幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
蜥蜴先生と臨時でマッチアップした透達の運命やいかに。
ハプニングというか何と言うか、着替えで問題が起きる事もなく。
更衣室から出た俺と静は既に準備済みとなり、半裸に槍と盾というスパルタスタイルとなっている蜥蜴先生と合流。
「課外授業になるが賽目と狐森、発生したばかりのダンジョンで注意しないといけない点をそれぞれ一つずつ答えろ」
「ふむ……魔物の種類や傾向が不明である為、逸って突撃してはならぬ」
「それと、発生直後は入り口から魔物が大挙してやって来る事が多いから、まずは迎撃から始まるんですよね」
「その通りだ二人とも」
俺達二人の回答に満足したのか蜥蜴先生は頷きながら歩みを進める。
ついでに周囲の第一陣として待機しているクロウラーの人達も頷いてる辺り、大事な要素なのは間違いないようだ。
「む、そうだ教諭殿。竜精霊を召喚する故そちらも盾として活用してほしい」
俺は周囲の人達に軽く頭を下げ、広めにスペースを作ってもらいサモンドラゴンスピリットの魔法を詠唱。
確保してもらったスペースに、4~5mほどのドラゴンの精霊を召喚する。
既に今までの冒険で何度も酷使してきた俺の大事な戦力であり、ダンジョン探検中の足でもある便利精霊くんだ。
「ドラゴンの召喚?!」
「マジかよあの女の子、どんな才能もちだよ……」
「見た目抜きにしても、うちのパーティに入ってくれねえかな」
周囲からの畏敬と称賛の言葉がこう、ディーヴァとしての意識が強く出ている俺の自尊心をくすぐる。
無意識にふふん、と胸を張ってどや顔する俺であるが蜥蜴先生からの視線に咳払いして慌てて気を引き締める。
『皆様ご協力いただき誠にありがとうございます、ただいまより発生したダンジョンの口が開きます。怪我を負われた場合は後ろに下がり駅員より治療を受けてください』
駅構内にアナウンスが響き渡ると共に駅構内にダンジョンの入り口が実体化、それはまるで線路の間をこじ開け大きく口を開いた獣の咢のようであった。
そして、ダンジョンの口から様々な異形の魔物が飛び出てくる、カメラや撮影機材のようなモノが顔にこびりついた人とも言えない嫌悪感を誘発する姿だ。
「駅構内に発生だからもしやと思ったけど、獲り鉄ダンジョンかよ……!」
「……獲り鉄ダンジョン?」
「知らないのか姉ちゃん、車両撮影に命を燃やし過ぎて命を落とした怨念が作り出すと言われるダンジョンだ。最近は減ったって聞いたんだけどな……」
なんつうキワモノダンジョンだよそれ。
撮り鉄が変容して、命を獲る鉄になるとか大分頭おかしいだろオイ。
「じゃがまとまって出てくるなら好都合じゃ、焼却されるが良い!」
一瞬対応が遅れたがまだ距離はある、駅構内への多少の被害は許容されるのをいいことに俺はファイアボールの魔法を展開。
こちらに向かって押し寄せようとする魔物の集団めがけて、燃え盛る業火を放り込み大多数を一斉に巻き込んで吹き飛ばす。
だがそれでも魔物は足を止めることはないのだが、その足は半ば強制的に止められた。
「グォォォォォォォォ!!」
敵の注意を引き寄せる為に凄まじい咆哮を挙げながら蜥蜴先生が盾を構えて突進し、爆発の中から現れた火傷塗れの魔物をシールドバッシュで木っ端微塵に吹っ飛ばすと。
後続の敵めがけ、五条でもまともに振れなさそうな豪槍を右腕の筋力のみで振り回して薙ぎ払いまとめて叩きのめす。
「流石熟練と言った所か、あの領域まで到達するにはどれほどの研鑽を積んだのやら……」
