なんなら、ダンジョンズ&ドレイクでも色んなキャラを作っているし、ブレードワールドも同様だ。
「ようやっと気付いたか、別に一つのシステムで一人という縛りはないぞ?」
「ソレを早く言わぬか」
「そもそも現状でソレを聞いてどうするつもりじゃ、今はポイント借金で首も回らぬじゃろうが」
「ぐぬぅ」
爆乳狐巫女の言葉にぐうの音も出ないありさまだが、とても重要な情報が聞けた。
状況によっては必要な能力を持つ、安く開放できるキャラクターを使う余地があるという事である。
しかしそうなると別の疑問が湧いて出る。
「じゃがそうなると、何故妾……ディーヴァはあの時自己主張をしておったのじゃ?」
「んー、恐らくじゃがお主が前世で最も長く使用したキャラというのが大きいんじゃろうな」
「最初に開放したのが、人生初使用キャラであるレオスだった時のような。そういう繋がりかの」
「多分そうじゃ」
長く使ったキャラクターはPLにも影響を与える事があるが、PLの危機にキャラクターが反応したとかそういう事だろうが。
……いや、もしかすると。
「……存外、封印されているキャラクターシート全員に自我があったりしてのう」
「言動や行動に影響を与えていることを考えるに、無いとは言い切れぬのが恐ろしい話じゃのう。見てる分には楽しいがの」
と言うかどう考えても、現在進行形で他人事のようにケラケラ笑っているこの爆乳狐巫女も大分怪しい。
質問すれば大体答えるし嘘は言わないが、聞かないと答えない。
そうかと思えば俺が死ぬ一歩手前になったあの時は、心の底から慌てる様子を見せていた。
「……お主は一体、何なんじゃろうな?」
「我は汝、汝は我なのじゃ」
「それはもう良いと言っておろうに」
だけど確実に言えることは、こいつは真正面から聞いてもこの事に関しては真実を答えないという確信であった。
いつか化けの皮剥いでやる、けど今はまずは一刻も早く男に戻れるよう努力せねば……。
当初は色々言い寄られたりーの、迷惑配信者にからまれーのって話を書いてたんですよ。
ただこう、書いててストレスがたまるので、大胆にカットしました。
そう言う展開が好きな人は、ごめんね!!
お詫びにAI画像生成ツール君のケツ引っ叩いて描かせた、ドスケベ女体ドラゴンの水着姿をこちらにご用意しました。
【挿絵表示】
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)