思わずそんな感想が湧き出る俺であるが、既に静もまた尻尾を翻しながら他の前線クロウラー達と同様に前衛へと飛び出し。
カメラの三脚のようなものを振りかざしてくる魔物の一撃を太刀で弾くと、返す刃で魔物の首を一太刀で斬り飛ばした。
「呆けてはおられぬのう、妾もやる事をせねばならぬな」
混戦状態となった前線めがけて、翼を広げたドラゴンスピリットを突進させ蜥蜴先生達が戦っている地点よりも更に奥の魔物が犇めいている場所に着地させる。
その際に幾つかの魔物を圧し潰させた後は爪や尻尾をフル活用しての、周囲に存在する魔物をひたすら薙ぎ倒し続けるよう命令を出す。
多数の魔物は蜥蜴先生のシャウトによって引き寄せられたのか蜥蜴先生に集中、後続の魔物達はドラゴンスピリットを囲む形となっていて攻めあぐね。
蜥蜴先生のヘイト誘導に釣られなかった複数の魔物は、遊撃している静や隊列を組んだほかのクロウラー達で処理される形となる。
一方で妾を含めた後衛クロウラーがただ眺めているだけでは勿論なく。
遠距離武器を持つシューターは前衛に当たらないよう位置取りを気を付けながら射撃を繰り返し、回復魔法を使える後衛は時折前衛から下がってくる人物に治療を施すか……。
距離が離れた相手も治療が出来るクロウラーは、最前線でヘイトを取り続けている蜥蜴先生に治療の魔法を施している。
「ねえ……あなたが召喚したドラゴンちゃんは治療しなくても大丈夫なの?」
「うむ、アレは精霊じゃからな。治療せんでもよいのじゃ」
「そうなんだ……」
ついでに最前線奥地でヘイトを取り続けている俺が召喚したドラゴンスピリットはいいのかと聞かれるが、放っておいて問題ないと答えるとちょっとびっくりした顔をされた。
何だろう、無慈悲に精霊をこき使っているとかそんな風に思われたのだろうか?
「む、更に奥から湧いてきそうじゃの……」
こちらが押し込む形で推移していた戦闘だが、ボスと思しき魔物が取り巻きを伴っての集中攻撃を行いドラゴンスピリットが轟沈。
一時的に前線への圧力が増大してしまう。
「再召喚するとするかのう……」
だがしかし、テイムしたモンスターとかならいざ知らずLv5魔法スロットが残っている限りいくらでもドラゴンスピリットは召喚可能。
と言っても現在俺のLv5魔法スロットが2個しかないので、実質これで打ち止めとなるが敵をせき止めるフォースウォールや、上位スロットで威力増強した攻撃魔法を無理に使うよりこっちの方が効率が良いだろう。
「本当に召喚された……」
「ちょっとこう女王様チックで、あの女の子いいよな……」
ついでに後衛の男連中、多分ドMの気がある連中の鼻息が荒い気がするが気のせいだろう。
俺は視線から逃れるように再召喚したドラゴンスピリットの背に跨ると、それほど高く飛べないが射線確保はできそうなぐらいにドラゴンスピリットを飛行させ杖を構える。
「大丈夫ですか?!」
「わりぃ……」
「下がってください!ここは支えますから!」
相変わらず蜥蜴先生が大多数の戦力を押し留め、盾による一撃や槍の薙ぎ払い、更には凄まじい風切り音と共に振り回した尻尾まで使って魔物を蹴散らしている。
だがそれでも数が多いのか溢れる魔物達が少しずつ圧力を高め、前衛に疲労や怪我が増加していく。
今も静が敵の攻撃で膝をつきそうになったクロウラーを庇う為に敵の攻撃を弾き、怪我人を気遣いながら敵を一匹ずつ減らす事に尽力している。
少しだけ前衛が下がってくれれば、空からファイアボールで一気に減らせそうなのだがと考えていたその時、敵の一団を捌いていた蜥蜴先生が俺の位置に気づいたのか声を張り上げた。
「前衛! 後衛手前まで後退しろ!」
そう叫ぶと共に蜥蜴先生は尻尾を振り回して敵を薙ぎ倒すと、床に大きな足跡が残る勢いでバックステップを行い後退。
続いて蜥蜴先生の声に釣られるように、静を含めた前衛たちが大急ぎで後衛の手前付近まで後退を開始する。
「感謝するぞ教諭殿……まとめて吹き飛ぶが良い、下郎共!!」
魔物をせき止めていた前衛の後退と共に前進しようとする魔物の群れめがけて俺はファイアボールを発射。
狙い済ました業火の一撃は寸分違う事なく狙った地点に着弾し、壮絶な大爆発を引き起こす。
だが俺は即座に次のファイアボールの詠唱を始める、ボスはこの一撃で消し飛ぶとは思えなかったし。
それならば前衛に接触するまでに、大打撃を与えられるだけ与えておこうという目算だ。
結論から言おう、射線を遮るものがない空中からのファイアボール2連発の一撃はボス以外の取り巻きを含めた大半の魔物を吹き飛ばす事に成功。
生き残ったボスも割とボロボロになっており、蜥蜴先生を含めた前衛組によって特筆するような事もなく討ち取られる結果に終わった。
「賽目と狐森、お前は授業で全く本気を出していなかったのだな……」
「この姿で出来ることをやっただけじゃよ」
「え、ええと、そういうつもりでもなかったんですけど……」
「咎めているわけではない、だがお前の実力なら進学は問題ないだろう」
流石にダンジョンの中まで入る事は蜥蜴先生から許可が下りなかった為、俺達は一足先に撤収して着替え……待合室にて先生からの奢りで買ったジュースを飲みながら話し合いをしていた。
「そうなのですか? この子達から話は聞いてはいたのですけどそんな凄いんですね……」
「はい、今回のケースでも賽目と狐森は自身にできることを最大限やっておりました。周囲との連携についても中学レベルであそこまで出来るなら、問題はないでしょう」
「むふー」
「えへへ……」
そんな蜥蜴先生の言葉に母さんは、アンタ達凄いのねえと呑気に呟きながら俺と静の頭をぐりぐりと撫でる。
内心俺は恥ずかしかったが認められた喜びに鼻息荒く喜びを露にし、静もまた恥ずかしそうにしながら尻尾をぱたぱたと振って喜びを表現していた。
「ただ今回のダンジョンは思った以上に規模が大きかったので、恐らく今日中の復帰は難しいと思われます。私も高速バスでも今からチケットを取って……」
しかしそれはそれ、と言わんばかりに現場の状況から数時間以内の復旧はおそらくは見込めないことを蜥蜴先生は母に伝えようとしたその時。
駅構内にアナウンスが響き渡る。
『この度はダンジョン制圧にご協力下さり誠にありがとうございます。ご協力頂いたクロウラーの方へお礼とチケットの振り替えのお話がございます、お近くの窓口までお越しください』
アナウンスの内容に母さんは溜息を吐いて荷物を持って立ち上がり、俺と静もそれに続く。
最終的に蜥蜴先生の言う通り本日中の新幹線の再開は難しいという話であったが、嬉しい事もあった。
今回のお礼として目的地である駅までの振り替え輸送として、新幹線チケット代よりも更に高額なゆったりと座れる高速バスの振り替えを提案されたのだ。
ちょっとしたリムジン気分を味わえるらしいソレに母さんはウキウキで、新幹線からの振り替えを受け入れ。
ついでに俺と静は学生が受け取るには大分高額な、クロウラーアプリへのポイント振り込みを受け取って両手を挙げて喜びの声をあげるのであった。
結局安全の確認やらなんやらで、新幹線開通ならず。
次善策としてかなりお高い高速バスに振り替えする形で乗れるようになったのでした。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)